令和8年5月4日(現地時間)、オーストラリア連邦のキャンベラを訪問している高市総理は、アンソニー・アルバニージー首相と、少人数会合及び拡大会合の首脳会談を行い、その後、両首脳は、署名式及び共同記者発表を行いました。
高市総理は、共同記者発表で次のように述べました。
「私の豪州訪問を温かくお迎えいただいたアンソニー・アルバニージー首相、そして豪州の皆様に心から感謝をいたします。
本年は、『日豪友好協力基本条約署名50周年』という歴史的な節目です。この条約を一つの転機に、この半世紀、日本と豪州は深い友好関係を育んできました。両国を取り巻く戦略環境が一層厳しさを増す中でも、地域の安定勢力として地域の平和と繁栄に一貫して積極的に貢献をしてまいりました。
そして、一昨日、私がベトナムで発表しました、進化した『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)』の実現に向けて、特別な戦略的パートナーである豪州と連携をし、自律性と強靱(きょうじん)性が地域に広まっていくことを心から楽しみにしています。
本日は、こうした観点からアンソニーとじっくり議論をしました。日豪の次なる50年の方向性を確認することができました。大変充実した会談でした。
まず、経済安全保障について、日豪の協力は一層具体化、緊密化しています。先ほど両国協力の戦略的指針となる、『経済安全保障協力に関する日豪共同宣言』に署名しました。この宣言の下、重要鉱物とエネルギー安全保障に関する二つの共同声明を発出しました。
そして、ホルムズ海峡の実質的な封鎖は、インド太平洋地域に甚大な影響をもたらしています。日豪は緊密に意思疎通をし、緊張感を持って対応していくことを確認しました。
先月、私が発表した『パワー・アジア』、すなわち、『アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ』の下での協力を含め、双方向の安定的なエネルギー供給確保、重要鉱物のサプライチェーン強靱化など、FOIPの実現に欠かせない自律性と強靱性を強化する取組を進めてまいります。
また、安全保障協力は強固な日豪関係の基盤でございます。我が国の『もがみ』型護衛艦の豪州海軍への導入は、50周年を象徴する画期的な協力です。我々は先般の契約締結を歓迎するとともに、本件を着実に進めてまいります。
本日、アンソニーと私は、経済安全保障を含む包括的な安全保障協力を更なる高みに引上げ、制度化する具体的な方策を、次回の首脳訪問までに構築するよう模索をしていくように閣僚にも指示することで一致しました。
また、質・量ともに拡大している自衛隊と国防軍の協力については、今般、豪州の地理的特性をいかし、防衛協力を一層強化させることで一致しました。
さらに、『強化された防衛・安全保障協力に関する首脳声明』を発出いたしました。安全保障協力の裾野も広がっています。サイバー分野における広範な協力推進を目的として『戦略的サイバーパートナーシップ』を立ち上げました。
また、人と人との交流も欠かせません。昨年、両国間の往来者数が過去最高を記録しました。観光を含む人的交流を更に活性化させていきます。
未来は対話と創造から生まれます。今般、両国の官民の有識者が参加する『日豪リーダーシップ対話』を立ち上げました。我々の希望に満ちた未来をつくるかけ橋となることを期待します。
これらの緊密な二国間の協力や交流は、我々が直面する地域の課題に対する日豪連携の基盤となっています。
本日、アンソニーとは、中国、東南アジア、太平洋島しょ国、核・ミサイルの問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応など、インド太平洋情勢、更にはイランを始めとする中東について戦略的な議論を行いました。
厳しい国際情勢の中、我々共通の同盟国である米国との協力関係は不可欠でございます。日米豪印や日米豪などの枠組みも一層強化してまいります。
今や日豪両国は、地域や国際社会の平和と安定に共に貢献するとの確固たる意思を持ち、先駆的な安全保障協力を進める同志国連携のフロントランナーであります。言わば『準同盟国』とも言える関係を築いていると私は考えております。
そして、本日のアンソニーとの議論を経て、日豪の次なる50年の歩みは、これまでの50年のそれよりも更に力強く、推進力のあるものになると確信しました。今後もアンソニーと共に日豪関係の新たな歴史を紡ぎ、同志国連携の更なる地平を切り切り拓(ひら)いてまいります。
アンソニー、ありがとう。」