鳩山内閣総理大臣記者会見


平成22年3月26日

  政府インターネットテレビ


【鳩山総理冒頭発言】

 御案内のとおり、平成22年度の予算が成立いたしました。経済が依然としてまだ厳しさが残っている中で、年度内の予算が成立をしたということは、私は喜ばしいことであったと、このように思っております。

 この予算の編成に当たっては、事業仕分けなどといった手法を使いながら、むしろ国民の皆さんに開かれた予算というものの在り方をお見せすることができたのではないかと、そのように思っております。

 結果として、めり張りがついた予算ができ上がったなと、そのように思っております。すなわち、いわゆる公共事業を必ずしもすべてが無駄だとか、そういうつもりはありません。しかし、公共事業18%減という一方で「コンクリートから人へ」という思いの中で、人への予算、教育の予算、あるいは社会保障は10%あるいは8%と大きな伸びを見せました。これはやはり、新しい政権だからこそできたことだと、私はそのように感じているところでもございます。

 ただ、国民の皆さんに、予算ができ上がったから、すぐに実感をしていただけるには、まだ時間がかかると思います。しかし、例えば子ども手当あるいは高校の無償化といった、皆様方の御家庭お一人お一人に対して、実感ができるだけ早く伴うようになることを心から祈念いたしますし、そのようにいたしたいと心から考えておるところでございます。

 しかし、景気が御案内のとおり、例えば失業率は私が政権を担当いたしましたときには、5.4%。それが今、4.9%まで改善をされたとはいえ、まだデフレだと、厳しいぞと、そのようにいろいろとお叱りもいただいているところでもございます。デフレ克服に向けて、全力を挙げていくことは言うまでもありません。

 一方でしかしながら、国民の皆さんに、鳩山政権に期待していたけれども、まだまだリーダーシップが十分見えていないね。政治主導というけれども、どうもいろいろと不統一があるのではないか、そんなお叱りをいただいているところでもございます。そして、その中に政治とカネの問題があることも、私もよく自覚をしているところでございます。このような問題に対しても、しっかりと解決の道筋をつけていかなければならない。そして、国民の皆さんに、やはり民主党を中心とした連立内閣、新しい内閣は期待どおりになってきたねと、そのような思いをできるだけ早く感じていただけるように、引き立てていかなければならない、そのように思っています。課題は山積でありますが、ある意味でこれからが新たなるスタートだと、その思いで頑張ってまいりたいと思います。

 今日、私は簡単に3つの柱を申し上げたいと思います。

 その3つとは、官を開く、国を開く、そして結果として、未来を開くということでございます。

 官を開くとは何でしょうか。これは国民の皆さんに、まずは天下りを根絶させなさい。新政権として、強くそのことを期待されてまいりました。そのことは当然のことながら、更に厳しく行ってまいることをお誓いいたします。ただ、それだけではなく、例えば官、その幹部の皆さん、お役所の幹部の皆さんに、もっと民間の活力を導入する、民間の方々にどんどんと幹部で働いていただけるように引き立てていきたい。いわゆるリボルビングドアなどという言い方がされておりますが、官から民、民から官、もっと自由自在に行き交うことができるような、そんな役所の在り方というものを、あるいは日本の生き様というものをつくり変えていくことが大事ではないかと、そのように考えております。

 更にもっと言えば、新しい公共。今まで官の仕事だと、そのように思われていたものを公に開いていくと。これからは官の仕事、そうではない。できる限り、民の皆さん、民間の皆さんができることは民間で頑張っていただけるようにする。そして、お互いにむしろ支え合って、一人一人が生きていけるような世の中をつくる。私はそんな中で、税額控除などという寄附税制の在り方というものを追及して、それを必ず実現していかなければならないと思っています。1人の皆さんが、1人の人々が政府に、あるいは自治体に税金を払う。その税金の一部を国や地方自治体に払うならば、むしろこういう団体に寄附しようではないか。その思いがもっともっと強く感じていただけるような、それを実現できる世の中にしていきたいと考えております。

 今日、皆様方には、記者会見もより開かれるようにしてまいりたい。そのように思っております。

 まだ、これも十分ではない。いろんなお叱りもいただいております。更に、もっと記者会見も開かれるように仕立てていかなければならない。まず、その第一歩を開かせていただいたと御理解をいただきたい。

 ある意味で、こう言ってはいけないかもしれませんが、ぶら下がりという今までの慣習的なやり方よりも、もっと多くの皆様方に開かれた記者会見をより多く開かせていただくことの方が望ましいのではないかと考えております。

 一方、更に申し上げれば、これは官房長官ともよく相談をしなければなりませんが、いわゆる官房機密費、内閣報償費、これを開いてまいります。国民の皆さんに、税金なんですからもっと、いつの時代かにはこのように使われていたんですよとわかるような形に仕立てていかなければいけないのではないか。旧政権との大きな違いをこのようなところにつくり上げてまいりたいと思っています。

