令和8年6月2日、高市総理は、総理大臣官邸で第9回中東情勢に関する関係閣僚会議に出席しました。
会議では、中東情勢をめぐる状況等について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
(高市総理)
お疲れ様です。各大臣、各省庁とも懸命に取組を進めていただきありがとうございます。今日頂きました報告、少し簡潔にまとめるかたちにしますが、皆様のお手元に1枚ものずつの資料5、6、7、8と、ありますので御用意ください。
まずは、資料5のとおり、ナフサの代替調達は、従来の85パーセントの水準まで回復しており、また、川中の製品輸入も大幅に進んでいます。そのため、4月のナフサ関係の川中在庫の活用は、0.1か月分に抑えられたことから、ナフサ由来の化学製品を含む石油製品は、年度を越えて、供給継続が可能となります。
お手元の資料6のとおり、川中製品のポリエチレン、川下製品の塗料・シンナー、塩ビ管、断熱材といった製造事業者からは、4月まで前年と同水準またはそれ以上の供給実績があり、今後も継続的に供給できる見通しであることが発信されています。ただし、塗料・シンナーなどに繋(つな)がるサプライチェーンの在庫は他と比較して少ないため、原料であるトルエン・キシレンを石油化学メーカーのみならず、石油元売からも、従来を大きく超える量を、シンナー、塗料メーカーなどに、新たに、直接供給することで、例年の需要の1.8倍の供給を可能にします。これによりまして、資料7のとおり、地域の隅々の工務店にも、塗料・シンナーが行き渡るようにしてまいります。
それ以外のナフサ関連製品につきましては、資料8のとおり、十分な量の在庫が確認されていますが、塩ビ管・断熱材など、相談が引き続き多いものにつきましては、供給見通しの共有不足、実績以上の発注などによる目詰まりの解消の取組を強化します。
一人親方を含む工務店、自動車整備工場、パン・菓子等販売店など、取引先との交渉力が十分でない方が多いと考えられる川下の事業者に対して、プッシュ型支援で目詰まり解消が進んできております。
工務店につきましては、先ほど御報告を受けましたとおり、全国の一人親方59万人が加入する全国建設労働組合総連合と都道府県単位で連携して、塩ビ管を発注しても納期が示されない、といった声を伺う一方で、数量制限付きであるもののシンナーを入手できた納期は長いが、塩ビ管を調達できているといった声も伺っております。
自動車整備工場、バス・トラック事業者についても、都道府県単位でプッシュ型支援を進めており、エンジンオイルの調達にめどが立ったという声も届いております。
パン・菓子等販売店については、全ての県レベルの団体から情報収集を行うと共に、個々の販売店からの聞き取りも行っており、包装フィルムの納品に不安を覚えられていた事業者に対して、納品日を伝えることで、目詰まりを解消しています。
金子大臣、鈴木大臣、赤澤大臣は、協力して、引き続き、これらの業種について、川下事業者に至る流通過程の実態把握と目詰まり解消を進めると共に、窓口に寄せられている目詰まりの声を踏まえ、新たに、切削加工業など潤滑油の調達に苦心されている中小製造業、エンジンオイル等の確保が不可欠な、地域の公共交通を支えるタクシー、今後の作付けに向けて、プラスチック製農業資材が不可欠な園芸農業について、重点的に取り組んでください。
また、医療分野において、軟膏(なんこう)容器や分包紙などについては、基本的に、前年実績で供給ができているものの、発注量が増大していることから、薬局に対して当面の必要量を超えた発注を控えるよう要請すると共に、個別の薬局の状況を把握した上で、目詰まり解消を進めていきます。
国が備蓄している医療用手袋については、5,077の医療機関等に対して、最大1,980万枚を配布することとし、既に、1,178の医療機関等に対して、426万枚の配送手続きを完了しています。
このように、国民の皆様の命や暮らしを支える分野でのお困りごとを、一件一件、着実に解消しています。各事例については、お手元の資料9を御覧ください。
4月の有効求人倍率は1.18倍、完全失業率は2.5パーセントとなるなど、雇用情勢は安定しております。中東情勢に伴う雇用調整助成金に係る休業計画届件数は3月末からの約2か月間で175件です。昨年4月及び5月の2か月、合計3,932件と比較すると限定的ではありますが、休業を余儀なくされた事業者の方々が、円滑に雇用調整助成金を活用できるよう、プッシュ型で情報提供を進めるなど、万全の対応を講じているところです。引き続きよろしくお願いします。
関係大臣は、目詰まり対策をきめ細かく進めて、市場の混乱の回避に全力で取り組むとともに、中東情勢の影響を受けている中小企業や小規模事業者への、資金繰り支援や、雇用調整助成金の活用支援、併せて、徹底した価格転嫁の要請に取り組んでください。以上です。お疲れ様でした。