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小泉総理の演説・記者会見等
 

(仮 訳)

2002年6月27日

G8アフリカ行動計画


1.我々、主要先進民主主義8カ国の元首及び首相並びに欧州連合の代表は、アフリカ諸国の指導者とカナナスキスで会合し、アフリカ開発に関する大胆かつ明確なビジョンである「アフリカ開発のための新パートナ―シップ(NEPAD)」を採択したアフリカ諸国のイニシアティブを歓迎する。我々は、アフリカ諸国の指導者から、昨年7月にジェノバで初めて表明され、NEPADの中で再確認された、アフリカ諸国とG8諸国との間で相互の責任と尊敬に立脚した新しいパートナーシップを構築することへの呼びかけに応える。NEPADは、アフリカ開発にとって障害を乗り越える歴史的な機会を提供する。アフリカ行動計画は、NEPADの基礎となる創造的な取組を奨励し、将来の協力に向けた確固たる基盤を築くことを企図するG8の対応の第一歩である。

2.行動を起こすことは、喫緊の課題である。アフリカは、莫大な可能性と人的資源を有するにもかかわらず、世界中で最も困難な課題のいくつかに直面しつづけている。アフリカの開発に拍車をかけることを企図した多くのイニシアティブは、アフリカ中の男性、女性及び子ども一人ひとりの生活に持続的な改善をもたらすことができなかった。

3.「アフリカ開発のための新パートナーシップ」は、他と異なっるものを提示している。まず第一に、それは、民主主義及び健全な経済運営を確立し、平和、安全及び人間中心の開発を促進するという、アフリカの指導者によるアフリカの人々に対する約束である。アフリカ諸国の指導者は、自らその立案と実施を指示し、結果への責任を互いに負うことを正式に決定した。彼らは、良い統治及び人権をアフリカの復興のための必要な前提条件として強調した。また、彼らは貧困削減の原動力として、投資主導の経済成長及び経済運営に焦点を当て、アフリカ内の地域的及び準地域的パートナーシップを重視する。

4.我々は、このコミットメントを歓迎する。我々はそれぞれ、NEPADの目的を支持し、NEPADのコミットメントを反映する実績を示したアフリカ諸国との間で強化されたパートナーシップを構築する。相手国は、その実績に基づいて選択される。したがって、我々は、良い統治及び法の支配、国民への投資、経済成長に拍車をかけ貧困を軽減する政策の追求に対して政治的財政的なコミットメントを示している国に努力を傾注する。我々は、アフリカ諸国のコミットメントに対応し、アフリカにおける平和及び安全を推進し、専門知識と能力を向上させ、貿易及び成長指向の直接投資を奨励し、より効果的な政府開発援助を提供することに我々自身コミットする。

5.ともに我々は、極度の貧困を撲滅し、持続可能な開発を達成するという我々の共通の目標に向けて進むかつてない機会を有している。ドーハで開始された多国間貿易交渉の新ラウンド、モンテレーにおける開発資金国際会議、今回のカナナスキスにおけるG8サミット及びヨハネスブルグにおける持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)は、このプロセスの鍵となる道しるべである。

6.NEPADは、アフリカの将来についての主要な責任はアフリカ自身にあると認識している。我々は、NEPADへの広い参画を奨励するアフリカ諸国の努力を引き続き支援すると共に、彼ら自身のNEPADへの取組に対しいかにして最善の支援ができるか、アフリカのパートナーと協議を継続する。G8諸国の政府は、国際的な行動を活性化し、資源及び専門知識を動員し、NEPADの目的に対する支援にはずみをつけることにコミットしている。我々はパートナーとして、アフリカが成長を加速させ貧困を継続的に削減することを助けるため、相互に補強するような行動をとる。我々の行動計画は、我々が共同で及び個別に付加価値を与えることができる、数を絞った優先分野に焦点を絞る。

7.アフリカにおけるピア・レビュー(相互審査)・プロセスは、NEPADの目的を達成する上で革新的で潜在的に決定的な要素である。我々は、6月11日にNEPADの元首級の実施委員会が民主主義と政治、経済、企業ガバナンス及びピア・レビュー・メカニズムに関する宣言を採択したことを歓迎する。このピア・レビュー・プロセスは、強化されたパートナーシップの適格性を我々が検討する際の参考情報を提供する。我々は、パートナーシップについて決定するにあたり、それぞれ独自の評価を行う。我々は、強化されたパートナーシップの相手国に対して特段の注意を払う一方、いまだNEPADの基準を満たしていないものの、その実施に明らかにコミットし、作業を進めている国々とも協力する。我々は、人々の利益及び尊厳を尊重しない政府と協力することはない。

