安倍内閣総理大臣記者会見

令和元年12月9日
 
テロップ版手話版(政府広報オンライン)

【安倍総理冒頭発言】

 本日、臨時国会が閉会します。この国会では、米国との貿易協定が承認されました。攻めるべきは攻め、守るべきは守る。この大きな方針の下、米国と交渉し、我が国にとって大切な米について関税削減の対象から完全に除外しました。日本の自動車に対し、米国は232条に基づく追加関税を掛けない。そのことも首脳会談の場で直接、トランプ大統領から確認を取りました。同時に、我が国の幅広い工業品について米国の関税が削減されます。さらに、牛肉輸出に係る低関税枠も大きく拡大するなど、正に国益にかなう結果が得られたと考えています。
 本年発効したTPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、欧州とのEPA(経済連携協定)も合わせれば、世界経済の6割、GDP(国内総生産)で5,000兆円を上回る自由で公正なルールに基づくマーケットが誕生します。その中心にいるのが正に日本です。これは、高い技術力を持つ我が国の中小・小規模事業者の皆さん、安全でおいしい食を支えてきた全国津々浦々の農林漁業者の皆さんにとって大きなチャンスです。この機をいかし、海外の新しい市場へのチャレンジを力強く後押しします。
 今国会では、農産物輸出拡大法も成立しました。海外の食品安全に関する様々な規制について緩和に向けた協議を戦略的に行うなど、新しい司令塔の下、省庁の縦割りを打破し、スピード感をもって取り組んでいきます。さらには、補正予算、来年度予算により、和牛、酪農の増産支援、水産業の競争力強化、スマート農業の導入・推進など、農林漁業者の皆さんの生産基盤強化に取り組み、若い人たちが未来を託せる農林水産新時代を切り拓(ひら)いていきます。
 地域経済の核である中小・小規模事業者の皆さんには、総枠3,000億円を上回るものづくり補助金、IT補助金、持続化補助金を活用し、生産性革命を一気に加速します。そのことによって賃上げの流れを一層力強いものとしてまいります。
 この国会では、コーポレートガバナンスを強化するための会社法の改正案も成立しました。国際スタンダードに沿った経営を強化することで、日本企業の国際競争力を更に高めてまいります。
 少子高齢化の時代にあって、もはや内向きな発想では未来を拓くことはできません。自由貿易の旗を高く掲げ、外に向かって果敢にチャレンジする。海外の活力を積極的に取り込むことで、持続的な成長軌道を確かなものとしてまいります。
 TPP(環太平洋パートナーシップ)、日EU(欧州連合)・EPA、そして日米貿易協定。令和という新しい時代を迎えた本年、未来に向かって日本経済が力強く成長を続けていく。そのための強固な基盤を築き上げることができたと考えております。
 足元では、相次ぐ自然災害からの復旧・復興、さらには米中貿易摩擦など、通商問題をめぐる緊張、中国経済の先行き、イギリスのEU離脱、香港情勢など、海外発の下方リスクにしっかりと備える必要があります。このため、事業規模で26兆円に及ぶ万全の経済対策を講じることといたしました。これは、令和の時代に安心と成長の未来を切り拓く、そのための経済対策であります。
