令和8年5月12日、高市総理は、総理大臣官邸で第7回中東情勢に関する関係閣僚会議に出席しました。
会議では、中東情勢をめぐる状況等について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
(高市総理)
皆様、お疲れ様でございます。私は、5月1日から5日にかけて、ベトナムとオーストラリアを訪問しました。ベトナムでは、ラム書記長兼国家主席、フン首相らと会談をし、「パワー・ アジア」の第1号案件として、ニソン製油所への原油調達のための金融支援を進めることで一致しました。これによりまして、日系企業のサプライチェーンを維持すると共に、日本への医療物資の安定供給を実現することが可能となります。
オーストラリアでは、アルバニージー首相と会談し、両国それぞれにとって重要なエネルギー関連製品の安定供給確保や、「パワー・アジア」を含めた連携の下、両国で地域のエネルギー安全保障の強靱化に向けて共に取り組んでいくことなどを確認しました。
そして、今日の会議では、大型連休中に出張された各閣僚から報告を受けました。
茂木大臣からは、アフリカの有数の産油国であるアンゴラとの間で、日本企業のアンゴラ産原油の取引への参画を後押ししていくことで一致したとの報告を受けました。
また、私の親書を携えてサウジアラビア、UAEを訪問した赤澤大臣からは、両国との間で、我が国への原油の安定的な供給の拡大、日本やアジアでの備蓄協力の拡充、代替ルートの協力等の新たな連携について合意したとの報告がありました。
マレーシアを訪問した鈴木大臣からは、肥料原料である尿素の安定供給の確約を得ると共に、ナフサ及び原油の安定供給についても積極的に働きかけを行ったとの報告を受けました。
ホルムズ海峡を通過しない原油の代替調達は、5月は、現時点で約6割の代替調達が実現できる見込みです。6月は、現時点で約7割以上の代替調達にめどが立ちました。中東や米国に加え、中南米、アジア太平洋、5月には中央アジア、6月にはアフリカにも原油調達先が拡大される予定でありまして、原油調達先の多角化が進展しています。赤澤大臣は、7月の代替調達についても、6月の水準を更に上回る水準を確保するように取り組んでください。
また、代替調達の進展を踏まえますと、これまでの備蓄放出決定分の活用によりまして、6月に必要な原油を確保できる見通しが立つことから、今月は、第3弾の国家備蓄放出を行わないことといたします。今後も代替調達を進め、国家備蓄の放出を抑えながら、「日本全体として必要となる量」を確保してまいります。
国内対策として、ガソリン、軽油、重油、灯油などの補助を継続しております。今週のガソリン価格も、全国平均で170円に抑制できています。高市内閣としては、国民の皆様の暮らしと経済活動に支障が生じないように取り組んでまいります。
他方、「日本全体として必要となる量」は確保できていても、足下では、「流通の目詰まり」が生じている物資があります。例えば、建設業界からは、「シンナー・塗料」、「ユニットバスなどの住宅設備」、「断熱材」、「塩ビ管」、「アスファルト防水材」などに対する供給不安の声を伺っています。これらの物資については、製造事業者は、前年実績での供給が可能であることが確認できています。
このうち、「シンナー・ 塗料」、「住宅設備」につきましては、その先の流通過程における目詰まりの原因を特定し、順次、その解消を進めています。
「潤滑油」については、業界団体を通じて、自動車整備工場や自動車用品小売業、部品製造業などの主たる需要家や、潤滑油の卸売事業者に対して、「前年同月比同量の購入」に協力いただけるよう呼び掛けています。
ディーゼル車の排ガスを浄化させるための「アドブルー」についても、自動車運送事業者や整備工場に対して、調達困難となる前の早めの相談や、「前年同月比同量」を基本とした調達を行うよう、周知・働きかけを行っています。
金子大臣と赤澤大臣は、「流通の目詰まり」を一刻も早く解消できるよう、万全の対応を取ってください。
また、食品包装資材のインクの原料についても、前年実績での供給が可能であることを確認できております。
関係大臣に、前回の閣僚会議でお願いしましたが、お手元の資料のとおり、原油やナフサ由来の化学製品の供給が、「年を越えて」継続できることを所管業界の方々に、御理解いただいた上で、前年同月比同量を基本とした調達を行っていただくよう周知を進めています。
国民の皆様の命に直結する医療分野においても、新たに、「エクモ(体外式膜型人工肺)の洗浄剤」、「血管内治療器具の誘導用ワイヤーの洗浄剤」などの「流通の目詰まり」は、解消しました。
また、5月から5000万枚放出予定の「医療用手袋」につきましては、5月18日の週より、医療機関からの要請受付を開始いたします。その後、できる限り速やかに、要請のあった医療機関向けに、配送を開始いたします。国は、更に放出可能な「医療用手袋」を4.4億枚備蓄しておりますので、御安心ください。
併せて、お手元の資料のとおり、一番茶のシーズンを迎えた静岡県や三重県の茶製造や給食センターでの調理に必要な重油を確保するなど、「流通の目詰まり」解消に取り組んでいます。
「シンナー ・塗料」のように、製造事業者が、前年実績での供給が可能な物資であっても、川中から川下への流通過程で、目詰まりが発生することもあります。関係大臣におかれましては、川上の製造事業者の供給状況を確認するだけではなく、川中から川下の状況についても、地方経産局や地方整備局などの地方機関の連携を通じ、加えて、地方自治体にも情報収集をお願いするなどして、プッシュ型で丁寧に把握して、 迅速に、目詰まり解消に取り組んでください。川下からしっかりとやっていくということが、今日の新たなお願いでございます。くれぐれもよろしくお願いいたします。以上です。