8.しかしながら、原則の問題として、人道上の必要性に対応するとの我々のコミットメントは、依然として普遍的であり、特定の政権に左右されるものではない。また、人間の尊厳及び開発という中核的な課題に対処するとの我々のコミットメントも同様である。国連のミレニアム宣言に定められた開発目標は、この取組の重要な要素である。

9.2002年3月、モンテレーにおいて、我々は、国内貯蓄、貿易及び投資、並びに政府開発援助を含む、全ての開発資源を解放し、より効果的に活用することを助けるための取組を再活性化させることに合意した。良い統治、健全な政策、援助の効率性と開発の成功の間に、明確な関連が示された。この確固とした国際的なコンセンサスを支持するため、相当規模の追加的な開発支援のコミットメントが、モンテレーにおいて発表された。この新たなコミットメントにより2006年までに、我々の政府開発援助は合計年間120億米ドル増加することになる。我々が約束した追加的な資金をどのように割り当てるかは、各国がそれぞれの優先順位と手続に従って決定する。アフリカが強固な政策的コミットメントを示す場合、最近の援助の潮流を踏まえれば、我々の新たな開発援助の内、総額で半分又はそれ以上は、公正な統治を行い、自国民に投資し、経済的自由を促進するアフリカ諸国に向けられることとなりうると我々は信ずる。このようにして、我々は、NEPADの目的を支援する。これは、貧困削減、良い統治及び経済改革に真摯にコミットするいかなる国も資金不足のためにミレニアム目標を達成する機会を否定されないことを確保するのに役立つであろう。

10.我々は、この行動計画を、個別に及び共同で、また、我々の属する国際機関を通じて、追求する。我々は、他の諸国に対し、参加を心から呼びかける。また、NEPAD支援のための、南南協力、並びに国際機関及び企業セクターを含む市民社会との協力を奨励する。我々は、この行動計画の効果的実現とNEPADの目的を支援するために、アフリカのパートナーとの建設的な対話を続ける。我々は、行動計画の効果的な実施を確保するために必要な措置をとり、アフリカ個人代表による最終報告書を基に、次回サミットにおいて進捗状況を検討する。

11.この新しいパートナーシップに対する我々の支援を表明するため、我々は、NEPAD支援のために、以下を約束する。


T.平和及び安全の推進


 アフリカの発展は、紛争と安定の欠如によって、繰り返し損なわれ破壊されてきた。家族は土地を追われ、離散した。また、児童兵の利用は、多くの人々から学習の機会を奪うだけでなく、長期にわたる国家の混乱、不安定及び貧困の種をまいた。悲惨で犠牲の大きい武力紛争のために、貧困と闘うために必要な稀少な資源があまりにも頻繁に失われてきたために、経済開発は大きく損なわれた。我々は、紛争の予防及び解決を最優先とすることを決意し、したがって、以下にコミットする。

1.1 アフリカ大陸の主要な武力紛争を解決するアフリカの取組を例えば以下の方法により支援する

  • コンゴ民主共和国及びスーダンに平和をもたらし、アンゴラ及びシエラレオネに来年中に平和を定着させる努力に対する追加的な支援を行う。
  • 武装解除、動員解除及び社会復帰のプログラムを支援する。
  • 適当な時期に、大湖地域及びスーダンの紛争後の復興を支援するための共同行動を実施する。
  • 国連事務総長及び他の影響力を有するパートナーとともに、アフリカの個別の紛争を解決するためにアフリカ諸国と協力するコンタクト・グループ及び類似のメカニズムを設置する、との国連事務総長の提案を承認する。
1.2 2010年までにアフリカ諸国並びに地域的及び準地域的な機関が、アフリカ大陸における暴力的紛争の予防及び解決をすることがより効果的にできるように、また、国連憲章に従った平和支援活動の実施により効果的に取り組むことができるように、技術的及び資金的な支援を例えば以下の方法により提供する
  • アフリカが地域レベルを含む平和支援活動を実施する能力を開発するための共同計画を2003年までに作成するようアフリカのパートナーとの協力を継続する。
  • コフィ・アナン国際平和訓練センターのような、紛争予防及び平和支援の軍事的及び非軍事的側面についての地域的な研究施設の発展を通じたものを含め、アフリカの平和支援部隊を訓練する。
  • 我々の個別の平和維持訓練イニシアティブ間の調整を改善する。

1.3 武器の仲介取引業者及び密売者の活動に対する規制を改善し、違法な武器のアフリカ向け及びアフリカ内の流通をなくすためのアフリカ諸国及び国連による取組を例えば以下の方法により支援する

