私(官房長官)から2点ご報告を申し上げます。
まず、原子力発電所に対する新たな安全評価の導入について、ご報告を申し上げます。
我が国原子力発電所の安全性の確認に関し、福島原子力発電所事故及び、その後の情勢を踏まえ、既存の仕組みに加え、新たな手続き、ルールに基づく安全評価を導入することといたしました。
これについて、海江田経産大臣、細野原発事故担当大臣、そして私(官房長官)で詰めてきたところでございますが、本日、配布資料のとおり取りまとめ、総理の了解も得たので政府の方針として発表をさせていただくものでございます。
まず、大前提として我が国の原子力発電所については、現行法令に照らした安全性の確認は行なわれており、加えて福島原発事故を受けた緊急安全対策等も実施を確認をいたしております。
従来以上に慎重な安全性確認が行なわれているものでございます。
しかしながら、定期検査後の原子力発電所の再起動に際し、原子力安全保安院による安全の確認だけで、「安全と言えるのか」といった点について、依然として疑問を呈する声も多く、国民・住民の皆様には十分なご理解をいただけているとは言い難い状況であると認識をいたしております。
こうした状況を踏まえ、政府においては既存の原子力発電所の安全確認の枠組みに加え、新たな手続き、ルールに基づく安全評価を実施することといたします。
これは原子力発電所の更なる安全性の向上と、安全性についての国民、住民の方々の安心・信頼の確保を目的に行なうものであります。
また、評価の項目や、評価の手法の選定などにあたっては欧州諸国で導入された、ストレステストを十分に参考にしてまいります。
具体的には7月6日に原子力安全委員会から、経済産業大臣宛に出された、「原子力発電所の安全性評価に関する要求」を受け、1つに、原子力安全委員会による確認を受けて、評価項目と評価の実施計画を作成をする。
2つ目に、これにそって原子力発電事業者が、まず事業者としての評価を実施する。
そして3つ目に、その結果について原子力安全保安院が確認し、更に原子力安全委員会がその妥当性を確認し、評価結果が確定する。
という手続き、手順で評価を行ないます。
なお、評価結果が出た時点で、初めて公表するのではなく、評価項目、評価実施計画が固まった段階から公表することとしたいと考えております。
以上のような共通の考え方、手続きなどの下に2つのタイプの安全評価を行なう予定であります。
一つは一次評価と称していますが、定期検査中で起動準備の整った原子力発電所を対象に、準備の整ったところから順次行なうものであります。
安全上、重要な施設、機器等が設計上の想定を超える事象に対し、どの程度の安全裕度を有するかの評価を実施します。
これらの発電所については、現行法令に則った安全性の確認は行なわれている。
あるいは行なわれるものでありますが、安全性に対する安心・信頼を得るために、今後政府としては、こうした追加的な評価・確認により運転再開、再起動の可否を判断したいと考えております。
もう一つは、二次評価と称しておりますが、稼働中の原子力発電所、これには一次評価の対象となり、定期検査後再起動された発電所も含みますが、我が国の全ての原子力発電所を対象に総合的な評価を行なうことといたします。
この評価については、欧州におけるストレステストの実施状況や、事故調査検証委員会の検討状況も踏まえ、具体的な時期や内容を確定をしてまいりたいと思っております。
これら2種類の安全評価は、おのおの完結したものであり、一次評価は二次評価に向けた途中経過の報告といった性格のものではありません。
いずれについても安全性の更なる向上や、安全性に対する国民・住民の皆さんのご理解に資する実のあるものとなるよう、原子力安全員会、原子力安全保安院などの間で詳細、専門的に実施に向けた検討を進めていただくこととしております。
最後になりましたが、定期検査後の再起動に当たっての安全性の確認に関し、政府の方針、考え方が明確でないために、立地地域等に混乱を招いたとのご指摘をいただいております。
こうした指摘については、真摯に受け止め、また反省すべき点もあったと考えており、今後立地地域の自治体等の皆様に、新たな安全評価の趣旨や内容などについて、丁寧にご説明をしてまいりたいと考えております。