 台風15号による記録的な暴風、台風19号の豪雨とそれに伴う甚大な浸水被害。今年も大きな自然災害が相次ぎました。これらの教訓をしっかり踏まえながら、堤防強化を始めとした水害対策の充実、無電柱化の加速など、インフラの強靱(きょうじん)化を進め、安全で安心なふるさとをつくり上げてまいります。
 ビッグデータ、IoT、人工知能、デジタル技術の急速な進歩は、第4次産業革命とも呼ぶべき変化を世界にもたらしています。5G通信技術など、この分野でのイノベーションの成否が国の競争力に直結するのみならず、安全保障を始め、社会のあらゆる分野に大きな影響力を与える時代です。私たちは、この壮大なチャレンジに決意を持って臨まなければなりません。今こそこれまでの発想に捉われない大胆な対策を講じなければ、我が国の未来を拓くことはできない。正に国家百年の計であります。
 未来を担う子供たちへの教育も、当然大きく変わっていかなければなりません。来年4月から、小学校においてプログラミング教育が必修となります。さらに、今回の経済対策では、4年以内に、小学校、中学校の全ての子供たちに、1人1台のパソコンやタブレットなどのデジタル端末を配布する方針を盛り込みました。Society 5.0の未来を見据えながら教育改革を進めていく、国家としての意思を明確にしたところです。
 本年10月からの幼児教育・保育の無償化に続き、来年春からは真に必要な子供たちの高等教育の無償化が始まります。安倍内閣は、子供たちの未来に思い切って投資することで、最大の課題である少子高齢化に真正面から立ち向かってまいります。
 全世代型社会保障検討会議においても、年内の中間報告に向けた議論が大詰めを迎えています。2022年には、団塊の世代が75歳以上の高齢者となります。現行の社会保障制度を前提とすれば、若い世代の皆さんの負担が大きく上昇することが想定されます。しかし、この夏の年金財政検証では、少子高齢化が進む中でも、アベノミクスによって支え手が500万人増えた結果、将来の年金給付に係る所得代替率は改善しました。働き方改革を進め、保育や介護など、様々な事情の下でも就労への意欲をいかせる社会をつくっていく。元気で意欲ある高齢者の皆さんに就業の機会をしっかりと確保していく。人生100年時代の到来をチャンスとして前向きに捉えながら、働き方の変化を中心に据えて、年金、医療、介護、社会保障全般にわたる改革を進めます。そうすることで、現役世代の負担上昇を抑えながら、令和の未来をしっかりと見据えた、全ての世代が安心できる社会保障制度を構想したいと考えています。
 年が明ければ、令和2年、半世紀ぶりにオリンピック・パラリンピックが日本にやってきます。そして、令和7年には大阪・関西万博。昭和39年の東京五輪、45年の大阪万博、正に高度成長時代のど真ん中で、我が国の経済社会は五輪と万博を契機に大きな変化を遂げました。令和の時代を迎えた日本も今、新しい時代への躍動感にみなぎっています。
 この絶好のタイミングにあって、しっかりと未来を見据えながら、国の形に関わる大胆な改革を、大改革に挑戦し、新たな国づくりを力強く進めていく。その先には、憲法改正があります。
 常にチャレンジャーの気持ちを忘れることなく、国内外の山積する課題に全力で取り組んでいく決意であります。
 私からは以上であります。

