重要物資の追加によるサプライチェーンの強靱化、医療分野の追加も含めた基幹インフラ制度の強化、総合的なシンクタンク機能の構築、経済安全保障を図る上で重要な海外事業の促進、重要技術や戦略分野に関する国際共同研究等を図るため、経済安全保障推進法の改正を検討する等必要な措置を講じます。

AI法及び同法に基づく人工知能基本計画、適正性確保のための指針に則り、イノベーション促進とリスク対応の両立を推進します。大胆な規制改革を含む施策を内外一体で進め、AIの国内研究開発の強化と社会実装の促進を図ります。

AI・半導体産業基盤強化フレームに基づき、先端・次世代半導体の量産等に向けた技術開発や設備投資を重点的に支援し、半導体などの産業拠点整備等に必要な道路や工業用水等の関連インフラや、データセンターの立地等に必要な電力や通信等の周辺インフラの整備を推進します。

「造船業再生ロードマップ」を令和7年内に策定し、国家安全保障を支える日本の造船業を再生するための取組を強力に推進します。

造船能力の抜本的向上に向けて10 年間の基金を創設し、3年程度の事業に必要な予算を措置してその後は成果目標の達成状況を見て検討し、総額3,500 億円規模を目指します。加えて、「造船業再生ロードマップ」において、官民連携して1兆円規模の投資実現を目指すフレームを策定します。

量子エコシステム構築に向けた推進方策を踏まえ、量子コンピュータ、量子暗号通信、量子センシングの研究開発を加速します。

量子コンピュータの国内開発を加速し、国内において国際競争力ある産業化を目指すとともに、量子技術の研究開発機関の整備を通じた拠点機能を強化し、国産量子コンピュータの開発、量子技術のユースケースの創出、社会実装及び人材育成を加速します。

フュージョンエネルギー・イノベーション戦略に基づき、ITER計画等の推進等のほか、2030 年代のフュージョンエネルギー発電実証を目指し、スタートアップ等における様々な炉型による研究開発を支援するとともに、スタートアップへの供用も可能な施設・設備の整備を通じ、研究開発を促進します。

健康医療安全保障の構築に向けて、医薬品産業を成長・基幹産業と位置付け、政府が一体となって、取組を進めます。

再生・細胞医療・遺伝子治療の研究開発の促進や、それらの生産拠点の設備投資の支援を行うとともに、革新的がん医療の研究開発支援や、ゲノム情報基盤の整備や解析結果の利活用を進めます。

バイオエコノミー戦略に基づき、バイオものづくり・バイオ由来製品・農林水産業・バイオ医薬品・再生医療等のバイオエコノミー市場の拡大に向けて、研究開発の推進や生産基盤の構築に取り組みます。

次世代航空機や低燃費エンジン開発のための生産技術開発やサプライチェーンの強化に着実に取り組むとともに、無人航空機の生産基盤を構築します。

宇宙戦略基金による速やかな総額1兆円規模の支援を通じて、先端技術開発、技術実証及び商業化を支援します。安全保障や危機管理に不可欠な準天頂衛星システムの11 機体制に向けた開発、通信の自律性確保のための低軌道衛星コンステレーション構築を支援します。官民のロケット開発支援と打上げ高頻度化に取り組むとともに、JAXAの技術基盤強化に向けた取組を推進します。

海洋開発等重点戦略等に基づき、海洋関連技術の成果を産業と社会実装につなげるため、北極域研究船「みらいⅡ」の建造を含む船舶・探査船等の整備及び開発や、自律型無人探査機（AUV）と周辺技術の利用実証支援等の強化を図ります。

自然災害や高温等の環境が変化する中で安定的な生産が可能な、テクノロジーを駆使した完全閉鎖型植物工場、陸上養殖施設等への投資や、フードテックを活用した新たな商品・サービスの創出やビジネス展開、事業規模拡大を促進します。

