首相官邸 首相官邸 トップページ
首相官邸
 トップ会議等一覧経済財政諮問会議 印刷用(PDF)

構造改革と経済財政の中期展望-2003年度改定

平成16年1月19日
閣 議 決 定

 我が国経済は、企業収益の改善や設備投資の増加等、企業部門を中心に前向きの動きが現れるなど明るい兆しがみられる。
 この背景としては、世界経済の回復をはじめとする循環的な需要回復といった要因に加え、民間企業の不断の改革努力による収益構造の改善、企業法制整備等による企業・産業再編の活発化など、構造改革の成果が現れつつあることがあげられる。
 政府としては、こうした明るい兆しが企業から家計、都市から地方へと日本経済の隅々にまで浸透するように、一層の政策努力を行い、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を目指す。
 他方、物価については、消費者物価、国内企業物価ともに総じて下落幅は縮小してきているが、なお緩やかなデフレ状況が続いている。デフレがこうした企業努力の成果に対して足枷とならないよう、政府・日本銀行は一体となってデフレ克服を目指した取組を推進する。


 常に5年程度の中期的な基本方針と展望を持ちつつ経済財政運営を行うため、本「構造改革と経済財政の中期展望-2003年度改定」(以下、「今次改定」という。)の最終年度は2008年度までとする。なお、基礎的財政収支(プライマリーバランス。「借入を除く税収等の歳入」から「過去の借入に対する元利払いを除いた歳出」を差し引いた財政収支)については2010年代初頭までの期間を視野に入れる。
 「今次改定」の内容は、中期的な経済財政運営の基本方針と経済財政の将来展望、並びに民需拡大の観点から「構造改革と経済財政の中期展望」(平成14年1月25日閣議決定。以下、「改革と展望」という。)の役割と密接に関連する構造改革を中心とする 。 1 
 「改革と展望」に盛り込まれた政策は、政府として実行すべきものである。また、政府部門に関する目標は、その時々の経済財政状況を踏まえつつ、政府としてその実現に努めるべきものである。民間部門に関する数値等は、一定の政策を前提とした将来展望である。


1.経済財政状況


「改革と展望-2002年度改定」(平成15年1月24日閣議決定)においては、厳しい内外経済環境が続いていることから、2004年度までの集中調整期間は、少なくとも当面、実質成長率は1%以下程度、名目成長率はさらに低いものとならざるを得ないと見込んだ。
足元の経済状況をみれば、米国経済等の想定以上の回復もあり、2003年度の実質成長率は2.0%程度、名目成長率は0.1%程度になると見込まれる。雇用情勢は依然として厳しいものの持ち直しの動きがみられ、企業収益の改善等、企業部門に前向きの動きがみられるなど、景気は持ち直している。しかしながら、大企業・製造業が中心の回復であり規模・業種間に格差がみられる。また、景気改善の状況には地域差がみられる。
政府としては、こうした景気回復の動きが中小企業や非製造業、さらに家計にまで広がるよう環境整備を進めるとともに、その効果が都市から地方へと日本経済の隅々にまで浸透するように「官から民へ」、「国から地方へ」の改革を加速し、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を目指す。こうした取組が、海外経済や株価、為替レート、長期金利の動向などについてのリスクが顕在化した場合への備えともなる。
現在、消費者物価、国内企業物価は前月比でみればともに概ね横ばいとなっており、前年同月比でみても、総じて下落は続いているものの下落幅は縮小してきている。さらに、企業のデフレ懸念にも改善の兆しがみられる。種々の物価動向等を総合的に勘案すれば、我が国経済は緩やかなデフレ状況にあるものの、変化の兆しがみられる。
財政面では、持続可能な財政の構築に向け、「改革と展望」に沿って安定的な財政運営を行っている。


2.中期的な経済財政運営の基本方針


(安定的な経済財政運営)