  • アフリカへの違法な武器の供給の防止のための共通ガイドラインを策定し採択する。
  • この目的のため、地域的な国境を越えた協力への支援を提供する。

1.4 対人地雷の廃絶及び除去に向けたアフリカの取組を支援する

1.5 武力紛争と天然資源の略奪の関連性に対処するため、アフリカ諸国の政府、市民社会他と例えば以下の方法により協力する

  • 武力紛争を助長する鉱物資源、石油、木材、水を含む天然資源のアフリカでの違法な開発及び国際取引を監視し対処するための国連及びその他のイニシアティブを支援する。
  • ダイアモンドに関するキンバリー・プロセスのような自主的管理努力を支援し、アフリカの天然資源開発に従事する法人の社会的責任に関する自主的な原則の採択を奨励する。
  • 紛争地域からのアフリカの天然資源の輸出入に従事する人々に関する、一層の説明責任及び透明性の確保に取り組む。
  • 国境を超える天然資源の地域的管理を促進する。森林に関するコンゴ河流域イニシアティブ及び越境河川委員会への支援を含む。

1.6 武力紛争から脱しつつある社会または武力紛争の予防に努める社会に対し、より効果的な平和構築支援を例えば以下の方法により提供する

  • 紛争前及び紛争後の双方を含む、効果的なアフリカ主導の和解努力を支援する。
  • 平和構築及び紛争予防努力、特に、効果的な元兵士の武装解除、動員解除及び社会復帰、小型武器の回収及び廃棄、児童兵を含む子ども及び女性の特別のニーズに関するものを支援するために、ドナー及び国際機関の間のより効果的な協調と協力を奨励する。

1.7 戦争被災者を保護及び支援するアフリカの能力を高め、武力紛争下の文民、女性及び児童に関する国連安全保障理事会諸決議のアフリカにおける効果的な実施を促進するために取り組む。この取組には、大規模な難民人口の収容、支援及び保護を行うアフリカ諸国に対する支援が含まれる

U.制度及びガバナンスの強化


 NEPADは、「真の民主主義、人権の尊重、平和及び良い統治なくして開発はありえない」と述べている。我々もこれに同意する。信頼できる制度及び統治は、長期的または大規模な民間投資の前提条件であるというのが我々の経験であった。したがって、制度及び統治能力を強化するという責務は、緊急かつ極めて重要な課題であり、このため、我々は、以下にコミットする。

2.1 NEPADの優先課題である政治的ガバナンスの目標を例えば以下の方法により支援する

  • 行政及び官僚機構の改善、議会による監視の強化、参加型意思決定の推進及び司法改革といったNEPADの優先分野に焦点を当てつつ、アフリカにおける政治ガバナンスに関するキャパシティ・ビルディング・プログラムを拡充する。
  • 選挙プロセスの信頼性・透明性を確保し、選挙が自由かつ公正で、さらに「民主主義のグローバル・スタンダード」を支持及び尊重するとのNEPADのコミットメントに沿った形で実施されることを確保するためのアフリカの取組を支援する。
  • NEPADプロセスのあらゆる側面において議員及び市民社会を関与させるアフリカの取組を支援する。
  • 独立した司法制度と民主的にコントロールされた警察機構の発展を援助することを通じた治安部門の改革を支援する。

2.2 健全なマクロ経済戦略の実施、財政の運営及び説明責任の強化、通貨及び金融システムの一貫性保護、会計及び監査システムの強化、並びに効果的なコーポレート・ガバナンスの枠組の策定といったNEPADの優先分野に焦点を当てつつ、アフリカの経済ガバナンス及びコーポレート・ガバナンスに関するキャパシティ・ビルディング・プログラムを例えば以下の方法により強化する。

  • アフリカにおける地域向けの技術支援及びキャパシティ・ビルディング・プログラムの拡大において、アフリカ・キャパシティ・ビルディング財団やIMFのアフリカ地域技術支援センター(AFRITAC)イニシアティブのような国際機関及びアフリカの機関を支援する。
  • 経済ガバナンスの課題に関するアフリカ主導の研究に(国連アフリカ経済委員会(ECA)、地域的及び準地域的機関並びに専門知識を有するその他の機関及び組織を通じて)資金を提供する。
2.3 アフリカのピア・レビューの取決めを例えば以下の方法により支援する
  • 被審査国が同意する場合に開発援助委員会(DAC)のピア・レビュー・プロセスにECAを参加させることを含め、ピア・レビューの実施、手法及び経験に関する経済協力開発機構(OECD)とECAの間の協力を奨励する。
  • ピア・レビューの対象となる事項に関し、適当な場合に、アフリカとそのパートナーの間で実質的な情報共有を奨励する。
  • 地域機関がピア・レビュー・プロセスを促進する手段を開発することを支援する。