重要物資の安定供給を確保するため、レアアース等重要鉱物の供給源多角化、国家備蓄の強化を推進します。永久磁石の生産能力増強や技術開発への支援を強化します。革新的マテリアルの研究開発・社会実装を促進します。

次世代の情報通信基盤について、我が国主導で光電融合技術をはじめとするオール光ネットワーク技術を含む先端技術を開発し、社会実装や海外展開を目指します。海底ケーブルやデータセンターについて地方分散を含めた防護策を図ります。

サイバーポートを活用した港湾関連手続の電子化や「ヒトを支援するAIターミナル」の取組を推進します。

サイバー脅威に対する的確な対応のため、政府機関等に対するサイバー攻撃等の不審な通信の横断的な監視体制や、検知・分析等を行う体制を強化します。サイバー攻撃に対して、官民の対策・連携強化を図り、サイバーセキュリティを支える人的・技術的基盤の整備の強化や各主体における対策向上を図ります。

食料安全保障を確保する観点から、5年間（令和7～11年度）の集中対策期間において、生産性向上を図るための農地の大区画化や、老朽化した協同利用施設等の再編集約・合理化、スマート農業技術等の開発・農業機械の導入、輸出産地の育成等により、農業の構造転換を集中的に推し進めます。

小麦や大豆等、海外依存度の高い品目の生産性向上等を支援するとともに、生産資材や資料についても安定供給を図りながら、海外産品の使用低減や国内産品の代替転換、環境負荷低減の取組等を進めるための支援を行います。

次世代の担い手の育成・確保や、鳥獣被害対策や中山間地域等の振興を図るための収益力向上、関係人口の拡大等を支援します。

米の流通構造の合理化及び透明化を含め、合理的な価格形成の実現等を通じた食料・生産資材の安定的なサプライチェーンの確保や不測時に備えた食料供給体制の構築に取り組みます。

力強い林業の実現に向け、森林の集積・集約化や生産体制の強化、スマート林業の推進、各地における国産材転換・木材利用拡大、担い手の確保・育成等を支援します。

水産業の強靱化を図るため、激変する海洋環境に対応した資源調査・評価を推進するとともに、スマート水産業の推進や担い手の確保・育成等を支援します。

農林水産物・食品の輸出額の2030年5兆円目標の達成に向け、輸出先国の規制・ニーズに対応した生産・流通体系の転換や加工・製造等施設の整備、戦略的サプライチェーンの構築、新市場の開拓、海外での輸出支援体制の確立、海外への品種流出防止等の取組を支援します。

原子力発電については、安全性の確保を大前提に、原子力規制委員会による審査・検査を踏まえ、立地自治体等関係者の理解を得た原子炉の再稼働を進めます。道路整備による避難経路の確保や複合災害時の対応、環境放射線モニタリング体制の強化を含む原子力防災体制の充実に取り組みます。

工場や事業場、家庭等における省エネ化、建物の断熱性向上、非化石転換への支援等を進めます。

国内外における資源開発について、南鳥島周辺海域でのレアアース生産に向けた研究開発の加速化や、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構（JOGMEC）によるリスクマネーの供給等を通じて、上流権益確保・供給源多角化に取り組みます。

GX投資を促す金融支援強化や、電動車の購入促進等の需要側でのGX市場の創出等に取り組みます。

再生可能エネルギーについては、ペロブスカイト太陽電池及び浮体式洋上風力の国産技術の開発や製造基盤の確立を進めます。地域共生の対応策を強化しつつ、国民負担の抑制を図りながら、風力、地熱等の導入を進め、地方公共団体や民間企業の再エネ導入等の脱炭素化の取組に対する支援を強化します。アジア・ゼロエミッション共同体（AZEC）等の枠組みを活用し、我が国技術のグローバル市場の形成を促進します。

