令和8年6月26日、高市総理は、総理大臣官邸で第11回中東情勢に関する関係閣僚会議に出席しました。
会議では、中東情勢をめぐる状況等について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
(高市総理)
お疲れ様でございます。各大臣におかれましては、それぞれの所掌分野で大変な御努力をいただき、心から感謝を申し上げます。
まず、ナフサ由来の化学製品を含む石油製品については、引き続き、年度を越えて供給継続が可能です。シンナーについては、お手元の資料6のとおり、今週から、工務店や自動車整備業を始めとする最終需要家の皆様に直接販売する仕組みがスタートしております。既に約1,000リットル分の申し込みがあり、順次、必要とされている事業者の方々にお届けします。
原料のトルエンやキシレンなどの、例年の需要の1.8倍の供給を可能とする仕組みともあわせて、目詰まりの解消に取り組んでいます。
また、目詰まり・偏り解消協力団体・企業のネットワークも広がっており、お手元の資料7のとおり、昨日時点で、207団体・企業に御賛同いただき、その旨を公表しており、この動きを拡大していきたいと思います。
一人親方を含む工務店については、約4,000者のアンケート調査の結果、「必要量を確保できず、工事への影響がある」との回答が2割弱あり、資材メーカーと連携し、 品目ごとの供給情報が一人親方のお一人お一人に届くよう、きめ細かく目詰まりの解消に取り組んでいます。
自動車整備工場、バス・トラック・タクシー事業者については、6月10日から開始した潤滑油の直接販売スキームの効果もあり、お手元の資料8のとおり、資材の供給不安の声は8割減少しています。
パン・菓子等販売店については、お手元の資料9のとおり、約5,000件のプッシュ型調査の結果、全調査数の50分の1の約100件について包装容器などの目詰まり案件が確認されましたが、既にその9割の対応が完了しています。
園芸農家についても、各地の農協などを通じた、事業者間の情報共有促進により、目詰まり解消に向かっています。
医療分野については、メーカーによる優先供給の仕組みを活用して、分包紙の供給について相談があった薬局のうち8割の不安を解消したところですが、新たに、薬剤容器についても、優先供給の仕組みを整備しました。
お手元の資料10のとおり、医療用手袋の配布要請件数は減少傾向ですが、引き続きニーズの多いSサイズの医療用手袋については、6月22日から、順次、2,000万枚を追加放出しています。
上野大臣においては、引き続き、きめ細かく、医療分野の目詰まり解消を進めてください。
このように、国民の皆様の命や暮らしを支える分野でのお困りごとを、一件一件、着実に解消しており、各事例につきましては、お手元の資料11をご覧ください。
アメリカ・イラン間で覚書が合意されましたが、現場の事業者の皆様からは、物資不足の声があることから、赤澤大臣は、関係大臣と連携して、手綱を緩めることなく、全力で目詰まり解消に取り組んでください。
高市内閣は、中東情勢を受け、緊急時対応としての燃料油補助、ホルムズ海峡代替の原油、石油製品の調達、国民生活緊急措置法などの規制的措置の回避、政府を挙げた目詰まり解消対策により、物価高を抑制しながら、国内における経済活動の停滞回避に努めてまいりました。
中東情勢が緊迫化する中で、G7各国では、原油価格上昇などの影響で、物価は上昇基調となり、結果として実質賃金の伸び率は悪化傾向にあります。
他方、我が国は、お手元の資料12のとおり、ガソリン暫定税率の廃止や燃料油補助などの政策効果もあり、物価は、前年比1パーセント台半ばと、中東情勢の緊迫化以降も緩やかな上昇にとどまり、経済活動にブレーキをかけず、民間企業による賃上げも進展する中、実質賃金上昇率は、前年比2パーセント程度のプラスで推移しています。
並行して、高市内閣は、世界の中でも豊富な石油備蓄と経済力に支えられた信用力をいかし、サプライチェーンで繋がるアジアの同志国との連携で、アジア全体の石油の安定供給を実現する取組として、パワー・アジアを始動しました。
このパワー・アジアの枠組の下、我が国が産油国とアジア諸国の結節点となり、自由で透明なエネルギー貿易の確保、石油備蓄の国際協調、産油国と消費国の連携強化の3原則について、G7で合意しました。
国際的な原油価格が落ち着きを取り戻しつつある現在、アジア、そして、G7との安定的な国際連携の下で、我が国自身のエネルギー需給構造を更に強靱(きょうじん)化すべき好機とも言えます。
加えて、今後、AI(人工知能)の進展によって電力需要が増大する中、それに応える電力供給を確保できるかは、日本成長戦略が解決すべき重要な課題です。
そのため、GX(グリーン・トランスフォーメーション)の取組を、強い経済の前提となるエネルギー需給構造強靱化の観点からパワーアップさせます。
赤澤大臣は、8月末までに、徹底した危機管理投資の推進によってエネルギーの選択肢を増やし、ピンチをチャンスに、そして、成長の力に転換し、エネルギー需給構造強靱化のための総合パッケージを取りまとめるようお願いします。私からは以上です。本当にお疲れ様でございました。ありがとうございます。