議会開設百二十年記念式典における内閣総理大臣祝辞


平成22年11月29日

 天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、本日ここに議会開設百二十年記念式典が挙行されますことは、誠に意義深く、心よりお喜び申し上げます。

 我が国の議会制度は、明治二十三年、自由民権運動の高まりを背景に誕生しました。爾来、幾多の試練に直面しつつも、先人達により、民意を国政に反映するための尊い努力が積み重ねられてきました。戦後、国民主権を基本原理とする日本国憲法の下、国会は、全国民を代表する機関として極めて重要な地位を有することとなりました。そして、国権の最高機関、国の唯一の立法機関として、内外の諸課題に対処し、我が国が復興と成長を経て、平和と繁栄への途を歩む上で中心的な役割を果たしてきました。今日の民主主義政治は、こうした議会政治の発展に導かれて確立されたものであります。本日の盛儀に当たり、先輩各位の献身に対し、深甚なる敬意と心からの謝意を表します。

 我が国をめぐる情勢は大きく変化しており、国民の豊かな生活を守り、各国と協調して世界の平和を構築するために、国会が果たすべき役割はますます大きくなっています。国民の積極的な政治参加に支えられ、国会が、この重責を果たされるよう切に念願して、お祝いの言葉とさせていただきます。