首相官邸  
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日本・インド共同記者会見


平成18年12月15日(金)

日・印共同記者会見の写真

【安倍総理冒頭発言】

 本日、公賓としてお迎えをいたしました、シン首相と会談を行い、日・印関係が民主主義、自由、人権、法の支配等の共通の価値と幅広い共通の利益を基盤とし、最も可能性を秘めた二国間関係であることを確認いたしました。私とシン首相は、日本とインドの関係を戦略的グローバルパートナーシップに引き上げることに合意をいたしました。

 その構築に向けて、政治、安全保障、経済連携、国民交流の分野において、具体的取組みを示す共同声明に署名をいたしました。

 主な具体的な取組みとして、次の取組みに合意をいたしました。

 まず、首脳間の訪問を毎年相互に実施することといたしました。シン首相から来年中のインド訪問の招待をいただき、私からありがたくお受けする旨お答えをいたしました。経済連携交渉を速やかに開始し、2年以内の可能な限り早期に交渉の実質的な終了を目指す旨、合意をいたしました。

 インドはより力強く、より繁栄することは、日本の利益であるとの観点から、インドの経済発展を引き続き最大限支援すべく、経済パートナーシップイニシアティブを推進することで合意をいたしました。

 そして、民間との連携を深めるため、両首脳が指名するメンバーによるビジネスリーダーズフォーラムの設置に合意をいたしました。人や文化の交流の面では、来年の日・印交流年を契機として、具体的事業を展開していくとともに、観光、青年交流の拡充、民間航空便の大幅増を図っていくことで合意をいたしました。

 地域的、国際的課題での協力については、国連改革、東アジア首脳会議、軍縮、不拡散、テロ等に関する協力を継続することを確認いたしました。そして、外相間戦略的対話の早期実施に合意いたしました。

 また、最近の北朝鮮による核実験に対する深刻な懸念を共有するとともに、安保理決議の完全な履行に向けて協力することを確認をし、人道上の懸念である拉致問題の早期解決を強く求めるとの点で一致をいたしました。

 アジア大洋州地域において、日本、インドに加え、民主主義など同様な考えを持つ諸国との間で対話を行うことが有益との点で一致をいたしました。議題や方針については、今後調整していくことになりましたが、例えばテロ、海賊対策、エネルギー、防災といった問題が考えられると思います。

 私からは以上であります。

【シン首相冒頭発言】

 安倍総理、御参会の皆様、今回日本へ訪問いたしましたが、これに関しましては、私にとりまして本当に思い出深い美しい国への訪問になりました。

 まず最初に、総理に対しまして申し上げたいことは、本当に心から感謝の気持ち、温い歓待をいただきましたことに御礼申し上げたいと思います。私、そして代表団に対し歓迎いただいたことを御礼申し上げます。

 安倍総理と私は、たった今、日・印関係について非常に有益な、友好的な、非常に広範な意見交換をすることができました。加えて、相互の関心のある問題、地域的、国際的な問題の意見交換をすることができました。

 安倍総理とは、既に今、説明してくださいましたような内容について話し合ったわけであります。したがいまして、私の方からは幾つかの特徴的な問題についてだけ触れたいと思います。

 この非常に大きな民主主義国家であり、共通の利益、そしてビジョンを持った国といたしまして、お互いに貢献しなければなりません。また、両国間で政治的、経済的、そして戦略的な利益というものが収斂していると思います。日・印両国は、経済的な統合、そして平和、安定というものをこの地域で共有しているものであります。特に日本とインドは、まさに自然のパートナーであり、お互いの進展に相互の利益を持っていると思います。したがって、お互いに一緒に協力すべき、そしてできることがあると思います。

 既に、我々は戦略的グローバルパートナーシップの構築に合意いたしました。したがって、私どもは今後外相レベルで、また政治的な二国間、そして地域的な国際的な話し合いを行っていき、また防衛レベルでの対話、協力、そして経済連携の取組みにおいても協力することにしております。また、国民交流も行っていきます。科学技術の協力もしていきます。

