G7ビアリッツ・サミット出席についての内外記者会見

令和元年8月26日
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【安倍総理冒頭発言】
 まず冒頭、マクロン大統領と、フランスの皆さまの心温まる歓迎に、感謝したいと思います。
 G7の国々は、ここビアリッツが面する大西洋から、インド洋を経て、アジア、太平洋へと一つの海で繋がっています。そして、自由、民主主義、法の支配、人権。共通の価値観で結ばれています。
 だからこそ、本音で、率直な意見交換を行うことができる。世界経済から、自由貿易、そして地球的規模の課題、さらには、地域情勢に至るまで、世界の様々な課題について、今回も本音の議論をぶつけ合いました。
 特に、安全保障と世界情勢をめぐっては、G7の首脳だけで、じっくりと話し合うことができました。
 北朝鮮については、米朝プロセスを支持し、朝鮮半島の非核化に向けて取り組んでいくことで一致しました。そして我が国にとって最も重要な拉致問題についても、すべての首脳たちから理解と支持を得ました。
 核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に向けて、私自身、条件をつけずに、金正恩(キム・ジョンウン)委員長と直接向き合っていく。冷静な分析の上に、あらゆるチャンスを逃すことなく、果敢に行動してまいります。
 緊迫する中東情勢については、長い時間をかけて議論しました。
 6月の私のイラン訪問の際、ハメネイ最高指導者は、核兵器の製造も、保有も、使用もする考えはないと明確に述べました。ローハニ大統領からも、戦争は望んでいないとの言葉があり、対話による平和に向けた姿勢が示されたところです。
 中東地域の平和と安定は、原油の8割以上をこの地域に依存する我が国の国益に直結します。
 緊張緩和に向け、イランが対話に乗ってこれる状況をつくるため、そのための外交努力が重要だとの認識をG7として共有できたことは、大きな成果であったと思います。
 そうした中、日本はこれからも、粘り強く取り組み、出来る限りの役割を果たしていく考えです。
 目下の香港の状況についても議論しました。一連のデモによって、多くの負傷者が出ていることを、G7としても、憂慮しています。
 一国二制度の下、高度の自治、法の支配及び司法の独立が保証され、香港の自由・民主・安定が維持されることが重要であり、これからも事態の進展を注視してまいります。
 世界的に、貿易と地政をめぐる緊張が増大する中、不透明さを増している世界経済への対応も、大きなテーマとなりました。
 下振れリスクに対しては、G7が協調して世界経済を支えていくため、機動的かつ万全の政策対応を行っていく必要性についても、認識を一致させることができました。
 10月に期限を迎えるイギリスのEU離脱については、ジョンソン首相との会談において、私から、EUとの合意に基づく秩序ある離脱が実現することを強く期待している旨、直接申し上げました。
 持続的な経済成長の鍵は、人々のイノベーションを活発化し、自由貿易を一層発展させていくことです。
 先般のG20大阪サミットでは、自由、公正、無差別、開かれた市場、公平な競争条件といった基本原則を確認することができました。更に、デジタル化が急速に進む中で、経済発展にとって最も重要な要素であるデジタルデータについて、新しい時代のルールづくりを進めていく大阪トラックもスタートしました。
 こうした取組を加速していく重要性を、G7のリーダーたちと、今回、改めて、確認いたしました。日本は、これからも、自由貿易の旗手として、自由で、公正な経済圏を、世界へと広げていく役割を果たしてまいります。
 日米首脳会談では、トランプ大統領と、貿易交渉の進展を確認しました。茂木大臣とライトハイザー通商代表の間で、昨年9月の日米共同声明に沿って、主要項目について意見の一致を見たことを歓迎し、9月末までの協定の署名を目指して、残された作業を加速することで一致しました。
 海洋プラスチックごみ対策など地球規模課題についても、G20大阪サミットの成果の上に、対応を進めていくことをG7として合意しました。
 世界の様々な課題について、大きな責任を有する国々のリーダーたちが、徹底的に話し合い、解決策を見出していく。これが、G7サミットです。
 そのためには、ロシアの建設的な関与が欠かせません。私自身、来週、ウラジオストクで、プーチン大統領と首脳会談を行う予定でありますが、G7とロシアとの対話の再開に向けて他の首脳たちと、これからも議論を重ねたいと考えています。
 日本に戻れば、翌日から横浜で、アフリカ開発会議TICADを開催します。
 30年近くにわたり、日本は、民間の協力も仰ぎながら、アフリカと共に、このTICADプロセスをリードし、アフリカの大地で、人材の育成や技術支援に取り組んできました。
 今回のG7サミットでも、サヘル地域をはじめアフリカの開発が議論となりましたが、この分野でも、日本は、できる限りの貢献をしていく考えです。
 我が国は、これからも、地球儀を俯瞰(ふかん)する視点で、日本ならではの積極的な外交を展開してまいります。
 私からは、以上です。

【質疑応答】
(産経新聞 小川記者)
 日韓関係について伺います。韓国は日本との軍事情報包括保護協定、いわゆるGSOMIAの破棄を決めて、東アジアにおける日米韓3か国の防衛協力に亀裂が入るかたちとなりました。GSOMIA破棄直後の24日にも北朝鮮が飛翔体を発射するなど、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の脅威は増していますが、G7サミットに合わせて開かれた今回の日米首脳会談では、GSOMIAの破棄やいわゆる元徴用工訴訟など現在の日韓関係について両首脳から言及はあったでしょうか。また、慰安婦問題や輸出管理のあり方も含めて、韓国側の不誠実な対応は今もなお改善されないままですが、安倍首相は、日韓関係が好転するためには、今何が必要と考えていますでしょうか。また、日韓関係の悪化は、朝鮮半島の非核化や、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に対してどのような影響があるかも併せてお聞かせください。