 国を開くとは何か。私は2つ申し上げたい。

 その1つは、国が今まで行っていたものを、これからは地域に任せる。いわゆる、地域主権の国づくりに大きく転換をしていくこと。地域が疲弊しています。地域の活力をもっと高めていくために、国の権限をこれからは、基本的には地域に委ねる、地域に任せる。そんな社会に大きく変えていきたいと考えています。そのためには、義務づけ・枠づけといったものの根本的な見直しとか、あるいはまず一括交付金化というものを行って、いわゆる補助金で国から地方へひもが付いているような状況というものは一切なくしていきたいとも考えております。

 もう一つは、私が年来申し上げております、国を世界に向けて、特にアジアに向けて開く。東アジア共同体という構想、これを現実のものに仕立て上げていきたいと思います。EPA、FTAという、いわゆる自由貿易の方向は更に戦略的に行ってまいりたい。特に日本と韓国との間のEPA、FTAを再開させていきたいとも思っております。投資環境、日本にはなかなか投資できないね。そのような、いわゆる非関税障壁なるものはできるだけ早く取り除いていかなければならないことも言うまでもありません。

 ただ、それだけではなく、人を開かなければなりません。どうも、日本人はまだまだ心が閉じている部分もあります。これからは、私たちおじいちゃん、おばあちゃんに対して、看護をしよう、あるいは介護をしたい。そういう社会からの声にもっと応えるような日本にならなければいけないと思っております。そのような意味での国を開くということは大変、これからの日本にとって重要だと思います。

 そして、その2つ、官を開く、国を開くことによって、結果として未来を開くということができようかと思います。「新しい公共」の在り方、地域主権というものをつくり上げていくこと。このことによって、一人一人の皆さん方が、いわゆる今まで経済というものの尺度の中で自分の幸せというものを得ようと努力してきた。これからは経済という尺度だけではなく、さまざまな多様な尺度の中で幸せというものをもっと身近に感じていただけるような世の中に変えていくことが必要ではないか。私はそのように感じております。それを行うことによって、日本という国を未来に向けて大きく開くことができると思っております。

 最後に申し上げたいことがございます。私ども、衆議院、参議院で、特に予算委員会を通じて議論をしてまいりました。年金の議論、社会保障の議論、あるいは財政の議論、大変、未来を占うために難しいテーマでございます。こういったテーマに関して、当然、言うまでもありませんが、まずは政府がしっかりとした提案というものをつくり上げていくことは論を待ちません。

 しかし、ある一定のときに、野党の皆様方にも御協力をいただきながら協議を深めていくことも必要ではないか。このような大きなテーマに関して、与党だ、野党だといがみ合うようなときではない。むしろ、大きなテーマに向けて国を挙げて取り組む姿勢というものもいつの時代か、つくり上げていかなければならないと思っております。

 更に「政治とカネ」の問題に関しても、冒頭にも申し上げましたけれども、この問題に関しても与野党が協力をしていきながら解決の道筋をつくり上げていくことが大変重要なのではないかと思います。

 改めて申し上げたい。私ども政権を握らせていただいて半年経ちました。さまざま、未熟なるがゆえに問題点も抱えていると思います。しかし、決して時計の針を逆に戻してはならない。大きな、未来に向けて時計の針をもっと勢いよく回せるような、そんな政府をつくり上げてまいりたいと思っておりますので、どうか国民の皆様方にも辛抱強く御指導いただきますようにお願いを申し上げて、まずは冒頭の私からの国民の皆様方へのメッセージといたします。

 聞いていただいた国民の皆さんに厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。


【質疑応答】

(内閣広報官)
 それでは、質疑に移りたいと思います。私の方から指名いたしますので、所属と名前を明らかにしてから質問をしてください。大勢の方が参加されておりますので、質問は簡潔にお願いいたします。
 それでは、質問のある方は挙手を願います。それでは1番前、角田さん。


(記者)
 NHKの角田です。よろしくお願いします。今月中に、政府案をまとめるとしています、普天間基地の問題について2点お伺いします。残る時間もわずかとなってまいりましたけれども、まず、政府案は1つにまとめるのか、それとも今後の交渉に備えて複数にしていくのか、更にはこうした案を公表されるのでしょうか、こうしたことについてお伺いいたします。
 関連して2点目ですけれども、沖縄の負担軽減を図るために県外への移設を総理は目指されていますけれども、これは全面的な県外への移設なのか、また、どの程度県外へ移設できれば、たとえ県内移設が絡んでも、沖縄などの理解が得られるとお考えなのか、お聞かせください。