2.4 人権を促進し保護するためのアフリカ諸国の取組に対し、より関心を払い支援を例えば以下の方法により増大させる

  • アフリカにおける人権活動並びに国、地域及び準地域の人権機関を支援する。
  • 政府が負っている人権上の義務の履行のためのアフリカ諸国の取組を支援する。
  • 和解を促進し、集団殺害、人道に対する罪及びその他の戦争犯罪を含む人権法及び人道法の侵害に対する説明責任を確保するためのアフリカ諸国の取組を支援する。

2.5 男女平等及び女性の地位向上を促進するためのアフリカ諸国の取組を例えば以下の方法により支援する

  • NEPADプロセスのあらゆる側面及びNEPADの目的達成におけるアフリカの女性の対等な参加を達成するためのアフリカ諸国の取組を支援する。
  • あらゆる政策及びプログラムにおいて、ジェンダーを主要な問題として扱うことを支援する。

2.6 汚職、贈賄及び横領と闘うための効果的な措置の採択及び実施への支援を例えば以下の方法により強化する

  • 国連腐敗対策条約の早期作成及び国連国際組織犯罪対策条約の早期批准を確保するために作業する。
  • OECD贈賄防止条約の実施及びモニタリングを強化・支援し、並びに、国際金融機関及び多国間開発銀行を通じて、贈賄防止及び腐敗対策プログラムを支援する。
  • 不法に取得された金融資産を回収するための国際協力を強化する。
  • DAC指針、OECD多国籍企業行動指針及び国連グローバル・コンパクトのような自主的な腐敗対策イニシアティブを支援する。
  • 腐敗に対処し、良い統治を促進する際の議員の役割を支援する。
  • 資金洗浄及びテロ資金供与と闘うための技術支援をアフリカ諸国に供与するに当たっての、世界銀行及びIMFによる調整改善努力を支援することを含め、資金洗浄と闘うアフリカ諸国の取組を支援する。

V.貿易、投資、経済成長及び持続可能な開発の促進


 経済成長を生み出すことは、貧困削減と開発のために資源を動員するとのNEPADの目標の中核である。全ての生産分野における経済活動を刺激するためには、持続可能性及び社会的コスト並びに経済成長のエンジンとしての民間セクターの役割に特に注意を払いつつ、包括的な努力を行うことが必要である。この文脈において、アフリカのパートナーは、官民投資パートナーシップの一分野としても、また、地域の統合及び開発の鍵となる要素としても、インフラが特に重要であることを強調した。十分な成長率を達成するために、アフリカ諸国は、より広範な市場アクセスを必要としている。途上国のニーズと利益を中心に据えた、ドーハにおけるWTO加盟国による多国間貿易交渉の開始は、貿易に基づく成長の機会を増し、アフリカを世界的な貿易システムと世界経済に統合する枠組を形成する助けとなろう。我々はドーハの開発アジェンダとWTO作業プログラムを全面的に実施することにコミットしており、また、アフリカ諸国がこれらの交渉に効果的に参加できるよう貿易関連の技術支援の一層の提供を行うことにコミットしている。これらを考慮しつつ、我々は、以下にコミットする。

3.1. アフリカ諸国がアフリカの域内及び域外双方の投資を引きつけ、経済成長につながるような政策を実施することを例えば以下の方法により支援する

  • 健全な経済政策並びに商品及び取引の安全性改善、財産権の強化、税関の近代化、必要な法律・司法制度の樹立、投資リスクの軽減のための努力を含む、投資環境の改善を目指すアフリカのイニシアティブを支援する。
  • 開発金融機関、輸出信用・リスク保証機関の一層の活用、及びアフリカ内のこれら機関を強化することにより、民間投資に対する資金供給を促進する。
  • 信用サービスやビジネス支援サービスが貧しい女性及び男性のニーズに合致するよう特に関心を払いつつ、効率的で持続可能な域内の金融市場、並びにマイクロ・クレジットを含む国内の貯蓄及び金融制度の育成を目指すアフリカのイニシティブを支援する。
  • 官民パートナーシップによるものを含め、アフリカにおける一層の民間投資と成長を促進するための国際協力を強化する。
  • ソブリン債の格付けを獲得し、民間資本市場へのアクセスを得るためのアフリカ諸国の政府の努力を、地域的なものを含め支援する。

