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日本・イタリア共和国共同記者会見


平成19年4月16日(月)

日本・イタリア共和国首脳会談の写真

【安倍総理冒頭発言】

 本日、我が国の招待で、プローディ首相をお迎えいたしまして、大変有意義な会談を行うことができました。この会談では、両国がグローバルパートナーとして、協力強化をしていくことで確認をいたしました。そして両国間の協力をとりまとめた共同記者発表を発出することとなりました。

 会談では、二国間の政治対話が大きく進展していることを歓迎し、本年よりイタリアが安保理非常任理事国を務めていますが、我が国の2008年の安保理非常任理事国選挙立候補への支持に感謝をいたしています。

 また、2008年に我が国、そして2009年にイタリアがG8議長国を務めることを踏まえ、自由民主主義、基本的人権、法の支配といった、基本的な価値を共有する両国が国際的な課題について、一層緊密に連携し協力して取り組んでいくことで一致をいたしました。

 経済については、近年二国間で貿易投資が順調に伸びていることを歓迎し、両国がビジネス環境のさらなる整備を通して、経済関係をより一層発展させていくことで一致をいたしました。

 日本・イタリアの交流のさらなる深化を目的として開催されています「イタリアの春・2007」に対して、歓迎の意を表明いたしました。私自身も妻及びプローディ首相夫妻とともに、本日、レオナルド・ダ・ヴィンチ展を鑑賞する予定であります。心から楽しみにいたしております。

 長く門外不出であったダ・ヴィンチの名画『受胎告知』を、日本国民が直接鑑賞する機会を提供していただいたことに対しまして、イタリア政府に対して心から感謝申し上げたいと思います。

 北朝鮮については、これまでのイタリアの協力に感謝いたしております。北朝鮮の核の放棄と拉致問題の早期解決に向けた措置を取るよう、イタリアとも緊密に連携、そして協力をしていくことで一致いたしました。

 このほか、気候変動問題、中東問題、国連改革等の諸課題について、幅広く中身の濃い議論を行うことができました。今回のプローディ首相の訪日を契機に、日本とイタリアの友好関係を一層強化していきたいと思います。

【プローディ首相冒頭発言】

 皆さんこんにちは。今回は、安倍総理と会ったのが初めてで、安倍首相が日本の政府を率いて、私はいろいろと温かい歓迎を受けて感謝したいと思います。

 今回の会談は、「イタリア春・2007」を始めとして、イタリアを紹介する大きな取組みでありました。経済、貿易だけではなく、文化など芸術、科学、いろんな側面を紹介します。

 イタリアと日本はかなり近い国です。先ほど安倍総理に申し上げましたけれども、私たちは国際会議についても近い立場を持っています。文化的、心理的な感受性は近いと思います。

 経済の分野では、ドイツ調整に立ち向かっています。新しい歴史的な転機に向かっていると思います。

 労働賃金が低い国の調整に立ち向かわなければいけません。私たちはそれに取り組んでおりまして、続ける必要があります。

 日本とイタリアは、先進国でありまして、工業技術の高い国であります。日本とドイツは、工業、産業の役割は大きいですけれども、変化をもたらす取組みが必要です。

 私たちが直面している一番大きな問題は、エネルギー問題です。G8でも討論されます。いろんな技術、いろんな目的、地球を保護するという目的は、技術の交換、協力関係、科学技術などで意思疎通を強くしていく必要があります。これは、基礎的な側面であり、私たちはそこに取組みます。

 両国関係では、留学生の交換を増やしていくつもりです。イタリアは、ビザ関係についてさまざまな改善を実現します。技術ですとか、観光客ですとか、両国間の貿易はうまくいっております。先ほど安倍総理もおっしゃいましたけれども、ちょっとした特定問題もあると思いますが、これは二国間で取り上げる問題ではなくて、EU全体と日本で取り組むべき問題です。

 観光交流では、うまくいっていると思います。当然、改善する余地もあります。航空の往来をもっとよくすることもできますし、双方においての観光客を増やしていくこともできると思います。

