内閣総理大臣などの要人輸送を行う特別輸送機です


 政府は、総理等の要人の外国訪問や国際会議出席などのために2機の政府専用機を保有しています。現在運用されている2代目となる機種は「ボーイング777-300ER」で、平成31(2019)年4月より運用されています。初代のボーイング747と比べて燃費が向上し、最大航続距離が長くなるなど、より環境に配慮した機体です。
 政府専用機は、緊急時における在外邦人等の輸送や国際緊急援助活動、国際平和協力活動などの際にも利用されることになっています。

 実際に運航を担当しているのは航空自衛隊千歳基地に所在する特別航空輸送隊です。つまり、パイロットをはじめ、総理などの搭乗者への機内サービスを担当する客室乗務員も含め、スタッフはすべて航空自衛官が務めています。
 また、運航する際には、2機の政府専用機が共に飛び、整備担当の航空自衛官も同行するなど万全の態勢を敷いています。

 特別仕様の機内には、総理が乗り込むスペースに加え、事務作業室、会議室などのほか、同行する記者等のための座席も用意されています。
 前政府専用機(ボーイング747ー400型機)が首脳外交に初めて使われたのは、平成5(1993)年4月に宮澤総理が米国を訪問した時でした。その年の9月には、天皇皇后両陛下のご訪欧で使用されました。

 首脳外交では、行く先々でびっしりと公式行事が予定されているため、政府専用機のスタッフは定時運航に気を遣い、緊張の連続だといいます。
 過密な首脳外交の日程を支える裏には、政府専用機の活躍があります。


 

 

 

 

 

(画像出典:航空自衛隊)

 
主要スペック
分類 政府専用機
乗員 約150名
全幅 64.8m
全長 73.86m
全高 18.85m
エンジン
搭載数 2基
名称 GE90-115BL
性 能
巡航速度 約925km/h
航続距離 約14,000km

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