3.2 インフラ・プロジェクトの開発のためにキャパシティ・ビルディングと専門知識の移転を促進し、その際、特に地域的イニシアティブに注意を払う

3.3 アフリカの産品のために一層の市場アクセスを例えば以下の方法により提供する

  • アフリカを含む開発途上国の特有の状況、ニーズ及び要望を十分に考慮しつつ、多国間貿易交渉のドーハ・ラウンドにおける更なる貿易自由化の交渉を2005年1月1日までに終了することに対する我々のコミットメントを再確認する。
  • 交渉の結果を予断することなく、市場アクセスを実質的に改善すること、段階的な撤廃を目指しあらゆる形態の輸出補助金を削減すること、及び貿易歪曲的な国内助成を大幅に削減することを目指した包括的な農業交渉に対する、我々のドーハにおけるコミットメントを適用する。
  • アフリカのLDCを含むLDCからの全ての産品のための無税・無枠のアクセスという目標に向けて作業を行い、この目的のために、それぞれが、既存の市場アクセスにかかるアレンジメントのより広い、効果的な活用を促進するための方策を検討する。
  • 国内の製品基準が不必要にアフリカの輸出を制限しないこと、及び、関連する国際標準設定制度においてアフリカ諸国が十分な役割を果たすことができることを確保する。

3.4. アフリカにおける貿易関連の技術支援及びキャパシティ・ビルディングへの資金を増加させ、支援の質を例えば以下の方法により改善する

  • アフリカにおける貿易関連技術支援プログラムの設立と拡大を支援する。
  • アフリカにおける貿易関連の技術支援及びキャパシティ・ビルディングを支援するため、準地域的な市場及び貿易に関する情報事務所の設立を支援する。
  • 貿易政策を加盟国の開発計画に統合するための地域機関による努力を支援する。
  • 世界貿易機関(WTO)に関連する技術支援のニーズを特定する際のアフリカ諸国の参画を増大するために作業し、WTO協定のような国際約束の実施のためにアフリカ諸国に技術支援を行う。
  • 輸出市場における製品及び衛生基準に合致するようアフリカの生産者を支援する。
  • 国際交渉や標準設定制度にアフリカ諸国が参画するのに役立つ技術支援を行う。

3.5. 地域的経済統合及びアフリカ内の貿易を推進するためのアフリカの取組を例えば以下の方法により支援する

  • インフラ、水、食糧安全保障、エネルギー並びに持続可能な天然資源の管理及び保全を含め、地域統合に影響を与える重要な分野において、地域機関を発展させるよう、アフリカ諸国を支援する。
  • アフリカの自由貿易地域や関税同盟との貿易における市場アクセス拡大に、WTOと整合的な形で取り組む。
  • WTOと整合的な形でアフリカ内の関税及び非関税障壁を撤廃するためのアフリカ諸国の取組を支援する。
  • 世界の他の地域からの輸入に対する貿易障壁を下げることに向けたアフリカ諸国の取組を支援する。

3.6. 政府開発援助(ODA)の有効性を高め、強化されたパートナーシップ対象国に対するODAのコミットメントを例えば以下の方法により確固としたものにする

  • 後発開発途上国向け援助のアンタイド化に関するOECD/DACの勧告の効果的な実施を確保する。
  • 低所得国に対する輸出信用支援が非生産的な目的に利用されないことを確保するためのOECDの合意を効果的に実施する。
  • 被援助国の援助管理に係る負担を軽減し、援助の手続きコストを下げるためのDACにおける取組を支持する。
  • ODAの量の増加及び援助の有効性を含めたモンテレーにおける約束を実施するためにあらゆる必要な措置をとる。
  • DAC内及び全ての関係する機関との協調の下、国連ミレニアム宣言にある開発目標のアフリカにおける達成に向けた我々の進捗を毎年見直す。

W. 債務救済の実施


4.1. 我々の目標は、重債務貧困国(HIPC)イニシアティブを通じて、国々が持続可能な債務水準でHIPCプロセスを終了することにより貧困を削減できるよう支援することにある。HIPCイニシアティブは、健全な経済政策と良い統治を行っている22のアフリカ諸国の債務を純現在価値で190億米ドル削減する。既存の債務救済措置及び追加的な二国間の債務免除と合わせれば、これらの諸国の債務負担全体の3分の2程度となる300億米ドル規模の削減に相当し、これは、教育、保健、その他の社会的、生産的な目的への重要な資金配分を可能とする。