対象期間中(2008年度まで)の経済財政政策は安定的に運営する。その際、財政の自動安定化機能に配意する。また、景気が極めて厳しい状況となる場合には、大胆かつ柔軟な政策対応を行う。


(集中調整期間とデフレ克服に向けた取組)
集中調整期間は、改革を集中的に推進し、中期的な民間需要主導の成長を実現するための重要な準備期間である。集中調整期間終了までの今後1年程度の間、デフレの克服と民間需要主導の持続的な経済成長の実現に向け、構造改革の加速・拡大などの政策努力を行う。
同時に、デフレ克服と民間需要の持続的な拡大のためには、実効性ある金融政策とその波及メカニズムの強化など金融面での対応が重要である。
また、こうした政府・日本銀行の取組により、人々のデフレ懸念は払拭されていくと見込まれる。


こうした考え方の下、政府は民間需要、雇用の拡大に力点を置きつつ、構造改革をさらに加速・拡大する。また、2004年度における不良債権問題の終結を目指し、これまでの成果の上に立って不良債権処理を推進する。こうした構造改革は、主に次の5つの効果を通じて、デフレ克服に寄与するものと見込まれる。
1)「官から民へ」の考え方の下、行政サービスの民間開放の推進、構造改革特区の推進などをはじめとする規制改革の一層の推進、企業の事業・組織再編関連制度の整備等により、創造的な企業活動を促し、新規需要を拡大する。
2)持続可能な財政や社会保障制度の確立に向けた取組を継続して実施することにより、国民生活及び民間経済活動にとっての将来への不確実性、リスクを軽減する。
3)より強固な金融システムの構築に向けた改革、企業・産業と金融の一体的再生に向けた取組等により、民間部門の収益率改善に向けた環境を整備する。こうしたことにより、資産価格にも好影響を及ぼすことが期待される。
4)包括的かつ抜本的な税制改革により、持続的な経済社会の活性化を実現するとともに、将来にわたる国民の安心を確保する。
5)1)から4)の取組を通じて期待成長率を高め、資金需要を拡大すると同時に、金融仲介機能を回復することや産業金融機能を強化することにより、資金供給を円滑化する。


デフレ克服を目指し、政府・日本銀行は一体となって、できる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向けて取り組む。
 日本銀行は、消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで量的緩和政策を継続することを約束している。さらに、2003年10月には、金融政策の透明性を強化する観点から、量的緩和政策の継続に関する具体的な条件を示し、コミットメントをより明確化した  2 。このコミットメントに従った、潤沢な資金供給が期待される。
 さらに、政府の行うより強固な金融システムの構築に向けた取組と、日本銀行による金融政策の波及メカニズムを強化するための取組などにより、資金供給が増大していくことが期待される。


(経済の展望)
デフレについては、上述のような政府・日本銀行一体となった取組を通じ、デフレ圧力は徐々に低下し、集中調整期間の後には消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)がプラスとなり、他の物価指数も徐々にプラスになると見込まれることから、デフレ克服に向けた着実な進展が見込まれる。
2004年度については、実質成長率は1.8%程度、名目成長率は0.5%程度となる見込みである。集中調整期間後については、実質成長率は1.5%程度あるいはそれ以上、名目成長率についても徐々に上昇し、2006年度以降は概ね2%程度あるいはそれ以上の成長経路を辿ると見込まれる。


なお、物価動向について判断を行うにあたっては、消費者物価等種々の物価関連統計を総合的に勘案する必要がある。その際、各種統計の対象範囲、算出方法の違い等の統計的特性などを十分踏まえて判断する。


