日本商工会議所第134回通常会員総会における岸田総理ビデオメッセージ

更新日:令和4年3月17日 総理の指示・談話など

 日本商工会議所第134回通常会員総会にお招きいただき、誠にありがとうございます。三村会頭始め、日本商工会議所の皆様には、日頃より、大変お世話になっており、感謝申し上げます。
 本日は、ビデオメッセージという形ではございますが、こうして御挨拶できることを嬉(うれ)しく思います。
 現在のウクライナでは、ロシアによるウクライナ侵略が継続しています。これは、力による一方的な現状変更の試みであり、欧州のみならず、アジアを含む、国際秩序の根幹を揺るがす行為です。我が国は、国際社会と結束して、毅然(きぜん)と行動していきます。
 今般の事態によって、世界的にも様々な影響が出ることが想定されますが、こうした中でも、我が国の産業界や国民生活への悪影響をできる限り最小化するよう、しっかりと対応していきます。
 例えば、原油やLNG(液化天然ガス)の価格高騰が続く中、燃油価格の激変緩和措置を大幅に拡充・強化するとともに、農業・水産業や運輸業など業界・業種ごとの支援、地域の実情に応じた対策を行う自治体への支援など、重層的な対策を講じていきます。
 昨年10月に内閣総理大臣に就任して以来、新型コロナ対応を最優先に取り組んできました。日本商工会議所、そして各地商工会議所の皆様方にも、コロナ対策やワクチン接種など、様々な形で御協力いただいておりますこと、心から感謝申し上げます。
 足下では、オミクロン株の新規感染拡大は改善傾向にありますが、引き続き、注意深く歩みを進めていきます。医療提供体制の拡充、ワクチン接種の推進、経口薬の確保など、国民の皆様の命と健康を守るために全力を尽くします。
 また、先日、雇用調整助成金の特例や緊急小口資金の特例貸付の支援、実質無利子・無担保融資を、更に3か月延長することとしました。こうした支援を必要とする方々にしっかりとお届けし、事業と雇用、暮らしを守り抜いていきます。
 内外の危機を乗り越え、その先に目指すのは、経済の再生、成長と分配の好循環を生み出す、新しい資本主義の実現です。
 成長に向けては、人への投資、デジタル、炭素中立、こうした切り口から、経済社会の変革に向け、新しい官民の役割分担の下で、大胆に挑戦を行っていきます。
 特に、デジタル時代において、人への投資は経済の成長力の源泉です。3年間で4,000億円の人的投資パッケージを創設するなど、人への投資を抜本的に強化していきます。
 同時に、中間層への分配に正面から向き合います。賃上げ税制の拡充や価格転嫁の徹底などを通じて、成長の果実をしっかりと分配することで、消費を喚起し、次の成長につなげていきます。
 これから、新しい資本主義のグランドデザインと、実行計画を取りまとめます。政府、民間企業、国民それぞれが、新しい時代を切り拓(ひら)く努力を協調して進めていくことでのみ活路が開けます。どうぞ、主体的にこの挑戦に御参加いただけますようお願い申し上げます。
 最後になりますが、日本商工会議所並びに全国の商工会議所の更なる御発展と、本日お集まりの皆様の益々の御健勝を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。