目次

スーパーコンピューター導入手続の改正について

平成2年4月19日
アクション・プログラム実行推進委員会


第13回アクション・プログラム実行推進委員会決定

 昭和62年7月16日、当実行推進委員会において、「スーパーコンピューター導入手続」を決定し、同年8月1日よりその着実な実施に努めてきたところであるが、これまでの同手続の実施状況等を踏まえ、スーパーコンピューターの導入について、一層透明、開放的かつ無差別な競争的手続を確保するとともに、各対象機関が導入の目的に最も合致したスーパーコンピューターを導入することを一層容易にするため、同手続を別紙の通り改正することとする。

(別 紙)

スーパーコンピューター導入手続(改正)

 スーパーコンピューターの導入に当たっては、透明、公開かつ無差別な競争的手続を設けるとともに、各機関がその導入目的に最も合致したスーパーコンピューターを導入することを確保することが政府の政策である。以下の手続は、この政策を十分かつ効果的に実施するために定めたものである。ここに定める手続は、スーパーコンピューターの調達をめぐる最近の事情の変化を踏まえたものである。競争的手続を行うことにより、国内外のいかなる企業も、各利用者の情報処理の要求に応える機種を提供する際、意図するとせざるとを問わず、優遇され、阻害され又は拒絶されない。私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)が定める不当廉売禁止に違反する入札に基づいてスーパーコンピューターを調達することは、政府の政策に反する。本手続は、平成2年5月1日から実施する。 なお、本手続の実施にあたっては、政府調達協定(以下「協定」という。)の要件との整合性を確保しつつ行う。

I.適用範囲

1.本手続は、我が国の政府調達協定対象機関によるスーパーコンピューターの導入(購入及び借入れ)を適用対象とする。

2.各省庁は、スーパーコンピューターを導入しようとする所管の特殊法人に対し、本手続の趣旨に則った導入手続をとるよう指導する。

3.この手続は300MFLOPS以上の理論的最高性能を有するスーパーコンピューターの導入に適用されるが、この対象範囲は必要に応じ見直すこととする。

II.手続

 スーパーコンピューター調達に関しては、協定及びアクション・プログラムの手続に従って調達を行う。全ての手続は自由競争の理念に基づき、内国民待遇及び無差別待遇を確保するような方法で実施する。この観点から協定の手続を補完し、その原則を的確に実施するため、スーパーコンピューターの導入を今後計画する機関(以下「機関」という。)は、下記の手続により導入を行う。

1.市場調査手続

1.1 資料提供招請

(1)機関は、スーパーコンピューターの導入を必要と判断する場合には、実際に必要とされる最低限の要求要件(機関が利用形態に基づき予想する作業負荷のパラメーターを含む)を策定する。これらのパラメーターは、機関が必要とするスーパーコンピューターの処理性能を実証する受容可能な最低限のベンチマークテストの結果を含むが、主及び補助記憶容量のような要件も含み得る。一定時間内における一定水準の処理性能が必要な場合には、その水準を要求要件に含めることはできるが、潜在的な供給可能者の参入を排除する形でこれを要求要件に含めてはならない。

(2)機関は、実際に必要とされる最低限の要求要件の策定を確実に行うため市場調査を行う。機関は可能な限り民間分野において類似の使用形態にあるスーパーコンピューターシステムの取引実例価格に関する情報を収集する。右調査は、透明な形でこれを行い、かつ予定価格の算定及び当該システムの導入に十分な予算の要求の基礎とする。

(3)機関は、供給者に対し情報提供を要請するに当たり、一部の供給者を優遇する形で情報の提供又は拒絶を行ってはならない。機関は、下記(4) に定める手続による場合を除いて、供給者となる見込みのある者に対して、スーパーコンピューターの導入計画に関する事前の情報を与えない。機関は、必要とされる最低限の要求要件の策定に直接関与した供給者を入札手続に参加させない。

