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内閣総理大臣式辞

 本日ここに、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、全国戦没者追悼式を挙行するに当たり、政府を代表し式辞を申し述べます。

 新たな世紀を迎え、改めて、先の大戦の苦難に満ちた往時をしのぶとき、今なお悲痛の思いが胸に迫ってまいります。

 あの苛烈を極めた戦いの中で、三百万余の方々が、祖国を思い、家族を案じつつ戦場に散り、戦禍に倒れ、あるいは戦後、遠い異郷の地に亡くなられました。これら戦没者の方々に思いを馳せ、ここに心から御冥福をお祈りします。そして、現在我々が享受している平和と繁栄が、祖国のために心ならずも命を落とされた戦没者の方々の犠牲の上に築かれていることに思いを致し、戦没者の方々に敬意と感謝の誠を捧げたいと思います。

 また、先の大戦において、我が国は、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。国民を代表して、ここに改めて深い反省の意を表するとともに、犠牲となられた方々に謹んで哀悼の念を捧げます。

 我が国は、戦後、平和を国是として、国民のたゆまぬ努力により、焦土の中から立ち上がり、幾多の困難を乗り越え、めざましい発展を遂げてまいりました。この平和で豊かな今日においてこそ、我々は、過去を謙虚に振り返り、戦争の悲惨さと、そこに幾多の尊い犠牲があったことを次の世代に語り継ぐとともに、国際社会から孤立しないよう、近隣諸国との友好関係を維持発展させ、世界の恒久平和を確立する責任を負っております。そして、その責任を果たすことが、過去に対する償いとなり、犠牲者の方々に報いる途であると確信するものであります。

 二十一世紀の初めの年に行われるこの式典に当たり、私は、先の大戦から学び取った多くの教訓を改めて心に深く刻み、世界の恒久平和の確立と、希望に満ちあふれ、心豊かに暮らせる社会の実現のため、全力を尽くしてまいりますことを、ここに改めてお誓いする次第であります。

 終わりに、戦没者御遺族の皆様の今なお変わることのない深い苦しみ、悲しみに思いを致すとともに、皆様の御平安を心から祈念して、式辞と致します。

  平成十三年八月十五日

内閣総理大臣  小 泉  純 一 郎