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冒頭発言
質疑応答 【質問】構造改革に対する各国の高い支持を得て、これから着実に推進していかなければならないと言われたが、先に決まった骨太の方針に基づいて、来月早速来年度予算の概算要求基準の決定などがある。骨太の方針にはいくつかの項目があるが、具体的にどういう点を優先して改革に取り組んでいくのか。改革には痛みを伴うと総理は常々言っておられる。ここ2,3年は低成長もやむをえないという発言もある。一方で、景気が低迷し続けている中で、景気を刺激する策も必要ではないかという意見もある。この改革と景気の下支えのバランスをどのように取っていくのか。 【小泉総理】まず、今日本経済の足を引っぱっている不良債権処理の問題を2、3年以内に処理したい。同時に、民間部門の合理化、リストラが求められている一方で、政府関係部門の公的機関が日本の改革を遅らせている。日本の各政党の力関係でできなかった分野である政府関係部門の公的機関の改革に全力で取り組んでいきたい。今般、民営化、規制緩和を着実に実施していくと説明した。また、景気刺激策と改革の問題については、私は「改革なくして成長なし」と言っている。景気の状況が悪いということから景気刺激策はどうかと心配する人がいるが、覚悟が必要である。「改革なくして成長なし」と決めたのであるから、改革を後回しにして景気刺激策を取ることはできない。改革せず景気が先だと言って、景気が回復したら、改革する意欲がなくなってしまう。「改革なくして成長なし」ということは、過去の10年の日本のやり方で分かっているはずである。だから、ある程度の低成長は覚悟して、「改革なくして成長なし」という方針通り選挙後もやっていこうと思っている。 【質問】グローバル化に対する反対について伺いたい。一部の極端な人や途上国の債務取り消しの問題だけではなく、背景にはもっと多様性のある世界に生きたい、特に、一握りのリーダーではく、自分の行き方は自分で決めたいという考え方が背景にあると思う。その点を各国の首脳たちはどこまで共有しているのか。民主主義を名乗っている国なのに、このように死者が出て、たくさんの負傷者が出る戒厳令下のような形でサミットを続ける意味がどこにあるのか。サミットはもういらないという考え方もある。ランブイエに返るということの意味もよくわからないが、サミットの今後についてどうお考えか。 【小泉総理】デモの中には平和的なものもある。一部でどうしてもこのサミットを壊したいというグループもあり、その問題がサミットの会議の中でもとり上げられた。しかし、そういう一部の勢力の「サミットを壊してしまえ」という圧力に屈してはならないという意見が(各国首脳の間では)大勢だったと思う。サミットの会議は、先進国だけの会合ではない。途上国はもちろん、世界全体の発展、成長、貧困削減、教育などの問題解決のためにあるのであって、サミット参加国だけのことを考えているわけではない。そういう一部のサミットをつぶしたいという暴力的な圧力に屈してはならないという意見が大勢であり、私もそれに賛成である。来年はカナダで行われるが、サミットの意義は今後とも続いていくと思う。 【質問】京都議定書の問題について伺いたい。共通の目標が掲げられた一方で、意見の相違にも触れざるを得なかった。米国が京都議定書に復帰する可能性は現段階では低いと思われるが、今後2002年の発効を目指してどのような外交努力を行うのか。 【小泉総理】米国の京都議定書への復帰が難しいことは承知している。しかし、現在COP6再会会合が継続中であり、かなりの部分で合意できる点があり、交渉が進展している。そういう状況下で、米国も手段は違うが目標を共有しており、重要性を理解している。日本としては、出来るだけ一つのルールの下で米国も参加できる方途をぎりぎりまで追求していきたい。環境大臣がボンで努力しており、努力を激励できるようなメッセージを発出することができたことは一歩前進と思っている。確かに一部は違いがあることは分かっている。その違いを何としても埋めようとする努力が見られたことは一歩前進ではなかったかと思う。 【質問】日本はアメリカが復帰しなかったとしても京都議定書を批准する用意があるのか。 