(4)機関は、上記(1)で策定された実際に必要とされる最低限の要求要件に従い、スーパーコンピューターの導入計画及びこれに関する供給者からの一般的な参考資料及び基本的な要求要件に関するコメント(仕様、技術資料等を含む。以下同じ。)の提供招請につき官報による公表(以下「公表」という。)を行うとともに、これを補完するものとして機関が承知する内外の供給者(スーパーコンピューターの供給に関心を表明した者を含む)に対し同様な内容の資料提供招請状(以下「招請状」という。)を送付する。公表に基づき応募する供給者と招請状に基づき応募する供給者は、同等に取り扱う。

(5) 公表及び招請状の送付は、上記資料及びコメント提供の受付期限の前日から起算して少なくとも40日前までに行う。

(6) 公表及び招請状には、次の事項を記載する。
 (イ)スーパーコンピューターの導入計画及び実際に必要とされる最低限の要求要件
 (ロ) 資料及びコメント提供の受付期限
 (ハ)公表又は招請状に基づき応募する供給者から要求があった場合には、導入説明書を送付する旨の注記並びに導入説明書の入手先及び期間
 (ニ)導入説明会を開催する場合にはその旨の注記

1.2 導入説明書

(1) 機関は、公表又は招請状に基づき応募する供給者に対して導入説明書を交付する。

(2) 導入説明書には、少なくとも次の事項を記載する。
 (イ)資料の提供先(担当窓口)
 (ロ)追加情報の照会先
 (ハ)資料提供の受付期限
 (ニ)導入を計画しているスーパーコンピューターに関する詳細な要求要件(求められる性能、運用業務内容等)
 (ホ)機関が想定する代表的な作業負荷を示すベンチマーク・テストに関する資料
 (へ)導入説明会を開催する場合にはその日時及び場所
 (ト) 各必須要件の評価及び入札書の技術的要件の評価に関する客観的基準

1.3 導入説明会
 機関は、必要に応じ導入説明書に関する説明会を開催する。導入説明書に日時、場所が明記されていない場合には、機関は公表又は招請状に基づき応募した全ての供給者に対して情報を検討するための十分な猶予期間を確保しつつ案内状を送付する。

1.4 照会

(1)機関は、公表、招請状及び導入説明書の内容に関して供給者から照会のあった場合には、速やかに応じることとする。

(2)機関は、導入説明書に関する修正又は追加の情報がある場合には、当該情報を公表又は招請状に基づき応募する全ての関係供給者に同時に提供するとともに供給者がその情報を検討し、これに対応することができるように、追加資料提供のために十分な猶予期間を設ける。

(3) 機関は、提供された資料に関し、提供者に対し質問・照会を行うことができるが、一部の供給者を優遇する形で質問・照会を行ってはならない。また、機関は、必要な場合には、提供された資料に関し、性能及び機能に関する確認等を含む調査を行うことができる。

(4) 機関は、供給者から提供を受けた資料及び情報を当該供給者の同意を得ずに公表し、第三者に開示しない。

1.5 ベンチマーク・テスト

(1)定義 この手続においてベンチマーク・テストとは、使用者が指定する代表的な作業負荷(一連のコード)に基づいてスーパーコンピューターの達成性能を計測することをいい、計測に当たっては米国と同様ウォール・クロックの経過時間を用いる。

(2) ベンチマーク・テストはいずれの調達においても下記に従って行われる。
 (イ) 機関は、上記U1.1(1)の「資料提供招請」に従い、実際に必要とされる最低限の要求要件に合致するスーパーコンピューターの処理性能を特定する。
 (ロ)機関は、上記U1.2(ホ)の「導入説明書」の項に従いベンチマーク・テストに必要な書類を全て提供する。
 (ハ)ベンチマーク・テストの選択に当たっては、下記U2.1(2)の
 「仕様書作成」の項に従い、機関が想定する作業負荷の中で代表的なものを選ぶ。
 (ニ)下記U3.6の「技術審査」の手順に従って行われたベンチマーク・テストの結果は入札書に加え機関に提出されなくてはならない。
 (ホ)機関は、提出された試験結果を実証するため入札書提出後にべンチマーク・テストを実施することができる。

2.仕様書の作成

2.1 仕様書の作成

(1)機関は、市場調査段階で策定した実際に必要とされる最低限の要求要件に基づき、仕様書を作成する。当該調達が現有システムを置換するもの又はこれと相互接続するものである場合には、仕様書は供給者が現有システム供給者と有効に競争し得るように作成されなければならない。必要な処理業務を実行する観点から必須でないような機能は要求してはならない。