4.2. しかし、債務救済のみでは、それがいかに寛大なものであったとしても長期的な債務持続可能性を保証することはできない。債務持続可能性を確保するためには、HIPC側による健全な政策、良い統治、慎重な新規借入、健全な債務管理及び債権者による責任ある融資が必要である。我々は、HIPC信託基金に予想される不足分を全面的に補充することにコミットする。加えて、我々は、例外的に深刻な外的ショックにより経済状況の根本的変化を被った国々に対し、ケースバイケースで、必要性に応じ、いわば「上乗せ」とも言うべき追加的な債務救済を行う用意が引き続きある。この場合、これらの国々は、貧困削減、健全な財政管理及び良い統治に対するコミットメントを引き続き示す必要がある。我々は、HIPCイニシアティブにおいて最大10億米ドルの資金不足が生じうることを認識し、我々の負担分を拠出する。我々は、他の債権者にも我々に加わるよう呼びかける。我々は、HIPCプロセスを一旦終了した国々が、その後同イニシアティブの下での追加的な債務救済を必要としないことを期待している。我々は、国際開発協会(IDA)第13次増資において、最貧国や債務に脆弱な国々に対する贈与の増加を支持し、早急な右採択に期待する。



V. 知識の拡大:教育の改善及び促進、
並びにデジタル・オポチュニティーの拡大


 教育への投資は、アフリカの経済的、社会的発展、並びに個人及び集団の前進のより大きな機会をアフリカの人々へ提供するために極めて重要である。また、教育は女性及び女児のための完全な男女平等の達成といった重要な目標にとっての鍵となる。しかし、殆どのアフリカ諸国では、「万人のための教育」(EFA)のダカール目標の達成に向けた進歩は殆どみられていない。加えて、アフリカがデジタル・オポチュニティーを活用する助けとなる情報通信技術(ICT)能力は未だ得られていない。ICTは、アフリカにおける経済的、人的開発のための優先事項としてNEPADにより特定された。このことを念頭に置きつつ、我々は以下のことにコミットする。

5.1 あらゆるレベルにおける教育の質を改善するためのアフリカ諸国の取組を例えば以下の方法により支援する

  • 教育セクターに対し確固とした政策及び財政的コミットメントを示している国に対し、二国間援助機関を通じた基礎教育への支援を大幅に増加することにより、初等教育の普遍化と教育機会の男女平等の達成を支援する。この関連で、我々は、これら目標の達成のために教育への強力な政策的及び財政的コミットメントを行動により示すアフリカ諸国を助けること、及び他のアフリカ諸国が2015年までに初等教育の普遍化を達成できるよう必要な手段を取るよう奨励することを目的として、G8教育タスクフォースの報告書を実施するために精力的に取り組む。
  • アフリカ諸国による、「万人のための教育」に関するダカール目標を反映した国家教育計画の策定及び実施を支援し、国家開発戦略の不可欠な部分としてこれらの計画、特に初等教育の普遍化への国際社会による支援を奨励する。
  • NEPADの優先事項に沿った教員研修イニシアティブ、並びに説明責任メカニズム及びEFA評価プロセスの創設に、特に重点を置いて支援を行う。
  • 二国間及び他の取組を更に補完するものとして、国際金融機関と協力し、その教育関連支出を増加させる。
  • 利用者主導の「万人のための教育」インターネット・ポータルの開発を支援する。
  • 給食プログラムのような、出席を促し、学業成績を向上させるプログラムを支援する。
  • 地域社会の幅広い教育ニーズを開発するために地域学習センターの開発を支援する。

5.2 女性及び女児の教育への平等なアクセスを確保するための取組を例えば以下の方法により支援する

  • 女児や女性に奨学金及び他の教育支援を提供する。
  • 女児及び女性の教育機会への平等なアクセスに対する社会的、文化的及びその他の障害を取り除くアフリカ諸国の取組を支援する。

5.3 強化されたパートナーシップ対象国における研究及び高等教育能力の向上への支援を増大させるため、アフリカのパートナーと例えば以下の方法により協力する

  • アフリカにおける、NEPADに不可欠な分野に関する研究施設の開発及び研究講座の設置を支援する。
  • 客員研究者の交換を奨励し、G8及びドナーとアフリカの研究機関の間の研究パートナーシップを促進する。

5.4 アフリカによるデジタル・オポチュニティーの創出を例えば以下の方法により支援する

  • デジタル・オポチュニティー作業部会(ドット・フォース)の国際e開発資源ネットワークに対しアフリカに焦点を当てるよう奨励し、また、デジタル・オポチュニティー創出を支援しうるドット・フォースのその他のイニシアティブについても支援する。可能な場合、既に実施中のアフリカのイニシアティブを活用する。
  • 情報通信技術(ICT)に適した環境作りのため、アフリカ諸国と協力して、国内、地域内及び国際的な電気通信並びにICTに関する規制及び政策を向上させ、もってICTへのアクセスの普遍化という目標に向けて努力する。
  • ICTインフラの整備を迅速に実施するため、官民パートナーシップの発展を奨励し、支援する。
  • ICT部門におけるアフリカの人々の起業家精神と人的資源の開発を支援する。