【小泉総理】私は議定書の2002年発効に向けて全力を尽くすと一貫して言っている。そのために、米国やEUと協力できる方途を見出すために全力を尽くしている。日米間の環境大臣協議行われ、今現在COP6再会会合も行われており、かなりの前進が見られている。日本としては、最後まで2002年の発効に向けて全力を尽くす、このことに変わりはなく、一貫している。そのために種々の努力あるいは話し合いを最後まで続けたいと思う。よく最後はいつかと聞かれるが、最後は最後までということでご理解頂きたい。 【質問】昨21日行われた日露首脳会談について伺いたい。北方領土の交渉を加速させるために何が必要と考えるか。日本の政権交代に伴う交渉の仕切り直しによって、一時的に交渉がスローダウンすることもやむを得ないと考えるか。 【小泉総理】プーチン大統領とは初めて会談したが、予想した以上に穏やかな人柄であるが、一方で鋭い。話し合いの中で日ロ関係を進展させたいという意欲が十分に感じられた。国後、択捉、歯舞、色丹の北方四島の問題は日本にとり一番重要な問題であり、森前政権が築いた友好関係、信頼関係を基にして、今後事務当局レベルで話し合いを積み上げていきたい。外相会談でもこのような方向で事務当局レベルでの交流を深めていくとの決定が行われている。私も、プーチン大統領から招待を受けたが、招待を受けると同時に、まず、訪問前に事務当局間でこれまでの交渉の経過を検証し、前進が見られるような交渉をしていきたい。このような合意を得たことは、初めての会談にしては非常に良かったと思う。(プーチン大統領は)今後の日ロ関係に関し、文化交流のみならず経済分野でも積極的な意欲を見せていた。国際舞台での協力についても、既に今般もG8サミットに参加している、北方四島の問題はトゲであるが、トゲを早く取り去るような努力を一歩一歩積み上げていきたい。その出発点が今般の会談でできたと思っている。 【質問】反グローバル主義の背景には、グローバル化を強力に進めてきた米国に対する反発や不満があるのではないか。市場原理主義によって勝ち組、負け組がはっきりしてくる、あるいは、通貨危機によって途上国がだめになってしまう、それに加えて、環境や軍縮の問題における米国の勝手な行動がある、そういうことが全体のライフ・スタイルまで壊してくる、そういう底流がヨーロッパと米国の間にあるような気がするが、総理は今回のサミットにおいて、米とEUの対立の構図の中に、市民生活のレベルでの米国への不満があるということを感じ取られたか。。 【小泉総理】グローバル化への批判は、米国に対してもあるが、EUに対してもあると思う。EUの統合プロセス等の大きな時代の流れに対する反発は避けられない。日本もそうである。その中で、文化の多様性や個性をどう維持していくかは国によっても違うし、個人によっても違う。しかし、グローバル化に取り残されて、生活水準が向上するとは限らない。いつの時代でもそういう一つの時代の進展に対して危惧の念を抱くのはしかたのないことである。民主主義であるから、おおっぴらに反対意見表明できるということは貴重なことである。 【質問】総理は日本を出発される際、イタリアのオペラが好きだと言われたが、今回のサミットをオペラに例えると如何なる演奏であったと評価するか。 【小泉総理】ベルディのオペラは悲劇が多いが、オペラは概して悲劇に良い作品が多い。今回のサミットは、ソプラノはいなかったが、テナー、バス、バリトンなどそれぞれのプレイヤーが非常にうまく演奏し、良い重唱となってかなり良いハーモニーを作り出していたと思う。 【質問】日伊関係で、テロ事件の犯人であるゾルジの引き渡し問題に関し、森前総理及び田中外務大臣は、伊政府の引き渡し要請を検討すると述べているが、日本語で「検討する」とはどれくらいの時間がかかることを意味するのか。 【小泉総理】私はこの問題の詳細を知らないが、日本語で「検討する」というのは色々な意味がある。検討して何もしないこともあるが、検討してその要求に応えるということもある。必ずしも何もしないというということではない。非常に便利な言葉であることは事実である。もう少しよく事情を調べてみたい。詳細は承知していないが犯罪者が日本にいるという問題だと聞いている。今後、捜査当局同士で相談していく必要がある。 |