(鳩山総理)
 まず、お答えいたしたいと思います。普天間の基地の移設に関してのお尋ねでございます。
 当然のことながら、最終的には政府案1つにまとめなければ、交渉というものはうまくいかない、そのように認識をしております。その交渉の前提の中で、さまざまな選択肢というもので、私たちは議論をしてまいりました。その中には幾つかの選択肢があったことは事実でございますが、当然私どもが政府案としてアメリカやあるいは日本、沖縄になるのか否かということはあろうかと思いますが、この地域でお願い申し上げる交渉をさせていただくというときに、当然ながら政府案として、1つにまとまっていなければならないと、私はそのように考えておりまして、3月いっぱいをめどにしながら、政府案をまとめる努力を今いたしているところでございます。
 それから、公表するかどうかということでございます。御承知のとおり、今でも、もう既にいろんな新聞報道などがなされておりますが、必ずしも正確なものではありません。それを前提に、私が御案内のとおり、例えばこうなりますというようなことを申し上げたら、そのことに対するさまざまな、例えばアメリカからの交渉の難しさ、いろんな声が聞こえてくると思います。
 したがいまして、ある一定のときには当然のことながら、公表をして国民の皆様方の御判断に委ねるというか、御判断もしていただくということにもなろうかと思いますが、ある一定の時間は当然交渉事でありますだけに、秘密性というものが守られなければ、うまく交渉も進められないというところもあるいはあろうかと思っておりますから、そのところは御容赦いただきながら、しかし、当然国民の皆様方にもさまざまな御理解をいただかなければならないと思っております事案なだけに、ある一定のときには公表をいたします。
 あえて申し上げさせていただければ、今まで沖縄の皆様方に大変大きな御負担をしていただいてきた基地の問題でございます。これを是非全国の国民の皆様方にも、今までは沖縄にこれだけ過重な負担があったんだと。全国民の中でというか、全国の、おれたちも、私たちもそういったことも学んでいこうではないかという理解の思いを示していただければ大変ありがたいと、そのように思っております。
 それから、全面的に県外か、一定程度かというようなことでございます。恐縮ですがそのことに関して、今、答えを申し上げるわけにはまいりませんが、特に沖縄の皆様方の過重な負担というものを考えたときには、極力、鳩山としては、県外に移設をさせる道筋というものを考えてまいりたいと思っているところでございます。


(内閣広報官)
 それでは、次の質問を、相本さん。

(記者)
 西日本新聞の相本と申します。よろしくお願いします。総理は、支持率低迷の原因として、政治とカネの問題を挙げられておりますけれども、原因が明白にもかかわらず、政治的なけじめをつけられようとしていないんではないかという批判があります。
 また、政策面でも、郵政改革を巡って閣内が混乱するなど、総理の指導力不足というのが改めて指摘されています。こうした批判を払拭するためにも、総理がこの際リーダーシップを発揮して、小沢幹事長の処遇も含めて、内閣と党の人事を一新される、そういうお考えはないでしょうか。あるいはあくまで現体制のまま参院選に臨むお考えなのか、その辺りをお聞かせください。

(鳩山総理)
 今、私も冒頭申し上げましたように、政治とお金の問題あるいは私自身の指導性の欠如ということが国民の皆様方に、何をやっているんだと、せっかく期待していたのにというお気持ちになっていることは私も理解をしております。
 ただ、御案内のとおり、これも現在予算案が上がったという直後でございます。むしろこれから更に、今の閣僚の皆さんに頑張っていただいて、その実績を関連法案などにもしっかりと示していただくことが大事なときでございます。
 したがいまして、こういった問題は、私は人事というものは大変重要であるということは認識をしております。したがいまして、総理という立場からあるいは党の代表という立場から、人事というものの重要性の認識というものは当然持ち合わせているわけではございますけれども、今、この状況の中は、まずは閣内もしっかりとまとめ上げていくということ、それから党内においてもいろんな声があることは、私は民主的で、むしろ歓迎すべきことだとは思っておりますが、党内の結束というものを高めていくということが大事だと思っておりまして、その方向で力を入れたいと思っておりまして、したがいまして、現在、内閣を例えば改造すべきときだと、そのような認識、あるいは党の人事を動かすという認識を持ち合わせているわけではありません。


(内閣広報官)
 それでは、次、有馬さん。

(記者)
 朝日新聞の有馬と申します。まず最初に、先ほど総理が記者会見について言及されましたけれども、この記者会見はそもそも主催が内閣記者会ということになっておりまして、まさに総理が恣意的に記者会見を開いたり、開かなかったりということがないようにということで、主催が記者会になっているという経緯がございます。
 その中で、昨年9月の政権発足以来、何度ももっと頻繁に会見を開いていただきたいというふうに内閣記者会として要望してきた経緯がありますが、そうされてこなかったと、今回、4回目か5回目になりますけれども、ということがございますので、総理が今日もっと頻繁にやるとおっしゃったことは、非常に喜ばしいことだと思いますが、そういう経緯があったことも御承知おきくださいということです。
 質問ですけれども、総理の進退についてお伺いしたいと思います。現在、内閣支持率がなかなか下げ止まらないという状況が続いておりまして、総理は以前、支持が得られなければ総理を辞めるとおっしゃったこともございます。やはり総理自身や小沢幹事長をめぐる政治とカネの問題が大きく影響していると思われますし、ここにきて郵政や普天間をめぐってなかなか政権に遠心力が働いているという状況もあろうかと思います。
 ここで、総理自らが身を引くことによって、事態打開を図るというお考えをお持ちかどうかということをお伺いしたいと思います。

