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小泉総理の演説・記者会見等
 

小泉内閣総理大臣記者会見

[第164回通常国会終了を受けて]

平成18年6月19日

小泉総理の写真

小泉総理記者会見[ビデオ版] インターネットテレビ
3チャンネルでご覧頂けます。

【小泉総理冒頭発言】

 今国会は、昨日閉会されましたが、総理大臣として出席しなければならない最後の国会でありました。お陰様で、自由民主党、公明党との安定した連立政権の下で、数々の政府提案の法案も成立を見ることができました。与党始め、国民各位の皆様方の御協力、野党の皆さん方の御協力に対しても、厚く御礼を申し上げます。

 特に今年度予算は、厳しい財政状況、そして景気回復の進展をどのように進めていくか、難しい経済問題、財政問題山積の中に、年度内成立を見ることができました。お陰様で、新規の国債発行枠も30兆円以内におさめることができ、なおかつ一般歳出も前年度以下に抑えることができた。普通だったらば、もっと予算を増やせ、景気が悪いときに予算を前年度以下に抑えるなという声が多かったわけでありますが、国債発行も抑制する、一般歳出も前年度以下に抑えるという中で、税収も昨年度も、恐らく今年度も見積りよりも多く自然増収が出てくる見通しが出てきております。

 そういう中で、改革を続行しなければならないという与党の共通の認識の下に、数々の行革法案始め法案の成立を見ることができた。

 今後も、この改革に終わりがない。そして、私の退任後も新しい総理が9月には誕生すると思いますので、その後もこの改革の芽を成長させて大きな木にしていく。経済の活性化、国民生活の発展のために、改革を進めていく路線が軌道に乗ってきたと思っております。改めて国民の皆様方の激励、御支援、御協力に厚く御礼申し上げます。

【質疑応答】

【質問】 総理は、会期延長をしない理由について、やることがいっぱいあるとか、総合的に判断されたと説明されています。会期延長せずに、教育基本法改正案など幾つかの法案については、秋の臨時国会以降の成立に委ねた形になっております。こうしたことについて、民主党からは総裁選管理内閣だという指摘もあります。残り任期3か月の間に、総理御自身、米国やカナダ訪問、G8サミットへの出席といった外交日程もありますが、そのほかに総理が頭の中で描いているやることとは一体何なんでしょうか。具体的にお聞かせください。

【小泉総理】 まず、来年度予算の骨格を決める概算要求基準というのがあります。これは6月下旬、これから7月上旬にかけて本格的な議論が政府・与党間で行われます。この来年度予算に向けての骨格、基本方針を決めなければならない。これは今後の改革路線、更には経済の活性化、財政再建両にらみの難しい経済財政状況の中で、極めて重要なものであります。

 これも与党内においても、さまざまな議論があるところでございますので、この方針をまとめるのにかなり議論を要すると思います。

 それと、来週はカナダ、アメリカを訪問したいと思います。更に7月に入りますと、ロシアのサンクト・ペテルブルグでG8サミットが行われます。そして、自民党にとってはこれからの総裁を決める総裁選挙が9月に行われる予定であります。まさに問題山積、やるべきことはたくさんあります。

 今国会、なぜ延長しなかったのかという、延長すべきという、延長しないことに対しての批判の報道がかなりなされておりますが、これまた私は大変面白く奇妙なことだと思っているんです。民主党、共産党、社民党、野党は全部延長反対でしたよ。マスコミの中にも延長して教育基本法案、憲法改正のための国民投票法案、あるいは犯罪防止のための共謀罪創設の法案、延長しないという決定の前に、今国会で成立させるという意見がありましたか。むしろ少なかったのではないですか。じっくり審議するべきだ、あせるべきではないという議論が多かったのではないでしょうか。私が延長しないとなった途端、なぜ延長しないのか、延長すべきだということは、本国会に全部法案を通せということでしょう。批判することが仕事だといえば、それは仕方ありませんけれども、私は野党の意見も十分尊重した。すべての野党が延長するなと言ったんですよ。教育基本法もじっくり審議をしろと言ったんです。

