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内閣総理大臣説示

平成十三年四月二十六日



 初閣議に際し、私の所信を申し述べ、閣僚各位の格別のご協力をお願いする。

一 私は、政治に対する国民の信頼を回復するため、政治構造の改革を進める一方、「構造改革なくして景気回復なし」との認識の下、この内閣を、各種社会経済構造の改革に果敢に取り組む「改革断行内閣」とする決意である。

二 本内閣の最大の課題は、日本経済の立て直しである。不良債権処理を始めとする緊急経済対策を速やかに実施に移すことができるよう、対策の具体化に取り組んでいただきたい。また、新たな産業と雇用を創出するため、経済構造改革の視点をもち、各府省の所管する規制等について、原点に立ち返った見直しを実施していただきたい。また、産業競争力の基盤となる新しい科学技術分野に戦略的な研究開発投資が促進されるよう、「科学技術基本計画」の実現に向け、関係閣僚の格段の努力をお願いする。

三 併せて、財政構造や社会保障について、制度の規律を確立し、国民に信頼される仕組みを再構築するため、中長期を見通した改革の道筋を示していくことが、この時期に国政を預かる者の責務である。私自身、経済財政諮問会議を主導し、指導性を発揮していく決意であるが、内閣として一致協力して国民の期待に応えることができるよう、関係閣僚に格段の理解と努力をお願いする。

四 財政構造問題を論ずる前提として、まず、民間にできることは民間に委ね、地方に任せられることは地方に任せるといった、中央政府の徹底した行政改革が必要である。公務員制度改革、特殊法人や公益法人等の改革、地方分権の推進などについて、各閣僚に指導性を発揮していただくようお願いする。

五 「eーJapan重点計画」に基づく情報通信技術(IT)革命の推進、日本人としての誇りと自覚、国際感覚を併せもった人材を育てるための教育改革、司法制度改革等については、引き続き内閣の重要課題として取り組んでいく方針である。今国会に提出している関連法案の早期成立に努力願いたい。

六 「構造改革を通じた景気回復」には、痛みも伴う。国民の「信頼」なくして、政策の遂行はおぼつかない。常に共に支え合う国民の視点に立って虚心坦懐に政策の効果や問題点を検討し、その過程を国民に明らかにする「透明、公正な行政」を心がけていただきたい。

七 内閣は、憲法上国会に対して連帯して責任を負う行政の最高機関である。国政遂行に当たっては所管や立場にとらわれず活発な議論を期待するが、内閣として方針を決定した以上は一致協力してこれに従い、内閣の統一性及び国政の権威の保持にご協力いただきたい。