令和5年6月21日岸田内閣総理大臣記者会見終了後の書面による質問に対する回答



【毎日新聞】
 総理会見のあり方について

(回答)
 総理会見のあり方については、令和4年11月21日及び令和5年6月9日の内閣官房長官記者会見にて、内閣官房長官からお答えしたとおりです。

(令和4年11月21日)
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202211/21_a.html
12:09~12:20

(令和5年6月9日)
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202306/9_a.html
4:46~5:13

【東京新聞】
 少子化対策と防衛費増額の財源について

(回答)
(少子化対策について)
 少子化対策の財源については、歳出改革等を通じて、公費を節減するとともに、国民の社会保険負担を軽減し、それらの効果を活用することによって、国民に実質的な追加負担を求めることなく、少子化対策を進めてまいります。
 高齢化によって、医療・介護の保険料率は上昇していきます。しかし、少子化対策の実施に当たって、経済成長を阻害し、若者・子育て世代の所得を減らすことがないように、徹底した歳出改革等によって、公費の節減や保険料の上昇を抑制し、その中で支援金を構築することによって、少子化対策の財源確保に当たって、実質的な追加負担とならないことを目指しています。
 歳出改革に当たっては、全世代型社会保障という観点から、年齢を問わず、負担能力のある方に協力いただくことや、企業も含めて社会全体で子育て世帯を支えるという視点が必要になります。
 また、歳出改革には、サービス提供側の質の向上と効率化、例えば、医療提供体制の効率化や介護分野におけるIT(情報技術)の活用など、幅広い取り組みが考えられます。
 こうしたことも含めて、今後、歳出改革の内容については、具体的な改革工程表を策定する中でお示ししてまいります。いずれにしても、少子化対策のための歳出改革は、全体として国民の負担を軽減することを目指して実施します。
 こうした政府の方針について、先日(13日)の記者会見においても説明したところであり、引き続き、国民の皆様にご理解をいただけるよう、努めてまいります。

(防衛費について)
 北朝鮮による度重なる弾道ミサイル発射など、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、防衛力を抜本的に強化する決断をいたしました。
 この検討に際しては、国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行い、必要となる防衛力の内容を積み上げました。
 この取組により、抑止力・対処力を向上させ、武力攻撃そのものの可能性を低下させていく考えであり、こうした政府の方針を見直すことは考えておりません。
 防衛力強化やそのための財源の確保に関する考え方については、これまでも、昨年末の三文書策定時の記者会見や、国会での質疑を含め、累次にわたり説明を行ってきており、引き続き、丁寧な説明を行ってまいります。

【西日本新聞】
 憲法改正について

(回答)
 憲法改正については、自民党総裁として、総裁任期中に憲法改正を実現したいと申し上げてきたものであり、内閣総理大臣の立場からは、憲法改正の議論の進め方等について直接申し上げることは控えなければならないと考えています。
 いずれにせよ、憲法改正は先送りのできない課題であり、引き続き、できる限り早期の改正に向けて、与野党の枠を超えた積極的な議論が行われることを、心から期待しています。

【中国新聞】
 どのような分野で安倍元総理の遺志を継ぐことに力を入れてきたか、及び憲法改正について

(回答)
 安倍元総理のご遺志に応えるためにも、難しい課題が次々と起きる、「時代の転換点」ともいえる現在の難局を乗り越え、元総理の数々のご功績を、礎として、新しい時代を切り拓(ひら)いていく決意です。
 内政では、「デフレ脱却」と「賃上げ」は、アベノミクスの中で、安倍元総理が重視された経済政策のキーワードです。30年ぶりの高い賃上げ水準など、ようやく経済に回復の兆しが見える今こそ、「デフレからの脱却」や「賃上げが当たり前となる経済」に向けた道筋を確かなものにしていきたいと思います。
 外交・安全保障では、「自由で開かれたインド太平洋、FOIP」は、安倍元総理が提唱されたものを発展させ、G7でも共有しています。分断と対立に向かいかねない国際社会を、「協調」に導くための指針であり、今後の外交においても、更に発展させていきたいと思います。
 外交の裏付けとなる防衛力の整備の重要性について、安倍元総理から、その想(おも)いを受け継ぎました。今国会において、5年間で43兆円の防衛予算の確保に関する法案を成立させるなど、着実に取り組みを進めているところです。
 憲法改正については、内閣総理大臣の立場からは、憲法改正の議論の進め方等について、直接申し上げることは控えなければならないと考えていますが、先送りできない課題であり、引き続き、できる限り早期の改正に向けて、与野党の枠を超えた積極的な議論が行われることを、心から期待したいと思います。

【信濃毎日新聞】
 難民受け入れに関し、国際社会で日本が果たすべき役割について

(回答)
 我が国においては、難民条約の定義に基づき、難民と認定すべき者を適切に認定しているほか、難民とは認定しない場合であっても、人道上、本邦での在留を認めるべき者については、在留を適切に認めて保護しています。
 また、今般成立した出入国管理及び難民認定法の改正法では、新たに補完的保護対象者認定制度を設けており、紛争避難民等、難民条約上の難民ではないものの、人道上の危機に直面しており、難民に準じて保護すべき方々を、より適切に保護できるようになるものと認識しています。
 その上で、今般の改正に係る法案審議においては様々な御意見もあったところ、法務省・出入国在留管理庁において、難民認定手続の更なる適正化に向けて不断に取り組むとともに、真に保護すべき者の一層確実・迅速な保護を実現していくことが重要であると考えています。

