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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成30年1月4日安倍内閣総理大臣年頭記者会見

 
テロップ版手話版(政府インターネットTV)

【安倍総理冒頭発言】

 皆様、明けましておめでとうございます。
 平成30年の始まりに当たって、先ほど伊勢神宮を参拝いたしました。第2次安倍内閣発足以来、6度目の新年を迎え、まず冒頭、これまでの国民の皆様の御理解と御支援に心からの御礼を申し上げます。
 家族が集う年末年始も、遠く離れた海の大動脈、アデン湾で海賊から世界の船を守る諸君がいます。海上保安庁の諸君は、そして自衛隊、24時間態勢で我が国の領土、領海、領空を守るため、今、この瞬間も全力で任務に当たっています。そして日本海に展開するイージス艦の上で、また、それぞれの基地で北の空をにらみながら、北朝鮮の脅威に備える自衛隊の諸君。その強い使命感に、そして責任感に対して、改めて敬意を表したいと思います。
 昨年、北朝鮮は、核・ミサイルによる挑発行動を一方的にエスカレートさせました。我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しいと言っても過言ではありません。いかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしは守り抜く。従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力の強化に取り組んでまいります。同時に、北朝鮮の政策を変更させるため、これからも国際社会と連携して、力強い外交を展開する。昨年の総選挙での国民の皆様からの信任を大きな力に、本年も毅然とした外交を進めてまいります。
 本年は、明治維新から150年の節目に当たります。幕末、植民地支配の波はアジアにも押し寄せました。その大きな危機感が日本人を奮い立たせ、私のふるさと長州では、松下村塾に、身分にかかわりなく、多くの若者たちが集いました。武士、農民、町民、それまでの地位や立場に関係なく、志を持った人々が全国各地で立ち上がり、明治国家建設の大きな原動力となった。初代内閣総理大臣の伊藤博文は、もともとは農家の出身であります。
 草莽崛起(そうもうくっき)、あらゆる日本人の持てる力を結集し、近代化を一気に推し進めることで先人たちは独立を守り抜き、国難とも呼ぶべき危機を克服しました。
 今また我が国は、少子高齢化という国難とも呼ぶべき危機に直面しています。しかし、必ずや克服できる。高齢者の皆さんも、出産や育児を機に仕事を辞めた女性の皆さんも、かつて何らかの事情で高校に進学できなかった方々も、障害や難病のある皆さんも、全ての日本人にチャンスあふれる一億総活躍社会をつくり上げることができれば、我が国の輝かしい未来を切り開くことができる。私はそう確信しています。
 人口が減少する日本はもう成長できない。6年前は、日本には悲観論ばかりがあふれていました。しかし、5年間のアベノミクスによって、生産年齢人口が390万人減少した中でも、雇用は逆に185万人増やすことができました。有効求人倍率は、北海道から沖縄まで、47全ての都道府県で1倍を超えています。これは高度成長期にも実現できなかったことです。
 名目GDPは50兆円以上増加し、過去最高となりました。内需主導の成長により、日本経済は今、20年近く苦しんできたデフレから、脱却への道のりを確実に前進しています。未来は変えることができる。全ては私たちの意思と行動に懸かっています。
 本年、働き方改革に挑戦いたします。正規、非正規、雇用形態にかかわらず、昇給や研修、福利厚生など、不合理な待遇差を是正することで、多様な働き方を自由に選択できるようにします。長時間労働の上限規制を導入し、長時間労働の慣行を断ち切ります。ワーク・ライフ・バランスを確保し、誰もが働きやすい環境を整えてまいります。70年に及ぶ労働基準法の歴史において、正に歴史的な大改革に挑戦する。今月召集する通常国会は、働き方改革国会であります。子育て、介護など、それぞれの事情に応じた多様な働き方を可能とすることで、一億総活躍の社会を実現してまいります。
 1年前、酉(とり)年の年頭に当たって、私はこの場所で、酉年は、しばしば政治の大きな転換点となってきた、そして、変化の1年となるが、大切なことはぶれないことだと申し上げました。少子高齢化を克服するため、そして、一億総活躍の社会を実現するために、我が国の社会保障制度を全世代型へと大きく転換していかなければならない。その揺るぎない決意の下に、昨年は解散総選挙を断行しました。そのときにお約束したとおり、消費税の使い道を見直し、2兆円規模の財源により、子供たちの未来に大胆に投資します。人生100年時代にあって、いくつになっても、誰にでも学び直しとチャレンジの機会を確保いたします。
 2020年、さらにその先の未来を見据えた日本の新しい国づくりに向けて、私たちは今、大きな一歩を踏み出しました。本年は戌(いぬ)年です。60年前の戌年は、高度成長時代の幕開けを告げる東京タワーが完成した年です。48年前の大阪万博では、動く歩道、携帯電話、コンピューター制御の自動車、リニアモーターカー、科学技術がもたらす未来社会の姿に多くの日本人が心を躍らせました。
 相場の格言に「申(さる)酉騒ぐ、戌笑う」という言葉がありますが、騒がしい酉年の次にやってくる戌年は、これまでも人々が笑顔に包まれる年、次なる新しい時代への希望が生まれる年となってきました。来年に向かって私たちがどのような国づくりを進めていくのか。この国の形、理想の姿を示すものは憲法であります。戌年の今年こそ、新しい時代への希望を生み出すような憲法のあるべき姿を国民にしっかりと提示し、憲法改正に向けた国民的な議論を一層深めていく。自由民主党総裁として、私はそのような1年にしたいと考えております。
 犬の嗅覚は人間の1億倍とも言われています。どんなに遠い道のりでも、その鼻で自らの進むべき道をしっかりと見つけ出すことができます。聴覚も優れており、その耳で人間には聞こえないような音も聞き取ることができるそうであります。私も声なき声にしっかりと耳を傾けていく。これまで以上に感覚を研ぎ澄ませて、我が国の進むべき道をしっかりと見定めながら、国民の皆様と共に新しい国づくりを力強く前に進めていく決意であります。
 最後となりましたが、本年が国民の皆様にとりましてすばらしい1年となりますことを心から祈念いたしまして、私の年頭における所感とさせていただきます。
 私からは以上です。

