日本経済団体連合会審議員会

令和3年12月23日
挨拶する岸田総理 挨拶する岸田総理
挨拶する岸田総理

 令和3年12月23日、岸田総理は、都内で開催された日本経済団体連合会第10回審議員会に出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「今日は、経団連審議員会、私を始め、私の内閣の多くの閣僚もお招きにあずかりました。心から厚く御礼を申し上げます。
 経団連の皆様方には、私の総裁選挙の最中から、私が掲げる政策を評価していただき、大変な御支援を頂きました。また、日頃から政府の取組に対しても、色々な面で、御理解・御協力を頂いておりますこと、心から厚く御礼申し上げる次第でございます。
 経団連の皆様方が昨年打ち出された、サスティナブルな資本主義のコンセプトと、後ほどお話しさせていただきます、私の新しい資本主義とは、親和性が極めて高いと考えています。皆様方と、手と手を携えながら、是非、この国に、新しい動きを巻き起こしていきたいと考えております。
 岸田内閣では、新型コロナ対策を、最優先の課題として位置付け、国民の命と健康を守り抜くために、全力で取り組んでまいります。
 欧州などでは、ここにきて、過去最多の感染者数となっている国もあります。また、オミクロン株など、変異株の猛威は、決して無視できるものではありません。ついに、昨日、日本でも初のオミクロン株の市中感染の報告がありました。
 私は、最悪を想定し、引き続き、慎重にも慎重を期して対応していく考えです。
 新型コロナ対応については、厳しい水際対策、ワクチン接種など、感染拡大防止の観点から、経済界の皆様には、多大な御協力を頂いておりますこと、心から感謝申し上げます。
 今週、臨時国会において補正予算が成立いたしました。事業規模78.9兆円のコロナ克服・新時代開拓のための経済対策、この対策の裏付けとなる補正予算です。新型コロナ対応、コロナで生活にお困りの方への支援に加え、新しい資本主義の起動が対策の大きな柱となっています。
 本日、一番強調したいのは、私の経済政策の柱であり、日本経済再生の要であります、この新しい資本主義です。先ほど十倉会長の御挨拶の中にもありましたように、十倉会長にも、新しい資本主義実現会議の有識者委員として、貴重な御指導を頂いております。
 1980年代以降世界の主流となりました、新自由主義的な考え方は、世界の経済成長をけん引する原動力となった一方、様々な弊害ももたらしている、これも事実であります。市場に依存し過ぎたことによって、格差や貧困が拡大した。また、自然に負荷を掛け過ぎたことによって、気候変動問題が深刻化した。こうしたことも、弊害の一例であります。格差や貧困の拡大は、多くの国で、健全な民主主義の母体である、分厚い中間層を毀損し、民主主義の危機とも言うべき事態を招いています。また、気候変動問題の深刻化の影響は、世界中で激甚化する災害などに見てとることができます。もはや、これらの弊害を放置することはできません。もし放置してしまえば、世界の経済、そして、社会の持続可能性を大きく損なう恐れがあるからであります。
 資本主義がもたらす弊害を是正し、持続可能な経済社会を作り上げる。社会課題の解決を、新たな成長の源泉としていく。多くの国で、こうした共通の問題意識の下、新たな資本主義モデルを模索する動きが始まっています。私は、同じ問題意識を持つ世界の首脳と意見交換をしながら、この問題について、グローバルな議論をけん引していきたいと考えています。
 岸田政権では、市場や競争に全て任せるのではなく、市場の失敗や、外部不経済を是正する仕組みを、成長戦略と分配戦略、この両面から、資本主義の中に埋め込み、資本主義がもたらす便益を最大化してまいります。
 すなわち、市場や競争に全て任せるのではなく、官民協働で、成長戦略においては、気候変動等の課題を成長のエンジンに変え、また分配戦略においては、格差の問題に向き合い、これらを循環させることによって、経済の持続可能性を追求していきたいと考えています。
 こうした取組によって実現する成長と分配の好循環による持続可能な経済こそが、日本において追求していくべき、新しい資本主義であると考えています。
