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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成30年7月1日第5回RCEP中間閣僚会合 安倍総理スピーチ

 
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 RCEP(東アジア地域包括的経済連携)関係閣僚の皆様、ようこそ日本へお越しいただきました。心から歓迎いたします。
 「Asia is one」。
 明治時代の我が国を代表する思想家、岡倉天心は1903年、「東洋の理想」と名付けられた著書の冒頭に、この一文を記しました。しかし、当時のアジアはまだ一つと呼ぶには、あまりにも広大でありました。インドのボンベイで綿花をいっぱいに詰め込んだ船は、インド洋からシンガポールを通って太平洋へ、そして香港を経て日本の神戸に至るまで、1か月もの時間を要した時代です。
 それから1世紀。東京から飛行機に乗れば、インドまではたったの9時間。さらに、インターネットの世界では所要時間はほぼゼロになりました。広いアジアのどこにいても、フェイス・トゥ・フェイスで商談を行い、電子マネーの決済も一瞬で行うことができます。
 ですから、今こそ私は申し上げたい。
「Asia is one」。
 アジアは、必ずや一つになることができる。いや、未来をしっかりと見据えながら、アジアは一つにならなければならない。全ては、私たちの意志と行動にかかっています。
 RCEPの16か国を合わせれば、人口は世界の半分、GDPは世界経済の3割を占めます。巨大な潜在力を有している。この潜在力を大きく開花させることができれば、私たちは共に更なる繁栄を享受できるはずであります。
 その鍵は、自由貿易です。自由で公正なルールを打ち立てることで、この地域におけるヒト・モノ・カネの交流を飛躍的に拡大していくことが必要です。世界で保護主義への懸念が高まる中で、私たちアジア地域が一丸となって自由貿易の旗をしっかりと掲げ続けることができるかどうか。RCEP交渉には、これまで以上に世界から注目が集まっています。
 一致団結し、この地域に、自由でルールに基づく公正なマーケットをつくり上げようではありませんか。
 是非皆さんにはRCEPによってもたらされる輝かしいアジアの未来を想像していただきたい。それは、単に関税がなくなってモノのやりとりが活発になるというだけにはとどまらない、極めて野心的な未来像があります。
 電子商取引の自由なルールをつくり上げる。そうすることで、ヤンゴンの街中で観光客を相手にココナッツオイルを売ってきた小さな企業にも、インターネットを通じて35億人のマーケットという大きなチャンスが生まれます。
 知的財産をしっかりと保護するルールを整備する。そうすることで、オーストラリアで開発された最先端の血液検査キットを誰もが使えるようになる。素早く、簡単で、正確な診断が可能となり、35億人の医療の質の向上に大きく寄与するに違いありません。加えて、35億人の知恵を結集すれば、次なる革新的なイノベーションを起こすことも可能でしょう。さらに、そうしたアジア地域には、世界中からたくさんの投資や将来性豊かな優れた人材が集まってくるに違いありません。この地域の、世界の成長センターとしての地位は、私たちの子や孫の代に至るまで、確固たるものとなるはずです。
 この地域の、持続的で包摂的な経済成長を実現する大きな礎(いしずえ)となる。これこそが、正にRCEPであります。
 我が国は、TPP(環太平洋パートナーシップ)11の交渉をリードし、先日、批准に向けた国会承認を得ました。昨年末には、欧州とのEPA(経済連携協定)交渉も妥結しました。自由貿易の旗手として、自由で公正なルールに基づく経済圏を世界に広げるために、力を尽くしてまいりました。
 いよいよ次はRCEPであります。本日お集まりいただいた皆様と共に力を合わせ、この地域で、自由で公正なルールに基づく21世紀型の経済秩序を作り上げたい。その強い決意の下に、今回、我が国は多数国間のメガFTA(自由貿易協定)では初めて閣僚会合を主催することといたしました。
 RCEPの閣僚会合をASEAN(東南アジア諸国連合)以外の国が主催するのは、今回が初めてだと聞いております。しかし、アジア各国に頻繁に足を運び、各国との親交を深めてきた世耕大臣が共同議長でありますので、御心配には及びません。皆さんの気持ちはしっかりと分かっておりますので、どうか世耕大臣に、皆さんの本音を思う存分ぶつけていただきたいと思います。
 私は、これまで皆様の国のリーダーたちと首脳会談を行うたび、質の高いRCEPの早期妥結のための交渉加速化に向け、連携していくことを確認してまいりました。
 ASEANもまた、RCEPを今年中に妥結させる決意で、交渉に臨んでいると伺っています。日本も、この地域の未来をしっかりと見据えながら、皆さんと共に、質の高いRCEPをまとめ上げていく決意であります。
 交渉の早期妥結に向けたモメンタムをいかすべく、本日の会合では閣僚の皆さんで力を合わせて、議論を大きく前に進めていただきたい。もう一度、申し上げます。
「Asia is one」。
 今回のRCEP閣僚会合が、アジアの輝かしい未来を拓く大きな一歩となることを心より祈念いたしまして、私の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

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