5.5 持続可能な経済的、社会的及び政治的開発を促進するとの文脈において、アフリカによる情報通信技術のより効果的な利用を例えば以下の方法により支援する

  • 教育及び保健問題に対処するために、ICTを最大限に活用するアフリカのイニシアティブを支援する。
  • 政府の効率性、有効性、透明性及び説明責任の向上を目標とする国家e戦略及びeガバナンス・イニシアティブの策定と実施を支援することを含め、アフリカ諸国によるガバナンス向上のためのICTへのアクセスの向上及びICTの最大限の活用を支援する。

VI. 保健衛生の向上及びHIV/エイズとの対決

 マラリアや結核等の疾病の存続はアフリカの開発にとり未だ重大な障害となっている。この重荷に、エイズから生じる壊滅的な人的及び社会的コストが加わり、その結果、アフリカの開発促進の全ての取組が損なわれようとしている。アフリカにおける平均余命は劇的に低下し、アフリカの保健システム及び経済に新たな大きい負担が生じた。ポリオ、河川盲目症及びその他の予防可能な疾病に対する免疫力を高める取組を強化する必要性を含め、アフリカが直面する保健面の課題に対処するためには相当な努力が必要である。したがって、HIV/エイズがアフリカ開発の将来のあらゆる側面に影響し、よって我々のアフリカ支援のあらゆる側面における要素となるべきことを認識しつつ、我々は以下にコミットする。

6.1 アフリカがHIV/エイズの影響と闘うことを例えば以下の方法により支援する

  • エイズ孤児を含め、HIV/エイズに感染した又は影響を受けた母子を助けるプログラムを支援する。
  • 保健専門家の採用及び訓練のための訓練施設の強化を支援する。
  • 性差に配慮した、多面的なHIV/エイズの予防、ケア及び治療プログラムの開発、導入及び実施を支援する。
  • HIV/エイズに関する認識を高め、羞恥心を軽減するためのハイレベルの政治的関与を支援する。
  • 疾病調査を含む技術的能力向上のイニシアティブを支援する。
  • HIV/エイズへの認識を高め、犠牲者及びその家族に支援を提供するにあたり、雇用者と強力なパートナーシップを結ぶ努力を支援する。
  • HIV/エイズ及び結核の双方に対処するアプローチを統合する取組を支援する。
  • HIV/エイズがアフリカの平和及び安全に与える課題に対処するアフリカの能力向上を支援する。

6.2 効果的な疾病対策を実施するために持続可能な保健システム構築に向けたアフリカの取組を例えば以下の方法により支援する

  • 世界の医薬品業界、影響を受けているアフリカ諸国及び市民社会との現行の協力を前進させ、入手可能な価格でかつ医療的に効果のある方法で、生命を救う医薬品の十分な量の入手に向け改善する。
  • 妊産婦及び幼児の死亡率及び罹患率の低下を含め、社会の最も脆弱な部分へのより有効かつ費用効果の高い保健対策の推進を助ける上でアフリカ諸国を支援する。
  • 世界エイズ・結核・マラリア対策基金への支援を継続し、引き続き同基金がその活動の有効性を高め、その経験から学ぶことを確保するため作業をする。
  • 世界エイズ・結核・マラリア対策基金へのアフリカによるアクセスを高めるためのアフリカの努力を支援し、アフリカが基金に参加し、利益を得るための能力を強化することを支援する。
  • 公共及び民間双方の保健機関により提供される保健サービスの質をモニタリングする公共部門の能力を強化するための支援を提供する。
  • G8とアフリカ諸国との間で病院及び他の保健機関を連携させることを支援し奨励する。

6.3 アフリカにおけるポリオ、河川盲目症及びその他の疾病、並びに健康障害の根絶又は緩和を例えば以下の方法により加速する

  • 2005年までにポリオを根絶するため、十分な資源を公正かつ公平に提供する。
  • アフリカにおける児童の免疫力の向上、及び微量栄養素の欠乏の根絶のために、関連する官民パートナーシップを支援する。

6.4 保健研究の格差を狭めることを目指して、保健研究ネットワークの拡大によりアフリカの保健問題に焦点をあてること、及びアフリカに拠点を置く研究者をより幅広く活用することを含め、アフリカで流行している疾病に関する保健研究を支援する

