平成30年10月3日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 このたびオリンピック・パラリンピック競技会の運営の担当をする大臣に就任をした櫻田義孝でございます。よろしくお願いいたします。
 1964年東京大会で、さきの大戦から20年弱の開催であり、当時は大会を契機に新幹線、首都高速道路、ごみのない美しい街並みをレガシーとして残しました。いわば日本が先進国に追いついたということを国の内外に示すこともあり、非常に日本という国を知らせるために発信したということでは、大いに役に立ったのではないかと思いますし、また日本人も戦後から立ち上がるということで、自信と誇りを取り戻すことができたのではないかなと、こんなふうに思っております。
 2020年東京大会は、東日本大震災からの復興を成し遂げつつある姿を示すとともに、日本の文化を発信する絶好の機会であると、こんなことを考えております。
 加えて、夏季パラリンピックが同一都市で2回開催されるということは史上初めてでありまして、2020年東京大会の成功の鍵は、パラリンピックの成功であるということで認識をしているところであります。また、大会を契機にユニバーサルデザインによる共生社会の実現など、次世代に誇れるレガシーとして残せるよう考えております。
 また、東京大会まで2年を切ったわけでありまして、取組を具体化し、準備を本格的に進める段階に入ったということでございます。国が実施する各施策については、私自身が担当大臣として進捗状況をしっかりと確かめて、東京都、大会組織委員会、競技大会のある地方公共団体をはじめとする関係先と連携をとりながら、国として対応すべき様々な課題に全力で取り組んでいく覚悟でございます。
 以上でございます。

2.質疑応答
(記 者)
   大臣、就任おめでとうございます。
 幾つかちょっと質問させていただきます。
 2020年東京大会のこれまでの御自身の関わりと、あと担当大臣が決まったときの御感想、それと総理から何か指示などありましたらお聞かせいただければと思います。
(大 臣)
 前は文部科学副大臣をやっていましたときに、森会長が大会会長ということで、そのとき私が副会長ということで、東京オリンピック・パラリンピックに対して関与してきましたので、ある程度細かく専門性を高めた形で、オリパラの大臣になったということについては、非常にやりがいがあるなというふうに思っているところであります。いろいろな面で関係大臣の協力を得て、しっかりとした取組をしたいと、こんなふうに思っております。
 また、運営に対しては、サイバー空間を初めとしたセキュリティ対策とか、安全、安心の問題、運輸用の問題とか、外国人受入れ等の受け入れ先の推進ですとか、オールジャパンの大会になるようにしたいと取り組んで思っております。
 そして、また今回は復興オリンピックというようなこともありますので、震災のことも、この震災からよみがえる日本という姿を全世界の人に見ていただけるような、そんな大会にしていきたいと思っております。
 また、パラリンピック大会ですが、これまでにないような最高の環境を整えて、世界中の障害者たちに夢を与えられるような、そんな大会になるよう準備を進めているところでございます。
 東京大会を日本全体の祭典として、我が国が活力を取り戻して、全国津々浦々にまで大会の効果を実感できるようにホストタウン構想というものを推進するというところでございます。
 また、新たに策定した計画に基づいて、新国立競技場の整備も進めていくところでございます。東京大会の前年に開催されるラグビーワールドカップ、2019年にあります。東京大会と共通するような事項が多く含まれておると思いますので、文部科学大臣としては、関係大臣と連携、協力して、所要の準備、検討を進めるとともに、またサイバーセキュリティ本部に関する事務も担当させていただくということになります。
(記 者)
 総理から指示は特に。
(大 臣)
 特に世界の祭典としてふさわしいように、しっかりと取り組んでいただきたいと、頼りにしているからと、こういう発言でありました。
(記 者)
 あともう一つ、前大臣がこれからいよいよ計画段階から実行段階に入っていく時期だということをおっしゃっていましたが、新大臣として、先程細かく専門性を高めた形で就任されたという発言もありましたけれども、今課題として捉えていること、それと今後力を入れていきたいことが具体的にありましたらお願いしたいと思います。
(大 臣)
 今、前大臣と引継ぎをやったところでありますけれども、いろいろ課題は若干残っているところでございます。いろいろな面で、細かいことというと、いろいろ東京だけではなく、各地でオリンピックを開くわけですが、競技場を借りることについては、オリンピックだけに地方の競技場を借りる時間、期間、これらもこちらの要望を出したことよりも、なるべく縮小してくれというような、それぞれ地方へ行けば地方なりに地方のアスリートというか、スポーツに関わる人たちがいますので、オリンピックだけに長い間とられては困るというような、そういう要望も地方からは聞いております。いろいろな面でオリンピックを成功させるために、できるだけ協力していただくという方向で努力はしているところでございます。
(記 者)
 昨日の夜の会見でも出たのですが、サマータイムについてお伺いします。
