令和8年6月25日、高市総理は、総理大臣官邸で令和8年第9回経済財政諮問会議を開催しました。
会議では、予算編成の抜本的見直し及び経済財政運営と改革の基本方針(骨子案)について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
(高市総理)
本日も、お疲れ様でございました。ありがとうございます。本日は「財政運営」について意見交換を行いました。 民間議員の皆様からの「5つの原則」の御提案や、片山大臣の予算編成改革の具体化に向けた報告を踏まえ、骨太の方針に向けた検討を加速いたします。
内閣府の試算では、日本成長戦略の経済効果が十分に発現した場合、一定の追加的な財政支出の下で、債務残高対GDP(国内総生産)比が、おおむね安定的に低下する姿となり、「経済成長」と「財政の持続可能性」の双方が実現できるとの見通しが示されました。こうした姿の実現に取り組むこととし、財政運営の目標としては、国・地方の総債務残高対GDP比の安定的低下を、中核と位置付けます。PB(プライマリーバランス)については、債務残高対GDP比の安定的低下に向けて確認する指標とし、その安定的な低下と整合するよう、複数年で改善・管理していきます。
その上で、今後の予算編成に当たっては、税収動向等を見極めつつ、歳出・歳入両面の見直しを進めることとあわせて、債務残高対GDP比を安定的に引き下げていく中でも可能となる財政規模を精査し、市場の信認確保に配意しつつ、通年の国債発行額などを具体化していきます。
令和8年度当初予算から実現した経済・物価動向等の的確な反映を更に進めるなど必要な財政需要に確実に対応することとし、経済の成長力強化と名目の経済規模の拡大にふさわしい予算編成に転換します。歳出規模の総額は、物価・賃金、名目経済規模、歳入見通し、政策効果、財政目標との整合性を踏まえ、経済の成長力強化と名目の経済規模の拡大にふさわしいものとしていきます。その際、予算全般において歳出改革努力を継続する中で、伸ばすべき歳出と見直すべき歳出を峻別する、規律ある資源配分を実現する枠組みとするとともに、租税特別措置や補助金の点検・見直しを進め、施策の優先順位を洗い出し、大胆に重点化します。
社会保障関係費につきましては、「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていく」との方針の下、国費だけでなく、給付費全体、公費・保険料負担、現役世代の可処分所得などを踏まえ、給付と負担の改革努力を継続して行きます。「危機管理投資」・「成長投資」を始め、国内投資を通じた潜在成長率の引上げにつながる施策を予見可能性を持って実施できるよう、通常の歳出とは別に『「強く豊かな日本」投資枠』を創設します。
この『「強く豊かな日本」投資枠』に関しては、日本成長戦略や地域未来戦略などを踏まえ、国内民間設備投資や潜在成長率を大きく引き上げる効果の高い措置を対象とします。真に効果的な投資支援策を取り込めるよう、要求上限、いわゆる「シーリング」を設けず、事項要求も含めて必要な額を適切に要求できるようにします。予見可能性を高め、継続的な取組を後押しするため、複数年度の計画に基づくものを基本とします。
基金については、成果管理の徹底や、柔軟で効率的な資金管理を前提に、一律・機械的な期間設定に囚われない予算措置が可能となるよう、予算措置は原則3年以内とする現行ルールの不適用も含め、基金ルールを抜本的に見直します。財政の持続可能性を実現しながら必要十分な規模を確保することとし、経済安全保障上、特に重要な分野等については、複数年度で財源を確保した上で、償還財源の裏付けのあるつなぎ国債の発行により、特別会計において別枠管理することとします。
従来続いていた、秋の大規模経済対策に基づく補正予算に依存した財政運営から脱却し、恒常的な施策については当初予算で措置します。この秋以降に補正予算が必要となる場合であっても、真に緊要性の高い施策に限定します。
コミュニケーションの強化を通じて、市場の信認を確保していくため、国民の皆様や国内外の市場関係者に、こうした見直しを含め、財政運営について透明性高く、一貫した説明を丁寧にしてまいります。
そのためにも、様々な経済指標や財政指標を示し、多角的に分析・検証していきます。城内大臣は、本日の民間議員の皆様の御提案や片山大臣の報告を踏まえ、こうした新たな経済財政運営の取組を、「責任ある積極財政に基づく『中長期経済財政計画』」と位置づけ、骨太方針や予算編成の基本方針に反映させてください。
片山大臣は、骨太方針や予算編成の基本方針を踏まえて、概算要求基準を含め、予算編成の抜本改革に向けた必要な対応の具体化を進めてください。
次に、骨太の方針の骨子案について意見交換を行いました。城内大臣におかれては、本日の様々な議論も踏まえた上で、骨太方針の取りまとめに向けて、関係府省や与党との調整を進めてください。私からは以上です。お疲れ様でございました。ありがとうございます。