 G8では、両国関係の協力を進めていくことができました。今年はドイツ、来年は日本、再来年はイタリアです。友好国の中で、いろんな協調、いろんな協力ができます。たくさんの大きな課題がありますが、その中で最優先的に考えるのは、ヨーロッパでも日本でも対アフリカ政策です。私たちは、共通のアイデアをつくらなければいけません。

 防衛分野の特定の協力関係についても討論しました。日本の防衛大臣は近々イタリアに来ることになりますが、それで具体的な協力関係ができます。

 また、北朝鮮に対して、先ほど安倍総理からもお言葉がありましたけれども、私たちは6者協議で合意書が得られたことの重要性を認識しておりますが、イタリアは人権侵害と日本人の拉致事件に対して、イタリアは強く日本を支持したいと思います。

【質疑応答】

【質問】
 お二方にアフガニスタンの情勢に関してお尋ねします。
 プローディ首相は、国内でかなり異論があったにもかかわらず、アフガニスタンのイタリア軍駐留を延長するという御決断をされました。
 また、安倍総理は1月のNATOでの演説で、アフガニスタン支援をこれから積極的に行うと表明されております。
 そこでお尋ねしたいのは、現在のアフガニスタン復興支援の課題と、そこにおいて、日本がどのような役割を果たすことが求められているのでしょうかという点です。とりわけ日本の自衛隊がPRTに参加するという可能性についても含めて、お聞かせいただけますでしょうか。よろしくお願いします。

【安倍総理】
 それでは、まず私からお答えをいたします。

 本日の会談におきましては、アフガンの復興支援に積極的に取り組んでいくということにおいて、日本とイタリアは一致をいたしました。我が国はこれまでアフガニスタンの復興支援のために12億ドルをODAと、インド洋における海上阻止行動、阻止活動への自衛隊による支援を実施しております。

 この海上自衛隊の給油活動は、高く評価されておりますし、これは技術的にまた難しい技術を伴うわけでありますが、必要性の高い中において、国際社会からこの給油活動の今後の継続について要求があるわけでございます。こうした国際社会の要求・評価に応えていく考えであります。

 PRTについて、自衛隊を参加させるかどうかでありますが、参加させるということについては考えておりませんが、アフガニスタンの復興安定化に向けた具体的な協力の一環として、NATOのPRTと連携しつつ、今後数年間で20億円規模の協力を実施することとしています。

【プローディ首相】
 御質問に対してですが、イタリアはアフガニスタンに駐留させることを決断していると確認できます。

 また、アフガン社会の社会的復興によりよく貢献したいと思っております。これは伝統的にイタリアの政治方針です。つまり、平和をもたらすために、一生懸命仕事をしなければならないということです。私たちは一生懸命取り組んでおります。

 ほかの国と一緒で日本もそうです。この取組は、これだけ長く戦争が続いた国の復興、平和のためにするべきです。

 これがイタリアの政策で、この政策には変更をもたらす予定は一切ありません。私たちが祈願しているのが、共同行動、イタリアと日本において、両国が同一目的を持って、十分な成果が上がって、アフガンの社会に改善がもたらされることを期待しています。

【質問】
 今回の会談ではG8の調整について討議されたでしょうか。国際危機地域ですとか、あるいは気候変動について。

【プローディ首相】
 そうですね。この問題について、大分時間を割きました。2つの方針に集中をしました。つまり、地球の将来について相談しましたし、ですから、エネルギー関係の協力もしましょうという強いメッセージを送りました。

 総理もおっしゃいましたけれども、EUのサミットで私たちは大きな目的、負担のかかる目的を採用しました。再利用可能なエネルギーを開発するということです。これは技術革新を要求するものでありまして、イタリアと日本には代替案があるわけではなく、今回の生産制度、運輸制度を著しく変えるべきということです。日本はさまざまな経験があります。

 それから、ほかの分野で、日本とヨーロッパは米国より遅れを取っている分野もあります。ここで我々が共同取組を考えたわけです。私たちの最優先課題はG8で、2008、2009、このような分野での協力。もう一つの大きな課題が、アフリカです。

