全国信用金庫大会

令和元年6月19日
挨拶する安倍総理 挨拶する安倍総理
挨拶する安倍総理

 令和元年6月19日、安倍総理は、都内で開催された全国信用金庫大会に出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「本日は全国信用金庫大会にお招きいただきまして、誠にありがとうございます。ちょうど先ほど、党首討論を終えて無事ここに来ることができました。私の地元の信用金庫の皆さんにお出迎えいただきまして、何となくふるさとに帰ってきたような温かい気持ちになったところでございます。
 まず冒頭、昨夜の山形県沖を震源とする地震に関して、被災された全ての方々にお見舞い申し上げます。今後も政府一丸となって災害応急対策に万全を期してまいります。
 令和の時代となって初めての本大会が盛大に開催されますことを心からおよろこび申し上げますとともに、一言御挨拶をさせていただきます。
 信用金庫の皆様は、それぞれの地域で長きにわたり中小・小規模事業者や住民の皆様のニーズに的確に応えてこられました。こうした重要な役割は、新たな時代を迎えても変わることはありません。皆様の日々の取組に深く敬意を表する次第でございます。
 日本経済の屋台骨を担う全国津々浦々の中小、そして小規模事業者の皆さんが元気になることなくして、アベノミクスの成功はありません。このような思いから安倍内閣は、信用金庫の皆様と同じように地域の雇用や、あるいは経済を支える中小・小規模事業者の皆さんを、ありとあらゆる政策を使い支援してまいりました。特に、後継者不足は待ったなしの課題であります。我が国の宝である中小・小規模事業者が、後継者が見つからないという理由で廃業に追い込まれるような事態は、我が国経済にとって大変大きな損失です。昨年、承継時の贈与税、相続税の負担を実質ゼロとする異次元の措置を講じ、件数はこれまでの10倍に増えました。本年は、個人事業主にも拡大します。その一方、経営者への個人保証の慣行がいまだ事業承継に当たっての大きな壁となっているとのお話を伺っています。後継者候補がいたにもかかわらず、事業承継ができなかった理由の6割は、個人保証を求められるからとの調査もあるわけであります。5年前に経営者保証に関するガイドラインが策定されて以降、皆様の御協力もあって個人保証なしの新規融資の割合は徐々に上昇し、また、事業承継時に個人保証を見直す取組も着実に広がっています。この流れを更に加速したいと思います。まず、事業承継に焦点を当てたガイドラインの特則を作ります。先代と後継者双方から保証を取る、いわゆる二重取りを原則禁止します。さらに、後継者の皆さんが融資を受ける際に、個人保証なしで信用保証協会が保証する新たな制度を創設します。専門家の確認を受けた場合は、保証料もゼロにします。こうした政策パッケージ、言わば個人保証脱却政策パッケージを月内に策定する成長戦略に盛り込み、速やかに実行していく考えであります。そのためには、信用金庫の皆さんの協力が欠かせません。皆様と強力なタッグを組んで、共に新時代を切り拓(ひら)いていきたいと願っています。
 そしてもう一つが地方創生です。地域で頑張る皆さんを応援する大胆な政策を矢継ぎ早に実行し、大きな成果を生んできました。この動きをより強力に、力強いものとしていかなければなりません。ここでも、信用金庫の皆様の役割は、極めて大きなものがあります。昨年、信用金庫の方々に官邸に御訪問いただきました。その際、頂いたお酒が絆舞(きずなまい)。これは、絆と舞うを掛けて絆舞でございますが、全国の47都道府県のお米を原料に、福島で醸造されたお酒でもあります。これはもちろん、私の地元山口県、いわば長州のお米も入っておりますので、会津福島の皆さんに醸造していただいたという、すばらしいじゃありませんか。そして、それぞれの地域の味が出会い、響き合うことによって生まれるその味わい深さに、地方にはまだまだ大きな可能性が眠っている。その思いを新たにしたところであります。こうした出会いをつくり出し、新たな可能性を引き出すことができるのは、地域のことを知り、また、全国津々浦々にネットワークを持つ信用金庫の皆様です。信用金庫の強みをいかした取組を通じて、地方の方々の新たなチャンスを後押ししていただきたい。我々も精一杯応援させていただきたいと思います。
 そして、こうした大胆な政策を実行するための基盤となるものは、それは皆さん、政治の安定です。私が何が言いたいかということはよく理解いただいていると思いますが、政治の安定なくして経済の安定はございません。本年は亥(いのしし)年でございまして、12年前の亥年、私が総理大臣でありましたが、残念ながら自民党は参議院選挙で歴史的な惨敗を喫しました。当時総裁であった私の責任であります。このときのことは私は片時たりとも忘れたことはございません。国会でねじれが生じ、あそこから毎年のようにころころと総理大臣が替わり、長引くデフレと地方経済の停滞は放置され、日本全体が低迷しました。悔やんでも悔やみ切れない12年前の深い反省が、今の私や麻生副総理の政権運営の基盤となっているわけであります。あの混迷の時代、どういう時代だったかは、あえてもう申し上げませんが、あの混迷の時代に二度と逆戻りさせてはならない。こう固く決意しているところでございます。
 地域で頑張っている皆さんに心の底から元気がぐっと湧いて出てくるように、大胆な政策をどんどん講じることで、新しい時代の日本を皆さんと共にしっかりと前に進めていきたい、こう思います。どうか皆様方の御理解、そして力強い御支援を、それぞれの地域で、また、全国で賜りますように。そして私たちもしっかりと皆さんの地域を支える活動を、応援していきたいと思います。どうかまた皆様よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。」

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