TICAD8公式サイドイベント
「アフリカにおける保健課題の解決に向けて -アフリカ健康構想とグローバルヘルス戦略によるアプローチ-」を開催しました

令和4年9月12日

 内閣官房 健康・医療戦略室と内閣府は、令和4年8月23日(火)、「アフリカにおける保健課題の解決に向けて -アフリカ健康構想とグローバルヘルス戦略によるアプローチ-」をオンラインにて開催しました。本会議においては、高市早苗内閣府特命担当大臣がアフリカ複数国の保健担当の閣僚級等と、アフリカにおける保健課題や日本の貢献等について会合をもったほか、日本の民間企業の事業展開に関する議論を行いました。

概要

 当イベントにおいては、アフリカでの健康構想とグローバルヘルス戦略の更なる推進、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現に向けた日本の貢献やアフリカにおける保健課題、日本の各企業の取組が紹介されました。会合や議論の模様は、オンライン配信され、アフリカのチュニジア共和国、ガーナ共和国、ケニア共和国等の関係者、国際機関、日本の関係企業等から延べ621人の参加登録がありました。

主催: 内閣官房 健康・医療戦略室、内閣府

共催: 総務省、厚生労働省、経済産業省、外務省

後援: 国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)、独立行政法人 国際協力機構(JICA)、 日本貿易振興機構(JETRO)、国立研究開発法人 国立国際医療研究センター(NCGM)、一般社団法人 Medical Excellence JAPAN、 公益社団法人 グローバルヘルス技術進行基金(GHIT)

日時: 2022年8月23日(火) 18:00-21:00(日本時間)

場所: オンライン配信

主な参加者

【アフリカ側】
アリー・ムラービト チュニジア保健大臣、クウェク・アジマン=メーヌ ガーナ保健大臣、スーザン・モチャチェ ケニア保健次官、アラサン・ンベング セネガル保健・ 社会活動省次官、アマド・ジェフ セネガル保健・社会活動省インフラ機材維持管理局長、アマドゥ・ドゥクレ セネガル保健・社会活動省母子保健局長(医師)、イッサ・マクンビ ウガンダ保健省 公衆衛生緊急対策室長、グレース・モシ タンザニア保健省局長補佐(栄養サービス担当)、バーバラ・クレメンス 国連世界食糧計画(WFP)ガーナ事務所代表

【日本側】
高市早苗(内閣府特命担当大臣 健康・医療戦略担当)、加留部淳(一般社団法人日本経済団体連合会 サブサハラ地域委員会 委員長)、國井修(公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)CEO)、西村秀隆(内閣官房 健康・医療戦略室次長)、田中一成(経済産業省 商務・サービス政策統括調整官)、加藤隆一(独立法人国際協力機構(JICA)上級審議役)、大坪寛子(厚生労働省 大臣官房 審議官(医政、精神保健医療担当))、Grand Forest Japan Hospital、サラヤ株式会社、富士フイルム株式会社、公益財団法人味の素ファンデーション、シスメックス株式会社、日本電気株式会社(NEC)、メロディ・インターナショナル株式会社、株式会社SOIK

会議結果概要速報

〇 第1部のハイレベル会合においては、冒頭、高市大臣から、アフリカ健康構想やグローバルヘルス戦略の理念や活動等を紹介した後、TICAD8の開催国であるチュニジアのアリー・ムラービト大臣をはじめ、スーザン・モチャチェ ケニア保健次官、クウェク・アジマン=メーヌ ガーナ保健大臣から、UHC促進の重要性や各国の保健課題について報告を受け、併せて、日本とアフリカの継続的な友好・協力関係が欠かせないとの発言がありました。

○ チュニジアのムラービト保健大臣は、チュニジアにおいて保健・医療政策は人間開発と社会発展のための礎であり、本イベントを通して、日本とアフリカの互恵的なパートナーシップ構築に向けた実り多い議論が交わされることを期待すると述べました。ケニアのモチャチェ次官が、アフリカにおけるマラリアの根絶、プライマリーケアの提供、地域医療ネットワークの構築が包括的なUHC戦略における優先事項であると強調し、自国でのワクチン製造に加えて、医薬品の保管や流通キャパシティの整備が必要であると指摘しました。また、ガーナのアジマン=メーヌ保健大臣は、日本とガーナ両国の官民連携によって進められている母子健康と栄養改善のための共創プロジェクトに謝意を表し、医療ツーリズムの一環として、日本企業とさらなるイノベーションやパートナーシップを育んでいく考えを述べました。最後に、日本のビジネス界における取組として、経団連の加留部 淳委員長が、ハードインフラ、ソフトインフラ、ヒューマンインフラの3つの観点から、アフリカにおける日本の産業界が取り組むインフラ整備についてプレゼンテーションを行い、官民連携を通じて日本企業の革新的な技術を世界に共有していく意向を示しました。

〇 第2部のアフリカの保健課題の解決に資する取組の紹介では、初めに「医療インフラ基盤/公衆衛生への貢献」というテーマのもと、医療法人光心会様、サラヤ株式会社様、富士フイルム株式会社様から、適切なリハビリテーション介入と巡回診療、手指衛生促進活動、高性能医療機器を用いた疾病予防と健診の普及活動についてそれぞれ発表いただきました。

○ アフリカ側のコメントとして、セネガル保健・社会活動省のジェフ局長は、医療機器部品の調達、メンテナンス、医療従事者を対象とした技術トレーニング不足がアフリカ大陸全体の課題であることを指摘し、セネガルでは日本の民間企業と連携を進めていく環境が整っていることを強調しました。さらに、ウガンダ保健省のマクンビ室長は、予防可能な疾患を減少させるには、診断、予防、治療分野における医療サービスの拡充が重要であり、技術移転を通じた現地の技術レベルの向上とともに、より多くの現地企業の参画と協業が必要であるとコメントし、保健課題に対して日本企業がソリューションを提供しているこや今後の期待を述べました。

〇 続く「母子保健/栄養への貢献」では、味の素ファンデーション様、日本電気株式会社様、シスメックス株式会社様、メロディ・インターナショナル株式会社様、株式会社SOIK様から、ICT、IoTを活用した母子保健環境向上のための取組、また妊産婦および新生児の死亡率減少に向けた活動実績を発表いただきました。

〇 セネガルのドゥクレ医師は、地域格差をなくしたケアの民主化の重要性について言及し、医療サービスへのアクセシビリティと継続性を担保するべく、デジタル保健を推進していく考えを表明しました。続いて、クレメンス国連世界食糧計画(WFP)ガーナ事務局代表は、日本とガーナが協力して行ってきた母子保健や栄養改善プロジェクトに謝辞を述べ、母親の栄養知識の啓発、行動変容の促進に向けて継続的に協力する姿勢を示しました。さらに、タンザニア保健省のモシ局長補佐は、日本の民間企業と協力して保健課題の改善に取り組んできたことに触れた上で、民間企業のビジネスネットワークに加えて、さまざまなステークホルダーの参画、ICT技術を活用することで、母子健康、そして栄養改善政策を展開していきたいとまとめました。

※ 各登壇者の発言詳細等については、結果報告書をご覧ください。


Adobe® Reader®ダウンロード(別ウィンドウで開きます)
PDF形式のファイルはAdobe Readerが必要です。