 私は、教育基本法案においても、国民投票法案においても、国際犯罪防止のための共謀罪創設についても、野党第1党の民主党とそれほど対決、対立点がある問題とは思っておりません。

 また、野党第1党の民主党が将来政権を担当しようという意欲が本物だったならば、あえてこれを阻止するとか、対決しようという考えを取るような法案ではないと思います。じっくり審議すれば、お互い共通点が出てくる問題ではないでしょうか。そういう点を総合的に判断して、野党の意見にも耳を傾けて延長しないという判断を下したわけであります。

【質問】 自民党総裁選についてお伺いします。 総理は、総裁選についてきつい権力闘争になるとおっしゃっておりますが、5年間続いた小泉政権の後の総裁を決める総裁選の意義について、どのような争点が争われるべきかということも含めて、その意義についてお伺いしたいと思います。

 もう一つ、総理は、総裁選の投票前に、御自身が一票を投じる候補を明らかにするとおっしゃっておられますが、その場合、どのような要素を最も重視して投票する候補を決めるか、その2点についてお聞かせください。

【小泉総理】 自民党の総裁選というのは、今までもほとんどがそうでしたけれども、これからの日本の総理大臣を決める選挙でもあります。ですから、他の野党の党首選とは違った重要な選挙だと思っております。その際には、新しい総裁になろうとする候補者の皆さんは、同時に自民党の一総裁ではなくて、日本国の総理大臣だという抱負経綸を持って日本国かくあるべし、また私が総理になったらば、このような点に重点的に取り組みたいという基本方針を表明すると思っております。

 そういう中で、ここまで経済停滞の中で、そしてデフレスパイラルになるのではないかという不安感を持った状況の中で、ようやく国債発行も抑制し、一般歳出も前年度以下に抑えて、なおかつ景気が回復軌道に乗ってきた。これは極めて今後の総理、総裁にとっては重要な課題だと思います。

 経済を活性化しなければいけない。同時に財政再建も進めていかなければならない。となりますと、将来の国民の負担を軽減するということになりますと、国債発行も抑制していかなければならないし、増税の幅も少なくしていかなければならないとなれば、仮に見積った税収よりも多く自然増収が出てきたとしても、その増収分を、更に一般歳出をすべての省庁に増やすという方向にはなかなか取りにくいと思います。

 そうなりますと、歳出をいかに切り詰めていくか、不必要な部分に切り込んで、そして必要な部分は増やしていこうかと、一律に削減することはできません。めり張りを付けていかなければならない。そうなると、重要な部分を増やすならば、減らさなければならない部分がかなり多く出てくると思います。その辺をどのような手法で次の総裁、総理は与党の理解と協力を得ながら進めていくか、極めて重要な問題であります。

 あるときは与党内の反発も覚悟して説得しなければならない。あるときは与党の皆さんの協力を得て、うまくまとめていかなければならない。両方大事なんです。臨機応変、硬軟両様、これを間違えるととんでもないことになるんです。どれが大事で、どれが些事かというのは、人によって全部違います。総理が考える大事なこと、各省庁が考える大事なこと、国民が考える大事なこと、与党が考える大事なこと、野党が考える大事なこと、それぞれ違っていいんです。しかし、国民全体として、総理として、総裁として、何が大事で、ささいなこととは言いませんけれども、何を多くの皆さんの円満な調整の下にやっていくか。あるときは、指導力を発揮すると独裁と言われてしまう。あるときは党内の円満な運営を目指して任せると丸投げと言われるでしょう。そういう批判を恐れずに、指導力を発揮する面と党内の信頼する方々に任せる面と、これをうまく活用していただく人間的な幅と言いますか、信頼感、それと政治・経済の抱負経綸、それと自分の重点的に掲げた問題を粘り強く実現していくという情熱、これが極めて大事だと思っております。