【質疑応答】

(内閣広報官)
 それでは、皆様からの御質問を頂きます。
 御質問をされる方は、所属とお名前を明らかにした上でお願いしたいと思います。
 初めは、内閣記者会の代表の方からお願いいたします。

(記者)
 フジテレビの山田と申します。どうぞよろしくお願いします。
 今年の通常国会では、自民党が憲法改正の発議を目指し、与野党の議論を加速させていく方針だと伺っています。自民党内には今年中の国会発議を求める声がありますが、総理は憲法改正に向けて国会でどのような議論、そして、成果を期待されますでしょうか。また、秋には自民党の総裁選挙も控えていますが、総理の出馬への意欲をお聞かせください。

(安倍総理)
 憲法は、国の未来、理想の姿を語るものであります。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の基本理念は今後も変わることはありません。その上で、時代の変化に応じ、国の形、在り方を考える、議論するのは当然のことだろうと思います。大いに議論すべきだと考えています。
 そこで私は、昨年の5月、それまで停滞していた議論の活性化を図るために一石を投じました。事実、その後、党内での議論は活発になったと思います。具体的な検討は党に全てお任せしたいと考えています。
 もとより憲法改正は、国会が発議し、そして、最終的には国民投票によって、国民の皆さんの意思によって決まるものであります。それが通常の、他の法案とは大きく違う点であります。各党における、今後ですね、憲法調査会において活発な、建設的な議論が行われ、そして、具体的な案を持ち寄りながら議論が進んでいく。その中で国民的な理解も深まっていく。スケジュールありきではありません。与党、野党にかかわらず、広い合意が形づくられることが期待されています。
 総裁選についての御質問がございましたが、総選挙において生産性革命、人づくり革命を行っていく、こうお約束をして、国民の信任を得ました。それを実行していくことが私の最大の責任であります。
 通常国会においては、集中して、通常国会においてもこうして結果を出していくことに集中していきたいと考えています。その先のことは、またその上で考えたいと思っております。

(内閣広報官)
 それでは、次の質問は、三重県の県政記者クラブの代表の方からの質問とさせていただきます。どうぞ、お名前と所属をお願いいたします。

(記者)
 三重県政記者クラブを代表いたしまして、幹事社三重テレビ放送の坊農と申します。総理、新年おめでとうございます。
 さて、去年10月、台風21号がありまして、三重県内にも甚大な被害がありました。地震、津波のみならず、今後、風水害への対策の重要性を再認識させるものでした。今後、国としての風水害対策強化の方針をお聞かせください。

(安倍総理)
 昨年は、7月の九州北部豪雨、10月の台風21号など、各地で過去に例を見ないような大雨が降り、風水害による甚大な被害が全国各地で発生しました。また、三重県も、我が国でも非常に雨の多い地域の一つです。台風シーズンになれば、三重県の皆さんも不安な思いで過ごしておられるのだろうと思います。
 この災害に対して、防災・減災対策は、我が国にとって焦眉の急であると考えています。政府としては、河川の氾濫を防ぐ対策に加え、氾濫した場合にも被害を軽減する対策や、水害リスクや、とるべき避難行動の住民への周知などの総合的な取組を地方自治体と一体となって推進をしております。
 この三重県においても、鈴木英敬知事を始め、三重県、地方自治体、各市町村、皆さんとも連携しながら徹底していきたいと考えています。
 特に昨年、中小河川において水害が頻発したことを受け、全国の中小河川において氾濫の防止、土砂の流出や流木の抑止、水位の監視強化の3つの対策を今後おおむね3年間で緊急的に実施してまいります。
 三重県では、8つの土砂・流木災害の危険性が高い渓流や、181か所の浸水の危険性が高い地点等が対象になっているものと承知しております。伊勢市を流れる五十鈴川(いすずがわ)の堤防も強化してまいります。今後も国民の生命と財産を守るために、これまでの災害で得られた貴重な教訓をいかし、ソフト、ハードを組み合わせて、防災・減災対策に万全を期してまいります。

