令和8年7月21日、高市総理は、総理大臣官邸で令和8年第11回経済財政諮問会議・第7回日本成長戦略会議の合同会議を開催しました。
会議では、日本成長戦略(案)及び経済財政運営と改革の基本方針2026(案)について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
(高市総理)
本日は、『日本成長戦略』及び『骨太方針』を取りまとめていただきました。
城内大臣及び両会議の議員、委員の皆様、また、各府省庁の皆様の大変な御尽力に感謝を申し上げます。
また、黄川田大臣からは『地域未来戦略』取りまとめの報告をいただきました。
今年の『骨太の方針』については、その副題を、「「責任ある積極財政」元年 ~日本の挑戦を起動する!~」としました。
高市内閣は、「今の時代を生きる国民の皆様」への責任を果たすため、そして、「22世紀を迎えることができる多くの若者達」が「未来は明るい」と自信を持って言える日本を創り上げていくため、「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」を一体的に実現していきます。
我が国の「潜在成長率」は、主要先進国と比べて低迷していますが、「日本人の底力」、すなわち「技術革新力」や「労働効率性」などを表す数値は他国と遜色なく、圧倒的に足りないのは「国内投資」です。
高市内閣では、「行き過ぎた緊縮志向」と「未来への投資不足」の流れを断ち切り、「国内投資」を徹底的にてこ入れします。
『日本成長戦略』と『地域未来戦略』で「官民投資」を誘発し、「供給力」を強化し、「雇用と所得」を増やし、「消費マインド」を改善し、「事業収益」が上がり、税率を上げずとも税収が自然増に向かう、GDP(国内総生産)拡大の下での好循環を実現します。
「危機管理投資」・「成長投資」から厳選した「17の戦略分野」について、それぞれ「ワーキンググループ」を設置し、学識経験者や企業関係者など延べ186人が参加し、54回にも及ぶ踏み込んだ議論を積み重ねていただいた上で、各分野の中でも、「勝ち筋」を見定め、「新たな官民の連携の形」を具体化する、『官民投資ロードマップ』を策定しました。
過去の産業政策、官主導と言われました、政府に目利きができるのかと言われましたけれども、今回は、産学官で練り上げた政策でございます。
具体的には、
・「半導体量産拡大」や「ゲーム」など確実な「足元の収益源」となるもの、
・「フィジカルAI」や「植物工場」など他国に先駆けて実証を進め「次の稼ぎ頭」となるもの、
・「量子」や「フュージョン」など「未来に向けた成長の芽」
として研究開発支援から始めるものなど、
➀経済安全保障など様々なリスク低減の必要性
②海外市場の獲得の可能性、
③関連技術の国際優位性などの観点から、
「主要な製品・技術等」の戦略的な絞り込みを行いました。
『地域未来戦略』は、
・「戦略17分野」に関連する企業の大規模投資を起点に政府の地方機関が、自治体と連携して、広域の「産業クラスター計画」を策定する『戦略産業クラスター計画』、
・都道府県や基礎自治体が、「地域資源」を活用・発展させる計画を策定し、クラスターを形成する『地域産業クラスター計画』と『地場産業成長プラン』
の「三類型」で推進します。
「三類型」いずれにおいても、単発の支援ではなく、複数年計画の下、政府が伴走支援しながら、「サプライチェーン」から「人材育成エコシステム」の構築まで、広域かつ質の高い「産業集積」を目指します。
政府は、「人材育成」、「サイバーセキュリティ」、「スタートアップ」といった、『日本成長戦略』の8つの「分野横断的課題」を解決するための具体的な措置を着実に実施し、「17の戦略分野」と「産業クラスター計画」において先陣を切る「官民投資」を、日本全国へと拡大していきます。
『日本成長戦略』・『地域未来戦略』等を踏まえ、民間投資を引き出すために政府予算の「予見可能性」を高める観点から、通常の歳出とは別に、『「強く豊かな日本」投資枠』を創設するなど、「予算編成の抜本改革」を行います。