(2)機関が想定する代表的な作業負荷に基づくベンチマーク・テストは、機能的性能がスーパーコンピューターの性能評価の基礎として用いられるよう仕様書において最終的に定められる。機関は、供給者にベンチマーク・テストの準備及び実行に当たり必要とする全ての文書を提供する。機関が求めるシステムにとって必要なオペレーティング・システム及びその他のソフトウェアは、仕様書に明記されなければならない。

(3)供給者が機関の実際の要求要件を満たすことに専心できるようにするため、機器仕様よりもシステム全体の性能が重視される。機関が求める機種の能力についての目安を示すため、U1.1(1)にいう処理性能を仕様書に含めることができる。

(4) 仕様書には、潜在的な供給者が機関の実際に必要とする最低限の要求要件を理解するために必要な全ての情報が含まれていなくてはならない。機関は、仕様書の作成に直接携わった供給者を入札手続に参加させない。

2.2 仕様書の説明

(1)機関は、上記U2.1の仕様書を作成したときは、公表又は招請状に基づき応募した全ての供給者に対して、案内状を送付し、当該仕様書に関する説明を行う。また、機関は、互換性を要件として随意契約を行う方針を固めた場合には、協定上の根拠を合せて説明する。

(2)機関は、現有のハードウェア又はソフトウェアとの相互運用性を要求する場合には、供給者が自ら応ずる場合又は権限に基づく場合を除き独自のオペレーティング・システム、インターフェース又はプロトコルの開示を求めてはならない。

2.3 照会及び提案
 機関は、U2.2の説明の後、少なくとも50日以上の期間を設けて、機関及び供給者が当該仕様書に関して照会を行い、また供給者が当該仕様書に関する提案の申し出及び提案の修正を行う機会を与える。

3.入札手続
 スーパーコンピューターの調達に関しては、調達機関は下記の手続に従う。

3.1 基本手続

(1)購入
 協定及びアクション・プログラムの手続に従って、調達を行う。

(2)借入れ
 借入れを対象とする協定の規定に従って調達を行う。

3.2 入札期限及び情報提供

(1)調達機関は、競争入札によりスーパーコンピューターを調達する場合には、入札書が受領される期間を少なくとも入札公告後40日以上確保する。

(2)調達機関は、互換性を要件として随意契約によりスーパーコンピューターを調達する場合には、上記U2.3の期間経過後、契約締結の少なくとも40日前に当該調達計画を互換性の要件とともに官報により情報提供する。機関は、当該情報提供に基づき供給者より照会がある場合には、速やかに関連情報を提供する。

3.3 仕様書の確定
 調達機関は、上記U1.4及び2.3に従い、仕様書に関する照会又は提案が行われ、全ての供給者に対して変更点が通知された後、仕様を確定し、入札に参加を希望する供給者に提供する。

3.4 入札手続

(1)入札においては、価格に加え技術的性能、機能的性能の要因をも考慮して、調達機関にとって総合的に最も有利なものが評価される。評価のための基準は下記U3.7に定めたとおりとする。

(2)調達機関はスーパーコンピューター導入のための予定価格を決めるに当たっては、可能な限り、民間分野での類似の使用形態にあるスーパーコンピューターシステムの取引実例価格を基礎とする。

(3)一又は複数の入札が予定価格の範囲内で、かつ、調達機関が策定した最低限の機能的性能を満たす場合には、再度入札を行ってはならない。機能的性能の要件は上記U2.1に従って定められる。予定価格は、適切な予算に基いて上記U3.4(2)に従って決定される。

(4)調達機関は、ただ一人の供給者が入札した場合であって、その入札者が上記U2.1に従って策定された機能的性能要件を満たし、かつ、上記U3.4(2)に従って決定された予定価格の範囲内で入札する場合には、再度入札は求めない。

3.5 入札説明会
 調達機関は、必要に応じて、最終仕様書及び要求要件に関して説明会を開催する。この場合、入札に参加を希望する全ての供給者に対して同一の情報が提供される。