(歳出抑制の目標と基礎的財政収支)
「改革と展望」においては、2006年度までの間、政府の大きさ(一般政府の支出規模のGDP比)は2002年度の水準を上回らない程度とすることを目指すこととしている。また、受益と負担の関係についても引き続き検討を行うこととしている。なお、2004年度予算においては、2003年度に続き、一般会計歳出及び一般歳出について実質的に前年度の水準以下に抑制することを目標とした。また、地方財政についてもこれに準じた方針がとられた。
着実な経済成長と適切な財政構造改革なくして財政の健全化はあり得ない。政府は、中期的に財政収支を確実に改善していくため、民間需要主導の持続的成長を実現するための構造改革を加速するとともに、歳出改革を加速する。こうした取組を継続することにより、2002・2003年度とGDP比5%台半ばで推移している基礎的財政収支の赤字は、2004年度から縮小に向かうものと見込まれる。
また、2006年度までに、国と地方双方が歳出削減努力を積み重ねつつ、必要な行政サービス、歳出水準を見極め、また経済活性化の進展状況および財政事情を踏まえ、必要な税制上の措置を判断する。
2007年度以降も、それ以前と同程度の財政収支改善努力を行うと同時に民間需要主導の持続的成長を実現することにより、2010年代初頭における基礎的財政収支の黒字化を目指す。


ここで述べた経済や財政に関する将来展望には種々の不確実性が伴うため、相当の幅を持って理解されるべきである。


3.構造改革の加速・拡大


 構造改革の進展の中で、わが国の経済社会構造は大きく変化しつつある。IT化の急速な進展は産業や国民生活を大きく変貌させつつある。電気通信関連のサービス業、ソフトウェア業、介護事業等新分野で事業所が急増し、雇用も大きく拡大している。地域の知恵と工夫を生かす構造改革特区は急速に進展し、全国各地で個性ある都市の再生への取組が進んでいる。
 こうした動きを広げ、これまで述べてきた経済財政の姿を確実なものとするために、以下の方針の下、改革工程を明らかにしつつ、構造改革を加速・拡大する。これにより、デフレの克服と民間需要主導の持続的な経済成長の実現、国・地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化を実現する。その際、「官から民へ」を明確に制度・規制改革として実現し、「国から地方へ」を地域の視点、現場の創意・工夫を重視する。
 構造改革を通じて中期的に以下のようなことが実現する経済社会の構築を目指す。
1)国民一人一人が能力と個性を発揮し、経済社会の活性化に貢献することが可能となる
2)高齢者が活躍し、若者が努力と学習によって可能性に挑戦できる
3)年齢や性別にかかわらず誰もが能力に応じ、生きがいを持って働ける
4)貿易、投資のみならず研究開発や文化芸術、スポーツなど幅広い分野で国民が世界中で活躍し貢献する
5)地方が「自助と自立の精神」の下、人材、歴史、文化といった多様な資源を活かし、知恵と工夫でそれぞれの地域の魅力、個性を発揮する
6)安全と治安が確保され、国民が安心して暮らせる


(1)活力ある経済社会の実現に向けた民間主導の経済成長の強化


 グローバル化の急速な進展の中で、科学技術、知的創造力、地域の多様な資源、国民の潜在的需要等を基礎として、新たな産業の創出、特色ある地域産業の形成、多様で質の高い雇用機会の拡大に取り組み、民間主導の経済成長を強化する。


(不良債権問題の終結と産業・金融の一体的再生)
金融再生プログラム等の着実な実施を通じて、2004年度に不良債権問題を終結させる。
金融機能強化のための新たな公的資金制度を設け、経済の活性化や金融システムの安定・強化に資する。
リレーションシップバンキング機能の強化に加え、地域中小企業再生ファンドの形成等を通じて、地域における産業・金融一体となった再生を行う。


(「官から民へ」に向けた規制改革、構造改革特区の推進等)
規制改革を強力に推進する。また、競争政策の一層の強化を図る。
構造改革特区については、引き続き可能な限り多くの規制改革を実現するとともに、規制の特例措置の効果等を評価し、それを踏まえて2004年から全国規模での規制改革を展開する。
行政サービスの民間開放にあたって障害となる制度や規制を改革する。


