ASEANビジネス投資サミット 岸田総理ビデオメッセージ

更新日:令和4年11月11日 総理の指示・談話など

 日本国内閣総理大臣の岸田文雄です。本日は、ASEAN(東南アジア諸国連合)を代表する経済界・政府の皆様方の前で御挨拶する機会を頂き、心から御礼申し上げます。
 パンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻、世界的な物価高など、様々な困難を乗り越え、アジアを更なる成長軌道に乗せる。単に成長するだけではなく、社会課題の解決により持続可能性を両立させる。このために、日本は、ASEANへの投資の拡大、経済連携協定やインフラ整備、安定的なサプライチェーン構築などによる連結性の向上に取り組んでいきます。
 投資拡大と連結性向上の好事例の一つが、気候変動への対応です。ASEAN経済は、2050年に約2.7倍にもなると言われていますが、成長に必要となるエネルギーやインフラなどの確保と、気候変動対策の両立は、大きな課題です。一足飛びに脱炭素化することの難しさは、お集まりの皆様も実感されていらっしゃることと思います。
 トランジションのための技術を導入することで、CO2排出を最大限削減しつつ、経済成長を実現する発想が重要ではないでしょうか。
 トランジションのための資金ニーズは、アジア全体で、2050年までに累計で約40兆ドルにも及ぶとの試算もあります。この資金をどう呼び込むか。日本は、ASEANが抱えるこの課題に、共に立ち向かいます。
 日本は、グリーン・トランスフォーメーション、すなわち、エネルギー、全産業、ひいては経済社会の大変革に挑戦し、その技術とノウハウをASEANと共有していきます。日本は、ASEAN、そして有志国と共に、トランジション・ファイナンスをアジアに呼び込むアジア・ゼロエミッション共同体構想の具体化を目指します。
 来年は日ASEAN友好協力50周年を迎えます。この節目の年に、日ASEANビジネスサミットを日本で開催します。ここにお集まりの皆様とも、来年、日本で直接お目にかかれることを楽しみにしています。
 最後になりましたが、ASEANの更なる発展と本サミットの成功を祈念し、私の挨拶といたします。