第60回国家公務員合同初任者研修訓示式

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 令和8年4月6日、高市総理は、都内で行われた第60回国家公務員合同初任研修の訓示式に出席しました。

 総理は、訓示で次のように述べました。

 「皆様、こんにちは。内閣総理大臣の高市早苗でございます。令和8年度合同初任研修会にあたり、御挨拶を申し上げます。
 さて皆様は『国家国民のために尽くしたい』という崇高な『志』を持って、自ら選んで国家公務員の道へと進まれました。日本国政府、そして日本国にとって皆様は尊い、大切な財産です。まさに人の宝『人財』でございます。そして私は内閣総理大臣として、皆様を心より歓迎申し上げます。
 今、日本国内外、大きな変化に見舞われています。でもその中で皆様に求められるのは、一つは『学び続ける姿勢』そして『誇りと責任』さらには『志』だと考えております。
 学び続ける姿勢、これは皆様を成長させることにもなりますし、また組織に新たな価値をもたらすことにもなります。学ぶというのは何も文章を読んで、単に知識を増やす、そういうことだけではございません。私が皆様に求めたいのは、現場を見て、そして最前線で働く方々、そしてお困りごとを抱えておられる方々の切実なお声を聞いていただきたいのです。そして、その一つ一つのお困りごとや課題を知ったときに『できない理由』ではなくて、どうやったらそれを解決できるか。『できる方法』を考えていただきたい。これは強い、私からのお願い事です。
 いろんな方法があると思います。法律があって、何かその運用で不自由をされている方がいらっしゃったとします。考えてみてください。これを解決するためにはどうしたらいいのか。『法律改正をする』これ、大きな仕事です。それもありましょうけれども、例えば通知を各所に出すだけでガラッと変わることもあります。省令を変える、これで変わることもあります。そしてまた政令を変える、閣議決定が必要ですが、これで物事が変わることもあります。
 ですから、できない理由を考えるのは簡単です。“こういうことで課題があると相談を受けたけど、でも今の法律では、今の制度ではできないな”だからできない理由を挙げるのは簡単だけれども、何とかこれをいい方に変えようと思ってできる方法を必死で考えて、考えて、考え抜く。そしてまた同じ部屋で働く仲間に相談する。
 そして上司にも『こういうことしたら、こういうことが解決できると思うのですけれど』と提案する前に、まずはいろんな制度を調べてみましょう。諸外国の法律はどうなっているのか、こういうふうに変えて憲法に抵触しないのか、いろんなことを考えて、しっかりと詰めた提案をして上司が『なるほど、それだったらやってみろ、あとは大臣に話しておく』。こういうふうな行動力で学ぶことによってできる方法考え、提案して、現実のものとしていく。それで、誰かが笑顔になる、幸せになる。最高に喜びを感じるときです。私自身、一国会議員としての過ごし方、これまでの働き方の中でも、そういうことで本当に小さな改革だけれどもできた。割とたくさんの方のお役に立てたと思ったときに、限りない喜びを覚えました。だから、知識も増やすと同時に現場の声を聞く。学び続けていただきたい、そんなふうに思います。
 それから仕事をしていると、必ず責任を伴う場面に直面します。民主主義国家における国家公務員の仕事というのは、国民の皆様の御期待に応え、そして国民の皆様に貢献し、そして国民の皆様に対して本当に新しい価値を提供する。そういった仕事でもございます。でもそういう仕事をしていこうと思うと、大小様々な責任が生じます。
 でも皆様には、行政のプロとしての誇りをしっかりと持っていただき、責任感を持って、国家国民のために積極的な政策立案をしていただきたいと。期待をしております。
 責任というのは、誰かから押し付けられるものではなくて、むしろ自らの意思で引き受けた瞬間に、それは責任になり、そしてそれを成し遂げていくことで新たな成長に繋がっていく。こういう側面も考えてみてください。
 私自身も今までたくさん挑戦をして、たくさん失敗をしてきました。でも一つだけ確信していることがあります。『困難を避けて挑戦しないと絶対に後悔する』これを皆様に申し上げておきたいなと思います。