(新たな産業・事業の創造、投資の促進と産業金融機能の強化等)
新産業創造戦略の策定、知的財産戦略の推進等を通じて、創業・新事業の創出、中小企業の挑戦支援、成長分野の発展・促進、特色ある地域産業集積の形成等を推進する。
科学技術基本計画に基づき、科学技術の戦略的重点化、科学技術システム改革を引き続き推進し、科学技術創造立国を実現する。また、e−Japan戦略IIを推進し、ITの利活用を推進する。
証券市場における監視機能の強化、証券決済システム改革、信託制度の整備等によって、金融資本市場を一層効率的で競争力のあるものとし、貯蓄から投資への流れを加速する。
投資事業組合ファンドの枠組みの整備、証券化支援などの新たな担い手や手法の導入促進等により多様な資金の流れを整備する。
不動産によらない在庫等を活用した担保制度(動産譲渡の公示制度等)を実現するとともに、行き過ぎが指摘される「包括根保証」を見直す等、個人保証のあり方を適正化する。


(雇用創出の強化)
高齢者ケア関連サービス、情報通信、観光などサービス分野を中心とする530万人雇用創出プログラム等を着実に推進し、雇用創出を拡大する。
労働需給のミスマッチの解消、能力開発・職業訓練、労働移動支援等に関する政策に重点化する。その際、民間を積極的に活用する。
学卒者等への就職支援、教育・人材育成の強化、就業機会の創出等を内容とする若者自立・挑戦プランを民間を積極的に活用しつつ推進する。


(自由貿易協定を含む経済連携等の推進)
東アジア諸国・メキシコ等との自由貿易協定を含む経済連携等を推進し、モノ、人、資金等の流通・移動を促進する。また、対日直接投資の拡大を図るとともに、観光立国に向け、訪日外国人旅行者を倍増させることを目指し、環境整備を図る。


(2)地域の真の自立と再生


 それぞれの地域の多様な発展なくして国の発展はあり得ない。「均衡ある発展」の本来の考え方を活かすためにも、「個性ある地域の発展」、「知恵と工夫の競争による活性化」を重視しつつ、地域経済の再生に取り組む。


(地域経済の再生に向けた取組の強化)
「地域再生推進のための基本指針」に基づき、2004年2月下旬に「プログラム」を策定し、それに基づき、迅速な成果を実現する。
建設業をはじめとする地域の基幹産業における事業転換など経営革新を推進する。また、観光や食料産業など地域特性を活かした産業・事業の創出、中小企業の活性化、都市と農山漁村の共生・対流等を推進する。農業については、プロ農業経営への支援の集中化・重点化、株式会社・農業生産法人等による企業的経営の推進、農協改革等の構造改革を進める。
地域の実情に合わせた就職支援の強化、地域の自発的な雇用創出事業への支援を推進する。その際、地域の自主的判断で民間委託等を可能とするような制度整備を進める。


(三位一体改革の実施)
「基本方針2003」を踏まえつつ、2004年度においては、国庫補助負担金について1兆円の廃止・縮減等の改革を行う。また、三位一体改革に関する政府・与党協議会における合意を踏まえ、2006年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実現することとし、この本格的な税源移譲を実現するまでの間の暫定措置として、平成16年度税制改正において所得譲与税を創設し、所得税の一部を税源移譲する。同時に、地方交付税の改革について、地方財政計画の規模を抑制し、交付税総額の抑制を図る。
「基本方針2003」を踏まえ、2006年度までに、国庫補助負担金について概ね4兆円程度を目途に廃止・縮減等の改革を行い、地方交付税の財源保障機能全般を見直して縮小するとともに、廃止する国庫補助負担金の対象事業の中で引き続き地方が主体となって実施する必要があるものについて、基幹税の充実を基本に税源移譲を行う。経済財政諮問会議を中心に議論を進め、三位一体で改革工程を加速・強化する。その際、税源移譲を含む税源配分の見直し等の地方税の充実に対応して、財政力格差の調整の必要性が高まるので、実態を踏まえつつ、それへの適切な対応を図る。