 私は、三十数年間、自民党議員として、幾つかの総裁選挙を見てまいりました。またあるときは、私が立候補して、その権力闘争の火中に身を置き、敗れたこともあり、勝利を得たこともあります。そういう中において、今の時代、政党の中の統制の中で、自民党の総裁というのは総理を決めるわけですから、大変重要な、また権力闘争の面から見てもそれぞれ苦しい場面もあると思います。人間的関係を損なう場合もあるかもしれません。しかし、大局的見地に立って、日本の経済をいかに活性化させるか、国民生活を安定させるか、日本の安全を確保していくかという点について、逃げることができない課題に強くたくましく、また明るく立ち向かっていただきたいと思っております。

 そして、いずれ総裁候補が出そろいます。今の時点においては、まだどなたが出て、どなたが出ないのか、今、言われている候補者の中に出る方、出ない方、あるいは、今、言われていない方からも出ることがあるかもしれませんが、はっきりと総裁候補たる資格のある自民党国会議員20人以上の推薦を持った候補者が出そろった段階で、私は1票持っていますから、どなたかに投票するかということは、明らかにしなければならないかなと思っております。それまでは、私はだれがいいとか、だれがよくないとか言うつもりはありません。

【質問】 総理、北朝鮮が弾道ミサイルテポドン2号の発射準備とも受け取れる動きを見せていますが、日朝平壌宣言を交した総理として、北朝鮮にどのような行動を求めるか、また仮に発射された場合、どう対応しますか。

【小泉総理】 私は、今までの北朝鮮との交渉においても、また金総書記との会談におきましても、北朝鮮が核兵器を開発したり、保有したりすることによって得る利益はほとんどないと。むしろ核開発計画を放棄して、国際社会に信頼される、責任ある一員として復帰すること、これが北朝鮮にとって最も安全を確保する道であり、北朝鮮の発展を図る最善の方法だということを訴えてまいりました。今もその考えに変わりはありません。

 最近、北朝鮮でミサイルを発射させるんではないかという動きがあるとの報告を私も受けておりますが、これはアメリカや韓国と連携しながら北朝鮮側に対しては、このようなことはしない方がいいと、いかに北朝鮮側が理性的に、自制的にテポドンなりミサイルを発射しないような対応を取るようにさまざまな働きかけをしております。しないことを今も期待しておりますが、もし、そのような我々の意見に耳をかさないということになるとすれば、また発射したということに仮になれば、日本政府としてもアメリカ政府等ともよく協議して、厳しい対応を取らなければならないと思っております。

 今、この時点でどういう対応をするかということは、総理大臣として言わない方がいいのではないかと思っております。

【質問】 イラクの復興支援について、お尋ねいたします。 現在、現地では治安権限の移譲問題について協議が進展していると聞いておりますが、現在、サマーワに派遣されている陸上自衛隊の撤収について、どのようにお考えでしょうか。また、撤収後のイラク支援について、どのようにお考えでしょうか。

【小泉総理】 イラクのサマーワにおいて、日本の自衛隊諸君が献身的な活動を展開してきてくれている自衛隊の諸君一人ひとりが、このイラクにおける自分たち自衛隊の活動は、日本国民の善意を実行する部隊だと自覚を持って、熱心に汗を流し活動してきてくれたおかげで、イラク政府からイラク国民から現地の住民からも高い評価を受けております。

 この自衛隊諸君の活動が、今後のイラクの安定したイラク国民の、イラク国民による力になって、自らの政府をつくり上げるんだという励みになるような支援を、日本は今までもしてきたつもりであります。

 これからも、仮にサマーワでの自衛隊撤収をした後も続けていきたいと思っております。どのようなイラク復興支援、人道支援があるかということについては、サマーワでの自衛隊の治安活動に協力してくれたイギリス軍、オーストラリア軍を始め、アメリカ政府等との緊密な連携の下に、自衛隊を撤収する場合は円滑に撤収しなければならないと思っております。

 時機が来れば、いつがいいか適切に判断して、各国の了解とイラク政府の了解を得て、自衛隊諸君が無事帰国し、そして今後も日本は国際社会の責任ある一員として、イラクの安定のために何ができるかを継続的に考え、実施していきたいと思っております。