(鳩山総理)
 まず、記者会見の話、恐縮ですが、私はもっと開けという皆様方の強い御要望があったことを、今日まで知らなかったことを申し訳なく思っております。これからは極力、できるだけ多く記者会見を開いてまいりたいと、改めて申し上げておきます。
 それから、私自身の進退でありますが、私はそれは御案内のとおり、今、内閣の支持率が大変下がってきているという状況は、自分としてもこれは深刻に受け止めるべきだと理解をしております。ただ、私は、辞めればよいとか、そういう立場では今、決してありません。むしろ国民の皆様方から政権交代をして、果たすべき役割があるだろうと、その役割をもっと果たせと、そのように言われていると思っておりまして、せっかくある意味で予算が上がったと、これから国民の皆さんに実感を伴ってこの国が大きく変わっていくという姿をごらんになっていただきたいと思っております。
 そのような中で、当然、鳩山、もう辞めろというお声を多くの方々からいただくようなことがあれば、当然そのことは私自身の身にも鑑みる必要があるかとは思っておりますが、しかし、今はむしろそのようなお声よりも、こういう厳しいときだと、だからこそしっかりやらなければだめだぞと、お前は総理として頑張れというお気持ちをいただいているものだと、むしろそのようにも思って自らを励ましているところでありまして、進退というものを考えておりません。


(内閣広報官)
 それでは、次に新しく参加された方から、上杉さん。

(記者)
 先ほど朝日の記者が、総理はもう少し記者会見を開けということだったんですが、全く同感ですが、ただ、回数ではなく参加した記者、いわゆる国民にもう少し開いた形でやっていただきたいと思います。まずお願いです。
 今日は、そうはいっても記念すべき日になりました。先ほど総理も言及されたので、あえて記者クラブ、そしてこのクラブの会見の主催権、官房機密費の問題、あるいは官房長官の問題については、とやかく申し上げません。
 ただ、随分と経ちましたが、総理が日本の民主主義にとって貴重な一歩となる公約をお守りいただいたことに、まずは敬意を表します。
 そして、戦後65年、これまで国民の知る権利、情報公開の立場、会見のオープン化に向けて努力をしてきたすべての人々、それから世界中のジャーナリストに代わって御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 質問はありません。以上です。


(内閣広報官)
 ありがとうございました。
 それでは、河島さん。

(記者)
 読売新聞の河島と申します。政治とカネの問題でもう少しお伺いしたいんですが、先ほど総理はしっかりと解決の道筋を付けていかなければいけないと。具体的にどういう道筋を、どういうことをやることが政治とカネの問題が解決すると思っておっしゃってられるのか。
 先ほど野党との協議という話もありましたけれども、政治とカネの話は、国会の法案以外も民主党として、政権として、どういうけじめをつけるのか、小林衆議院議員の話も含めて、どういう自浄作用を果たしていくのかということも問われていると思うので、そのことも含めて政治とカネの問題の解決の道筋で、どういうことを考えているかということをお示しください。

(鳩山総理)
 私は、まず政治とカネの問題に関しては、大きくは2つあると思います。
 その1つは、説明責任というものを、それぞれがもっと果たしていくべきだということであります。私に関して申し上げれば、これは予算委員会その他、逃げも隠れもせず、常に申し上げているところではございます。それぞれ小沢幹事長も記者会見は行って、そこでさまざまな答弁も申し上げているところでございます。
 他の議員に対しても、私はやはり何らかの形の説明というものは求められている。国民の皆さんにやはり疑惑を持たれているとすれば、御自身として疑惑がないと思っておるならば、その思いをしっかりと説明されるということは、やはり大事なことだと思っております。
 ただ、小林議員に関しては、関連する公判が控えているという状況もあることも御理解を願いたいと思います。そのような状況で、本人自身が不起訴になっているということでもございますだけに、党として、現在いわゆる処分ということまで考えておらないという状況でございます。
 一方で、やはり私は、こういったものをこれからできる限り起こさないような体質に政治全体を変えていくことが求められていると思っております。したがいまして、より透明を図るということは言うまでもありませんが、いわゆる企業団体献金の禁止というところまで踏み込んだ形で、この根っこを断つという法律を作ることが、私はやはり根本的な解決ということになれば、必要だと思っております。一人一人のことに対してけじめをつけるということも大切な方向だとは思っておりますが、むしろ将来に向けて、こういったことが決して起きないという状況をつくり上げていくことが更に求められているのではないかと思っておりまして、今、申し上げたように、説明責任、そして法案の成立というものに力を入れることが大事ではないかと申し上げたいと存じます。