3.6 技術審査

(1)ベンチマーキング調達機関は、事前に決定され、かつ、内容が特定された、代表的な作業負荷を用いたベンチマーク・テストを行う。技術評価に当たり調達機関は、仕様書に示されたベンチマークテストのみを行う。ベンチマークの選択は、上記U1.1に従い当該機関が想定する作業負荷に基づいて行う。調達機関は、ベンチマーク・テストを行う場合には、各入札者に対し適切な事前通告を行う。テストで用いられる基準は、上記U2で特定されたものに限られる。
 調達機関は、一部の供給者のみが有利となる条件でベンチマーク・テストを行ってはならない。

(2)ベンチマーク・テストは、下記の条件を満たす場合を除き、全ての調達に関し、実存するシステムを使用してこれを行う。
 (イ)供給者が未だベンチマーク・テストを行い得ない新型の第1号機を提示する場合。
 (ロ)上記(イ)の要件を満たす供給者がいる場合には、他の供給者も当該調達において未だベンチマーク・テストを行い得ない新型機を提示することができる。
 (ハ)落札した当該供給者は、機種を指定する納期までに納入しなければならない。もし、当該供給者が納入を行うことができない場合には、調達全体は再度公告入札に付されるものとする。
 (ニ)落札したシステムは、納入前にベンチマーク・テストを行い、予測性能値と同等又はそれ以上の結果を示すと共に仕様を満たさなくてはならない。

(3)調達機関は、入札者から照会があるときは、システムが納入された後、予測性能値とベンチマーク・テスト結果の双方を明らかにする。

(4)入札者はベンチマーク・テストの実施方法及び結果に関連してVに定める調達審査委員会に対して苦情を申し立てることができる。

3.7 評価基準 

(1)入札の総合的評価は、全ての入札が公平に取り扱われ、かつ透明性を確保する形で行わなければならない。入札の総合的評価においては、調達機関は、システム全体の性能を重視しながら性能及び価格を考慮する。供給者からの入札書のうち、U.3.4(2)に従って決定される予定価格の範囲内であり、かつ、上記U3.3にいう仕様書に定める必須の各要求要件を満たしているものを評価の対象とする。

(2)調達機関は、必須の要件とそれ以外の要件を特定する。必須の各要件についての入札の評価基準は合格又は不合格という形で示し、U.1.2(2)(ト)で定める導入説明書及びU.3.3に定める最終仕様書に定める。全ての必須要件を満たす入札のみが更に審査される。

(3)調達機関は、入札の技術的要件についての客観的な評価基準をU.1.2(2)(ト)の導入説明書及びU.3.3の最終仕様書において定める。この客観的評価基準は、技術的要件ごとに得点方式で示すこととし、必須の要件に付いては、当該要件を超える部分に対して評価する。必須でない要件に対して特別の評価を与える場合には、上記客観的評価基準に基づき評価する。最終仕様書に書かれていない機能は評価の対象とはしない。入札者は、照会の段階で評価基準についてその変更を提案できる。入札の技術的要件に関する総合的評価は、各要件に対する得点を総計して行う。

(4)利用可能なソフトウェアについても考慮の対象とする。

(5)調達機関は、入札の技術的要件と入札価格を評価し、最も有利な入札を行った者を契約の相手方とする。

3.8 最終契約価格
 最終契約価格は、U.3.7に定める評価基準に従って決定される。

3.9 不公平な入札

(1)不当廉売の禁止を含む独占禁止法の規定に違反する入札に基づきスーパーコンピューターを調達することは政府の政策に反する。

(2)価格又はその他の条件において不法に公平な競争を阻害する入札が行われた場合には、この入札は、無効と見なされ、調達機関はこれを当該スーパーコンピューター調達において落札の対象としてはならない。

(3)上記(2)に当該する入札を行った者は、原則として、当該スーパーコンピューター調達の再度入札に参加する資格がないと見なれ、かつ、当該入札者の氏名は公表することとする。

(4)落札決定後、Vに定める手続きに従って苦情が申し立てられ、公正取引委員会又は裁判所が当該入札が不法に公正競争を阻害したと認定する場合には、調達機関はV.4.4に定める最も適切な措置をとる。

