目次

コンピューター製品及びサービスの調達に係る総合評価落札方式の標準ガイド

平成7年3月28日
[調達関係省庁申合せ]


 本標準ガイドは、調達機関が総合評価落札方式により調達する場合の事務処理の効率化等に資するため、大蔵大臣と協議を整えた各省各庁の長の定めとともに、運用上の基本的な事項を手引きとしてとりまとめたものである。

第1各省各庁の長の定め(大蔵大臣協議済)

I 適用範囲

 次に定めるコンピューター製品及びサービスを調達する場合であって、平成7年7月1日以降に入札公告又は入札公示を行うものについて適用する。

対象となる調達
1.「コンピューター製品」
(1)コンピューター及び周辺機器(パッケージソフトウェアを含む。)
(2)(1)の機器が主たる構成要素となっている製品
(3)コンピューター製品の供給に付随するサービスの価額が当該製品の価額を超えない場合の当該サービス

2.「コンピューター・サービス」
(1)コンピューターの運用及びメインテナンス
(2)コンピューターへのデータ入力
(3)コンピューター・システムの開発
(4)コンピューター・ソフトウェアの開発
(5)(2)〜(4)のメインテナンス
(6)システム・インテグレーション・サービス
(7)その他の関連サービス((1)〜(6)のサービスを契約の目的として人材派遣を受ける場合を含む。)

(注)上記は、「日本の公共部門のコンピューター製品及びサービスの調達に関する措置」(平成4年1月20日第17回アクション・プログラム実行推進委員会決定。以下「措置」という。)が適用されるコンピューター製品及びサービス(以下「製品等」という。)をいう。

適用する調達の範囲
1.製品等でその予定価格が80万SDRを超える調達。
2.1.のほか、調達機関が総合評価による落札方式を適用することが適当であると判断する調達であって、入札公告又は入札公示の前日から起算して少なくとも30日前に大蔵大臣に届け出たもの。

(注)
1.本落札方式を適用する場合において、基準額(SDR)の邦貨換算は「国の物品等の調達手続の特例を定める政令」(昭和55年11月18日政令第300号)第2条の規定に基づく大蔵大臣告示の邦貨換算額を基礎にして、次の方法により行う。
  基準額(SDR)の邦貨換算額=13万SDRの邦貨換算額×○○/13
(注)○○は換算の対象となるSDRを万単位で記入する。 2.邦貨換算額の端数処理については、1000万円未満を切り上げるものとする。

II 落札方式

1 入札者に価格及び性能、機能、技術等をもって申込みをさせ、次の各要件に該当する者のうち、V「総合評価の方法」によって得られた数値の最も高い者を落札者とする。

(1)入札価格が、予定価格の制限の範囲内であること。

(2)入札に係る性能、機能、技術等(以下「性能等」という。)が入札公告又は入札公示(これらに係る入札説明書を含む。以下同じ。)において明らかにした性能等の要求要件(以下「技術的要件」という。)のうち必須とされた項目の最低限の要求要件を全て満たしていること。

2 上記1の数値の最も高い者が2人以上あるときは、当該者にくじを引かせて落札者を定める。

III 総合評価の方法

1 性能等の評価方法については、次のとおりとする。

(1)評価の対象とする技術的要件については、当該調達の目的・内容に応じ、事務・業務上の必要性等の観点から評価項目を設定し、これを必須とする項目とそれ以外の項目とに区分する。

(2)必須とする項目については、各項目毎に最低限の要求要件を示し、この要求要件を満たしていないものは不合格とし、要求要件を満たしているものには基礎点を与え、更に、最低限の要求要件を超える部分について評価に応じ得点を与える。

(3)必須とする項目以外の項目については、各項目毎に評価に応じ得点を与える。

(4)各評価項目に対する得点配分は、その必要度・重要度に応じて定める。

2価格及び性能等に係る総合評価は、入札者の申込みに係る性能等の各評価項目の得点の合計を当該入札者の入札価格で除して得た数値をもって行う。

IV その他

 この落札方式による場合には、落札決定に当たって総合評価による旨及びその方法を入札公告又は入札公示において明らかにするものとする。

第2 総合評価に関する手引き

I 一般的事項

1 総合評価に関する基準の作成については、意見招請手続等を通じて得られた資料及び意見等を参考としつつ、措置等に則し、透明性及び公正性を確保して行う。

2 技術的要件及び入札の評価に関する基準については、入札説明書において明らかにするものとし、この旨入札公告又は入札公示において明記するものとする。

3 調達機関は、技術的要件及び入札の評価に関する基準を、仕様に関する書類(以下「仕様書」という。)及び総合評価に関する書類(以下「総合評価基準」という。)において定める場合にあっては、入札説明書の一部としてこれらを供給者からの要請に応じ速やかに交付する。

II 技術的要件

1 技術的要件は、必須の要求要件及びそれ以外の要求要件に区分して、入札説明書(仕様書を含む。)において明らかにするものとする。

2 技術的要件は、調達上の必要性・重要性に基づき、意見招請手続等を通じて得られた資料及び意見等を参考としつつ、適切に設定するものとする。

3 必須の要求要件については、調達機関が実際に必要とする必要最低限の内容に限るものとする。

4 必須以外の要求要件については、総合評価基準において定める評価項目として評価の対象とするものに限るものとし、評価の対象としないものは記載しない。

5 意見招請手続等を通じて得られた資料及び意見等の結果、供給者間で異なる方式による性能等の提案があり、いずれのものも採用可能な場合には、技術的要件は特定の供給者を排除しないように設定し、各供給者の性能等の評価が可能となるよう配慮するものとする。