(内閣広報官)
 では、こちらサイドでいくと、青山さん。

(記者)
 日本テレビの青山です。普天間基地移設問題についてお伺いしたいんですけれども、総理は先ほど、極力県外移設の道筋を考えてまいりたいとおっしゃいました。もう3月末の政府案とりまとめも1週間を切っている段階で、ここに至って、やはり沖縄県外ということを強調されるということは、さすがに県外に移設するということに対して、ある程度の確信というか、総理の中でこれは県外に移設ができるとお感じになっているということでよろしいのでしょうか。これまで県外移設を総理が発言されるたびに、沖縄県内で期待感を高めてきたという経緯もございますので、ここに至ってやはりそれの自信がおありなのか。
 もしそれで、万が一県外移設というのがうまくいかなかった場合に、やはり総理大臣として、ここまで県外移設を訴えてこられて、沖縄県民に対してどのように謝罪し、どのように政治責任を取るおつもりがあるのか。そこの覚悟を改めてお聞かせ願いたいと思います。

(鳩山総理)
 もう既に結論、すなわち県外といいながら、県外にならなかったという場合の謝罪の在り方などという議論は、私は時期尚早だと思っております。そうならないように全力を尽くす。それが覚悟の示し方だと思っておりまして、今、できなかったなどということの釈明を考えるいとまがあれば、極力そうならないように、全力を尽くすということがすべてではないかと思います。
 私はいずれにせよ、どの地域に普天間の移設先を求めるにせよ、その地域の方々の理解というものを求めるために、これは自らも含めてでありますが、政府一丸となって努力をするということは、言うまでもないことでありまして、3月末が迫ってきているということは事実でございます。それだけに、それなりに私としても、強い思いを、覚悟というものを更に高めていくことができつつあるとは思っておりますが、しかし、今、ここで、だからその場所がどこだとか、あるいはそれができなかったらどうするんだということまで言及すべきときではないと理解を願いたいと存じます。


(内閣広報官)
 続きまして、外国人の方、どうぞ。

(記者)
 ロイター通信のシーグですけれども、日本の厳しい財政状況についてなんですけれども、それについて金融市場や国民からも懸念の声がありますが、昨年の衆議院選挙のマニフェストをそのまま実施しようとすれば、更に状況が悪化する可能性は否定できません。選挙公約と財政規律のどっちが優先かとなった場合どうなさいますか。マニフェストを見直す場合、どう有権者を納得させますか。

(鳩山総理)
 ありがとうございます。私どもは昨年の選挙において、民主党としてマニフェストをお示しした。当然そのマニフェストの実現に向けて政権を取ったわけですから、全力を傾注しているところでございます。
 一方で、これも御承知のとおり、大変財政は厳しいという状況は変わりませんし、更に厳しくなってきていることも、おわかりのとおりでございます。
 したがいまして、私どもとしては、当然マニフェストは基本的には党がつくるものでございますが、党の中にマニフェストの検討委員会をつくらせていただきました。そしてその中で、これから議論を進めてまいりたいと思います。
 国民の皆様方にも、マニフェストは公約なんだから、そのまま実現をされるべきだという方と、いや、これはマニフェストもわかるけれども、しかし財政の厳しさも理解をしている。したがってマニフェストというものに対しては、それなりの修正というものもあってもしかるべきだと、その両論があろうかと思っています。国民の皆さんの御意見というものは大変貴重だと思っておりますが、そういった貴重な御意見というものも踏まえながら、これから検討委員会で鋭意検討を進めてまいりたいと思っております。
 マニフェストですから、基本的にそれが満たされるように全力を尽くしていきながら、しかし、やはり財政の厳しさ、これ以上、例えば赤字国債というものを大きく、更に発行させてしまうという状況は、できる限り控えなければならないという、これは特に菅財務大臣などを中心にその声も大変高まってきております。そのバランスを考えていきながら、できる限りマニフェストの実現に向けて、財政の在り方というものを考えてまいりたい。今、そのスタートラインに立った、すなわちマニフェストの検証から新たな参議院選に向けてのマニフェストの作成というもののスタートが切られようとしていると理解を願えればと存じます。


(内閣広報官)
 では、次、神保さん。

(記者)
 ビデオニュースの神保と申します。歴代のどの党もなしえなかった会見のオープン化に一歩踏み出されたことに敬意を表します。
 その上で、会見についてお伺いしたいんですが、現在、鳩山内閣では、ほかの省庁で記者会見が既にオープンになっているところ、それからいまだにクローズのところ、それから大臣自らが会見を2回やることで、半分オープンになっているようのところと、かなりばらつきがありまして、閣内不一致の様相を呈しております。
 これまで、総理官邸が開いていなかったがために、それぞれが自分で勝手な基準で開けたり、開けなかったりというのが続いていたんですが、今回、総理の会見がこのようにオープンになりましたので、鳩山内閣としては、今後、鳩山内閣の各省庁の記者会見について、オープンの基準なり何なりを、総理自らがイニシアチブを取られて設定していかれるようなおつもりはあるのかどうか。
 特に、今現在、開いていない中で、検察の会見が開いていない。それから、今回せっかく総理が開けていただいたのに、官房長官の会見がまだオープンになっておりません。特にその2つも含めて、総理のお考えを伺えればと思います。