この「投資枠」では、従来の政策の延長や制約を乗り越え、民間を含めた新たな発想や視点を取り込めるよう、「要求上限」、いわゆる「シーリング」を設けることなく要求できるようにするとともに、民間の「予見可能性」を高めるため、複数年度の計画に基づくものを基本とします。
『日本成長戦略』では、2040年度までに
・累計370兆円を超える「官民投資」が期待されることをお示ししましたが、
・官の投資については、「予算編成過程」において、戦略分野の民間投資を実現するために真に必要かつ効果のある支援策を見極めて、
具体化してまいります。
城内大臣は、「17の戦略分野」と「8つの分野横断的課題」への対応のうち主要な政策について、「投資事業計画」や「主な予算事業」等を盛り込んだ複数年度での『日本成長戦略実行計画』を、年末に向けた「予算編成過程」において取りまとめてください。
また、各担当大臣におかれては、
・誰が、いつまでに、何を、どのように行うのかといった5W1Hを整理した上で、
・「実行計画」に盛り込むべき施策について、
「概算要求段階」から、城内大臣に積極的に提案を頂くようお願いします。
黄川田大臣は、地域の未来を支える「産業クラスター」実現のために、各地域の実情を踏まえた、真に必要な「インフラ整備」、民間事業者向けの幅広い「投資支援」、「人材育成」などを実現するため、関係大臣としっかり連携して、『地域未来戦略予算パッケージ』の具体化を急いでください。
今年の『骨太方針』では、予算編成を抜本的に見直すこととし、新たな経済財政運営の取組を、「責任ある積極財政」に基づく「中長期経済財政計画」と位置づけました。
これに沿って、2040年度までを「計画期間」とし、
・2040年度に、250兆円の「国内民間設備投資」、1,100兆円に迫る「GDP」を実現するとともに、
・できるだけ早期に、実質1%を上回る、名目3%を上回る
経済成長を定着させ、更に引き上げることを目指します。
加えて、
・「債務残高対GDP比」の「安定的低下」を「財政運営目標」の「中核」と位置づけるとともに、
・その中でも可能となる財政規模を精査し、今後の予算編成に当たって、市場の信認確保に配意しつつ、「通年の国債発行額」などを具体化していく
ことなどを通じて、財政の「持続可能性」を確保するなど、適切な「マクロ経済財政運営」に取り組んでまいります。
高市内閣は、発足以降、「責任ある積極財政」の考え方の下、「強い経済」の実現に取り組むとともに、予算全体のメリハリ付けを行うことなどを通じて、
・2025年度補正では、「補正後」の国債発行額について前年度以下に抑えました。
・2026年度予算では、国の一般会計において、新規国債発行額を2年連続で30兆円未満に抑えました。
・6月の補正予算においても、国債の市中発行額を増やさずに対応しました。
このように、「財政の持続可能性」と「市場の信認確保」にも十分配慮した「経済財政運営」を行ってまいりました。今後も、今回の『骨太方針』の下、こうした方針を堅持してまいります。
こうした「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」を一体的に実現する取組を更に進める中で、「国民の皆様」や「国内外の市場関係者」に、透明性高く、かつ一貫した説明をより丁寧に行うなど、「コミュニケーションの強化」を通じ、「市場の信認」を確保してまいります。
片山大臣は、今後の予算編成プロセスにおいて、
・『日本成長戦略』・『地域未来戦略』を踏まえて、今後取りまとめる『日本成長戦略実行計画』や『地域未来戦略予算パッケージ』について、「成長への寄与」や「民間投資の誘発効果」等を精査し、真に効果的な施策に重点的に措置されるようにするとともに、
・「通年の国債発行額」の具体化などを通じて、「市場の信認」を確保し、「強い経済の実現」と「財政の持続可能性」の確保を両立させる予算となるよう、取り組んでください。
令和9年度を「責任ある積極財政 元年」として、こうした「予算編成の抜本改革」を、来年度予算に反映するなど、『骨太方針』を速やかに実行に移してまいります。
関係閣僚におかれましては、本日とりまとめた方針に基づき、今後の予算編成や制度改正に向けて、改革の更なる具体化を進めてください。本日は本当にありがとうございました。お疲れ様でございます。