 すごく難しいけれど一番やりたいことがあって、少し簡単だけど2番目にやりたいことがあったとき、私も人生の岐路、岐路でそういう瞬間ありました。どっちを選ぶかな。でもその時に必ず無理目かもしれないけど、一番やりたいことを、一番やるべきことを選んできました。結果、失敗をしたこともあります。選挙で言えば落選したこともあります。でもそれは全然後悔になんかなりません。どうして、なぜ自分が失敗をしたのか。その原因を失敗したときにしっかりと考える、分析する。次に同じようなチャンスが来たときに、しっかりと分析をして、反省をして、ここを改めよう。そう考えたら、次は成功します。私はこれを皆様にお伝えしたいです。私自身もたった1回の人生ですから、自分がもうあの世に行くという時に『あの時一番やりたかったこれをやっとけばよかったな。いや、挑戦していたらできたのではないかな』。そんな後悔はしたくないですね。だから一番難しいかなと思うことでも、あえて挑戦をした。でも失敗は必ず糧になる。次のチャレンジに大きく役に立つ。
 私は松下幸之助さんという、今のパナソニックの創業者のもとで大学を卒業したあと直接、薫陶を受ける機会を得ました。
 その松下幸之助さんがおっしゃっていたのが『素志貫徹』。『そ』というのは素顔の『素』です。『し』は『志』、『貫徹』はわかりますよね。『貫く・徹する』と書きます。これは『成功の要諦は成功するまで続けるところにある』ということです。多くの方が志を抱く、目標を持つ。だけれども途中でやめてしまうからそれは成功しないのだと。一旦『志』を定めたら成功するまで挑戦をしてほしい、そんな思いであったかと思います。
 皆様にもたくさんチャレンジの機会はこれから山のように、ありますから『志』を持って『信念』を持って挑戦してください。そしてもし失敗したら、次の糧にしてください。そんなふうに私は考えています。
 これから仕事をしていかれる上で、悩んだり苦しんだりすることたくさんあると思います。でも自分はどんな価値を生みたいのかとか、どんな姿でありたいのかとか、それから人生の中で何を守って何を成し遂げたいのか。そういう内なる声と社会が求めるものが合致したとき、人はそれを『志』と呼びます。『志』を持つ人は、迷うことあっても決して歩みを止めません。それが今、今日私が一番お話ししたかったことでございます。
 そのようにして、皆様これから国家公務員としての歩みを進めていくわけですけれども、私は今徹底的に日本の国力を強くしようとしています。
 それは外交力であり、防衛力であり、経済力であり、技術力であり、情報力であり、すべての力を強くするために必要な、何よりも必要なのが人材力。正にここは人材力の塊です。
 でもその六つの力を強くしていく取組、今始めなくては間に合わないです。日本がこのままジリ貧であっていいはずはない、必ずや強い経済を構築する。先々までみんなが困らない。必要な医療や福祉を受けることができる、質の高い教育を受けることができる、ちゃんと地域に働く場所がある、ちゃんと安全に暮らすことができる。そういう日本列島の姿を作っていきたい、そう思っています。
 そのためにも強い経済を今構築しなくてはいけない。そして全世代の安心感、これをちゃんと創出しておかなくてはいけない。そして強い外交、そして安全保障を推進しておかなくてはいけない。この大きな仕事を皆様とともにやり遂げたいと思っております。
 皆様も見渡してみたところ、かなりお若いですので、うまくいけば、体を大事にすれば22世紀まで生きられるであろう方々です。羨ましいです。わからないですよ、今再生医療とか細胞医療とかいろいろ進んでいますから。とんでもないババアだけれども、22世紀に私がいるかもしれませんが、多くの皆様はまだまだこれから長い人生を生きていかれる方々です。
 そして今日生まれた赤ちゃん。ことし有権者になられた若者も、その多くが22世紀を見られる可能性の高い方々です。その時に、この日本という国が豊かで安全であるように、と私は願います。そしてインド太平洋の輝く灯台として、多くの国々から頼りにされる、そんな日本でありますようにと私は願います。そして若い方々が日本に生まれたことを誇りに思って『日本の未来は明るい』そう胸を張って言える、そんな日本にしたいと私は思います。
 そうした国を作り上げていく。それは私たち共通の責任だと思っております。
 とにかく挑戦しない国に未来はありません。一緒にチャレンジしていきましょう。日本はまだまだ捨てたものではない、まだまだ強く、豊かになっていきます。そうしましょう。
 そういう日本を作るのが私たちの仕事だと思います。皆様には、どうか今日の初心を忘れず、たくさんの方々に感謝をしながら国家公務員としての一歩を踏み出してください。
 そして『誇り』と『志』を胸に堂々と挑戦してください。私にも、そして皆様の上司にも、その挑戦を受けとめる用意がございます。
 だから笑顔で毎日、しっかりと誇りを持って働いてください。皆様の門出を心からお祝い申し上げます。そしてお体だけは、大事になさってください。誠におめでとうございます。頑張りましょう。」

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