G7/NATO首脳緊急会合及びG20バリ・サミット等についての会見

更新日:令和4年11月16日 総理の演説・記者会見など

(G7/NATO(北大西洋条約機構)緊急首脳会合の概要及び受け止め並びにミサイルがロシアから発射された可能性は低いとするバイデン米国大統領の見方について)

 まず、本日、ポーランドにおける爆発の一報を受けて、急きょバイデン大統領の呼び掛けによって、G7/NATO緊急首脳会合が開催されました。私も出席させていただき、その場でG7・NATO首脳は、ロシアがウクライナ各地をミサイルにより攻撃していること、これをまず強く非難し、その中で起きた本件爆発についてのポーランド側の調査への全面的な支持をする、こうした点で一致いたしました。我が国は来年のG7議長国であり、そしてインド太平洋地域から、この会議に出席している唯一のメンバーでありますので、ウクライナ情勢について、これは国際秩序の根幹に関わる問題であり、インド太平洋の安全保障と不可分であること、そしてそういったときだからこそ、G7、そしてNATOの連携が重要であるということ、この2点を特に強く強調いたしました。本年2月、ロシアによるウクライナ侵略が始まって以来、私自身、G7の結束が重要であるということを再三強調してきました。また6月には、NATOの会議に日本の総理大臣として初めて出席するなど、NATOとの連携、これも重視してきました。こうした立場として、日本がこうしたG7/NATO緊急首脳会合において、連携を改めて確認できたこと、これは大変有意義なことであったと思っています。
 そして2点目のバイデン大統領の今回の爆発に対する見方ですが、我が国としては、アメリカを始め各国と、御指摘の緊急会合を含めて様々な場で情報交換をしています。そして、ポーランドの調査を尊重するという立場を会議でも確認しておりますので、こうした調査あるいは検証の状況を引き続き注視していきたいと思っています。現状はその立場です。

(G20バリ首脳宣言採択の受け止め及び会議での議論に対する評価について)

 今回のG20については、ロシアによるウクライナ侵略が続く中で、エネルギー・食料安全保障について、さらには国際保健についてなど重要な課題が議論され、こうした課題について意見を交わす貴重な機会になったと受け止めています。日本としても来年のG7議長国という立場も踏まえながら、日本の立場、あるいは取組、こうしたものを積極的に発信する機会としました。会合では、日本を始め多くの国々が、ロシアによるウクライナ侵略を強く非難しました。また、特に私の方からは、ロシアによる核の脅かしは決して許すことはできない、ましてや使用は決してあってはならない、こういった旨を強調しました。複数の国からも同趣旨の発言がありました。こうした議論を踏まえて、御指摘のように今回G20バリ首脳宣言、これが発出されました。こうした困難の状況の中にあっても共同首脳宣言、これを取りまとめたジョコ大統領の強いリーダーシップには敬意を表し申し上げたいと思います。そしてその首脳宣言の中に、大多数の国がウクライナでの戦争を強く非難したことや、G20として核兵器の威嚇・使用も受け入れられないこと、これが首脳宣言の中に盛り込まれました。特にこの核の威嚇や使用に関しては、人類に対する敵対行為であり最大限の強い表現で盛り込むべきである、こうしたことを日本から特に強く働き掛けを行いました。こうした表現が盛り込まれたことは、来年のG7広島サミットへもつながる大きな一歩であったと高く評価をしています。来年のG7広島サミットにおいては、核の問題も非常に大きな重要な課題であると考えています。是非、議長国として議論をリードしていきたい、このように思っています。

(一昨日の米中首脳会談の受け止め及び今後の日中関係について)

 まず、米中首脳会談においては、経済問題、人権問題、あるいは台湾問題、さらにはウクライナ情勢、また北朝鮮情勢についても幅広い議論が行われたと承知しています。第三国間の会議について、私の立場から何かコメントすることは控えなければならないとは思いますが、ただ、米中両国の関係は、これは国際社会全体にとっても、極めて重要な関係です。先般の日米首脳会談においても、バイデン大統領と、中国をめぐる諸問題への対応、こうした対応に当たっても日米で連携していく、このことを確認しています。こうした米中の議論のありようもしっかり念頭に置きながら、日米関係についても連携を強化していきたいと思っています。そして、日中の会談ですが、明日、バンコクにおいて習近平中国国家主席と日中首脳会談を行う予定にしています。日中関係については、これは従来から申し上げてきましたが、日中の間に様々な可能性もあります。一方で、様々な課題や懸案もあります。こうした中で、主張すべきはしっかり主張し、そして対話はしっかりと重ねながら、協力すべき課題については協力する。ですから主張すべきは主張し、責任ある行動を求めながらも、協力すべき点については協力する、こうした建設的かつ安定的な関係、日中関係を構築していく、こうした姿勢で臨んでいきたいと思います。こうした対話を進めていくに当たって、是非明日の日中首脳会談、このスタートとなるような会議にしたいと考えています。

