令和元年11月29日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。私から2件お知らせをさせていただきます。まず、1件目です。本日、台湾の復興「ありがとう」ホストタウンとして活動している岩手県大槌町ですが、相手国として新たにサウジアラビアを追加をいたしました。サウジアラビアからは、役場の仮庁舎に対してエアコン設備の提供や、町内の仮設住宅に入居する被災者約2,000世帯に対して、LPガスの提供をしていただいたという経緯があります。大槌町としては、サウジアラビア選手を応援し、交流を進めていきたいと考えております。国としては、引き続き各県としっかりと連携して、復興「ありがとう」ホストタウンを進めてまいりたいと思います。続いて、2点目です。お手元の資料のとおり、内閣府では女性の視点から日本とアジア・太平洋諸国との友好・信頼を深めるための交流事業を実施しております。今年度はアジア・太平洋諸国と日本のメディア業界で活躍する女性記者にお集まりをいただき、明後日12月1日、日曜日から3日間のプログラムを行うことにしております。諸般の事情が許せば、12月3日のプログラムの終わりに私から女性記者の皆さんに対してエールを送りたいというふうに思っております。私からは以上です。

2.質疑応答
(記 者)
 世界反ドーピング機構が、ロシアの検査データ改ざん問題をめぐって処分案をまとめました。ロシアが国として東京大会に参加できない可能性が高まりましたが、大臣の受け止めをお願いします。また、ロシアのホストタウンとなっている自治体への対応などについても教えてください。
(大 臣)
 WADAのコンプライアンス評価委員会(CRC)がモスクワ分析機関のデータの不整合な点を認定して、常任理事会に対して勧告をされ、来月の9日の常任理事会において審議されるということ、このことについて、IOCが非難する声明を発表したということも承知しております。このWADAの常任理事国である日本政府としましては、勧告内容に関する詳細な説明等を踏まえて適切に対応していくこととしておりますので、公正公平なオリンピック・パラリンピックというものを目指す、クリーンな大会を目指していく東京大会ということにおいては、今後、しっかりと審議されることを願っております。また、ホストタウンに関しては、今後どのような状況になっていくかということをしっかりと見極めながら、国としてあるいは個人としてということにもなりますので、どちらにしても、事前合宿等々で日本国内で合宿をするということについて、そのときの対応というのは、これからどのような結果が出るかによって変わってくると思いますので、しっかりと見極めていきたいと思っています。
(記 者)
 2点お伺いしたいんですが、まず、1点目なんですが、いろいろごたごたがありました日本テコンドー協会の方で検証委員会が行われて、理事が全員変わり、さらに金原昇会長も続投しないという結論に至ったんですけれども、まず、その点の受け止めということと、もう1点は、国母さんが大麻取締法違反で起訴されたんですけども、それの受け止め、2点お願いします。
(大 臣)
 テコンドーについては、この6月から、選手からいろいろな申出があって、様々な動きがあったことは承知をしておりますけれども、団体の理事の選任ですとか、今後の連盟の改革ということに関しては、当該団体が適切に判断していくべきところでありますので、私の方からは差し控えさせていただきたいと思います。以前もお話しさせていただいたとおり、やはりアスリートファーストとして、底辺の拡大、あるいは頂点を高めていくための強化、これは一体となってやっていかなければいけないことです。何と言っても、アスリートの環境を整えていくというのが、団体の役割だと思いますので、その点については、しっかりとそれぞれの立場、役割、そういったことがしっかりと生かされていくような団体の構成にしていただきたい、それを願っております。そして、国母元選手に関しては、報道を通じてこの問題知りましたけれども、私としては、やはり非常に残念でなりません。バンクーバー大会のときに団長を務めさせていただいて、団長とアスリートという立場で日本選手団として大会に赴いたわけですけれども、そのときの国母選手はやはり今後、子供たちの夢や希望をかなえるために、全力を尽くして頑張っていくという約束をしてくれて、その後の活躍もすばらしいものがありました。非常に残念ではありますけれども、またしっかりと子供たちに夢と希望を与えていただけるような、そういう考え方の中で頑張っていただきたいなと思います。
(記 者)
 ロシアのドーピングの問題でお尋ねしたいんですが、この問題が最初に明るみに出たのが2014年で、5年前に遡るんですけれども、それ以降、リオデジャネイロのオリンピック、それから平昌のオリンピックと、ロシアが出れる、出れないという問題がずっと長期化してずっと引きずってきていて、さらに今回今年になって新たに検査データの改ざんというような疑惑が出て、東京大会にまで影響が及びかねない状況になって、この問題が長期化している現状について、大臣としてはどのように受け止められているかという点をお伺いしたいんですけれども。
(大 臣)
 長期化するということは、あってはならないというふうに思っておりますけれども、ただこの問題は非常に奥が深いと思いますので、徹底してやはりしっかりとした審議が必要なんだと思います。そのために時間をかける必要があるんだということも、私自身承知をしておりますので、長い時間かかっておりますけれども、やはり信頼、信用、そういったものを回復するためにも、全力を挙げてWADAの理事会の中で審議をしていただきたいというふうに思っております。
(記 者)
 五輪のマラソン・競歩の札幌開催についてお尋ねします。本日、札幌市で予定されていた組織委員会や札幌市、北海道による実務者会議が延期となりまして、次回日程が今のところ未定となっています。延期の背景にですね、コースや日程について、組織委員会と世界陸連の調整が難航しているという報道もありますが、IOCの理事会が来月初旬と近づいている中で、大臣の御所感をお願いいたします。
(大 臣)
 急に変更されたということで、現場としても戸惑いがあるのではないかなと思います。長い時間を掛けてコースが決まってきたという背景もある中で、急な場所の変更によって直ぐにコースを決めなければいけないからといって決まるものでもないのかなと私自身感じました。ただ、やはりこれからもう時間もないことですし、12月の理事会に向けて決定をしていかなければいけないと思いますので、組織委員会、そして世界陸連、IOC、ここがしっかりとアスリートファーストで、そして、見る方たちへの配慮というものもしながら、早急に結論を出していただきたいと思います。その点については、政府としては、結果を心待ちにしながら、見守っていくしかないものですから、早急な結論を出していただくことを願っています。
                            
 以上