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小泉内閣総理大臣演説等
 
内外共同記者会見

平成14年2月18日

【冒 頭 発 言】

【小泉総理】 ブッシュ大統領とは4回目の会談になりますが、極めて率直、友好、大変有意義な会談ができたと思います。
 まず、友好関係を温め、信頼関係を強化し、これから日米同盟の重要性をお互いに確認し合いました。
 テロとの闘いにおきましては、日本としても主体的に国際協調の中で米国とともに、このテロ根絶のために、これからも協力しながら断固とした姿勢で立ち向かうということを表明し、これまでブッシュ大統領が取ってこられました強い指導力に高い評価をしているということをお伝えしました。まさに今回の9月12日、許し難い出来事ではございましたけれども、このテロとの闘いにおきまして、我々は今後とも息の長い協力が必要だと、また、国際協調の下にこのテロとの闘いを進めることが重要だということでも意見の一致を見ました。
 今後、アフガニスタンの問題につきましても、日本とアメリカとの役割は違いますが、お互いの力を補完し合いながら、アフガニスタンの復興支援にも日本としても協力していきたいということを表明いたしました。
 また、東アジア全体の問題につきましても、日本と東アジアの関係は、世界の平和と安定のためにも大事なことだと。今後、韓国、中国、この両国との関係も日本は重要視しておりますので、日韓、日中、この緊密連携にも全力をそそいで強化に取り組みたい。
 そして、北朝鮮の問題におきましても、日本としてはアメリカ、韓国との協力の上に、日朝の正常化問題に取り組んでいきたいということを表明いたしました。
 中国の問題につきましても、日本が、WTO加盟、更にはオリンピックも控えておりまして、中国が国際社会の中で大きな力を発揮していただく、また、役割を認識して、国際社会の中で発展を期すという姿勢を日本としても強く支援していきたいという考えを述べました。
 今後、日韓、日中との友好関係を考える上におきましても、日米関係の友好は一層重要であるという認識でも一致いたしました。
 更に経済問題、この経済再生、日本経済に自信を取り戻す、これが小泉内閣に課せられた最大の使命であると。私は支持率が高かろうが低かろうが、今まで進めてきた構造改革の手綱は緩めない。今までの構造改革路線は変わらない。全く揺らないでいないということを表明しました。
 デフレ対策、あるいは金融不安対策、これはしっかりやります。いかなる施策を超えても、今まで小泉内閣が進めてきた構造改革路線は全く揺るぎない、変わりない、加速することはあっても遅れることはないということをはっきりと表明しました。大統領からは強い支援と激励がありました。
 日本は10年前は若干自信過剰ぎみだった。今は自信を喪失している。自信を持って、希望を持ってこの構造改革に取り組むならば、必ず日本は経済を再生させる。持っている日本の潜在力は必ず発揮できる。そのために構造改革路線を小泉内閣は進めているんだということを説明し、ブッシュ大統領からは理解を得、強い激励を、また、支持をいただきました。
 地球的規模の問題、これは温暖化問題、京都議定書問題につきましても、アメリカも建設的な提案をされております。環境の問題と経済の問題、これが両立できるんだと。決して相反する問題ではない。これからの将来の地球を考えますと、環境のための技術開発、これが経済発展ももたらすと。経済と環境というのは、相反するものではなくて、環境のための努力というものは、科学技術の発展をもたらし、更には経済の発展をもたらすんだという視点も重要だと。日本としては、環境と経済の発展の両立を目指していくという方針を説明し、今後、気候変動、温暖化問題についてのアメリカの建設的な提案、そして、これからも環境問題を重視していくという姿勢に私たちは評価をしていると。今後一層の取り組みを期待している。今後とも温暖化問題、環境の問題、経済の問題全般にわたりまして、緊密な協議をし、協力をしていきたいという率直な意見交換を持つことができました。
 その他、いろいろな問題を話し合いましたが、4回目の会談でありますが、もう、何十回もお会いしているようなざっくばらんな、お互い何でも意見交換ができる、そういう深い信頼関係が保たれ、これからも維持発展していく。その中でいろんな問題を協議しながら、解決に向かって日米が協力していくことは、日本やアメリカのみならず、世界にとっても重要であるということを再確認できたということは大変すばらしい、有意義な会談だと思っております。

