医療・介護分野については、依然として物価・賃金上昇の影響を受けている状況であることを受け、他産業の状況も踏まえた賃上げや物価上昇を踏まえた適切な対応が求められている令和8年度報酬改定の効果を前倒しすることが必要であるという認識に立ち、「医療・介護等支援パッケージ」を緊急措置します。

地方の生活と産業を支える地域交通については、その持続可能性等を高めるための地域交通のリ・デザインを引き続き全面展開し、集中対策期間における全国約2,500 の「交通空白」解消に向けた、地方公共団体や公共交通事業者等による地域の輸送資源の最大活用等、地域の実情に応じた移動手段の確保・維持の取組を進めます。

物流については、モーダルシフト・中継輸送等の地域の事業者間連携の促進、ラストマイル配送の維持・確保、自動運転トラック導入、物流拠点の機能強化等による物流効率化、改正物流法やトラック適正化二法を通じた商慣行の見直し、荷主・消費者の行動変容等に向けた総合的な対策を推進します。

人口減少下において、生活必需品の小売など住民生活に不可欠な民間サービスを維持・強化するため、サービス供給の持続性確保のために必要な法制上の措置等について検討します。

地域住民の安全・安心を守り、地域社会との共生を可能とする、持続可能で高付加価値な観光立国の実現に向けた取組を進めます。

燃料・物価高の影響を踏まえ、離島、奄美群島及び小笠原諸島、半島、豪雪地帯といった条件不利地域の振興の取組や有人国境離島の保全に向けた取組を支援します。

ガバメントクラウド、ガバメントソリューションサービス等の整備や、インフラ・交通・物流分野のデジタル化・キャッシュレス化・自動化に向けた取組など、暮らし等に係るDXを推進します。

地方発の世界をリードする技術・ビジネスを創出するため、地域を超えたビジネス展開を図る中堅企業、スタートアップ等を支援し、大胆な投資促進策とインフラ整備を一体的に講じるとともに、産業用地の利活用及び計画的な整備を促進する方策を検討し、地方に投資を呼び込み、成長分野の産業クラスターの形成を加速します。

自立的かつ持続的に「稼げる」地方経済をつくり出すため、東京一極集中の弊害是正や二地域居住を含む関係人口創出等、地方創生施策を推進するとともに、地場産業の付加価値向上や特に海外向けの販路開拓等に取り組みます。

地域共生社会の実現に向け、市町村の包括的支援体制の整備を進めるため、民間団体等の協力を得て、地域住民等の連携・協働モデル構築等を実施するとともに、生活困窮者等への支援体制を強化します。

性別や年齢にかかわらず活躍できる社会の実現に向け、女性の活躍を更に推進するとともに、困難や不安を抱える女性への支援、意欲や能力に応じた高齢者の社会参加の促進などに引き続き取り組みます。

　「こどもまんなか社会」の実現に向けて、現下の物価高の状況も踏まえ、地域におけるこどもの預かり機能の多様化や居場所づくり等への支援、家事支援サービスやベビーシッターの利用促進、保育士・幼稚園教諭等の処遇改善や人材確保、地域の多様な主体が連携したこども・若者支援システムの構築等、質の高いこども・若者・子育て政策に官民の総力を結集して取り組みます。

匿名・流動型犯罪グループやテロ、不正輸出等、犯罪・不正行為の取締りを強化します。

超高齢化やデジタル化等の社会変化の中で消費者の安全・安心を引き続き確保するため、消費生活センターの機能や見守り活動の充実など地方消費者行政の強化等を図ります。

本年のクマによる深刻な人身被害等の状況を踏まえ、「クマ被害対策パッケージ」に基づき、クマの個体数管理の強化、出没時の緊急対応、出没防止、捕獲人材の育成・確保や駆除に必要な装備資機材の整備等について、関係省庁が連携し迅速かつ着実に取り組みます。

海外活力の取り込みを進めつつ、国民の安全・安心を確保するため、外国人施策について、政府の司令塔機能を強化し、政府一体となって取り組みます。

在留関係手数料及び査証手数料の引上げ等により、増加する外国人の適正かつ円滑な受入れ、共生社会の実現に向けた受入環境整備、領事活動・外交実施体制の整備等、外国人との秩序ある共生社会の推進に向けた取組を強化します。

外国人の適正な受入れの準備等を行い、出入国在留管理DXの推進や不法滞在者対策等により適正な出入国在留管理を実現し、外国人が社会の構成員となるプロセス構築の取組を強化します。

いわゆる高校無償化と併せて公立高校や専門高校等への支援の拡充を図るため、政党間の合意に基づき、安定財源を確保した上で、交付金等の新たな財政支援の仕組みを構築することを前提に、緊要性のある取組等について、都道府県に造成する基金等により先行的に支援します。

2026年度から小学校におけるいわゆる「給食無償化」を円滑に実施するため、給食未実施校における給食施設整備や地方公共団体における給食費の公会計化等の取組について、先行的に支援を実施します。

個別最適な学びの実現に向けた、学校・教育委員会における生成AIの活用に向けた利活用事例の創出等に取り組むとともに、教職員の働き方改革のための、次世代校務DX環境の整備支援や優良事例の横展開、DXハイスクールの推進、教育データ利活用の推進による教育DX、部活動の地域展開等の全国実施を加速します。

重点支援地方交付金を拡充し、中央最低賃金審議会の目安を超える最低賃金の引上げが行われた場合の生産性向上等を図るための特別な対応を含め、地方公共団体による、賃上げを行う中小企業・小規模事業者に対する地域の実情に合った支援を後押しします。

重点支援地方交付金を拡充し、賃上げ促進税制を活用できない中小企業・小規模事業者、さらには農林水産業などを支援する推奨事業メニューを設け、地域の実情に合った的確な支援を行います。

非正規雇用労働者の処遇改善等を行う事業者を支援するキャリアアップ助成金の活用を促進し、公務員の給与・待遇については、人事院勧告を踏まえ、適切に対応します。

中小企業・小規模事業者が物価上昇を上回る賃上げを継続するための原資の確保に資するべく、価格転嫁・取引適正化の徹底を図ります。

中堅・中小企業の稼ぐ力を強化するため、売上高100 億円へ成長する目標を掲げる「100 億宣言企業」の意欲的な投資を実現するための支援や、生産性向上等に資する設備投資や販路開拓、デジタル化等に対する支援を抜本的に拡充・強化します。

「事業承継・M&Aに関する新たな施策パッケージ」を踏まえた取組を進め、後継者不在への対応及び成長のための戦略的手段として、事業承継・M&Aを推進します。

中小企業が成長に向けた事業の立て直しや投資を行えるよう、資金調達の円滑化と金融規律の強化を図りながら、経営改善・事業再生・再チャレンジを支援します。

今般の米国関税措置や事業環境の変化を踏まえ、よろず支援拠点への生産性向上支援センター（仮称）設置等、プッシュ型による伴走支援体制を強化し、企業の成長や生産性向上への気付きを促し、全国津々浦々の中小企業・小規模事業者の賃上げを実現するサポート体制を整備します。