 現在、インドは本当に生まれ変わったと思います。したがいまして、こういう歴史的な意義あるときをとらえるべきだと思います。

 また、テロ対策においても協力できると思います。

 我々は、大量破壊兵器の拡散を防止するために協力すべきだと合意いたしました。

 日・印の包括的経済連携協定の交渉を始めようということは、我々の経済関係を更に高めるためのいいきっかけになると思い、双方の潜在力を多く発揮することができると思います。

 更に、教育、そして文化的なつながりを更に高める必要があり、また、国民交流も必要になってくると思います。

 また、このようなコミットメントのしるしとしまして、私と安倍総理は、インド・日本友好年を2007年に行うことにし、また、日本におけるインドフェスティバルを昨日行いました。結論として、私は今回の訪日に満足をしております。また、私が安倍総理をインドに来年お招きしたことを快く受け入れてくださったことを心から感謝をしております。

 個人的にも、総理がインド・日本のパートナーシップに努力をしていらっしゃることに心から感謝を申し上げたいと思います。

 総理のお気持ちは、私も共有するものであるという前向きな気持ちを持っているということを、まず伝えておきたいと思います。ありがとうございました。

【質疑応答】

【質問】
 安倍総理にお聞きします。民生用原子力の問題についてお聞きしたいんですけれども、シン首相からアメリカとインドの合意などを中心にして話を聞いたと思いますけれども、どういう印象を受けたか、またNPTとの絡みもありまして、被爆国日本としては微妙な問題でありますけれども、このアメリカとインドの合意に対する日本としての立場を今後どのようにして明らかにしていくのか、考えをお聞かせください。

【安倍総理】
 シン首相からは、今後、インドが成長していく中において、増大するエネルギー需要に対応するためには、原子力エネルギーを必要としていること。そして、また今後適切なIAEA保障措置を取っていくということについて御説明をいただきました。

 私からシン首相には、日本は唯一の被爆国であり、被爆国としての気持ちがあるということを御説明をし、また、インドが国際社会の関心に応える形でIAEAとの交渉等に対応していくことが重要であることを申し上げました。

 インドへの原子力協力の問題については、今後、原子力供給国グループなど、国際的な場で議論がされる予定でありますが、我が国も積極的に議論に参加をしていく考えであります。また、日・印においても議論を行っていく考えであります。

 また、今のことについて付け加えますと、この問題については、我が国の立場は検討中であるということを首相には申し上げました。

【質問】
 シン首相が先ほどおっしゃいましたが、日本の企業は、この数年間にわたってインドでの地盤を失ってしまった。インドと中国と韓国との貿易は非常に増大してきております。 そのような状況をかんがみて、今後、日本は失われた地盤を回復していくために、何をされるのか。そして、それはどのぐらいのスケジュールで達成可能となるでしょうか。

【安倍総理】
 日本は、インドとの関係において、今までインドに対する知識が比較的少なかったのではないかと、このように思います。

 昨年、小泉総理がインドを訪問いたしまして、日・印のグローバルパートナーシップの8項目について合意をいたしました。

 そして、更に本年、シン首相が来日をされまして、戦略的なグローバルパートナーシップに両国の関係を高めていくということで合意をいたしました。また、今回、70名の企業の方々がともに来日をされました。

 そして、こうした関係を基礎に、お互いに共通の価値を持っている日・印関係において、将来最も可能性のある二国間関係であると、このような認識を恐らく経済界、日本の国民は、今回のシン首相の訪日を機にみんな認識を新たにしたのではないだろうかと、このように思います。

 この認識の下に、私は必ずや日本からの投資、企業の進出、あるいはまた貿易、両国の相互貿易、また人との交流は増えていくというふうに確信をいたしています。

 そして、また来年からスタートするEPAの交渉は、それに拍車をかけるのではないかと思います。