【ブッシュ大統領】 総理ありがとうございます。アジアへの今次訪問を日本から始めることをとても光栄に思います。日本を最初の訪問国に選んだ理由は、日本が米国の最大かつ最も誠実な友人であるからです。私は友人である総理に感謝申し上げたいと思います。ここにおられる総理は信頼できる方であり、助言を求めるのに相応しい方です。また私と良好な個人的関係を有している方です。総理の友情とおもてなしに対して心から感謝申し上げます。日米同盟関係は太平洋における平和と繁栄の礎であると信じています。日本は米国の前方展開軍の駐留を寛大に受け入れており、アジアの安定にとって不可欠な貢献を行っています。この強固なパートナーシップは双方の国に利するものであり、また、世界に恩典をもたらすものです。いま世界の平和はグローバルなテロリズムに脅かされています。そのような中で、私達にはこれ以上の友人はなく、日本政府ほど堅固な支持を表明している国はありません。総理、私がオーヴァル・オフィス(大統領執務室)にいたときに総理が下さった電話を覚えています。 9月11日の直後に総理のお声を聞き、それ以降も、揺るぐことのない支援を頂いたことは、大変大きな意味のあることでした。私は総理と日本国民に感謝を申し上げたいと思います。日本はテロに対する第1段階の闘いを完遂するためには、アフガンの再建を手伝うことであることを理解しています。そして総理、私は貴政府がとても重要な会議を開催して下さったことに感謝申し上げます。私達は今日も、タリバン後のアフガンをどうすれば安定し、国民の繁栄と安全と平和を実現することが出来るのかについて時間をかけて話し合うことが出来ました。日本は寛大な国であり、発展途上国に対して保健や教育上の必要を満たすために貢献を行っています。それに対しても、私達は日本に感謝しています。
 小泉総理と私は、日米安全保障関係の重要性を再確認しただけでなく、二国間経済についても話しあいました。総理に対して、米経済はまだリセッションであるが、回復を示す明るい徴候が見られることも申し上げました。我々が取った減税措置が良い影響を及ぼしており、いくぶん成長の兆しが見え始めている。また総理がお考えの日本経済に対する戦略についても話し合いました。その中で総理は信頼について言及されていたのですが、私自身がどれほど信頼を寄せていたかといえば、総理の指導力を信頼しており、その戦略も信頼しており、さらに戦略を実行する総理の意欲にも信頼を置いています。そして総理が戦略を実行されるとき、それは日本の経済にとって大きな助けとなるのです。これがまさに重要なのです。これは両国関係にとって重要であるだけでなく、世界で2番目の経済大国の成長にとって重要なのです。すなわちこれはこの地域を助けることになり、世界を助けることになるのです。また総理、美しい貴国に来られたことを栄誉に思います。また、総理のおもてなしに大変感謝しています。妻・ローラも総理のおもてなしに感謝しています。 今晩(総理と)またお目にかかれることや、明日国会で演説することも楽しみにしています。また何よりも大事なこととして、天皇皇后両陛下の接見を得ることを楽しみにしています。

【質 疑 応 答】

【記 者】 ブッシュ大統領にお伺いしたいんですが、先の会談で日本経済に関して、具体的な注文や要請はしなかったのかどうか。また、日本経済は今トリプル安に見舞われておりまして、金融危機の恐れも指摘されております。当面、相反する面もある構造改革とデフレ対策のどちらに重点を置いてほしいと考えておられるか、お伺いしたいと思います。
 小泉総理の方には、構造改革とデフレ対策、この2つをどういうふうにバランスを取って考えていくのか。その点をお伺いしたいと思います。

【ブッシュ大統領】 まず、私が経済問題を取り上げる前に、総理の方から会談で経済問題を取り上げられました。総理は私達2人だけの会話の中で、経済を取り上げられました。その中で総理は自分がしようと考えていることをはっきり申し上げたいと述べておられました。不良債権、devaluation(デフレを意味すると思われる)及び規制改革について話されました。そして総理はこれから等しく重視されていました。いま私はここで(総理に)助言を与えるためにいるのではなく、(総理へ)支援を提供するためにいるのです。総理は、私の目をしっかり御覧になった上で、この3つの点で必要な措置を執ると総理がおっしゃったことを私は信じます。それが総理の意図であると思います。またこれはよいニュースです。というのは日本経済が直面する困難な諸問題に対処するには強いリーダーが必要だと思うからです。

