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通常国会終了時における小泉内閣総理大臣記者会見
平成13年6月29日
冒頭発言
ようやく今日で通常国会が閉会いたしましたが、4月26日に総理大臣に就任して以来、自民党、公明党、保守党の皆さんを中心に、小泉内閣を支えようということで、大変温かい、力強い、御支援をいただきました。当初、なかなか難しいであろうと思われていた法案もお陰様で9割以上の成立を見ることができました。この間の与党を中心とした協力関係、この連立政権の密接な提携、協力の下に、当初予想した以上の成果を上げることができた国会だったと思います。
この間における国民の皆様方の温い御理解と、御激励に対しまして、国会を閉会するに当たりまして、心から厚く御礼を申し上げたいと思います。
そのためには、まず、来月29日に行われます参議院選挙に際しましても、今の与党体制、少なくとも参議院で過半数以上の議席を得られるように私も一所懸命汗をかきたいと思っております。また、今日の夜、日本を出発いたしまして、アメリカへ向かいます。ブッシュ大統領と初めての会談ではございますが、その後、英国、フランスへ伺いまして、英国のブレア首相、フランスのシラク大統領にもお会いし、率直に意見交換をして、日米、日英、日仏、この二国間関係の友好関係の重要性を認識し、そして、再確認し、お互いの首脳同士の信頼関係を築いていきたい。
併せて、アメリカ、イギリス、フランス、その各国の首脳の皆さんと国際情勢にわたりましても、率直な意見交換をしまして、日本も世界の中で、国際社会の中で、日本にふさわしい貢献ができるような道を模索していきたいなと。
2か月という短期間のことでございましたけれども、いまだ総理大臣という重い職責の重圧を毎日感じております。緊張感を持ってこれまで進めてまいりましたけれども、この日本国の首相という職責の重要性を十分認識し、多くの国民の期待に応えるような総理大臣として、今後も精一杯努力していきたいと思いますので、皆さん方の各段の御指導と御鞭撻をお願いしたいと思います。
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質疑応答
【質問】 まず、日米首脳会談についてお伺いしたいんですけれども、ブッシュ政権が提案している新しいミサイル防衛計画については、各国からいろいろ懸念が示されていますが、首脳会談では総理はどのようにミサイル防衛計画について日本側の考えを伝えるお考えでしょうか。
【小泉総理】 まず、このミサイル防衛につきまして、アメリカの考え方、そして、日本の考え方というものを率直に述べ合いまして、アメリカの安全保障に対する考え方と、日本の安全保障に対する考え方には、違いがございます。その点も率直に述べて、このミサイル防衛が核拡散の防止、あるいは大量殺戮兵器であります核兵器の削減、そして、軍備管理、軍縮、安全保障を考える上において各国の不安をなくすような努力をアメリカにもしてもらいたいし、日本としても、アメリカのミサイル防衛に対する考え方について、既に技術協力を表明しておりますし、理解をしておりますが、より一層突っ込んだ意見交換をしていきまして、お互いの、日米同盟関係の協力、強化に向けて相互の共通認識を確認して、相互理解を深めて、日米同盟の協力・強化が、日米の安全のみならず、世界にも寄与するものだという点で建設的な議論をしていきたいと思っております。
なぜアメリカの安全保障に対する立場と、日本の安全保障に対する立場と違うかと申しますと、アメリカはNMD、TMD、これについてかなり違いを鮮明にするというよりも、共通性を持った認識を持っているようでございますが、それはアメリカは自国の防衛のみならず、同盟国の防衛というものを真剣に考えている国でございます。
【質問】 続けて、首脳会談で懸案となるであろう京都議定書についてお尋ねしたんですが、ブッシュ大統領は京都議決書について、致命的な欠陥があるとおっしゃっています。議定書をまとめた国である日本国の首相として、アメリカ大統領をどのように説得するお考えでしょうか。
【小泉総理】 私も小泉内閣の最初の所信表明で述べましたとおり、環境の問題、これは小泉内閣として最重要な課題の一つでございます。そういう点から京都議定書の持つ意義、地球全体の温暖化問題に対する懸念、これは多くの国も認めていただいているものと思っております。
【質問】 予算編成に関してお伺いしたいんですが、8月上旬に概算要求基準が閣議決定されますが、今年は総理が議長を務める経済財政諮問会議で策定されるという運びになっています。概算要求基準をどのように総理は見直したいとお考えですか。 |
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【小泉総理】 この概算要求は、参議院選挙が終わると直ちに基準を決める作業に入らなければならないと思います。そこで、先日決定されました経済財政諮問会議における基本方針、この骨太の方針をどう具体的に予算で表していくかという作業が、この概算要求基準から始まるわけであります。
しかし、その基本方針は既に決定されました。この基本方針の総論を賛成していただいたわけですから、今まで総論賛成、各論反対というものが必ず出てくるというのはわかっておりますが、この各論、具体論が出てきた段階でどういう反応が出るかというのは、そのときになってみないとわからない事情がありますが、私としては、まずこの経済財政諮問会議で出た方針を各府・省は理解しておられると思いますから、各大臣がこの基本方針をよく理解していただき、役所としてどうして自ら見直しの概算要求に沿って来年度予算に取り組むかということが大事だと思います。
