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第1回 新年の抱負と訪ロの成果


平成15年1月18日放送

小泉総理ラジオで語る(第1回)の写真

 こんにちは、小泉純一郎です。今週から月に1回、第3土曜日のこの時間に、ラジオを通して話し合い、皆さんと一緒になって改革を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 改革を進めていると、ある時は「独断専行だ。」と、「人に相談しないで自分一人で決めているのではないか。」という批判があります。逆に、またある時は、「丸投げではないか」と言われます。「自分で方針を決めずに人に任せすぎているのではないか」という批判だと思います。

 私は、総理大臣というのは、まず基本的な方針を示して、具体的な中身や手続については、できるだけ多くの専門家の方々の意見を聴き、担当の各大臣に任せながら政策を実施していくのが良いと思っております。

 日本を取り巻く内外の情勢は、今年も厳しいものがあります。外交面では、イラクの問題、あるいは北朝鮮の問題。いずれも予断を許しません。

 北朝鮮との交渉については、北朝鮮を国際社会の責任ある一員としていくことが、日本にとっても、北朝鮮にとっても、国際社会にとっても大事なことだと思います。拉致被害者並びに御家族の立場を踏まえ、拉致問題や核開発の問題など懸案の解決に向けて米国、韓国と連携しながら、粘り強く努力してまいります。

 私は、今月9日から12日までロシアを訪問しました。ロシアは一党独裁から複数の政党による民主主義へ、統制経済から市場経済へ、また、アメリカとの対立からアメリカと協調するように変わりました。サミットの参加国となって、3年後にはサミット議長国になります。民主主義と市場経済という2つの基本的な価値を共有する国として、日本とロシアは今後どのような協力をしていくのか、モスクワで、私は、プーチン大統領と2国間、そして国際情勢の問題について率直に意見交換をし、真剣に話し合いました。

 日本とロシア両国の間で確固たる信頼関係が続き、築き上げられることが領土問題の解決と平和条約の締結、そして経済関係の発展など、両国の友好・協力の基本的な条件だと思います。会談を通じて、私はプーチン大統領との間で、「新しい日露環境をつくっていく」という固い決意を確認し合い、日露行動計画に合意しました。

 今、私たちが直面する最大の課題は、新しい時代に対応できる構造改革を進めて、いかに日本経済を再生させるかであります。

 私が初めて当選してから30年になります。初当選直後に第四次中東戦争が勃発して、狂乱物価と言われる時代を迎えました。当時、1年間の物価上昇率は20%を超えました。インフレ抑制が最大の政治課題でした。率直に申しますと、私は政治家在任中、「物価が下がる、土地が下がる時代は来ないだろう。」と思っていました。初めて当選して、狂乱物価を迎え、トイレットペーパーがない、洗剤がない、「このインフレをどうするんだ」という国民の声にどう応えていこうかと走り回っていた1年生議員が、今、10回当選して、内閣総理大臣として、デフレ抑制が小泉内閣の政治課題であることは、皮肉ではありますが、小泉内閣としてしっかりと取り組み、乗り越えていかなければならない課題だと思います。

 石油危機が起こると、日本は99%以上、外国からの油に頼っていましたので、「この危機で最も打撃を受けるのは日本だ。」と、日本人自身も思っていました。しかしながら、省エネルギー対策、備蓄、代替エネルギー対策を通して、「あの石油危機を最もうまく克服したのが日本だ。」という評価を今は得ています。

 日本は輸出国で、円が1ドル150 円になったら日本経済は崩壊すると言われていました。その輸出産業の花形だった自動車産業やカメラ産業は、この厳しい円高の中でも生き生きとして立ち上がっています。
 私は、「悲観論からは経済再生策は生まれない。」と思っています。今までの危機を克服してきた先人たちのあの意欲を学び取るべきだと思っております。政治の難しさは、目標を立てて、それを実現しても、実現した途端に新たに予想もし得なかった困難が起きてくることだと思います。

 戦後、日本の大きな目標は、「世界で一番長生きできる国にしよう。」ということでした。当時人生50年、長生きできる国というのは、まず、病院がなければならない、お医者さんがいなければならない、そして栄養失調で病気になることが多かったので、食べ物に不足があってはならない。

 今どうでしょう。世界で一番長生きできる国に日本はなりました。しかし、国民は果たして喜んでいるでしょうか。必ずしもそうではありません。最近では、「長生きしたからよいというものではない。」という新たな難しい問題も起こっています。

 「給料が上がらなくても、物価が下がればよい。」と考えていた10年前、日本は1つの目標を立てました。「サラリーマンの平均年収の5年分で、首都圏のマンションが手に入れられるようにする。」という目標です。
 今どうでしょうか。大体平均の4.9 倍で首都圏のマンションを手に入れることができます。しかし、それでも多くの国民はちっとも喜んでいません。「物価も上げて、土地も上げる必要がある。」と今は言います。ここに政治の難しさがあります。

 私は、「だめだ、だめだ。」と言ってへこたれるような気持ちを持っていては、過去幾度かの困難を乗り越えてきた先輩たちに申し訳ないと思います。「この困難は、我々の努力によって必ず克服するんだ。」「改革を実施することで経済再生ができる。」という自信と希望を持って改革に取り組んで参ります。

 では、また、来月お目にかかりましょう。と言っても実際にお目にかかることはできませんが、私は皆さんとお会いしているような気持ちでお話したいと思います。

 さようなら。

※このメッセ−ジは、全国34局のラジオで1月18日(土)に放送されたものです。


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