【小泉総理】 構造改革とデフレ対策、どっちを優先するかということ自体、既に認識に私は誤りがあると思っています。どのような状況になっても、日本は構造改革を進めなければいけないんです。政府がしなくていい仕事をしている部分がたくさんある。民間の市場の参入を求める。更には、規制改革、いろいろな今までの既得権を擁護しようという勢力との対決、これはデフレ対策をしようが、金融不安対策をしようが、金融政策、財政政策をしようが、変わらないんです。構造改革とどっちを優先するのか、そんな問題自身が全くの誤りだと。どのような状況になっても、日本は構造改革を進めなければいけない。この構造改革の手綱は小泉内閣は決して緩めることはないということを認識していただきたい。まず、この構造改革路線を転換するんじゃないかという声、あるいは転換すべきだという声があるのは知っています。しかし、そういうことはあり得ないです。構造改革路線はどのような状況になっても進めなくてはならない。それなくして日本の発展、景気回復、経済再生はないということを御理解いただきたい。
 そして、デフレ対策にしても、金融緩和策に対しても、それは構造改革を加速するための手段なんです。どんなことをやろうとも、構造改革の手を緩めることはありません。

【外国記者】 大統領は小泉総理に対する信頼感を表明されましたが、政権が樹立してから1年経った今も構造改革が実現していません。大統領がおっしゃる改革を実現するのに日本政府はなぜこんなに時間を要するのでしょうか。
 総理は京都議定書の代替案を前向きな提案と呼ばれました。もしそういうお考えであるなら、米国が議定書を署名していれば地球環境はより良くなっていたと考えますか。

【ブッシュ大統領】 その通りです。よく聞いて下さい。改革案というものはどの社会であれ、それを実施に移すのは難しいものである。とくに構造改革は難しい。総理が提案されているのは大胆な改革案なのです。そして政治的な資本を全て注ぎ込む人物がいないとそうした改革案は実現し得ない。私は今回の会談で一番焦点を当てていたのは、こうした大胆な改革案を実現するための意志と意欲とやる気を見極めることであった。今日総理の話をうかがい、総理の目を見て、私は、総理がまさに行おうとしているのは大胆な改革案を達成することであると確信しました。周りの人々を引っ張っていくことは時には容易ではないが、それがまさに総理としての役割なのです。私がそのような総理のことが好きな理由は、その大胆なリーダーシップを高く評価しているからです。そして二つ目は(総理が改革の)進路を守り続けるからです。このことも同じく重要なのです。

【小泉総理】 遅れていると言いますよね。着実に進んでいるんです。1年経っていないのに、結果を出せ、見える結果を出せとみんな言います。サッチャー改革にしても、レーガン改革にしても、1年や2年でできた改革ではありません。むしろ、レーガン大統領が退任した後、レーガン時代のあの改革が生きてきたという評価はアメリカでも多いでしょう。まだ1年経っていない私は。その間、着実に進んでいる。見えないところで。
 私はその辺がよく見ていただきたいと思います。9か月や10か月で達成ができるものもありますけれども、着実に進んでいる点もよく見ていただきたい。しかも、日本というのは法治国家であります。議会との調整もあります。法案も議会の多数の賛成を得なければできない面もあります。着実に進んでいるということを御理解いただきたい。決して遅れていない。更に改革を加速するよう努力はしていますが、遅れていることなんか全然ない。そこをまず御理解いただきたい。
 京都議定書の問題が出ましたが、日本は、非常に環境に厳しい積極的です。アメリカの事情もわかっていますが、できたらアメリカと一緒にこの環境の問題に取り組んでいきたいという努力は今後も続けます。
 京都議定書に参加するのかどうかというのはアメリカの問題があります。しかし、同じ方向に向かって、アメリカ始め、発展途上国との協力も引き続き得られるようにこれから努力していきます。環境と経済は両立できる。先ほどお話ししましたように、アメリカの積極的な取り組みを更に今後も期待したいと思います。