(安倍総理)
 日米首脳会談において、日韓関係については、やり取りはありませんでした。いずれにせよ、韓国側からはですね、日韓請求権協定への違反が放置をされ、そしてGSOMIAの終了通告がなされるなど、国と国との信頼関係が残念ながら損なわれる、信頼関係を損なうような状況、対応が続いています。まずは、国と国との約束を守るように求めていきたいと思っております。
 北朝鮮問題については、拉致、核・ミサイルといった諸懸案の解決に向け、トランプ大統領とは今後とも、これまで同様、常に緊密に連携をしていくことを確認しました。
 北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射は安保理決議違反であり、極めて遺憾であります。我が国としては、米朝プロセスを全面的に支持しており、引き続き後押しをしていく考えです。
 拉致問題については、私から、トランプ大統領の一貫した支持、そして解決にむけた働きかけに謝意を表し、私自身が条件を付けずに金委員長と向き合う決意を改めて述べました。冷静な分析の上に、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動していく考えであります。

(ロイター通信 マリナ・デペトリス記者)
 米中の貿易摩擦の悪化は日本経済にどのような影響を与えるとお考えでしょうか。また、10月の消費税増税を見直す必要はあるとお考えでしょうか。

(安倍総理)
 まず、今回のサミットにおいては、貿易の問題を始め、世界経済が抱える下振れリスクについての議論を行いました。下振れリスクに対しては、G7が協調して、機動的かつ万全の政策対応を行っていく必要性について、この必要性については私からも強く訴えたところでありますが、G7において、認識を一致させることができました。
 米国と中国は、世界の経済GDPにおいては第1位と第2位の経済大国であり、安定的な経済関係が構築されることは、両国のみならず、世界経済にとって極めて重要と言ってもいいと思います。そして、日本、世界全体の持続的な経済成長に直結しています。
 米中間での協議が建設的に進展することを期待しているわけでありますが、現在、米中においては断続的に協議がなされ、近々、また高いレベルでの交渉が行われるというふうに報道もされておりますし、トランプ大統領もそのように述べていますが、良い成果が出ることを期待したい。いわば、世界経済が安定する方向で、良い成果がでてくることを期待したいと思います。引き続き、日本経済への影響について十分目配りをして、経済運営には万全を期していく考えです。
 そして、消費税についても質問がございましたが、消費税の引上げについては、全世代型の社会保障制度を作っていく、社会保障を全世代型に転換していく上において、必要な財源であります。そして、国の信頼を守るためにも必要と考えています。
 10月の引上げに当たっては、教育の無償化に加えまして、思い切ったポイント還元、プレミアム商品券の発行、そして自動車や住宅に対する大胆な減税など、十二分な対策を講じることで、国内の消費をしっかりと下支えをしていきたいと、こう思っています。今回の対策については、前回、3パーセント引き上げた時の消費の減退等も十分に踏まえた上で、今回は十二分の対策をとっているということであります。

(共同通信 大塚記者)
 内閣改造・自民党役員人事についてお聞きします。総理は8月6日の広島での記者会見で、少子高齢化などの課題に力強く対応するための態勢づくりをこの夏、じっくり考えたいとの意向を示されました。残り2年の総裁任期を見据えた重要な人事になると思われますが、改造の実施時期や規模は決まりましたでしょうか。また、麻生副総理兼財務相と菅官房長官は留任との見方が出ているほか、二階幹事長と岸田政調会長の処遇や、小泉進次郎厚生労働部会長の初入閣の可能性にも関心が集まっています。現時点での人事の方針をお聞かせください。

(安倍総理)
 先の参議院選挙においては、国民の皆様から、力強い御支持、信任をいただきました。この国民の皆様の負託にしっかり応えていくことが、私の、そして連立与党の責任であろうと思っています。お約束した政策を、一つ一つ、実行していくということであります。
 このサミット期間中は、今回サミットの中身も相当議論が白熱しましたし、また、多くのバイの会談もありましたし、日米の首脳会談もありましたので、そこに集中しておりましたので、今質問をいただくまでは、しばらく人事のことは頭の中になかったのですが、しかし、今申し上げましたような意味において、負託に応えて政策一つ一つを実行していく上では大変、重要な人事であると思っています。
 そのためにも、来月、内閣改造、そして党役員人事を行いたいと考えています。これまでの政治の継続性、そして安定性も重視してやらなければならないと思っています。これまで7年近く、安定的な政治運営を行ってまいりました。先の参議院選挙において、安定した、政治の安定に対する評価もあったのだろうと思いますので、この安定性も重視していく。
 同時に、少子高齢化を始め困難な課題に、気持ちも新たに、果敢に挑戦していくことも大切です。新たな人材に突破力を発揮してもらう。新たな人材、自民党というのは人材の宝庫でございますから、そういう方々が、新たに内閣の一員となって、その力を発揮していただくことも、様々な課題に挑戦していく上では、大切なこと、必要なことだと思っています。正にこの安定と挑戦の、強力な布陣をひいていきたいと思っています。
 我が党には、老・壮・青、たくさんの人材がございます。先ほど具体的な名前も挙げていただきましたが、それ以外の方々も、マスコミの皆さんが光を当てていない方々もたくさんいらっしゃいます。そういう方々のこともしっかり頭の中で、どのように活躍していただけるか、ということを考えながら、光を当てながら、考えていきたい。具体的には、今後、TICAD、東方経済フォーラムなどの外交日程の合間にでも、じっくりと練り上げていきたいと思います。たくさん人材がおりますから、それぞれの人材の特性、能力、専門分野等々も考えながら、経験もそうです、考えていきたいと思います。

関連リンク

総理の演説・記者会見など