【質疑応答】

(内閣広報官)
 それでは、これから皆様から御質問を頂きます。
 希望される方、挙手をお願いいたします。私が指名いたしますので、所属とお名前を明らかにされた上でお願いいたします。
 初めに、幹事社からお願いしたいと思います。どうぞ。

(記者)
 幹事社の日本経済新聞、重田です。よろしくお願いします。
 総理は、7月の参院選で憲法改正の議論を呼び掛け、選挙後の記者会見で、「少なくとも憲法改正の議論は行うべきだというのが国民の審判だ」と述べられました。しかし、本日閉会する臨時国会では、国民投票法改正案は成立せず、衆院憲法審査会は3回、参院憲法審査会は1回も審議がされませんでした。参院選を踏まえ、国会の憲法論議をどう御覧になりますか。
 自民党総裁の任期は残り1年10か月に迫っています。任期中の憲法改正の目標は引き続き掲げられますでしょうか。掲げられるのであれば、来年の通常国会や臨時国会でどう道筋をつけるのか。お考えをお聞かせください。

(安倍総理)
 先の参議院選挙においては、それまでの1年間の憲法審査会における議論を振り返り、ほとんど議論されなかった、このままでいいのでしょうか、この選挙においては、憲法改正の議論をしっかりと行っていく政党、候補者を選ぶのか、それとも議論すら拒否する政党や候補者を選ぶのか、それを問う選挙だと、こう訴えてまいりました。正に、憲法審査会でしっかりと議論していくべきではないかと訴えてまいりました。
 その上で、与党は、改選議席の過半数を大幅に上回る勝利をすることができました。国民の皆様から、正にしっかりと憲法の議論を前に進めよ、その国民の皆様の声を私たちは、これから憲法審査会においていかしていかなければいけない。選挙の結果は、国民の皆様の声は、憲法の議論を前に進めよということだったのだろうと思います。
 最近の世論調査においても、議論を行うべきという回答が多数を占めています。国民的関心は高まりつつあると考えています。
 こうした国民的な意識の高まりを受けて、今国会においては、衆議院の憲法審査会で自由討議が2年ぶりに行われました。これは、正に選挙による国民の皆様の声を受けたものだと思います。でも、国民の皆様は、もっとしっかりと前に進めよという、そういう声ではなかったかなと、私は考えています。
 しかし、国民の皆様の声によって、私たちはとにかく踏み出すことはできました。そして、その中で国民投票法の改正が、その中でもなされなかったことは、誠に残念ではありますが、国会議員として、国民的意識の高まりを無視することはできません。今後ともですね、第一党である自民党が先頭に立って国民的な議論を更に高める中で、憲法改正に向けた歩みを一歩一歩着実に進めていきたいと考えています。
 現在、自民党ではですね、幹部が先頭に立って、全国で憲法改正をテーマにした集会等を開催しています。自民党各議員がしっかりと自分たちの地元において、後援会において、こうした議論を進めていくことによってですね、国民的な議論が更に深まり、高まっていくと、こう確信をしています。
 その上で、来る通常国会の憲法審査会の場においてですね、与野党の枠を超えた活発な議論を通じて、令和の時代にふさわしい憲法改正原案の策定を加速させてまいりたいと思います。
 憲法改正はですね、自民党立党以来の党是でありまして、そして、選挙でお約束したことを実行していくことが私たちの責任であろうと、政治の責任であろうと思います。
 憲法改正というのは、決してたやすい道ではありませんが、必ずや、私自身として、私の手でなし遂げていきたいと、こう考えています。

(内閣広報官)
 それでは、幹事社からもう一問お願いします。
 どうぞ。

(記者)
 テレビ東京の篠原です。
 引き続き、幹事質問を行います。
 桜を見る会をめぐっては、後半国会の大きな焦点となりました。野党は、税金の私物化だとして批判を強めていますが、国会閉会に当たり、総理としてどのような点に反省点をお持ちか、改めてお聞かせください。
 その上で、特に招待者名簿については、既に破棄して、ないとされていますが、もう一度、総理自ら内閣府に対してですね、名簿のデータなどを探し出すよう指示するお考えはありませんでしょうか。
 また、2015年にジャパンライフの山口元会長が招待されていたことに関連して、総理は、国会で既にですね、「個人的な関係は一切ない」と御答弁されていますけれども、政治活動の一環で食事をしたり、誰かに紹介されて面会したことも一切ない、そういう認識でよろしいでしょうか。

(安倍総理)
 桜を見る会については、昭和27年以来、内閣の公的行事として開催されているものであります。同会については、長年の慣行の中で行われてきたところではありますが、招待者の基準が曖昧であり、結果として招待者の数が膨れ上がってしまったという実態があると認識をしています。
 桜を見る会について、国民の皆様から、様々な御批判があることは十分に承知をしております。公費を使う以上、これまでの運用を大いに反省し、来年度の開催を中止するとともに、今後、私自身の責任において招待基準の明確化や、招待プロセスの透明化を検討するほか、予算や招待人数も含めて、全般的な見直しを、幅広く意見を聞きながら行ってまいります。
 また、招待者名簿については、内閣府があらかじめ定められた手続にのっとって適正に廃棄をしているところであります。様々な御指摘を踏まえて、菅長官が内閣府に確認させた結果、データの復元についても不可能であるとの報告を受けたものと承知をしています。
 また、山口会長については、繰り返しになりますが、過去において、私が招待された多人数の会合等の場で、同席していた可能性までは否定しませんが、山口氏とですね、一対一のような形でお会いしたことはありませんし、また、個人的な関係、今、おっしゃったような個人的な関係は、一切ございません。

(内閣広報官)
 これからは、外国のメディアの方も含めまして、幹事社以外の方からの御質問をお受けいたしますので、御希望の方は、挙手をお願いしたいと思います。
 では、イザベル。

