日独共同記者会見

平成31年2月4日
 
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【安倍総理冒頭発言】
 暦の上では、本日は立春です。春がスタートするこの日は、例年、実は日本では最も冷え込む季節です。しかし、今日は4月並みの気温だそうです。正にメルケル首相が日本に春を連れてきてくれました。G7伊勢志摩サミット以来、約2年半ぶりとなるメルケル首相の訪日を改めて心から歓迎いたします。アンゲラとは、12年前、ベルリンで初めて会談して以来、数多くの会談を重ね、深い信頼関係を築きました。
 日独がルールに基づく国際秩序の維持や国際社会の安定と繁栄のために果たすべき責任は、ますます大きくなっています。今月1日の日EU(欧州連合)・EPA(経済連携協定)の発効により誕生した世界最大の自由な先進経済圏を日独で牽引(けんいん)していきます。そのためにも、欧州及び世界経済に対する英国のEU離脱の影響を最小化する必要があります。合意なき離脱は是非回避すべきです。
 WTO(世界貿易機関)改革を始めとした自由で開かれた経済システムの維持、強化のための取組に日独で緊密に協力していきます。
 G20大阪サミットに向け、自由貿易の推進やイノベーションを通じた世界経済の成長の牽引と格差への対処、地球規模課題への貢献に共に取り組む私の考えを説明しました。そして、サミットの成功に向けてメルケル首相の支持を表明していただいたことを大変心強く思います。
 日本とドイツで第4次産業革命を力強くリードしてまいります。本日は、メルケル首相と我々の社会の未来像についても議論を行いました。Industry 4.0とSociety 5.0の協力を更に進め、先端技術を活用した豊かな未来の創造を両国で共に切り開き、自動運転、AI、IoT分野の共同研究を強化することを確認しました。
 厳しさを増す地域情勢についても十分な時間をとって意見交換を行いました。力による一方的な現状変更の試みに反対し、法の支配に基づく国際秩序の維持のために連携していくことを改めて確認しました。
 北朝鮮情勢に関しては、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全検証可能かつ不可逆的な廃棄の実現及び安保理決議の完全な履行の必要性について改めて一致しました。ドイツが本年から非常任理事国を務める国連安保理についても緊密に連携していきます。拉致問題の早期解決についてメルケル首相の支持を得ました。
 こうした中、本日の会談では、日独のパートナーシップを一段高みに上げ、国際社会の安定と繁栄に向けて両国の地平を拡大していくことを確認でき、喜ばしく思います。
 具体的には、まず、情報保護協定の締結交渉の大筋合意も踏まえ、安全保障、防衛分野での協力を推進していくことで一致しました。自由で開かれた太平洋の実現に向けて日独で協力していくことで一致したことは、大変意義深いことであります。
 インド太平洋地域における航行の自由や海洋の開放性を確保するために協力していくことについても有意義な議論を行いました。太平洋島嶼(とうしょ)国の気候変動、防災対策での協力等を通じ、地域の繁栄に向けて日独で連携していくことで一致しました。
 このほか、アジアでは、ミャンマーの民主的な国づくりに貢献すべく、日独で相互補完的に取り組んでいくことを確認しました。アフリカでは、サヘル諸国への支援を始め、アフリカの平和と安定及び持続可能な開発に向けて協力していくことを確認しました。欧州では、日独で連携して、西バルカン地域の欧州統合を支援し、基本的価値の下で強く結束した欧州を支えていきます。さらに、国連PKO(平和維持活動)の能力構築支援における連携についても議論を行いました。
 今日、日独関係は新たなステージに引き上げられました。2021年には日独交流160周年を迎えます。これからもアンゲラと手を携えて、国際社会の平和と繁栄に貢献してまいります。
 春を日本に連れてきてくれたメルケル首相には、再び寒い冬が来ないように、できれば日本に長く滞在してもらいたいところでありますが、せめて今日、明日と日本での滞在を楽しんでいただきたいと思います。
 ありがとうございました。

総理の演説・記者会見など