こども未来戦略会議

更新日:令和5年12月11日 総理の一日

 令和5年12月11日、岸田総理は、総理大臣官邸で第8回こども未来戦略会議を開催しました。

 会議では、こども・子育て政策の強化について議論が行われました。

 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「本日、こども未来戦略案について御議論いただきました。
 少子化は我が国が直面する最大の危機であり、6月の戦略方針でお示しした加速化プランに掲げる各種施策について、スピード感ある実行が重要と申し上げてきました。
 できるところから取組を実施するため、先般成立した補正予算においても、こども誰でも通園制度の試行的事業などを盛り込んでおり、前倒しでスタートしていきます。
 本日の戦略案では、3.6兆円程度に及ぶ、前例のない規模での政策強化の具体案を盛り込んでいます。これにより、我が国の子供一人当たりの家族関係支出は16パーセント程度になると見込まれ、OECD(経済協力開発機構)トップのスウェーデンの水準に達し、画期的に前進いたします。
 具体的には、第一に、経済的支援の強化として、児童手当の抜本拡充を行います。第3子以降の多子加算の要件を見直すほか、支給回数を年6回に改め、来年中には拡充後の手当がお手元に届くようにいたします。
 さらに、高等教育費の支援についても思い切って拡充し、多子世帯の大学・短期大学に通う学生、高等専門学校の4・5年生、専門学校に通う生徒について授業料・入学金を無償といたします。
 第二に、全ての子供・子育て世帯への支援を拡充するため、妊娠期から伴走型できめ細かな支援を行うとともに、現場で働く保育士等の処遇改善や配置改善、こども誰でも通園制度の創設に取り組みます。
 あわせて、貧困・ひとり親、児童虐待防止、障害児・医療的ケア児といった多様なニーズへの支援を抜本的に強化・拡充いたします。具体的には、ひとり親世帯向けの児童扶養手当の拡充や、障害を持つ子供向けの補装具費の所得制限の撤廃など、長らく指摘されてきた課題に対応し、虐待等により家庭から孤立した子供・若者の安全な居場所の確保や、子育てに困難を抱える子供や家庭へのアウトリーチ支援など新たなニーズにも応えていくとともに、貧困の連鎖を断ち切るため、学習支援、生活支援を強化し、全ての子供のチャレンジをしっかり後押ししてまいります。
 第三に、両親が共にキャリアを諦めることなく、協力して育児をできる共働き・共育て社会の推進に向けた取組を強化いたします。出生後の一定期間、育休給付の給付率を手取り十割に引き上げるほか、テレワークや時短勤務など柔軟な働き方を選べる制度を設け、さらに、時短勤務を選んだ場合でも給付をもらえるようにいたします。
 こうした取組を安定的に支える財源については、本日具体的に内訳とその金額をお示ししたとおり、徹底した歳出改革等によって確保することを原則といたします。国・地方の社会保障関係の既定予算について執行の精査等を通じて最大限の活用等を行うほか、改革工程に沿って、全世代型の社会保障制度を構築する観点から、2028年度までに徹底した歳出改革等を行い、それによって得られる公費節減の効果と社会保険負担軽減の効果を活用いたします。歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築することにより、実質的な負担が生じないことといたします。
 今後、与党とも十分に連携しつつ、来年度予算と共に、年末までにこども未来戦略を取りまとめます。
 その上で、来年の通常国会に必要な法案を提出し、スピード感を持って、実行に移してまいります。
 制度や施策を策定・実施するだけでなく、その意義や目指す姿を国民一人一人に分かりやすいメッセージで伝えるとともに、施策が社会や職場で活用され子育て世帯にしっかりと届くよう、社会全体で子供・子育て世帯を応援する機運を高めていくことが必要です。こうした社会の意識改革を車の両輪として進めていきたいと考えており、加藤大臣を中心に、政府を挙げて取り組みたいと考えております。
構成員の皆様におかれては、引き続き、御協力をお願い申し上げます。」

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