(記者)
 ブルームバーグニュースのレイノルズですけれども、日中関係についてお聞きしたいと思います。
 中国の習近平国家主席が、来春、国賓として来日すると思います。日本人の拘束問題や尖閣諸島周辺海域での中国公船の行動を受けて、自民党内からも反対する声があります。このような懸念はどのように受け止めますでしょうか。

(安倍総理)
 日中両国はですね、アジアや世界の平和、安定、繁栄に共に大きな責任を有しています。習近平国家主席を国賓としてお招きをすることについては、様々な声があることは承知をしております。
 しかし、新たな令和の時代の始まりに当たり、今、申し上げたような、この責任を果たすべきとの認識を習近平主席と共有し、その責任を果たすとの意思を明確に示していくことがですね、今のこのアジアの状況においては求められている。国際社会からもですね、それが求められているのだろうと、こう思います。こうした考え方から、習近平主席を国賓として招待することといたしました。
 同時に、中国との間には尖閣諸島周辺海域における領海侵入や日本人拘束事案等、様々な懸案が存在しています。こうした懸案については、これまでも習主席に直接、提示してきています。
 引き続き、主張すべきはしっかりと主張し、そして中国の前向きな対応を強く求めていきます。

(内閣広報官)
 それでは、次に質問を御希望する方。
 では、松本さん。

(記者)
 NHKの松本といいます。よろしくお願いいたします。
 衆議院の解散についてお伺いします。衆議院議員の任期が残り2年、折り返しを過ぎました。総理はその解散について、これまでに「白紙」、あるいは「頭の片隅にもない」と述べていらっしゃいます。
 一方で、即位に伴う一連の式典を政府としてはつつがなく行えることが重要だとしてきました。立皇嗣の礼が行われます4月までの間に、こうした決断の時期が含まれているのかどうかお伺いしたいと思います。
 また、国民に信を問う解散の大義について、総理はどのような考えをお持ちでしょうか。国民に信を問う解散の大義について、総理のお考えをお伺いしたいと思います。

(安倍総理)
 まだこの夏の参議院選挙が終わったばかりでありまして、参議院選挙でお約束したことを実行しなければいけないということで頭がいっぱいでありまして、そのことに集中をしております。
 その上で申し上げれば、これまではですね、これまでも二度、衆議院を解散いたしました。消費税の使い道を見直しをして、幼児教育の無償化を行う、真に必要な子供たちの高等教育を無償化する、これを訴えて選挙を行った。国民生活に重要な政策の実行に当たり国民の信を問うことで、こうした政策を、大きな政策を、前に進めることができたと考えています。
 いわば、選挙を行う大義とは何か、つまり国民生活に直結するような大きな政策についてはですね、国民の信を問うべきであると、こう考えていますが、今後ともですね、国民の負託に応えていく上においてですね、国民の信を問うべき時が来たと考えればですね、解散総選挙を断行することにちゅうちょはありません。
 いずれにせよ、そうしたことには関わりなく、政府としては立皇嗣の礼を含め即位に関わる一連の儀式をつつがなく行っていく。そのことに大きな責任を負っていますから、つつがなく行っていくために万全を期してまいります。

(内閣広報官)
 それでは、もう一問。
 七尾さん。

(記者)
 ニコニコ動画の七尾です。よろしくお願いします。
 今、選挙のお話がありましたが、今年、令和初の国政選挙が行われたわけですが、国政選挙としてですね、24年ぶりに50%を割る低投票率となりました。18歳選挙権が導入されて初の国政選挙となった2016年参院選に比べまして、18歳、19歳の関心が低下したと指摘されております。
 シルバー民主主義への懸念も言われておりますが、若者を始めとするですね、こうした投票率の低下を総理はどう思われているのか。今後、総理からお話がありましたように、令和の時代ですね、令和の時代の政治への参加意識の向上策の必要性についてお聞きします。