【CBCテレビ】
 ワクチン副反応への対応について

(回答)
 ワクチン接種後の副反応が疑われる症状については、「副反応疑い報告制度」により、医療機関や製造販売業者から国への報告を義務づけ、これにより継続的に情報を収集し、厚生労働省の審議会において、第三者の専門家による評価や確認を行い、その結果を公表しています。
 また、新型コロナワクチン接種後に遷延する症状(いわゆる「コロナワクチン後遺症」)については、その因果関係の有無にかかわらず、実態の把握や治療法等に関する知見の収集を行う厚生労働省の研究班において調査を行っており、4月に第一報が公表されたところです。
 当該研究班においては、さらなる調査が進められており、これらが取りまとまり次第、公表することとしています。
 その上で、接種後の健康被害については、予防接種法に基づく「予防接種健康被害救済制度」により、厳密な医学的因果関係までは必要とせず幅広い救済に努めています。
 あわせて、必要な医療が適切に提供されるよう、全都道府県に専門的な医療機関等を設置しています。
 引き続き、こうした取組を通じて、国民の皆様が安心してワクチンを接種できる環境を整えてまいります。

【ニッポン放送】
 防衛財源の税制措置の実施時期と解散について

(回答)
(防衛財源について)
 防衛力の抜本的強化のための税制措置の実施時期については、昨年末に閣議決定した枠組みの下、

・ 行財政改革を含めた財源調達の見通し、

・ 景気や賃上げの動向及びこれらに対する政府の対応

を踏まえて判断していくことは、これまでもご説明しているとおりであり、 今般の骨太方針の記述によって、昨年末に決定した防衛力強化のための財源確保のフレームが変わることはなく、したがって「先送り」したとは考えておりませんが、 引き続き、政府・与党で緊密に連携し、柔軟に判断してまいりたいと考えております。
 また、強化した防衛力を安定的に維持するための財源については、昨年末に閣議決定したとおり、政府としては、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入の確保、税制措置により、赤字国債に頼ることなく、しっかり確保するとの方針に変わりはありません。

(解散について)
 岸田内閣は、先送りされてきた困難な課題に答えを出していくことが使命と覚悟し、政権運営をしてきました。
 今後の解散については、「岸田内閣の基本姿勢に照らして判断する」と言うことに尽きます。それ以上に、現時点で申し上げることはありません。

【The Diplomat(高橋浩祐氏)】
 日韓の安保協力の評価など、日韓関係について

(回答)
 3月以降、2か月の間で3度の日韓首脳会談を実施しており、これは日韓関係の進展を如実に示すものです。
 こうした中で、安全保障分野については、4月に約5年ぶりとなる日韓安保対話を実施し、両国を取り巻く戦略環境について意見交換を行いました。また、6月にはシンガポールにおいて約3年半ぶりとなる日韓防衛相会談も行われました。
 韓国は、地政学的にも我が国の安全保障にとっても極めて重要な隣国です。現下の戦略環境に鑑み、日韓・日米韓協力の更なる進展が今以上に重要な時はありません。引き続き、日韓安保・防衛協力の強化に向けて韓国側と緊密に意思疎通していく考えです。
 なお、政府としては、引き続き日韓間の緊密なやり取りを通じ、具体的な日韓間の協力案件を進展させ、適切な形で対外的に示していきたいとの考えですが、御指摘のようなものも含め、今後の日韓間の文書等について予断することは差し控えたいと思います。

【犬飼淳氏(フリーランス)】
 「聞く力」の対象に庶民は含まれているか

(回答)
 「聞く力」は、様々な政策課題において関係者の皆様の意見を広く伺うことが重要であるという、私自身の政治姿勢を表現したものです。
 岸田内閣は、先送りされてきた困難な課題に答えを出していくとの基本姿勢に沿って、「聞く力」を重視しつつ、しっかりと決断していくことで職責を果たしてまいります。

【大川豊氏(フリーランス)】
 知的障がい者、発達障がい者の活躍する社会について

(回答)
 障害のある方も、ない方も、全ての人が生きがいを感じられる、多様性が尊重される社会を創っていくことが重要です。
 障害のある方が、スポーツや文化の活動を通じて仲間をつくり、自己を高め、社会に参画していくことは、共生社会の実現の基盤であり、政府としては、知的障害者や発達障害者も含め、障害のある方々が、活動に参加できる機会の充実に向けた取組を一層進めていきたいと考えています。
 そのためにも、ご指摘のように、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進していくことが重要であり、例えば、スポーツにおいて、重度障害者が遠隔地の障害のある方々と試合を行うことができる「オンラインボッチャ」の取組など、障害の状況に応じて、活動できる機会の拡大などが進んでいると承知しています。
 こうした取組も通じながら、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、政府としてしっかり取り組んでまいります。

【畠山理仁氏(フリーランス)】
 「調査研究広報滞在費」について

(回答)
 「調査研究広報滞在費」の使途公開等については、議員活動の在り方に関わる重要な課題であり、各党各会派において御議論いただくべき事柄であると考えています。
 第211回国会では残念ながら合意には至りませんでしたが、国民の皆様から御理解のいただける合意に至るよう、引き続き、各党各会派による議論が進むことを期待しています。

【横田由美子氏(フリーランス)】
 安定的な皇位継承を確保するための方策について

(回答)
 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に示された課題については、令和3年12月に取りまとめられた有識者会議の報告書を尊重することとし、昨年1月、衆参両院議長に対して報告を行いました。
 附帯決議においては、政府の報告を受けた場合、国会は、安定的な皇位継承を確保するための方策について、「立法府の総意」が取りまとめられるよう検討を行うものとされており、現在、衆参両院議長の下で検討が行われているものと承知しています。
 政府としては、国会での議論の結果を踏まえて、必要な対応を行ってまいりたいと考えています。

関連リンク