(3)少子化対策と持続可能な社会保障制度の構築


 少子化の流れを変えるため次世代育成支援に関する取組を幅広く強化するとともに、若者が将来を展望でき、高齢者が安心できる、持続可能な社会保障制度を構築する。


少子化対策については、「待機児童ゼロ作戦」の推進、育児休業制度の見直し、公的年金制度における育児期間に対する配慮、今後策定される「少子化社会対策大綱」等に基づき、国民を挙げて取り組む。
年金・医療・介護・生活保護などの社会保障サービスを一体的にとらえ、制度の設計を相互に関連づけて行い、良質かつ効率的なサービスを供給する。持続可能な社会保障制度を確立し、国民の安心を確保しながら、社会保障給付費の伸びを抑制する。


(4)持続可能な財政の構築


 簡素で効率的な政府の実現に向けた歳出改革、包括的かつ抜本的な税制改革の継続的実施等を進め、持続可能な財政を構築する。


(簡素で効率的な政府の実現に向けた歳出改革)
「改革と展望」に基づき、2006年度までの間、政府の大きさは2002年度の水準を上回らない程度を目指す。特別会計についても、事務・事業等の廃止・合理化、財政規律の向上に向け、聖域なく見直す。
公共投資についても、「改革と展望」に基づき、2006年度までの間、景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の水準を目安に、更なる重点化・効率化を推進するとともに、コストの縮減等を図る。
総定員法の上限を大幅に引き下げるとともに、治安など真に必要な部門には適切に定員を配置しつつ、国家公務員の定員合理化に大胆に取り組む。また、総人件費を極力抑制する。地方も国に準じた抑制が期待される。
府省横断的な民間需要や潜在力を最大限引き出す政策を重視し、政策群などを引き続き活用する。


(包括的かつ抜本的な税制改革の継続的実施)
「基本方針2003」の考え方を踏まえ、1)持続的な経済社会の活性化のための税制改革、2)租税負担と社会保障負担の総合的な検討、3)国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲を含む税源配分のあり方、といった事項を中心に包括的かつ抜本的な税制改革に引き続き取り組む。その際、経済や財政の状況等を十分に見極めつつ、歳出の徹底した見直しと合わせ、幅広く検討を行う。


(予算制度改革)
以上のような中期的な指針の下、主要な歳出分野について、複数年度の視点に立った歳出管理を行う。
新しい予算編成プロセスをモデル事業として拡大していくほか、「宣言、実行、評価」に基づく予算編成プロセスを予算全体に拡大する。


(公的債務管理)
国債発行を極力抑制するとともに、公的債務の各種リスクを適切かつ専門的に管理する。



1「改革と展望」の役割は、経済財政の中期ビジョンを示し、短期と中期の経済財政政策の整合性を確保すること、財政・社会保障の中長期的な持続可能性を提示すること、経済財政政策の合理性などについての説明責任を果たすことである。
今次改定」は「改革と展望」を基礎とし、また「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(平成15年6月27日閣議決定)等と密接に関連しており、政府はこれらを一体として構造改革を推進する。


2(参考:「金融政策の透明性の強化について」(抄)2003年10月10日日本銀行)
日本銀行としては、このコミットメントについては以下のように考えている。
第1に、直近公表の消費者物価指数の前年比上昇率が、単月でゼロ%以上となるだけでなく、基調的な動きとしてゼロ%以上であると判断できることが必要である(具体的には数か月均してみて確認する)。
第2に、消費者物価指数の前年比上昇率が、先行き再びマイナスとなると見込まれないことが必要である。この点は、「展望レポート」における記述や政策委員の見通し等により、明らかにしていくこととする。具体的には、政策委員の多くが、見通し期間において、消費者物価指数の前年比上昇率がゼロ%を超える見通しを有していることが必要である。
こうした条件は必要条件であって、これが満たされたとしても、経済・物価情勢によっては、量的緩和政策を継続することが適当であると判断する場合も考えられる。