【記 者】 大統領に伺います。悪の枢軸というふうに呼んでおりますイラクですけれども、今日の会談でイラクに対する武力攻撃の可能性について言及されたんでしょうか。されたとしたら、どのような説明をされたんでしょうか。また、日本にはどのようなことを期待されているんでしょうか。
 小泉総理大臣に伺います。仮にアメリカが武力行使に踏み切った場合、日本はどのような対応をするんでしょうか。現行の法制上も、さまざまな問題もあると思いますが、協力は可能なんでしょうか。

【ブッシュ大統領】 一般教書で話したことに関して総理に話しました。日本は我々の最も強力な同盟国友好国であり近い友人だからです。また総理に対して世界には実際に武器開発しアメリカや同盟国や友好国に危害を与えようとする国があり、それを阻止しなければならない。また一般教書でも申し上げたように、国々が一致協力していく必要性について述べた。そして我々は自由を愛する国々の連合を作り、それを通じて彼らの行動パターンを変えていく者である。また総理に対して、全ての選択肢が開かれており、自分としては全ての選択肢を残しておきたいと説明しました。その外になにも言うことはありません。私達もイラクであれイランであれ北朝鮮であれ、すべての問題を平和裡に解決したいと思っています。(朝鮮半島では南北国境を挟んで)一方の側では大量破壊兵器の生産を選んだ故に人々は餓死しそうになっており、もう一方の側には自由の国がある。そして私たち自由を愛する国々にとって他の国々と協力し、自由を選ぶように働きかけることが重要です。ただし誤解されてはならないことは、我々は国益を守り、私は米国国民を守ろうと考えていることです。 そうしたことを総理と話し合いました。

【小泉総理】 この悪の枢軸についても、率直な意見交換をいたしました。イラク、イラン、北朝鮮、そういう国についての考え方も率直な意見交換をいたしましたが、要するに、この悪の枢軸表現というのは、アメリカのブッシュ大統領のテロに対する毅然たる決意を表わしたものだと思っております。
 そして、ブッシュ大統領は、イラクに対しても、イランに対しても、北朝鮮に対しても、非常に冷静かつ慎重だと私は感じました。あらゆる手段を辞さないと、テロ撲滅のために、大量破壊兵器拡散防止のために。あるゆる手段を辞さないで、このテロに毅然として立ち向かうという決意の一環の中で表現されたと理解しております。
 私どもも、このテロとの闘いは短いものではない、長く厳しいものであるということを認識しております。そういう中で、今後、日本としてもテロ撲滅に、アメリカと、そして国際社会の間で協力をしながら、主体的に取り組むということであります。私はテロ根絶の闘いにとって、日本の役割も重要だと。アメリカを今後とも支援していきたいと、そういう率直な意見交換を行いました。

【外国記者】 フランス外相は大統領の悪の枢軸発言は単純化していると述べ、EU高官は大統領を絶対主義者的な立場であるとして非難しています。こうした発言を同盟国から受けると、米国は孤立しようとしているのかはなかなか国際的な同盟国の支援を得られないのではないでしょうか。

【ブッシュ大統領】 仏外相に対して(パウエル)国務長官が興味深い答えをしている。Vaporつまり蒸気・蒸発ということばを使ったものであり、後でその意味を国務長官に聞いてみられると良い。自由を愛する人たちは、透明性の低い国、ひどい過去の歴史を有する国、行き過ぎた独裁制を布くために、国民を飢餓に陥れている国がテロ集団と結託させてはならないことを理解している。テロに対する闘いで起こりうる最悪の事態の一つは、アルカイダのような組織が大量破壊兵器を生産する遠くの国と結託することである。自由を愛する人々はそうしたことを理解しています。私はこのこと訴えていきます。国際舞台でどのようなことが起きるか理解しています。人々は色々なことを言うものです。私がこれまで話した指導者達は何が必要かを理解しています。彼らは米国の決意を理解している。彼らは、我々がアフガンだけにコミットしておらず、歴史が米国にユニークな機会を与えたと理解している。我々は行動を起こし、実行する。私は多くの国の賛同を確信している。私のすぐ横にも我々の友人であり、同盟の一員であり、今後も一員であり続ける総理がおられる。 私はそのことに感謝している。私が話した他の指導者達も同じ決意を表明している。あなた(質問者)の質問の仮説には賛成できない。