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小泉内閣総理大臣演説等

小泉内閣総理大臣記者会見録

(広島市)
平成13年8月6日(月)

【司会】それでは、ただいまから小泉内閣総理大臣の記者会見を始めさせていただきます。
 初めに、広島市政記者クラブから代表質問をお願いいたします。

【質問】 第1点目ですが、在外被爆者の支援問題についてお尋ねします。
 大阪地裁は6月1日、在外被爆者にも、被爆者援護法の適用を認める判決を出しました。国外に出ると援護法の適用が認められない現状に、在外被爆者の不満は強く、国内でも支援の動きが強まっています。
 判決後、厚生労働省も援護法見直しの検討会を設置しましたが、総理として、在外被爆者支援の在り方をどのように考えておられますか、お聞かせください。

【小泉総理】今日は坂口大臣もお見えになっておられますが、この在外被爆者の問題については、保健・医療等、どういう辺の措置ができるかというのを検討会を設けまして、年内に一定の結論を出していただこうかなということで今、検討を進めていると思います。その検討結果を待って、しかるべき援護措置を講じたいと思っております。

【質問】2点目をお伺いします。
 国が平和記念公園内に建設中の原爆死没者追悼平和記念館の展示説明文を巡って、被爆者団体は国策の誤りが戦争につながったという文言を盛り込むように強く求めています。総理はこの問題をどう解決しようと考えていらっしゃいますか。

【小泉総理】 各方面の御意見を伺って、碑文ですから、どういう表現がいいか、それぞれ専門家の意見を伺って妥当なものにしていけばいいのではないか思っております。

【質問】地元からは最後の質問になります。
 米国のブッシュ政権は、包括的核実験禁止条約の死文化を目指して、議会に批准を求めない姿勢を見せたり、ミサイル防衛システムの早期配備に意欲を示したりして、核軍縮の動きを逆行させていると被爆者から懸念の声が出ています。
 総理は核軍縮を前進させるため、どのような対応を取られるつもりでしょうか。

【小泉総理】アメリカはアメリカの事情もありますし、確か、上院で一度否決されているんじゃないですか。そういうことも伺っております。日本としては、唯一の被爆国として今後も核軍縮に向けて国際社会の場でも今までの歩んできた道を振り返りながら、今後も核廃絶に向かって一歩一歩地道な努力を続けていきたい。また、それぞれの場を生かして、積極的な核廃絶に向かっての努力を世界にも理解してもらえるような努力を続けていきたいと思っております。

【司会】引き続きまして、内閣記者会から代表質問をお願いいたします。

【質問】まず、初めに靖国神社の参拝について、改めて伺います。
 総理は8月15日の靖国神社参拝をこれまで繰り返し表明されてきましたけれども、今現在もその気持ちにお変わりはないでしょうか。
 また、参拝する場合には、公式参拝という認識かどうか。どのように記帳なさるか。参拝の形式は神道形式にするのかしないのか。公用車を使用し、秘書官を同行させるか。以上の点について、それぞれ御見解をお述べください。

【小泉総理】相変わらずの御質問で、相変わらずの答弁で申し訳ないんですが、虚心坦懐に各方面からの御意見を伺っているところでございます。それぞれ傾聴に値すべきいい御意見だと、お聞きしながら感じております。私自身のことを心配してくださる方、また、日本国家の利益とは何ぞやという観点から、いろいろ御助言くださる方、また、近隣諸国の友好関係を増進していくという外交的見地から、忠告やら御提言をいただく方々、それぞれ本当に親身になって御心配していただく方々の御意見に対しまして、本当にありがたいと思っております。
 私自身はそういう御意見をいろいろ今伺っている最中でございまして、まさに賛否両論ありますが、虚心坦懐、熟慮している最中でございますので、いずれ結論を出さなきゃならない問題でございますが、もう少し時間をいただきたいと思います。まさに今、熟慮している最中でございます。

【質問】続いての質問に移ります。来年度予算の概算要求基準の問題なんですけれども、経済財政諮問会議で従来の歳出から5兆円を削減をして、重点7分野に2兆円を配分する方針が確認されました。塩川財務大臣は、公共事業の10%削減などにも言及されていますが、総理御自身は公共事業やODA、防衛費などをどの程度削減するイメージを持っていらっしゃるのでしょうか。
 それから、これまで重点化枠と称して与党に配分を任せる方法も取られてきましたけれども、この点などについて与党とどのように調整されるお考えでしょうか。

