平成23年4月4日(月)午後

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食品についての規制について

 私(官房長官)から、何点かご報告を申し上げます。まず、食品についての規制についてでございます。まず、この食品の出荷制限、摂取制限の判断をするための暫定規制値について、緩めるべきではないか、あるいは緩めて欲しいという声もございました。厚生労働省の方で、食品安全委員会、原子力安全委員会等の専門家の方々の検討を踏まえて、これを変更することなく用いることとするということを決定をいたしました。

 当然のことながら、原子力災害対策本部としても、この間、厚生労働省から適宜報告を受けながら進めてきているところでございます。消費者の皆さんの安全についてご指摘な数字はありますけれども、まさに安全をしっかり確保するという観点から、この暫定規制値を見直すということは、現時点では行なわないという結論を厚生労働省の方で出しました。この検討と同時に、出荷制限等の発動と解除の考え方につき、原子力安全委員会にも助言を求め、再整理を行ないました。

 後ほど資料をお配りをするとともに、農林水産省、厚生労働省等からも詳細、ご報告を後ほどいただきますが、二つのことを決定をいたしました。原子力災害対策本部長としての菅総理の下で、二つのことを決定をいたしました。一つは、出荷制限の設定解除の対象範囲、対象区域についてでございます。この間、さまざまな検討、モニタリングの数字等もかなり集まって来ておりますことから、汚染区域の広がりや、集荷実態等を踏まえ、市町村単位など、県を分割した区域毎に設定、解除を行なうことも可能とすることといたしました。

 次に出荷制限の解除については、原子力発電所の状況を勘案をしつつ1週間毎に検査を行ない、3回連続で暫定規制値を下回った品目、区域に対して出荷制限の解除をするという原則を決めました。なお、この解除をする場合であっても、原子力発電所からの放射性物質の放出が継続している間は解除後も引き続き、1週間毎に検査を実施することを条件といたしております。

 なお、こうした考え方に基づき、3月25日から3月31日の間に暫定規制値を上回る野菜が検出をされたことに基づき、原子力災害対策特別措置法第20条第3項に基づき、次の市町村の野菜について、当分の間、出荷を差し控えるよう千葉県知事に指示をいたしました。一つは千葉県香取市及び多古町におけるホウレンソウ、もう一つは千葉県旭市において採取されたホウレンソウ、チンゲンサイ、シュンギク、サンチュ、セロリ、パセリでございます。これらの地域と品目について、今回定めました市町村単位などの、区域毎の指定を可能とするというルールに基づきまして、出荷制限の指示を、千葉県知事に対して指示をしたところでございます。

 農業者の皆さんからは規制値を緩めてもらえないかという声、意見もございましたが、逆にしっかりと厳しい規制値の数字でございますが、よりきめの細かい指定や解除をしっかりと行なうことで、逆に指定を受けていない農作物については安全であるということを消費者の皆さんに感じていただき、風評被害を無くしていくということが重要ではないかというふうに考えております。

 今後、更にきめ細かく出荷規制の必要性のある部分については、監視と規制を行なってまいりますので、是非それ以外のものについては、規制値を上回っていないということでありますので、しかも相当安全性を厳しく考慮した規制値を、上回っていないということでございますので、是非、単に産地の都道府県等に基づいて風評に基づく対応が無いよう、冷静な対応をお願いできればというふうに思っております。

原子力発電所の水について

 次に、原子力発電所の水の件でございます。ほぼ同時刻に東京電力から、そちらの方が正式な発表としてされているかというふうに思いますが、二つの水について、放射性物質を含む水でありますが、海水に放出をすることがやむを得ないということで、了承をいたしました。

 一つは、二号機等の溜まり水を移送する場所を確保するため、集中環境施設建屋に留まった放射性物質を含む水を海に放出をするということでございます。
 もう一つは、三号機・四号機のタービン建屋内に溜まり始めているサブドレン水、地下水等に基づいて、それが溜まってきているものでございますが、これについて海に放出をすることをやむを得ないという判断をいたしました。二号機等の溜まり水もついた大変高い放射性物質を含んでいることが明らかになっているようでございますが、これらのものの放出をできるだけ早く食い止めて、それらを海等に流れ出ないようにすることを優先するために、これに比べれば大幅に、桁違いに放射性物質の量が少ないものでございますが、残念ながら一定の放射性物質を含んでいる集中環境施設建屋に溜まっている水を海中に放出をすると。

 もう一つは五号機・六号機のタービン建屋内に水が噴き出して溜まり始めている状況ということでございまして、これを放置をすると、五号機・六号機についても、ディーゼル発電機等、現在安定している五号機・六号機の原子炉あるいは燃料プール等の状況に影響を与えますので、やむを得ない措置として、これらの水を排出をするということでございます。