(鳩山総理)
 閣内不一致の記者会見の在り方ではないかというお尋ねでありますが、それぞれの大臣に、それぞれの理由があって、基本的にはオープンにしたいけれども、必ずしも事の性格上オープンにできないとか、あるいは会見場の狭さ、広さというようなことも、あるいはあるのかもしれません。
 ただ、やはり私が、総理大臣が記者会見をオープンにしていくわけでありますから、すべての大臣に対して、私は開きましたよということは申し上げて、閣内不一致と言われないように、むしろこの情報の公開、国民に開かれた内閣の姿を示す必要があろうかと思っておりますので、統一を目指して、今、お尋ねがありましたので、私の方から申してまいりたいと思っております。


(内閣広報官)
 それでは、そちらの方、どうぞ。

(記者)
 北海道新聞の土田と申します。総理の財政再建についての考え方についてお聞きします。
 先ほどの冒頭の発言でも、財政再建と年金、社会保障についての与野党協議について触れられておりましたけれども、また一方で、菅財務相も財政健全化法の制定というものに言及されておりましたが、この財政再建というものをどのように進めていくのか。また、この年金、社会保障、財政再建についての与野党協議というものをどういったタイミングで働きかけていくのかというところについてのお考えをお聞かせ願えますでしょうか。

(鳩山総理)
 ありがとうございます。財政が厳しいと。一方で経済も厳しいと。したがって、特に北海道も含めてでありますが、地域経済を活性化させるために、財政というものをもっと活用するべきだという声も、いまだ強く内閣の中にあることもおわかりかと思います。しかし、やはりそうはいっても、社会保障費は年々1兆円というか、医療費なども大変な勢いで伸びているところでございまして、そのことを考えれば、やはり財政の規律というものが完全に失われてしまうと、国債に大変大きな暴落というか、変化を与えてしまいかねません。
 したがいまして、私としても、菅財務大臣が、これは自民党の林芳正議員などが中心となって作っておられる財政健全化法に類するようなものを、政府としてもつくるべきではないかという考え方に、基本的に同調いたしております。すなわち、6月には、私どもも中期財政フレームを作り上げてまいります。財政に対してしっかりとした運営戦略を作り上げていかなければならないと、そのようにも思っております。そういう中で、それを法的に担保するというぐらいの覚悟が必要なのではないかと思っております。そのようなときには、これはある意味で、与野党を越えた協力あるいは協議というものが必要なのではないかとも思っております。
 ただ、くどいようですが、まずは政府の考え方というものを最初に示す努力をすることは大事であろうかと思っておりまして、そのような政府の努力の中で、与野党で協議をしていくことも、将来的にあるいは必要になってくるのではないかと考えております。
 したがいまして、時間的な軸で申し上げれば、6月というものが1つのめどになりますから、その前後に、今、申し上げたような行動というものが求められてくる可能性があろうかと思っております。


(内閣広報官)
 それでは、次の質問、どうぞ。

(記者)
 日本インターネット新聞社の田中と申します。内閣支持率、民主党支持率の低下に歯止めがかかりません。私どもは市民メディアでありまして、有権者の声を直接聞きながら編集したり、執筆したりしております。
 不人気の大きな原因が、大メディアの世論調査にあるような「政治とカネ」ではありませんでして、民主党政権になっても全然生活がよくなっていないではないか。むしろ自民党時代よりも悪いではないかというのが、このマグマがすごいです。
 それで、政治が混迷する大きな原因の一つに官邸の調整能力のなさがあります。個人の能力を超えたことを平野官房長官に要求するのも酷であります。国民にとっては更に悲劇です。官房長官をチェンジするということも視野にはございませんでしょうか。国民の切なる願いです。

(鳩山総理)
 まず、官房長官は私は大変頑張ってくれていると思っております。官邸の機能が必ずしも十分果たせていないということに関しては当然、幾つかの改善を急務として行わなければならないかとも考えておりますが、私は生活がよくなっていないというのは、第2次の補正予算というものはスタートしておりますが、予算がようやく2日前に仕上がったばかりでございまして、これから国民の皆様方のお暮らしというものに直接プラスの影響が出てくる。そのように確信をしています。
 すなわち、私どもとすれば、やはり今回のデフレというものを何とか払拭させていくためには、内需、家庭に対して刺激を直接与えることが大事ではないかという発想の下で、子ども手当とか高校無償化というものを提案して実現してきたわけでございまして、こういうことを行うことによって、特に所得が必ずしも多くない方々にとって、生活実感といいますか、生活がよくなってきているな。新しい政権になって変わったなという実感をそのときに感じていただけるものだと思っていまして、生活がよくなっていないではないかというのは、まだ旧政権のある意味での予算というものが、あるいは方向性が延長してきていた中で起きている事象だと国民の皆さんには御理解いただいて、これから変わりますよと、変わってくる姿をご覧になっていただいて、それでもインターネットを通じて、全然よくなっていないではないかと、または悪くなっていくのではないかという話であれば、そのときに更に考えていかなければならない話だと思っています。