【小泉総理】私も経済財政諮問会議でも言いましたとおり、今までの慣例に従っていきますと、なかなか削減というのは難しいと。あるいは党内の調整も困難ではないかという議論も出ておりましたが、こうした大きな転換機には、今までの慣例とか、やり方にとらわれないでやることが大事ではないかと思いまして、3兆円ほど削減しなければならないと、今までの行き方でいきますとね。
 そこで、削減するばかりでは新しい成長分野をどう育てていくかということではなくなってしまいますので、削減だけではなくて、当然増やす場面も出てくるもので、そのやり方なんですが、思い切って5兆円削減すると、そして2兆円増やす。差し引き3兆円程度削減できるわけですね。
 思い切って5兆円削減するというのは、今までのやり方では無理だということてございますが、各歳出、例外なく厳しい見直しが必要ではないかと思いまして、めり張り、めりと張り、めり張りを付けて、増やすべきところ、減らすべきところ、そういうわかりやすい方法が必要かなと思いまして、私は5兆円削減、2兆円、必要な重点分野に付けていくという中で、特別枠ということも考えましたけれども、考えてみますと、総理の何千億円、何兆円という特別枠だけが予算ではありません。特別枠だけに内閣が責任を持てばいいというものではない、予算全体に内閣が責任を持つわけであります。そういうことを考えますと、あえて総理の特別枠というよりも、予算全体に責任を持つという観点から、今までの歳出等を一遍大胆に、慣例にとらわれず見直してはいいではないかということから、5兆円削減、そして2兆円必要な予算付けると。
 やり方に関しては、それぞれ財務省なり今までの各省庁の経験者、専門家がおられます。やり方を私がああやれ、こうやれというんではではなくて、やり方はそれぞれの専門家に任せますが、方式として5兆円削減、2兆円必要な重点分野に付けるという方法でやろうということが決まったわけでありますので、あとはこれから経済財政諮問会議、財務省、各省庁との連携を、いわゆる予算のプロの皆さん方に、この方針を堅持した中でいい方法を考えてくれというふうに言ってあります。
 具体的な削減方法、あるいは必要な予算を増やす問題については、今後12月に向けてより具体化していくと思いますが、その時点でまたどこを増やすべきか、どこを削減すべきかという判断を迫られる場面が来ると思います。それまでは、各省庁の自主的な良識ある、今の方針に沿った予算編成の取り組み方を見守り、与党の皆さんにも御理解を願いたいと思っております。

【質問】続きまして、最後の質問ですけれども、今年度予算の補正予算の問題です。経済指標の低迷から、景気の先行きに対する不安が高まり、与党内からも景気対策のための補正予算を望む声が出ています。現時点での総理の補正予算についての考えをお聞かせください。
 それから、景気対策の策定の判断基準についてもお聞かせください。

【小泉総理】それは、いろいろ経済指標が今後も順次出てまいりますので、その時点でどういう対策が必要か、私は従来から景気情勢、経済情勢、一つの大きな方針の中で大胆かつ柔軟に対応すると言っているわけでありますので、その時点で判断すべき問題ではないかと。
 今、補正の話が出てまいりましたけれども、補正とかそういう問題ではなくて、しかるべき経済状況にどういう対策が必要かという観点から、時期と対策の方法を総合的に判断を下したいと。しかしながら、今までのように景気対策として、公共事業を積み増せばいいかというと、そうではないと思います。景気対策を打つにしても、今までとは違った予算の配分方法、あるいは事業の見直し方があると思います。あるいは、雇用情勢も見なければいけない。雇用対策も景気対策の重要な一環でございます。いろいろな方策は、これからいろいろ景気状況を見ながら判断しなければなりませんが、対策を打つにしても今までとは違った対策が必要ではないかと思っております。
 そういう意味において、臨時国会までにできること、そして秋の臨時国会にやるべきこと、12月の予算編成に向けてやるべきこと、それぞれ改革工程表というものを今、検討中でございますので、それを提示して「改革なくして成長なし」というその中で、いかなる対策が打てるかということを、時期と状況を見ながら判断をしていきたいと思っております。

【司会】どうもありがとうございました。それでは、これをもちまして、小泉内閣総理大臣の記者会見を終了いたします。御苦労様でした。