その際に私は各省庁の意見も十分に聞きます。竹中大臣が今、大変努力して、いろいろ各省庁との折衝、あるいは与党に対しましても、説明をしていただいておりますが、与党の中にはまだまだ理解できない点もあるということも伺っております。
しかし、この骨太の方針、基本方針は必ず守ります。どうしても調整不能に見える事態が起こってきた場合には、それは各方面の意見を聞きながら、最終の決断の責任は私にあると思っています。それは今後の作業の手順と、どういう反対意見が出てくるか。それによって判断するしかない。今の時点においてはこの基本方針の線に沿って概算要求基準を決めていきたい、そう思っております。
【質問】 参議院選についてお伺いしますが、先ほど与党で過半数を目標とおっしゃいましたが、自民党総裁として参議院選挙で何議席を目標にしておられますか。それから、党内で追加公認を求める動きもありますが、党総裁としてどのように対応されていく考え方でおられますか。
【小泉総理】 党の総裁として、何議席を目標にするか、公認候補にできるだけ当選してもらいたいと。建て前としては公認候補全員に当選を目指すというのが当然なんでしょうが、選挙ですから、なかなか全員当選というのは難しいですね。いろいろ選挙情勢見ておりますけれども、現実的には全員当選というのは難しい。ですから、できるだけ多くの候補者に頑張ってもらって、ちょうど1か月ありますから、当選に向かって全力を傾注してもらいたい。その後押しを私もしていきたい。
結果的に与党、自民党、公明党、保守党で過半数を得ることができればなと思っております。そして、最近自民党に対する期待と言いますか、支持も以前と違って若干伸びているようでありますので、選挙区の候補者についても、あるいは比例代表の候補者についても、もう少し公認候補を増やしたいという動きがございます。もう数日すると大体その方向が見えてくると思いますが、若干追加公認があってもいいのではないかという感じを持っております。まだ具体的に言える段階ではございませんが、もう少し増やしてもいいのではないかと思っております。 |
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【質問】 総理、冒頭のごあいさつの中で、余り党派性を出さずにというお話をされたんですけれど、参議院選挙後の政権運営において、特に重視されるのは、政策の一致であるのか、それともこれまでの信頼関係であるのかということについて御意見をお聞かせください。
【小泉総理】 それは小泉内閣としては、当然、自民党、公明党、保守党の3党の連立によって結成されました。しかし、ひとたび内閣を組織すれば、それは全国民のための内閣であるという認識が必要ではないかと思っております。小泉内閣が進めていく改革に協力してくれる勢力、賛成してくれる勢力、こういう方々がもし出てきてくれるのであれば、それは歓迎したいと。
また、選挙になりますと、与党だから、野党を攻撃する。野党だから与党をこてんぱんにやっつけると、そういう意識を私は持っておりません。与党は与党として協力がありがたいと思うのは当然であります。与党の候補を応援するのは当然でありますが、中には野党の中にも建設的な意見を持っている政党もありますし、あるいは小泉内閣の進める改革に共感を持っている候補者もおられると思います。そういう点、真摯に受け止めながら、今後、小泉内閣というのは、自民党、公明党、保守党だけの内閣ではない。できるだけ多くの国民の支持によって支えられている内閣なんだという意識を強く持って、今後の政策実施も、政局運営もしていく必要があるなと。そういうことから冒頭申し上げたわけであります。
【質問】 小泉さんが総理になられてから、2か月間という短い間で急速に国民の多くが政治に関心を持つようになって、しかも政治を身近に感じるようになった、こういうことを踏まえて、改めて総理、ワイドショー内閣と呼ばれていることについてどうお考えになるかということ。もう一つ、今後アメリカやヨーロッパの首脳にお会いしたときに、総理自身が御自身の内閣をどのように表現されるおつもりか。その二つ、お応えいただけますでしょうか。 |
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【小泉総理】 ワイドショー内閣というのは、はっきりした定義は私わかりませんが、ワイドショーというのは、どちらといえば、余り政治に関心のなかった人、あるいは政治を傍観者的に見た方、むしろ政治に対し冷笑的な無関心な方々がよく見る番組ではないかという観念を持っている方が多いと思います。そういう余り政治に関心を持っていなかった人でさえも、最近は政治に関心を持ってきた。私は政治が国民のものであるということならば、多くの国民が政治に関心を持ってもらうことが必要不可欠だと思います。
政治が国民の関心を持たれるということは、小泉内閣の政策がどういうものか、それぞれの政策が国民の暮らしにどう関係あるのかということを国民一人ひとりが関心を持ってくれることですから、それが政治を動かしていくのが本来の民主主義の姿だと思っています。