(内閣広報官)
 それでは、再び、内閣記者会の代表の方から御質問を頂きます。

(記者)
 引き続き、よろしくお願いします。
 年を越えてもなお、北朝鮮情勢は緊迫の度合いを増しています。こうした状況の中、アメリカ、中国、ロシアなど関係国と連携するため、総理は外交面でどのように指導力を発揮していくお考えでしょうか。
 関連して、昨年中の開催を目指していた日中韓の首脳会談は、いつごろの開催を目指すお考えでしょうか。お聞かせください。

(安倍総理)
 北朝鮮の核・ミサイル開発は、これまでにない重大かつ差し迫った脅威であります。我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しい状況であると言っても過言ではないと思います。北朝鮮が我が国を始め、国際社会の平和的解決への強い思いを踏みにじり、挑発行動を繰り返していることを断じて容認するわけにはいきません。
 我が国が安保理議長を務めた昨年12月に、北朝鮮問題に関する安保理閣僚級会合を開催しました。そして、昨年11月にトランプ大統領が来日した際、北朝鮮に対する圧力を最大限まで高め、北朝鮮の政策を変えさせていくということで完全に一致しましたが、この基本的な考え方にのっとって、日本が議長国として、この閣僚級会合において、核武装した北朝鮮は断じて受け入れられない、いかなる挑発行動にも屈することなく国際社会で一致結束して北朝鮮への圧力を最大限に高め、北朝鮮の政策を変えさせなければならない、この考え方において、国際社会の意志が改めて明確に示されることになりました。
 このような国際社会の意志を具体的行動で示すため、石油精製品の供給を昨年と比べ9割削減するなど、制裁措置を前例にないレベルにまで一層高める安保理決議が、中国やロシアも賛成し、全会一致で採択されました。1月、2月と寒さが一層厳しくなっていく中、北朝鮮における制裁の効果を注意深く見極めてまいります。
 北朝鮮には本来、勤勉な国民がいて、豊富な資源があります。正しい政策さえとれば、国民をもっと豊かにできるはずであります。北朝鮮の政策を変えさせるために、日米、日米韓でしっかりと連携し、そしてまた、中国やロシアを含む関係国とも緊密に連携しながら、安保理決議の完全な履行等を通じて、国際社会全体で北朝鮮への圧力を高め、北朝鮮の核・ミサイル、そして、何よりも重要な拉致問題の解決に向けて全力を尽くしていく考えであります。
 日中韓サミットについては、お互いの都合のいい、そして、できるだけ早く、早期に開催したい。できるだけお互いに都合のいい時期に、できるだけ早期に開催したいと考えております。現在、中国と、そして韓国と調整を行っております。

(内閣広報官)
 それでは、次に、最後の質問にさせていただきます。三重県県政記者クラブからお願いいたします。

(記者)
 毎日新聞の井口と申します。よろしくお願いします。
 リニア中央新幹線の入札不正を東京地検特捜部が捜査中ですが、2016年の参院選で安倍首相自ら前倒し開業も表明された名古屋-大阪間を含めた工期スケジュールに変更はあるでしょうか。お聞かせください。

(安倍総理)
 リニア中央新幹線は、日本が世界に誇る世界最先端の鉄道技術です。東京から名古屋へは40分、大阪からは25分程度。もし、これが完成すれば、伊勢神宮にももっと短時間で参拝できるようになります。工期については、9年後の名古屋までの開業を目指し、工事が進んでいます。また、大阪までの全線開業も財投を活用し最大8年間前倒しを可能としました。
 なお、工事の受注において不正があったとされる件については、先日、石井国土交通大臣より東京地検による捜査の進捗状況を見守っている段階であり、現時点では中央新幹線の工事や開業時期への影響についてお答えする段階にない旨、お答えしているものと承知しています。
 その上で、リニアと新幹線による高速鉄道ネットワークを軸に、東京や大阪、名古屋がハブとなって、日本全国、北から南まで、地方と地方をつないでいく地方創生回廊をつくり上げ、全国を一つの経済圏に統合することで、地方に成長のチャンスを生み出していく決意であります。その決意には変わりはありません。

(内閣広報官)
 ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、安倍内閣総理大臣の平成30年年頭記者会見を終わらせていただきます。
 皆様の御協力に感謝申し上げます。ありがとうございました。

(安倍総理)
 ありがとうございました。

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