(内閣広報官)
 それでは、次の質問をお受けします。
 そちらからどうぞ。田中さん。

(記者)
 予算が成立しまして、参議院選挙に向けて準備が加速していくと思うんですけれども、内閣支持率が非常に下がって厳しい状況の中で、参議院選挙の勝敗ラインについて、今の時点でどのような目標をお考えになっていらっしゃるか。また、その目標を達成できなかった場合に、その責任についてどのようなお覚悟をお持ちか、お聞かせください。

(鳩山総理)
 まだ予算が成立をして2日しか経っておりません。このような中で私の頭の中には、この予算をいかに早く執行して、国民の皆さんの暮らしというものをいかに早くいい方向に向けて頑張れるか。特に学校の耐震化というようなさまざまな議論も予算の審議の中で出てきているわけでありますが、こういったことにどのように対処するかということに、今、頭がいっぱいでございます。
 参議院の選挙が7月という意味ではそれほど遠くないとも思っておりますが、今、私には参議院選挙の勝敗ラインというものを設定する状況ではありません。これから幹事長とも相談いたしながら、参議院選挙に向けてしっかりと戦って勝利を収める方策というものを構築してまいりたいと思っておりますし、そのときに何らかの形で民主党としての勝敗ラインを設定しようと思っておりますが、今、勝敗ラインを考える状況にはまだ至っておりません。


(内閣広報官)
 それでは、次の質問を、真ん中の方、どうぞ。

(記者)
 朝日新聞の林ですけれども、先ほど総理は財政健全化法の提出を検討するとおっしゃいましたが、4年間の任期中に消費税率を引き上げないという前提で信頼性のある健全化法というものは果たしてつくれるんでしょうか。どのようにお考えでしょうか。

(鳩山総理)
 私は、それは決して不可能ではないと考えております。私が政権担当している間に消費税の増税はしない、これは国民の皆さんへ約束をいたしたものであります。その約束を簡単にたがえるべきではないと、私はそのように思っております。
 このような条件の中で、財政の健全化の方策というものを考えるというのは大変厳しいというか、難しいことであるということは私も理解をしております。
 ただ、まだ、私から申し上げれば、いわゆる民主党に期待をしているのは、もっと無駄をしっかりと探せと、独立行政法人あるいは公益法人、こういったところを一つひとつもっとしっかりチェックをしろという声が大変強いのも事実でございまして、第一弾の事業仕分け、短い時間ではありましたが相当頑張ってくれたこともよく皆さん方にも御評価いただいたところでありますが、なお一層の努力を、まずは傾注することが大事だと、このように思っております。
 そのために、私として、先般、これは幹事長にも提案をいたしたのでございますが、一期生140人、更に参議院の一期生もおります。こういった有能な若手に、公益法人あるいは独立行政法人の見直し、一人一人に担当させてほしいと、しっかりやってもらいたいと、そしてある意味での、百数十人の協力の中で徹底的な歳出の削減の部分も含めた見直しというものを行うことで、国民の皆様方の、まずは期待に応えるべきだと考えております。
 ただ、それだけでは十分ではないという御指摘も出てこようかと思っております。その財政、いわゆる財政のフレームをどのようにしてつくり上げていくか、大変厳しいことであることは間違いないと思っておりますが、約束は約束として守っていく中で、これは1年のみならず、2年、3年、4年、将来的な絵を描くということは、決して私は不可能な話ではないと思っております。


(内閣広報官)
 それでは、向こうの列で、岩上さん。

(記者)
 フリーランスの岩上安身と申します。本日は、こういう形でオープンな記者会見を開いていただけたことを、心より感謝申し上げます。
 まず、これは、日本の情報公開、結論あるいは仕上げではなくて、第一歩であろうと思います。
 ソ連が崩壊期にゴルバチョフ政権、ペレストロイカというのを始めたときに、その第一歩となったのが情報公開、グラスノスチでした。日本のグラスノスチの夜明け第一歩になっていただけるよう、この後、各省庁すべての会見がフルオープンになっていくことを期待したいと思います。
 質問ですが、まず、情報の公開の在り方なんですけれども、官邸のホームページに、動画が配信されておらず、また、記者会見の記録というものが、テキストで載っているんですけれども、こちらには質問者が明示されておりません。ここで社名、氏名を申し上げても、問答という形式になっております。
 今まで開かれてきた金融庁、外務省、それから、内閣府の枝野大臣の記者会見で、初日に私、全部その点を指摘申し上げまして、質問者もまた国民から見れば、知るべき対象だろうと思います。どんな社のどんなジャーナリストが、どのような質問をして、それに対してどう大臣が答えたのかということまで含めて、国民はすべて開示され、その情報を得たいと願っているだろうと思いますので、これらをすべてつまびらかにして、オープンにしていく、そういう在り方をしていく考えはございますでしょうか。
 また、もう一点ですけれども、なかなか記者会見を開いていただけないという御不満が先ほど一部からもありましたけれども、例えば今後、記者クラブ主催の記者会見ではなく、総理の主催による記者会見を別途開かれて、そこにより多くのフリーランスやネットメディアと、今まで既得権を持たず、記者会見に参加することのできなかったそういうメディアやジャーナリストが参加しやすいような場をつくっていただくことはお考えになっていただけないでしょうか。
 この2点をお願いしたいと思います。