 党の議論を見守りたいということでしたけれども、大臣御自身としてサマータイムの必要性、その辺りはどんなふうに感じていらっしゃるでしょうか。
(大 臣)
 それは、党で今一生懸命検討している段階なので、私のほうから結論じみたようなことは、ちょっと差し控えたいなと、こんなふうに思っております。あくまでも党でいろいろな意見を集約した段階で、いろいろ協議を重ねて、一定の結論を出したいと、こう思っております。
(記 者)
 前大臣は被災地出身ということもありまして、復興五輪というものに心がけてやっていきたいというような発言があって、1年以上ずっとやってきました。
 櫻田大臣としては、何に心がけていきたい、そういった思いなどはありますか。
(大 臣)
 もちろん前大臣が被災地ということもあって、非常に復興ということ、復興オリンピックだということに非常に力を入れておりますので、復興オリンピックというものをしっかりと認識できるような形で運営していきたいと思っております。
 東京大会は復興オリンピック・パラリンピックという形で位置づけられておりますので、東日本の被災地の復興を後押しするような形で進めていきたいと思っております。被災地が復興しつつある姿を世界に見ていただきたいというような大会にしたいと思っております。(記 者))櫻田大臣としての思いとしてはどうでしょうか。
(大 臣)
 もちろん同じですよ。私も前大臣と同じで、私も千葉県柏なので、被災地で直接な被害者ではありませんが、自分の選挙区内で液状化現象ということで、家が1メートルも2メートルも下がったところが何十軒もあるわけです。
 そういったことで、非常に被災地の姿を見ておりますし、私のところ、柏、我孫子というところも放射能の関係で、学校なんかはグラウンドの表土5センチを削っているというようなことでありますので、復興ということを非常に私も気をつけているといいますか、思いを寄せて、復興オリンピックということについて、心は一つで、いろいろな面で岩手県、宮城県、福島県だけではなく、私たち東京の近くのところまで来ているということで、心を寄せているというところが私の心情でございます。
(記 者)
 大臣、今日ネクタイの色なのですけれども、何か狙いがあって、そういった今日はネクタイをされたのでしょうか。
(大 臣)
 これは選挙用にいつも私がやっているやつで、緑という色を大事にしているわけなので、選挙のとき、人間が一番好きな、日本人が一番好きな色は何だろうかと、緑だと絵を描くときとか写真のときに緑があるということは、非常に写りがいいので、 環境対策にも緑というのもいいので、そういったことで、昔緑で私は非常に大事にして、ネクタイなんかも緑を大事にしていますが、ポケットチーフも緑の、今日はやっていませんけれども、余り凝り過ぎてもいけないかなと思って、やってこなかったのですけれども、地元でも昔から私は緑を愛用しておりますので、特に他意はございません。普通の形です。
(記 者)
 次の訪問先に関係あるということではないですね。
(大 臣)
 全く関係ありません。
(記 者)
 大臣、今日早速午前中にパラリンピアンズ協会のほうから要望を受けたと思うのですけれども、実際直接お話になって、今後も早急に対応したいというお話も大臣も冒頭にあったと思うのですが、優先的に早急にナショナルトレーニングセンターの周辺のバリアフリーに関して、対応しなければいけないというふうにお感じになった点、どういう点が。
(大 臣)
 パラリンピックをやる会場そのものもあれですけれども、駅から来るところまでが十分でないというようなことを聞いておりますし、縁石、目の不自由な方などが途中で杖をやっても、途中で切れてしまっているらしいのです。一本にずっとつながってないということで、視覚に障害の方は困ると、何とか直していただきたいということなので、直していったらいかがと。
 それと、目の不自由な方にとっては、電柱などは邪魔らしいの、邪魔と言うと大変失礼な言い方ですけれども、歩道によってはぶつかったりすることがあるということで、東京都知事にお会いするときは、東京都知事は電柱の地中化、地下に入れましょうという運動の提唱を従来からしていた方なので、お会いしたら、電柱の地中化を急いでくれと、こういうふうに話しするつもりでございます。
 そして、東京大会を契機として、障害のあるなしに関わらず、全ての人がお互いの人権や尊厳というものを大切にできるような、そんな形で進めたいなと思っておりますし、人生を享受することが共生社会ということを実現できるというようなことで進めていきたいと思っております。
(記 者)
 今、スポーツ界でパワハラなどを初め、こういうスポーツの不祥事と言われる事件が最近相次いでいたのですけれども、国のほうでもインテグリティということで、いろいろ議員の皆さんも動き始めていると思うのですが、五輪の前にこういったスポーツのイメージですとか、そういったものが低下しているところも言われていますが、大臣としては五輪に向けてどのようにあってほしいと。
(大 臣)
 スポーツとパワハラとか、そういうものが最近いろいろな話題をあることは事実ではございますが、そういったことがないように、スポーツと倫理観というものをしっかりと一緒に共有できるように、倫理というものをしっかりと守るというようなことで、そういう思想を普及させるような取組ということをしっかりやっていきたいなと、こんなふうに思っております。

 以上