そういう点から言えば、私は政治というのは、今まで一部の専門家のためのもの、一部の党員のためのもの、一部の支持団体のものだということではないんだということを改めて政治家自身も思ってきた。一般の人も政治というのは本当に変わるんだなと。自分たちの意向で政治が動くんだなと思ってきた表れの一つじゃないかと、そういうワイドショー内閣だと言われているのは、別にいやな感じはしておりません。むしろこういう機運を大事にしていきたいと言いますか、もっと国民が政治に関心を持てば、政治というのは変わってくるんだぞ。政治家も国民が政治に関心を持ってくれれば、政治家に関心を持ってくれれば、政治家も国民に関心を持つ。
国民が政治を敬遠すると、政治家も国民を敬遠してしまって、一部の者のためだけの政治になってしまう。それをいかに防ぐかと言いますか、そういう一部のための政治というものを打破していくことが私は大事ではないか。そういうことから私が自民党の総裁、また、総理大臣に就任することができたのも、むしろそういう国民の意向というものを自民党員が真剣に受け止めてくれた。
また、自民党員の動向を自民党所属の国会議員が受け止めて、私は自民党議員の支持も受けて自民党の総裁になり総理に就任したんです。多くの見方は、自民党議員の中に、私の基盤がないのではないかと疑いの念を持っている方もいるようでありますが、そうではないんです。国民の何とか日本の政治を変えてくれという声、これを小泉が真剣に持っているなと受け止めてくれたから、多くの人は街頭演説に集まってくれて、小泉を応援してくれた。それを感じたからこそ自民党員が私に圧倒的な支持を寄せてくれた。
だから、自民党所属の国会議員も、第1回の投票で、今の自民党所属の国会の過半数が私を支持してくれたんです。私が立候補した時点では、とても小泉は自民党国会議員の過半数の支持は得られっこないだろうと、負けると思った人が多かったと思います。しかし、わずか1か月足らずの動きで変わってきたんです。
だから、今、私がこの骨太の基本方針を決める際に、自民党の中からさえ、一部にはですね、勝手に党に相談しないで、どこでこの基本方針を決めているのかという批判も私は耳にしております。いくら総理大臣と言っても、独裁やファッショは許さないというような声も聞こえておりますが、私は、独裁とかファッショなんて考えていません。
むしろ、今の私の動きは、ある一部の中では、基本方針までは小泉のトップダウンは許しても、選挙が終わればそうはいかぬという声も耳にしておりますが、今の私のやり方は、トップダウンとは思っていません。むしろ言葉を変えればボトムアップではないかと思っています。なぜか、国民の支持を背景にして私がこういう方針を最終責任を持っていろいろな意見を聞きながら決めてきた。
私のトップダウンというのは、国民のボトムアップの声を聞いて、そして私の責任で判断を下しているということでありますから、指導力と独裁、ファッショというのは紙一重だと思いますが、国民の支持がある限り、私は総理大臣として強い指導力を発揮することが必要ではないか、もしも、国民の支持がないとき、多くの意見を聞かないで走った場合、それは独裁と言えるのではないでしょうか。
私は、今の時点においては、私の骨太の方針、経済財政諮問会議で決めた基本方針というのは、国民が共感を持ってくれているなと、むしろ単なるトッブダウンではないと、国民と共に歩む小泉内閣の一つの指導力の発揮の在り方だと思っております。これを何とか、国民の支持と協力の下に、強力に進めていきたい、それが私の、小泉内閣の役割だと思っております。 |
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【質問】 本国会では田中外務大臣の言動が大きく注目されました。ここまでの外務大臣の働きぶりを、総理はどう評価されますか。
【小泉総理】 いわゆるワイドショー内閣と言われるぐらい多くの国民の関心を政治に引き寄せた、外交という最も国民からは自分たちと関係ないと思われた役所において、今最も関心を持たれているのが田中外務大臣の言動だと思います。これが、今後の外務省の在り方、外交政策の在り方、外交に国民が関心を持っていただいて、田中外務大臣も、その声を真剣に受け止めて、外務省当局との信頼関係を築いている、日本の外交に精一杯全力で取り組める体制を早く築いていただきたい。
まだ、2か月でありますから、多少、勉強不足の点もあると思いますが、あるいは、国会対策等、不得手の点もあると思いますが、多くの方々の御協力によって、なれてくれば、鋭い方で、有能な方ですから、また、国民に対して強い発信力を持った貴重な政治家でありますので、早く外務省当局と信頼関係を築いて、外交本来の仕事に邁進できるような体制を築いていただきたいと思っております。
【質問】 総理、沖縄の暴行事件についてお伺いしたいんですが、今朝未明に起きました事件について、総理のところにどれぐらいの情報が上がっているのか、それから、現場からYナンバーの車が逃走したと言われているんですが、この事件、米兵関係だということになりますと、総理としてどのような対応を取りたいというふうにお考えになっているのかお願いします。
【小泉総理】 そういう事件があったという報告は届いておりますが、まだ詳しい状況は伺っておりません。状況を見て、対応すべきはしなければいけないなと。ともかく、こういう犯罪の問題については、できるだけ起こらないようなお互いの対策、日ごろからの注意が必要だと思っております。よく状況を聞いて判断をしたいと思います。
【司会】 ありがとうございました。 |