6 技術的要件は、定量的に表示し得るもの(性能等を数値化できるもの)は、原則として数値で表すこととし、それが困難で定性的に表示せざるを得ないものについては、可能な限り詳細かつ具体的に記載する。

III 評価基準

1 入札の評価に関する基準は、評価項目、得点配分(基礎点及び評価に応じて与えられる得点(以下「加点」という))、その他の評価に必要な事項とし、入札説明書(総合評価基準を含む。)において明らかにするものとする。

2 評価項目及び得点配分は、調達上の必要性・重要性に基づき、意見招請手続等を通じて提供された実際に導入可能な製品等の性能等を参考としつつ、適切に設定するものとする。

3 調達上の必要性・重要性に照らし、必要な範囲を超え評価する意味のないものは、評価の設定の対象からは除外するものとする。

4 必須の評価項目であっても、調達上の必要性・重要性に照らし、最低限の要求要件を満たしていれば十分であり、当該最低限の要求要件を超えていても評価する必要がないものは、加点の対象にしない。

5 評価項目については、可能な限りその評価する内容を詳細かつ具体的に示すものとする。この場合において、あらかじめ数値等により定量的に評価する範囲(上限値等)を示すことができるものについては、当該評価項目毎にその旨を明記することとする。

6 基礎点合計と加点合計との配点割合は、調達しようとする製品等の目的、用途等を勘案して適切なものとなるように設定するものとする。

7 評価項目は、調達上の必要性に基づき、別紙に掲げる項目から選択する。
 なお、具体的な評価項目を設定する場合においては、その項目は当該調達に係る契約において、その内容が担保できるものに限るものとし、担保できないものは評価項目の対象としない。

IV 評価

1 入札の評価は、入札説明書(仕様書及び総合評価基準を含む。)に基づいて行うものとし、入札説明書に記載されていない性能等は評価の対象としない。

2 性能等の評価は、調達機関による公正、公平な審査を通じて適切に行うものとする。
 また、当該審査に当たっては、全ての入札者に共通の基準で行うこととし、特定の入札者の評価に特定の方法を用いない。

3 必須の評価項目については、入札説明書(仕様書を含む。)に記載された必須の要求要件で示した最低限の要求要件を満たしているか否かを判定し、合格、不合格の決定をする。
 合格とされたものについては、入札説明書(総合評価基準を含む。)に基づき基礎点及び加点を与える。

4 必須以外の評価項目については、入札説明書(仕様書を含む。)に記載された必須以外の要求要件を満たしているか否かを判定し、当該要求要件を満たしている場合は、入札説明書(総合評価基準を含む。)に基づき加点を与える。

5 定性的な評価項目に関する評価に当たっては、十分、合理的な理由をもって行うものとする。

6 性能等の評価に当たり、入札に係る製品等に対し、実地試験を課す場合には、公正かつ無差別な手段で行われることを確保するため、当該試験の実施内容・方法等を入札説明書において明らかにするものとする。

V その他

1 落札結果等の記録及び情報提供

(1)総合評価における入札者の申込みに係る性能等の評価及び落札の結果については、直ちに記録する。特に、技術的要件の審査結果については、各評価項目毎に評価の結果及びその理由を記録し、供給者の苦情等に適切に対応するものとする。

(2)落札できなかった供給者から落札情報の提供依頼があった場合には、落札の相対的な利点に関する情報(当該供給者と落札者のそれぞれの入札価格及び性能等の得点)を提供する。

2 評価内容の担保

(1)総合評価において評価した性能等については、全て契約書にその内容を記載することとし、その履行を確保するものとする。

(2)製品等の納入時の検査に当たっては、評価した性能等の内容を満たしていることを確認するものとする。

[別紙]

(1)性能、機能等に関する項目

○処理能力

○容量・規模

○環境条件

○機能性

○規格性

○移行性

○その他

(2)信頼性、柔軟性等に関する項目

○性能信頼性

○稼動実績

○セキュリティ

○メンテナンス容易性

○拡張性

○互換性

○操作容易性
 システムの稼動状況監視およびネットワークの稼動状況監視機能等について評価する項目を設定する。

○自動化対策

○その他

(3)保守、支援等に関する項目

○ハードウェア保守

○ソフトウェアサポート
 ソフトウェアサポートの体制およびサポート範囲等について評価する項目を設定する。

○文書支援
 文書支援について、その有無、支援の媒体、提供時期、内容等について評価する項目を設定する。

○ユーザー教育
 ユーザー教育について、教育の体制、対象、期間、方法等について評価する項目を設定する。

○制約条件
 当該調達によって発生する調達側に対する制約条件について評価する項目を設定する。

○その他

(4)応札者の開発、供給能力等に関する項目

○開発方法論
 応札者側が提供にあたって使用する開発方法論の有無と妥当性等について評価する項目を設定する。また、開発方法論におけるドキュメントや機能構成の考え等についても評価する項目を設定する。

○実現スケジュール
 応札者側に実現スケジュールを作成させ、調達側のスケジュールとの妥当性について評価する項目を設定する。

○プロジェクト管理
 プロジェクト要員レベル(評価基準の目安としての情報処理技術者試験によるランク分け)、体制、要員計画の妥当性について評価する項目を設定する。また、スケジュールとの妥当性もあわせて評価する項目を設定する。

○技法/ツール
 工程/機能別ツールに関し、適用予定の有無、及び妥当性等について評価する項目を設定する。

○開発環境の有無
 開発の全部または一部の工程を供給者側計算機で実施する場合、その計算機環境の整備状況等について評価する項目を設定する。

○開発実績
 類似システム開発実績及び類似規模(工数/費用)の開発実績等について評価する項目を設定する。

○応札者の信頼性

○その他

(5)その他