 まずは、成長戦略です。デジタル化、気候変動問題への対応、経済安全保障、イノベーション・科学技術など、世界的な潮流の中で、我が国が克服しなければならない、新時代の課題を、これからの成長分野にしていくという発想で取り組みます。弱点を、強みに転換していこうと思っています。
 これらの分野において、集中的に、官による投資や、規制改革を行うことや、国が新たな市場拡大の見通しを指し示すことで、民間投資を呼び込みます。これらにより、課題解決を進めるとともに、新たな成長を実現いたします。
 成長戦略の柱となる、デジタル化、気候変動問題という切り口から、より具体的なイメージを説明いたします。
 まず、デジタル化です。私は、デジタル田園都市国家構想という構想を打ち出しています。この構想の下、日本の社会全体をデジタル化してまいります。来年3月までに、5G、光ファイバー、データセンターといった、デジタルインフラ整備計画を作成いたします。この計画に沿って、官民で投資を行い、インフラ整備を進め、日本全国どこにいても、大規模大容量のデジタルサービスを活用できるようにしてまいります。年末に定めるデジタル原則に合っているかどうかという観点から、4万件の法律、政省令、通知の見直しを進め、来春には、規制の一括見直しを行うためのプランを取りまとめます。
 そして気候変動問題ですが、2030年度46パーセント削減、2050年カーボンニュートラル、この目標は、もちろん堅持いたします。
 私は、気候変動問題は、新しい資本主義の中心に位置する問題であると捉えています。エネルギー基本計画といった、供給側の目線での目標を出すだけではなく、経済社会や産業全体が直面する、数世代に一度の変革を、我が国がどう成し遂げるのか、経済社会変革の全体像を併せて、道筋を丁寧に示してまいります。
 そして、一方の分配戦略ですが、成長によって得た果実を、一部の人や企業だけが独占するのでなくして、幅広く分配していくことで、格差や分断といった課題にも向き合ってまいります。官と民が役割分担しながら協力することで、全ての国民、地方、中小企業などに、しっかりと経済成長の果実が行き渡るようにしてまいります。これらにより、成長を支える新たな需要を創出し、次の成長につなげてまいります。
 分配戦略の柱は、企業による賃上げと人への投資であります。まず、あらゆる手段を講じて、企業の皆さんが賃上げしようと思える雰囲気、これを醸成してまいります。賃上げ税制の抜本的強化、そして、国が率先して行う、看護・介護・保育・幼児教育、こうした現場で働く方の給与を引き上げ、賃上げする中小企業の価格転嫁円滑化、こうしたことを進めてまいります。
 人が価値を生む経済において、賃上げを通じた分配は、コストではなくして、未来への投資です。デフレから脱却し、成長できる経済を作り上げる観点からも、多くの企業がそろって、賃上げをしていくことが重要です。是非、この観点から、経済界の皆様方におかれましても賃上げに御協力いただきますようお願い申し上げます。
 人への投資も分配戦略の重要な柱です。デジタルトランスフォーメーション、グリーントランスフォーメーションといった大きな変革の波の中にある今、新たな付加価値の源泉として、創造性やイノベーションを生む、人の重要性がますます高まっています。これからは、人の力をいかに引き出すか、企業価値創造、そして経済全体として、成長を実現していくために、最も大切な要素となります。
 こうした考えに基づき、3年間で4,000億円の人的投資パッケージを講じることいたしました。支援メニューなどを具体化する際には、働く方、企業経営をされている方など、幅広い方の御意見を取り入れることを考えております。是非積極的な御提案をお待ちする次第であります。
 以上、私の政権で進めている、新しい資本主義の取組を中心に、施策の内容を紹介させていただきました。経済界の皆様方には、この国の成長をけん引していただくとともに、私が掲げる、新しい資本主義の実現に向けて、御理解・御協力を頂きますよう、心からお願い申し上げ、御挨拶とさせていただきます。
 本日は、貴重な機会を頂きましたことを、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。」

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