VII. 農業生産性を高めること


 アフリカの人口の圧倒的大部分は農村に居住している。従って、農業はアフリカの人々の大部分にとって主要な経済的関心事である。農業は、アフリカの多くの人々の生活のみならず、ほぼ全てのアフリカ諸国の国家経済にとって重要である。農業の生産を増やし、効率性を高め、多様化を進めることはこれら諸国の経済成長戦略の中心をなす。NEPADの農業に関する成長及び持続可能な開発のイニシアティブを支援するため、我々は以下にコミットする。

7.1  NEPADの枠組み及び優先事項に沿って、アフリカの農業への支援への国際的な優先度を例えば以下の方法により高める

  • アフリカの農業開発の優先的なニーズに対処する国際機関及び研究機関の改革と資金調達を支援する。
  • アフリカにとって特に重要な問題に関する研究を支援するとともに、アフリカにおける農業研究を強化する取組を支援する。
  • 一貫した開発戦略が存在し、それが政府予算の優先事項に反映されているアフリカ諸国と協力し、農業、農村開発及び食糧安全保障のためのODAの有効性及び効率性を高める。

7.2 アフリカ諸国と協力し、持続可能な生産性及び競争力を高めることを通じ貧困を例えば以下の方法により削減する

  • バイオテクノロジーを含め、安全かつアフリカに則した形で実践及び実験されてきた新しい技術の開発及び責任ある使用を支援し、脆弱な土地の利用、水及び農業用化学品の使用を抑えることにより環境を保全しつつ、穀物生産量を増加させる。
  • 開発ニーズに対処するため、バイオテクノロジーの責任ある使用を研究、共有し、促進する。
  • 農業従事者の企業家としての能力を強化するために現在行われている国際的な協力を踏まえ、市場に関する重要情報への農業従事者のアクセスの向上を、伝統的及び最先端の通信技術の利用を通じて支援する。
  • 農業及び水の研究並びに適切な需要主導の技術の開発、適応及び採用につき、パートナーシップを奨励する。低所得かつ資源不足の農業従事者が、農業生産性を向上し、農産品、水産品及び食糧品を市場に出す能力を向上させるための技術を含む。
  • 財産権及び資源に関する権利を促進するためにアフリカ諸国と協力する。
  • 農業及び関連する全ての政策において、ジェンダーを主要課題として扱うこと、並びに技術、技術支援、土地所有権、信用供与への女性の平等なアクセスの権利を確保することを目標とする措置を支援する。
  • 生産、輸送及び市場を含め、農業インフラの開発を支援するためにアフリカ諸国と協力する。
  • 貧困削減戦略に組み込まれた健全な農業政策の策定を支援するためにアフリカ諸国と協力する。

7.3 アフリカにおける食糧安全保障の向上に例えば以下の方法により取り組む

  • 食糧安全保障を貧困削減戦略に組み込み、貧困層が農業及び農村開発からより良い生計を立てられるような政策と制度を推進するアフリカ諸国と協力する。
  • 本年の南部アフリカにおける悲惨な食糧不足に対応するため、適切な国際機関と協力する。
  • 微量栄養素及び栄養強化の技術により、食事の質及び多様性を高める取組を拡大するためにアフリカ諸国と協力する。
  • 立法、執行手続及び支出の制度的枠組み策定への支援を含め、食糧の安全及び品質管理システムを構築するアフリカ諸国の取組を支援する。
  • 農業技術を向上させ、より広く普及させる取組を支援する。

VIII. 水資源の管理を向上させること


 水は生命にとって不可欠である。水の重要性は、人間の飲用水から、公衆衛生、食糧安全保障及び農業、経済活動、並びに自然環境の保護に至るまで、幅広い不可欠な用途に及んでいる。我々は適切な水資源管理の重要性を特記した。我々はまた、水の管理が時には地域の平和及び安全を脅かすことに留意する。また、我々は、持続可能な経済の成長及び開発を達成するための適切な水管理の重要性を認め、したがって以下にコミットする。

8.1 アフリカ諸国による水資源の開発及び管理の向上への取組を例えば以下の方法により支援する

  • 生産的かつ環境的に持続可能な水資源の開発を推進するアフリカ諸国の取組を支援する。
  • 飲料水の衛生及びアクセスを向上させる取組を支援する。
  • 地方及び都市の双方における飲用水及び衛生プロジェクトの形成を促進・加速し、並びにこれらの部門における効率性を向上させるために技術協力を行う。
  • 分権化、コスト回収、一層の利用者参加を目的とする水部門の改革を支援する。