 いずれも安全確保のためにやむを得ない措置等でございまして、東京電力からの報告に基づき、原子力安全・保安院が原子力安全委員会の助言を得た上で、原子炉等規制法に基づく危険時の措置として、やむなく実施するものでございます。なお、これらの措置と同時並行で溜まり水の移送や、原子炉冷却機能の回復などの対策に万全を期するとともに、海水のモニタリング結果を注意深く監視して、環境への影響もしっかりと確認するよう指示したところでございます。

IAEAへの気象庁からの提供資料について

 次に、三つ目でございますが、一部報道で、IAEAに気象庁から提出をしている放射性物質の計算結果が公表をされていないという指摘をいただきました。当該報道を受けまして、私(官房長官)の下に気象庁を呼びまして、状況、事情について報告を出させたところでございます。

 気象庁の、まず報告について、私(官房長官)の方からご紹介をいたしますと、IAEAの要請に基づき、IAEAによって仮定された放射性物質の拡散状況を計算し、その結果を、提供をしているということでございます。このIAEAによって仮定された放射性物質というのは、いずれも1ベクレルという、つまり具体的な放射性物質がどの程度出ているかという実測、あるいは推定に基づくものではなくて、ある一定量の放射性物質が出ていたとしたら、気象に基づいてどういう拡散をするのかということの計算を気象庁がIAEAから求められて、それに応じて報告をしたということの報告を受けたものでございます。

 なおかつ、このIAEAの指定に基づくシミュレーションは、100km四方単位でどうなっていくのかということについてのシミュレーションを行なって報告をするようにというものでございます。したがって国内の対策には参考にならない、まさにIAEAが国際的な影響についての参考にするための資料ということであるということでございます。

 このため気象庁としては、当該計算結果を公表する必要はなく、誤解を生むことも懸念されるため、公表は行なってこなかったという報告がございました。しかし私(官房長官)の方からは、積極的に公表する必要があるかどうかは別として、こうしたシミュレーションを行なっているということの指摘と、それに、しているのであれば公表すべきであるという指摘は、この間も、報道機関等から受けていたということも同時にご報告がございまして、少なくとも、隠す必要のない情報でありますし当然のことながら。そうした指摘があれば、今申し上げたような誤解を生まないような、十分な説明を付けて、少なくともその時点では公表をすべきであったというふうに私(官房長官)の方から気象庁に対して申し伝えたところでございます。

 したがいまして気象庁において、皆さんからご要請、ご要望があれば、公表されるというふうに認識、理解をいたしているところでございます。なお、繰り返し申し上げますが、ここで行なっているシミュレーションは、原子力発電所でどれぐらいの放射性物質が出ているのかというような前提をおいたものではなくて、1単位の何か、物があった時に、気象によってどういうふうに、それが世界中に広まるのかというような、しかも100km平米単位のメッシュでシミュレーションを気象に基づいて行なっているものでございますので、そのことが日本の国内における一種のシミュレーションとして意味を持つものでは必ずしもないということでございますので、公表された場合についての受け止めについては、冷静な受け止めをいただければというふうに思っております。

福島第一原子力発電所から半径20km圏内の避難地域、半径20kmから30km圏内の屋内退避地域における犯罪等への対応について

 長くなりまして恐縮ですが最後にもう1点。第一原発からの20kmからの避難地域、あるいは20kmから30kmの屋内退避地域についても避難を事実上されている方が多くいて、多くの店舗や家屋が無人となっております。空き巣や乗り物等など、被災地ならではの犯罪が発生をしておりますが、これまで把握している限りでは、犯罪全般の件数が増加しているとは認められておりません。

 一方、避難している住民の方々の不安な心理に付け込み、煽り立てるような窃盗グループが入り込んでいるといった悪質で巧妙な流言飛語が聞き伝やメール、インターネットの書き込み等により流布しておりますが、警察ではそのような事実は確認をいたしておりません。

 現在、20km圏内も含めて、警察の皆さん、それから自衛隊の皆さんには、防護服の装備、あるいは線量計等の装備を行なった上でですね、しっかりとした安全対策を行なった上でですね、パトロール等はしていただいております。まったく防犯、治安が何もない、空白状態にしているわけではありません。警察・自衛隊の皆さんには危険の中ではありますが、しっかりとした安全対策の下でパトロールを行なっております。

 さらにこうしたパトロールを含めて、こうした地域で犯罪等が空白に乗じたことが無いようにということは、さらに強化をしてまいりたいというふうに思っておりますので、不確かな情報に惑わされることなく、落ち着いて行動をされますようお願いを申し上げます。

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