4.落札に関する情報及び調達結果の説明
 調達機関は、協定第6条に準じて、落札に関する情報を公表するほか、資料提供を行い、選定されなっかた供給者より照会があった場合には、その供給者が選定されなかった理由に関する適切な情報(選定された機種及び当該機種の相対的利点に関する情報を含む。)を速やかに提供する。但し、特定の供給者の正当な商業上の利益を害することとなる情報を除く。

III. 苦情処理機構

1.目的及び実施時期
 スーパーコンピューターの調達に当たっては、公正、かつ、開かれた競争及びこの手続との整合性を確保するために、次の苦情処理手続がこの手続の実施の日の約30日後から実施される。

2.調達審査委員会

2.1 この手続に基づくスーパーコンピューターの調達に関する潜在的な供給可能者からの苦情を審査するための中立の調達審査委員会(以下「委員会」という。)が組織される。委員会は、審査の対象となるスーパーコンピューターの調達に関して実質的な利害関係を持つものであってはならない。

2.2 委員会は、苦情を文書で受理し、機関によるスーパーコンピューターの調達に関するいかなる事項に関しても事実関係を調査し、提案を行う。

2.3 委員会は、公的分野の調達に関する有識者で構成する。苦情に関する審査に当たり利害関係を有する委員は参加できない。

3.調達審査手続

3.1 潜在的な供給可能者は、この手続の精神又は条項に反する形で調達が行われたと判断する場合には、委員会に対し、苦情を申し立てることができる。また、潜在的な供給可能者は、独占禁止法に違反する入札を行った者が落札したとの判断する場合も苦情を申し立てることができる。潜在的な供給可能者が、本手続の違反があると考える場合には、まず当該調達を行った機関との間で解決を求めることが奨励される。

3.2 苦情申し立ての時期

(1)苦情は、調達手続のいずれの段階であっても申し立てることができるが、苦情の要因が判明した時又は判明し得る状態になった後10日以内に申し立てなければならない。潜在的な供給者は、委員会に苦情を申し立てた後1日以内にその写を調達機関に提出する。

(2)委員会は、適時に申し立てられなかった苦情であっても正当な理由があるもの又は本手続の目的上重要な意味を持つものであればこれを受理できる。

3.3委員会は申し立て後7日以内に苦情を審査し、次の各号に該当する場合には、その理由を付して、文書で却下することができる。
(1)申し立てが適時に行われなかった場合
(2)この手続の対象外の調達の場合
(3)軽微で無意味な申し立ての場合
(4)潜在的な供給者からの申し立てではない場合
(5)その他の場合であって、委員会が審査するのが適当でない場合

3.4 委員会は、苦情が正当に申し立てられたと認める場合には、当該調達に関係する全ての潜在的な供給者に対して一日以内に文書で通知する。

3.5 落札又は調達手続の停止

(1)委員会は、落札に至る前の段階で苦情申し立てを受理したときは、苦情処理に係る期間内は調達手続を停止する旨の要請を当該苦情の申し立て後10日以内に文書で行う。

(2)委員会は、落札後に苦情申し立てを受理したときは、苦情処理に係る期間内は契約執行を停止する旨の要請を当該苦情の申し立て後10日以内に文書で行う。

(3)調達機関は、委員会からの要請を受けたときには、原則として調達手続又は契約執行を停止する。ただし、当該機関の長が、緊急かつやむを得ない状況にあるため委員会の要請に応じることができないと判断し、かつ、その旨を委員会に通知する場合にはこの限りではない。

3.6 調査

(1)委員会は、申し立て者及び機関による説明、要請及びその他の文書の提出等を通じて、苦情に関する調査を行う。

(2)委員会は、申し立て者若しくは機関の要請により、又は委員会の判断により、苦情に関する公聴会を開くことができる。

3.7 機関の報告

(1)調達機関は、苦情の写の送付を受けた後25日以内に、委員会に対し、次の事項を含む苦情に関する完結した文書による報告を提出する。
 (イ)要求要件に係る文書(苦情に関連する仕様を含む)
 (ロ)その他苦情に関連する文書
 (ハ)機関の有する全ての事実関係、調達機関の行為及び提案が明記され、かつ、全ての苦情申し立て事項に十分応えている説明文
 (ニ)苦情を解決する上で必要な追加的事実関係又は情報