(鳩山総理)
 ありがとうございます。
 ロシアのペレストロイカのグラスノスチになぞらえていただいてうれしいような、まだそこまでに至っていないのかという思いにもなるわけでありますが、御評価いただいたことは感謝いたします。
 私もこの記者会見のオープン化はまだ不十分だと思っています。御案内のとおり、これも満杯になってしまっておるものですから、会場の設営の問題というのもございますが、できる限り更にオープンに努めてまいりたいと、まず、そのようには思います。
 そして、そのホームページに関してお尋ねでありました、質問者とそれに対する答え、だれが答えているかも含めてでありますが、検討させてもらいたい。むしろ、当然、これは質問者も名前を隠せと言っているわけではないと思っておるものですから、そして、質問される方もそれなりの責任というものもあろうかと思います。したがって、基本的にこれも、私は氏名を公表すべきものだとも基本的には考えております。これは私としての意見として申し上げておきます。したがって、できればそのようにしてみたいと考えます。
 それから、もう一つ、記者クラブ主催の記者会見ではなくて、更にオープンな形で私が主催する記者会見も行えということでございます。私の例の政治資金のことに関しては、私が主催して記者会見を開いたという、余りここで言いたくもなかったかもしれませんが、自分で開いていることもございますが、更によりオープンに、これは記者クラブとも、先ほどお話がありましたので、しっかりと協議をしなければいけない話だと思っておりますが、より広く情報公開を求める国民の皆さんの声に応えてまいりたいと思っておりますので、より多く開くという意味においても、主催者というものが、私で開かれるものがもっと多くできるのかどうか、できるようにしてまいりたいと思っておりますが、これは記者クラブ制というものがあるものですから、そのクラブ制の中でしっかりと検討して答えをより積極的に見いだせるようにしてまいりたいと思います。

(記者)
 ありがとうございました。


(内閣広報官)
 予定された時刻が迫っておりますので、簡潔に質問していただきたいと思います。次、どうぞ。

(記者)
 北海道新聞の今川です。郵政改革法案についてお尋ねします。
 閣内もいろいろ混乱しているようですが、総理自身、端的に言って、預入限度額ですとか簡保の加入限度額について、亀井さんがおっしゃるような案のままでいいとお考えなのか、それとも、ある程度限度額の幅を圧縮すべきとお考えなのか、そこで総理の指導力を発揮するお考えはないか。
 あと、了解を与えた、与えないで水かけ論になっていますが、今一度御確認したいんですが、亀井さんに対しては、ある程度お任せします的なことを総理自身もおっしゃっていないのですか、実際。その辺を一度更に確認させてください。

(鳩山総理)
 郵政改革についてのお尋ねであります。主として、この郵貯、簡保の限度額のお話であろうかと思います。
 この件に関して、まだ閣議で決定をしている段階ではないということでございまして、したがって、この件に関して私の方から閣議、閣僚懇の中で申し上げたのは、是非さまざまな、これはある意味で金融の問題だけでとらえるべきではないということで、幅広くすべての閣僚の皆さん方にも参加をする形で意見交換をして、議論をしようではないかということを提案したところでございます。
 来週の火曜日になろうかと思いますが、しっかりと全閣僚出席の下で議論を進めて、そこで結論を見いだせるようにしてまいりたいと思います。
 なお、私は、これは水かけ論の話の中に入るつもりはありません。大事なことは、やはり閣内でまだ決定していない段階では、それぞれの方々がそれぞれの思いで発言することをすべて閣内不一致だということで御批判をされると、これは自由な議論がまるでできないということになります。むしろ、自由な議論というものはあってしかるべきだと私は思っています。
 最終的に決めたときに、みんなでその結論に従うということができることが政治主導だと思っておりまして、是非皆さん方にも、いろんな声が、閣議で決める前に、それぞれの閣僚の中にあることは、むしろ健全なんだと、今まではそれぞれの担当の大臣が官僚の皆さん方にある意味で任せられてしまっていて、ほとんど声が出なかったということ自体がむしろ不健全であったと、そのように是非考えていただきたい。
 結果として当然、最終的に主導性というものを発揮することは大事だと思っておりまして、最後は一つにまとめてまいりたい。特に亀井大臣、原口大臣が中心となって今日まで努力をされてこられたということは、敬意を表するべきであろうと思っておりまして、結果としてまだ決まってはおりませんが、既に委員会などで答弁をされた数字というものは、それはかなり大変重いものであるということは、すべての閣僚も認識する中で議論を進めていくことが必要だと思っております。


(内閣広報官)
 それでは、予定の時刻がまいりましたので、これをもちまして記者会見を終了させていただきます。御協力ありがとうございました。