 アフリカは、経済発展のグローバル化。経済発展だけではなくて、グローバルの発展、一般社会の発展も含めて、G8でアフリカに関して、大型災害ですとか人道災害について、いろいろと討議をしてきましたけれども、これからのG8では、もう一歩進んで、もうちょっとアフリカの要求、社会、経済発展の要求に応えるべきだと思います。

【安倍総理】
 今回の会談において、両国は互いにG8の一員として協力をしていくことで、一致をいたしました。

 御承知のように、来年は我が国がG8の議長国であり、再来年はイタリアが議長国であります。G8で取り組んでいく課題は、国際的な課題であり、そして、国際社会が協力をしなければいけない課題であり、かつ長期的に取り組まなければいけない課題もあるわけであり、そういう意味においては、来年、再来年の議長国である両国が協力をしていくことが極めて重要であろうと思います。

 来年の我が国のサミットにおきましては、2005年のグレンイーグルズ・サミットにおいて始められた、これは気候変動に関することでありますが、対話の報告がございます。また、アフリカ開発会議TICADIVも来年、日本におきまして開催する予定でございます。

 こうしたことも踏まえて、課題を設定していくわけでありますが、こうしたアフリカの問題、気候変動の問題は本年のドイツのサミット、来年の日本のサミット、そして、再来年のイタリアのサミットを通じて主要な課題になるわけであり、議長国として協力をしていくことが重要であろうと思います。

【質問】
 イタリアのプローディ首相にユーロ高の影響を伺いたいと思います。
 ユーロの為替市場で、ユーロが最高値を更新し続けています。更に高値をつける可能性を指摘する専門家も出てきています。こういった状況の中で、ユーロ高によるイタリア政治の輸入市場の競争力についてどのような影響があるというふうに見ていらっしゃいますでしょうか。また、何か対策をお考えでしたら教えていただきたいと思います。

【プローディ首相】
 この問題は、ユーロが円に対して高くなったということではなくて、世界のあらゆる通貨に対して高くなってしまいます。

 この問題は、確かにさまざまな貿易上の問題を起こします。しかし、ヨーロッパの産業の変化をもたらすというような効果もあります。生産性が上がって、改善への道を歩き始める。これは、何年か前はこのような歩みではなかったので、いろんな経済紙からヨーロッパが批判されていましたけれども、ユーロは問題を起こすということは事実ですが、しかし、ユーロはヨーロッパの産業革命を刺激するような材料にもなっております。

 展望については、どうでしょう。強くなるのか。私は、それほど強くなることを希望しているわけではないんです。しかし、ヨーロッパがこれに随分忍耐強く、あるいは順応力を見せ付けました。いろんな変化がありましたけれども、対応できたと思います。ユーロは強いけれども、それがヨーロッパをより強いものにしたと思います。

 未来に関して言えば、よほどのことがないように期待したいと思います。

【質問】
 両国関係について、防衛でも協力をする。このような協力関係の中で、イタリア産業ですと、やはりヨーロッパ産業のいろんな可能性が出てくるのでしょうか。いろんな武器の提供が考えられるのですけれども、ほかの分野ではいかがでしょうか。

【安倍総理】
 今回、発出をいたしました共同発表においても言及をいたしておりますが、日本とイタリアが安全保障、また防衛の分野において協力をしていくことは、国際社会の平和と安定に寄与する上においても有意義であるということで、両国は一致をいたしました。私もそのように考えているところでございます。今後、どのような協力をしていくべきかについては、具体的に何が可能かということについて日本とイタリアでよく検討していきたい。このように思います。

 また、現在も日本の自衛隊は、イタリアから装備・技術を購入しております。掃海・輸送のヘリコプターを始め、イタリアから購入しておるものも多々あるわけでありまして、イタリアの技術は極めて高いものである。信頼性も高い。このように評価をしているところでございます。今後、日本にとって必要なものがあれば、当然購入をしていくことになろうと思います。