(2)委員会は、上記(1)の報告を受領した後、速やかに関係文書の写を申し立て者に送付するとともに申し立て者に対し、関係文書の受領後7日以内に、委員会に対しその意見を提出するか又は当該文書に基づき決定が行われるべき旨の要望を提出する機会を与る。委員会は、意見を受領した後、速やかにその写を調達機関に送付する。

3.8 参加者

調達機関及び当該調達に直接の経済的利害を有する潜在的な供給可能者は、苦情処理手続に参加できる。

4.事実関係の認定及び提案

4.1 委員会は、苦情が申し立てられた後90日以内に、認定した事実関係と提案に関する報告書を作成する。事実関係の認定において委員会は、苦情の全て又は一部を認めるか又は却下するかを明らかにするとともに、調達の手続又は落札がこの手続の精神又は一部の条項に反して行われたものかどうかを明らかにする。

4.2(1)不当廉売を禁ずる独占禁止法の規定に違反して入札を行った者が落札した可能性が高いと委員会が認定する場合には、委員会は、当該調達につき公正取引委員会に通報し、独占禁止法違反の有無を認定すること及び適切な措置をとることを要請する。

(2) 委員会は、調達機関に対し、上記の通報に係る行為について公正取引委員会が最終的な結論を出すまでの間、調達機関に対して当該契約の執行を停止するよう要請する。調達機関は委員会からの要請を受けた場合には、原則として契約の執行を停止する。公正取引委員会の通知を受けた後、委員会は、苦情に関する審査を終了するが、公正取引委員会が独占禁止法違反があると認定した場合には、委員会は、当該調達機関に対し、4.4に掲げる措置を取るよう提案する。

4.3 委員会は、事実関係の認定と提案を行うに当たり、調達手続に係る瑕疵の程度、全ての供給可能者に対する取扱いの差異の程度、この手続との整合性及びその有効性の程度、参加者の誠意並びに当該契約がこの手続に関連している程度等、調達と落札に関する全ての事実関係を考慮するものとする。

4.4 委員会は、この手続の精神又は条項に違反するとの認定に至った場合には、次に掲げる一又は複数の適切な是正策を提案する。
(1)新たに入札手続を行う。
(2)入札条件は変えず再度入札を行う。
(3)入札を再審査する。
(4)他の供給者を落札者とする。
(5)契約を破棄する。

4.5 委員会は、報告書の作成後1日以内に事実関係の認定を文書の形で提案するとともに、苦情申し立て者、当該調達機関及び他の潜在的な供給可能者に送付する。認定結果に関し外国関係者からの照会がある場合には、外務省がこれを扱う。

4.6 調達機関が委員会の提案を受け入れない場合には、調達機関は、報告書の作成後1日以内にその決定と理由を委員会に送付する。この機関の決定に関し、外国関係者からの照会がある場合には、外務省がこれを扱う。

4.7 委員会がその審査の過程で法令に違反する行為の証拠を見出した場合には、委員会は、関係当局が適切な措置を取り得るよう当該証拠を関係当局に提出する。

5.迅速審査

5.1 苦情申し立て者又は機関が文書で苦情に対する迅速な処理の要請を行う場合には、委員会は、本項に定める手続(以下「迅速審査」という。)に従い、苦情処理を行うことを考慮する。

5.2 委員会は、迅速審査の要請を受領した後2日以内に迅速審査を適用するか否かを決定し、苦情申し立て者及び機関に対しその旨を通知する。

5.3 迅速審査が適用される場合に期限と手続は、次のとおりとする。

(1)調達機関は、委員会により迅速審査適用の通知を受けた後10日以内に3.7に定める報告書を委員会に提出する。委員会は報告書を受領後、速やかに苦情申し立て者に関係書類を送付する。委員会は、苦情申し立て者に対し、関連書類の受領後5日以内に委員会に意見を提出するか又は当該関係書類に基づき決定が行われるべき旨の要望を提出する機会を与える。委員会は、意見書を受領後速やかにその写を調達機関に送付する。

(2)委員会は、苦情に関する事実関係認定及び提案を苦情申し立て後45日以内に文書で行う。