(旧統一教会被害者救済のための新法の検討状況について)

 先日も申し上げた、社会的に許容し難い悪質な勧誘行為を禁止することを主な内容とする被害者救済新法の策定については、政府において、今、急ピッチで検討を進めています。そして、まずは法案の土台として、寄附適正化の仕組みのイメージを取りまとめて、まずは与党に示し議論を開始していただくとともに、茂木幹事長には、今週中にも、与野党協議の場で議論するよう指示をしたところです。野党の皆様の意見も拝聴した上で、今国会に法案を提出できるよう作業を進めてまいりたいと思っています。なおそれに関連して一言付け加えますと、この後、タイにおけるAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会合等に参加を予定していますが、当初、同行を予定していた木原官房副長官については、日本にとどまり、今申し上げた新法の調整と国会対応に当たってもらうことといたしました。こうした対応で、新法の提出に向けて政府として、精力的に作業を進めていきたい、このように思っています。

(明日の日中首脳会談における尖閣(せんかく)諸島や台湾情勢に関する協議予定の有無及び本日の日独首脳会談における中国に関する話題の有無について)

 まず、1問目の質問については、今、会談に先立って、私から予断を持って話の中身について申し上げることは控えなければならないと思います。相手のある話です。ただ、先ほど申し上げたような基本的な考え方に基づいて、日中関係を進めていけるような会談にしたいと思っています。
 それから2問目のドイツとの間においては、中国に関して、中国が話題になりました、意見交換を行いました。

(ポーランドにおける爆発に関して日本政府として現時点でロシアを非難するかについて)

 要するに、ポーランドの爆発については、今おっしゃったように様々な見方があります。ただ、今日の緊急首脳会合の中でも、そもそも、ウクライナの国内に対して、各地でロシアによるミサイル攻撃が続いている。そういったことを非難した上で、その中で今回の爆発が起こった。この点に留意し、そして、実際はどうであったのか、この調査を注視する。これが基本的な考え方だったと思います。ロシアによるウクライナ各地の民間施設等に攻撃が連日続いているということ、このことは、強く非難した上で、今回の件の実態についてどうなのか、検証・調査を進めていく。こうした考え方を今回の会議の後も各国表明していると思います。日本も同じ立場であります。

(国内の新型コロナウイルス感染状況及び年末年始の対応について)

 この点については、確か出発前もあえてコロナ対策について触れさせていただき、私の思いを申し上げさせていただいたと思います。出発前の段階から感染の拡大が指摘されていた。それに対して私としては、尾身会長を始め4人の専門家の方々から直接話を聞くなど、状況について、意見交換を行った上で、何としても、まずはワクチンの接種を進めることが重要であるという御意見も踏まえて、政府として、このワクチン接種に向けて、従来から体制は用意していたわけですが、できるだけ多くの方々に、このワクチン接種の重要性を理解していただき、実際受けていただけるように、政府としての働き掛けに、より力を入れていくということでありますし、そしてこの感染拡大が寒い季節を今迎えつつある中で、特に寒い地域において、感染拡大のペースが早いという指摘もあります。換気が大事だということ、この点について、改めて国民の皆さんに御協力をお願いしていかなければならないと思います。そして、あわせてこれからに向けては、今言ったワクチンや国民の皆さんの協力と合わせて、政府自身も、こうした状況に向けて危機感をしっかり持っていかなければいけないということで、発熱外来、あるいは、電話オンライン診療など医療提供体制の確保、これに向けて、自治体の協力も得ながら、しっかりと体制を今まで以上に充実させていく、こうした体制を進めていきたいと思います。こうしたことを出発前にも申し上げたわけですが、これを政府としても、より強く進めていきたいと思っています。いずれにせよ、この感染状況についてはしっかり注視しながら、政府として国民の命や健康を守るために、最善の努力をし、万全の体制を用意していきたいと思っています。

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