東日本大震災からの復旧・復興に加えて、令和6年能登半島地震をはじめとする自然災害からの復旧・復興に全力で取り組みます。

激甚化・頻発化する自然災害や、道路陥没事故などのインフラ老朽化等の危機から現在と未来の国民の生命と財産を守り抜くため、「国土強靱化基本計画」に基づき、令和の国土強靱化対策を進めます。

2026年度中の防災庁の設置に向け、事前防災の徹底や災害対応力の強化など防災体制の充実・強化を図り、その準備を加速します。

首都の危機管理機能のバックアップ体制を構築し、首都機能分散及び多極分散型経済圏を形成する観点から、首都及び副首都の責務と機能に関する検討を行います。

国際的研究の支援強化や若手研究者の研究時間確保のための全面基金化に向けた取組推進等を通じ、科学研究費助成事業を大幅に拡充します。

産学官の国際競争力を強化するため、SPring-8の高度化、「富岳」の次世代となるスーパーコンピュータの開発・整備等を着実に推進し、大型研究施設の戦略的な整備・高度化を加速します。

中長期的に企業の研究開発投資の増加を促し、国際的に遜色のないイノベーション立地競争環境を確保するための研究開発税制のインセンティブ強化について、令和8年度税制改正で検討し、結論を得ます。

大阪・関西万博のレガシーを具体化するために、万博において実証された空飛ぶクルマ、自動運転、水素エネルギー等の先端技術の、早期の社会実装の実現に向けて取り組みます。

スタートアップの規模拡大に向け、資金供給・調達やM&Aの活性化、海外起業家等とのネットワーク構築への支援の強化、初期需要創出の観点から、政府・大企業によるスタートアップの革新的な製品・サービスの調達促進の拡大を行います。

日本発コンテンツの海外売上を2033年までに20兆円とする目標の実現を目指し、複数年の支援を含めた大規模・長期・戦略的な官民投資を推進し、成長投資を拡大することで海外展開を促進します。

文化財や地域の伝統行事・民俗芸能等を次代に確実に継承するため、文化と経済の好循環及び地域の活性化に取り組みます。2026 年アジア競技大会・アジアパラ競技大会の成功に向けた開催支援に取り組みます。

医療・介護DXの技術革新の迅速な実装により、全国で質の高い効率的な医療・介護サービスが提供される体制の構築を推進するため、マイナ保険証の利用促進や、全国医療情報プラットフォームの構築を進めます。

生涯を通じた歯科検診の推進や、がん検診の受診率・精密検査受診率向上に向けた取組、レセプトデータ等を活用した予防・健康づくりへの取組やデータヘルス、保健事業に取り組む保険者の支援、女性特有の健康課題への対応推進等、「攻めの予防医療」等を推進します。

次なる感染症危機に備えるため、国立健康危機管理研究機構と協働・連携しながら、感染症危機管理体制の抜本的強化を行います。

現役世代の社会保険料負担を含む国民負担を軽減するため、骨太方針2025に盛り込まれた社会保障制度改革を着実に実行します。

生成AIによる人間の業務の自動化・代替といった環境変化や技術トレンドも踏まえ、非正規雇用で働く者を含む幅広い労働者に対する効果的なリ・スキリング支援に取り組みます。

未来成長分野に挑戦する人材育成のための大学改革を行うとともに、高等専門学校等の職業教育を充実します。

家計の安定的な資産形成に向け、金融経済教育の更なる充実を図るほか、NISA制度の充実について、令和8年度税制改正で検討し、結論を得ます。

中長期の企業価値向上を後押しするため、「成長投資促進ガイダンス（仮称）」を策定し、必要な環境整備を進め、設備投資・研究開発及びそれらを支える資金調達の多様化を促進します。

大胆な設備投資の促進に向けた税制を創設し、国内における高付加価値化型の設備投資を促進することについて、令和8年度税制改正で検討し、結論を得ます。

人口減少、少子高齢化等の課題を克服し、地方の活性化につなげるため、規制改革推進会議等での議論も通じ、必要となる規制・制度改革にスピード感をもって絶え間なく取り組みます。