インパクトスタートアップ協会設立キックオフセレモニーにおける岸田総理ビデオメッセージ

更新日:令和4年10月14日 総理の指示・談話など

 内閣総理大臣の岸田文雄です。インパクトスタートアップ協会の設立を、心よりお喜び申し上げます。
 私の掲げる新しい資本主義は、社会的課題の解決を通じて持続可能性を確保するとともに、新たに市場を作ることで、持続可能性と成長の二兎(にと)を実現するものです。
 そして、社会的起業家を始めとするスタートアップこそが、社会の課題を成長のエンジンに転換し、持続可能な経済社会を実現する、新しい資本主義の考え方を体現するものだと考えています。
 私自身、全国各地で、多くのスタートアップの創業者と意見交換を行ってきました。お会いした方々の中には、視覚障害者の方のために健常者と同じ努力で同じだけの情報量が手に入る世の中を目指したいと言い、AIを用いた自動での点字・音声変換を行う会社を起業された方や、14歳の時にホームレス問題を知り、自転車のシェアサイクル事業を起こしてホームレスの方に働いてもらうことで、住居施設の提供などの支援の原資を引き出している方など、若い方々を中心に、経済的成長だけでなく、社会的課題の解決も目的に創業する方々が多くなってきていることを実感し、心強く思っています。
 政府では、本年をスタートアップ元年とし、スタートアップ5年10倍増を視野に、本年末までに5か年計画を策定し、予算、税制、法制度の改革などを総動員して、スタートアップの育成を支援していきます。
 人材・ネットワーク構築の観点、事業成長のための資金供給の強化や、事業展開・出口戦略の多様化の観点などから、優れたアイデアや技術を持つ若い人材への支援制度の拡大、ベンチャーキャピタルへの公的資本の投資拡大、経営者の個人保証を不要にする見直しなどの支援策を一体的に講じていきます。
 さらに、民間で公的役割を担う社会的企業が、柔軟に資金調達し、課題解決により大きくチャレンジできるよう、新たな法制の要否について、検討を進めます。
 結びとなりますが、本日お集まりの皆様の御活躍、そして、我が国において、インパクトスタートアップが次々と生まれ、発展していくことを心より祈念申し上げて、今日のキックオフセレモニーに当たりましての、私の御挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。