平成30年12月26日 内閣官房長官談話

平成30年12月26日

平成三十年十二月二十六日

一 我が国は、科学的根拠に基づいて水産資源を持続的に利用するとの基本姿勢の下、昭和六十三年以降中断している商業捕鯨を来年七月から再開することとし、国際捕鯨取締条約から脱退することを決定しました。

二 我が国は、国際捕鯨委員会(IWC)が、国際捕鯨取締条約の下、鯨類の保存と捕鯨産業の秩序ある発展という二つの役割を持っていることを踏まえ、いわゆる商業捕鯨モラトリアムが決定されて以降、持続可能な商業捕鯨の実施を目指して、三十年以上にわたり、収集した科学的データを基に誠意をもって対話を進め、解決策を模索してきました。

三 しかし、鯨類の中には十分な資源量が確認されているものがあるにもかかわらず、保護のみを重視し、持続的利用の必要性を認めようとしない国々からの歩み寄りは見られず、商業捕鯨モラトリアムについても、遅くとも平成二年までに見直しを行うことがIWCの義務とされているにもかかわらず、見直しがなされてきていません。

四 さらに、本年九月のIWC総会でも、条約に明記されている捕鯨産業の秩序ある発展という目的はおよそ顧みられることはなく、鯨類に対する異なる意見や立場が共存する可能性すらないことが、誠に残念ながら明らかとなりました。
 この結果、今回の決断に至りました。

五 脱退するとはいえ、国際的な海洋生物資源の管理に協力していくという我が国の考えは変わりません。IWCにオブザーバーとして参加するなど、国際機関と連携しながら、科学的知見に基づく鯨類の資源管理に貢献する所存です。

六 また、水産資源の持続的な利用という我が国の立場を共有する国々との連携をさらに強化し、このような立場に対する国際社会の支持を拡大していくとともに、IWCが本来の機能を回復するよう取り組んでいきます。

七 脱退の効力が発生する来年七月から我が国が行う商業捕鯨は、我が国の領海及び排他的経済水域に限定し、南極海・南半球では捕獲を行いません。また、国際法に従うとともに、鯨類の資源に悪影響を与えないようIWCで採択された方式により算出される捕獲枠の範囲内で行います。

八 我が国は、古来、鯨を食料としてばかりでなく様々な用途に利用し、捕鯨に携わることによってそれぞれの地域が支えられ、また、そのことが鯨を利用する文化や生活を築いてきました。
 科学的根拠に基づき水産資源を持続的に利用するという考え方が各国に共有され、次の世代に継承されていくことを期待しています。