(安倍総理)
 若い世代の投票率が低いということは非常に残念であります。その理由としては、関心がない、政治に関心がないということでありますが、しかしながらですね、冒頭の私の発言でもお話をさせていただいたように、教育改革、教育の無償化が正に若者世代、子育て世代に直結するテーマであります。そして、社会保障についてもですね、今までは高齢者中心だったのですが、高齢者だけではなくて、若者世代、現役世代を含めた全ての世代が安心できる社会保障制度の構築を、今、目指して、議論を行っています。その中で、若い皆さんにも参加をしていただいて、車座集会等も行いました。
 また、現在はですね、高校、大学を卒業して就職される方の就職率は大変良いのでありますが、就職率が良いか悪いか、これは正に経済政策が直結するわけでありますから、そういう意味でもどうか関心を持っていただきたいと、こう思います。その中においてですね、残念ながら関心が低い。これは与野党関係なくですね、政治全体が危機感を持たなければならないと思っています。そうした思いの下に、今年、全国8都市で開催されましたG20の関係閣僚会合ではですね、地元の高校生が政策提言を、それも英語で行う場を設けました。その中ではつらつとして発信をしていただいた。世界に向かって発信もしていただきました。
 そしてまたですね、本年、令和の時代がスタートした際にですね、新元号の発表に当たっては、インスタグラムやツイッターなど、インターネットでライブ中継を行ったところ、たくさん若い皆さんがですね、関心を持って見てくれました。今の若い世代の皆さんはですね、こうしたSNSなど、新しいツールを使いこなし、自らの意見を発信し、あるいは今までの通常のメディアからだけではなくて、ネットを通じて世界中のですね、様々な出来事を自分自身の情報収集力によってですね、自分の頭で考え、判断をしている、そういう世代がいよいよ台頭してきたと、こう思っています。
 その中でですね、ですが、そういう意味においては、ただただ関心がないということではないのだろうと思いますが、ただ、国会においてですね、一方が提案するだけ、一方は批判するだけということではですね、国民の関心を喚起することは難しいと思います。様々な政策テーマについてそれぞれの政党がしっかりと対案を示し、建設的な議論をすることが若者に求められている、私たちの責任ではないかと、こう思います。

(内閣広報官)  予定の時間を超過いたしましたので、ぼちぼち最後の1問にしたいと思いますけれども、いかがですか。
 それでは、今井さん、手を挙げていますか。

(記者)
 読売新聞の今井です。
 自衛隊の中東派遣について伺います。年内の閣議決定が取り沙汰されておりますけれども、派遣の狙い、目的と、今後、与党内を含めてどのような手続で議論を進めていかれるか。いつ頃の派遣を念頭に置かれているか、お考えをお聞かせください。
 併せて、イランのローハニ大統領が来日の意向を示しているそうですが、米国とイランの緊張緩和に向けてどのように取り組まれるか、お考えをお聞かせください。

(安倍総理)
 我が国はですね、中東地域に原油輸入の8割以上を依存しています。エネルギー安全保障の観点から、中東地域における平和と安定の維持と船舶の航行の安全の確保が極めて重要であることは明らかだろうと思います。
 ローハニ大統領の訪日は、現在、調整中です。米国と同盟関係があり、そして同時に、イランと長年、良好な関係を維持してきた日本ならではのかじ取りが、今、求められています。国際社会からも求められているところであります。これからも粘り強く対話を行うことで、この地域の緊張緩和、情勢の安定化に向けて、可能な限りの外交努力を尽くしていきたいと考えています。
 その上で、我が国に関係する船舶の安全確保のための独自の取組を行っていくとの考え方の下、情報収集体制を強化するために、自衛隊のアセットの活用に関する具体的な検討を行っています。与党プロセスが始まっているところでありまして、自民党、公明党の議論も十分踏まえ、政府としての対応を決めていきたい、こう思っております。
 6月には私もイランを訪問し、ローハニ大統領と会談を行い、またハメネイ最高指導者とも会談を行いました。それを踏まえて、その後、国連総会の機にですね、ニューヨークにおいてトランプ大統領とも意見交換をいたしましたし、さらにローハニ大統領とも会談をその際、行ったところでございまして、そうした努力の一環として、ローハニ大統領の訪日について現在調整をしているところであります。

(内閣広報官)
 予定をしておりました時間を経過いたしました。また、総理は次の日程が控えておりますので、以上をもちまして、安倍総理大臣の記者会見を終わらせていただきます。
 皆様、御協力どうもありがとうございました。

(安倍総理)
 ありがとうございました。

総理の演説・記者会見など