平成28年2月26日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言

おはようございます。
新しくリオデジャネイロオリンピック出場の決定の知らせが届いています。リオデジャネイロオリンピック最終予選を兼ねた飛び込みワールドカップにおいて、坂井丞選手が男子板飛び込みで16位となり、オリンピック出場が決定いたしました。2020年に向けてリオ大会ですばらしい成績を期待しています。
私からは以上であります。

2.質疑応答

(記 者)
幹事社です。まず1つ質問させていただきます。新国立競技場についてなんですけれども、昨日、自民党側から、客席の椅子を木製にするようにという提言・申入れがあったと思うんですけれども、遠藤大臣は「私もできればそうしたい」と述べていらっしゃったんですけれども、政府として今後どのように対応されていくかを、実現可能性も含めてお聞かせいただきたいと思います。また、木製の椅子にした場合、どれぐらい追加費用がかかるのかについても伺えたらと思います。
(大 臣)
まず、A案といいますか、隈先生をはじめとするチームでつくっていただいた設計は大変すばらしい設計でありますし、まさに神宮の森に調和した、木をふんだんに使った設計でありますから、大変私たちは喜んでおりました。国が発注する公共建築物全体での木の年間使用量が6,700立方メートルぐらいだったと思いますが、今回の新国立競技場はおよそ2,000立方メートルぐらい使うということを聞いております。法隆寺の木造建築の技術を継承したような、そんな感じでありますし、そういう意味でも大変すばらしい設計だと思っていますが、私もやはり入ったときに、椅子ができれば木である方が、より日本らしい、また競技場に一体化した形になるのではないかなと思っております。ただ、およそ1,490億円という予算の中で設計をされているわけであり、当然契約もそういうものになっている。そうしたときに、どういう形だったらできるか、そこについてはこれからいろいろな皆さま方の考え、特に自民党で決議された中で、例えば寄附を集めようとか、そうした皆さま方のいろいろな御意見があるようでありますから、そういうことを聞きながら対応していきたいと思っております。
それから、可能性については、できれば私もそうしたいなと思っておりますが、ただ、これはやはり皆さんの機運が高まらないと、例えば、国から「寄附をしろ」と言うとか、そういうことはあり得ないわけでありますから、皆さんの気持ちが、やはり日本でせっかくつくった建築物だし、木をふんだんに使ったというイメージがある方がいいという機運が高まれば高まるほど、可能性は高まってくるだろうと思っております。
費用につきましては、いろいろな工法があり、木材の使い方も違うのでしょうが、プラスチックだとおよそ20億円、やり方によっては40億円とか50億円とか幾つかの方法があるようです。最低でも20億円強の追加費用負担が必要だと思いますし、それがどういう形で捻出できるかについては、先ほど言いましたように、皆さまの考え次第、そして私たちのこれから検討課題だと思っております。
(記 者)
関連で、椅子の話なんですが、実現するために整備主体のJSCですとか、あるいは施工業者側に何らかの形で働きかけるようなお考えは今のところあるかどうか、その点はどうでしょうか。
(大 臣)
昨日自民党の小委員会の吉野小委員長ほか皆さま方に御要望をいただきました。可能かどうかも含めて、JSC等とは話をしなきゃならないと思っております。私からは直接、設計・建築会社に言うということはありません。関係閣僚会議で整備計画をつくったわけですから、あくまでその中でJSCに私たちからこういう意見があるということをお伝えするということだと思っております。
(記 者)
重ねて。一部、この間の隈さんの説明ですと、屋根とかに使う木材については調達の計画を進めているようなお話もあったようですが、大体いつごろまでに椅子の部材をどうするかについては結論を出す必要があるという何らかの見通しはお持ちでしょうか。
(大 臣)
まだ、いつどうこうという話はしておりません。基本設計が、たしか5月か6月ぐらいにでき上がるということでありますから、感覚的にはそこら辺までにある程度の考えを整理しなきゃならないのかなと思いますが、そこはちょっと話をしてみてから考えていきたいなと思っております。
(記 者)
関連して。今おっしゃったように、5月、6月に基本設計ができ上がるということで、椅子の素材についても、一定の方針がここで示される可能性もあるわけですけれども、大臣がおっしゃったように、今後機運が高まってくれば、木材の利用あるいは寄附を募るということも可能になってくるという話があったかと思うんですが、今度の5月、6月の段階までに一気に機運が高まるというのはなかなか難しい情勢かなと思うんですが、そうしますと、一旦木材を利用するという方針だけを決めた上で、財源に関してはまたオリパラが近づいてくる段階、つまり機運が高まってくる段階でまた改めて考えるというような二段構えということもあり得るんでしょうか。
(大 臣)
まだJSC等とも話をしておりませんから、どういう形になるかはわかりませんが、少なくとも、基本設計の段階で粗々、例えばこういうふうな形でつくりますよというときは、当然見積もり等もとってやるわけですから、そうすると、大体その段階で木を使うか使わないか判断をする必要が出てくるのではないかなと、これは技術的なことですから私はわかりませんが、そんな感じを受けております。ですから、そこら辺までに、昨日の申入れがあったように、寄附とかそういうことがあるのかどうか、私たちから「寄附をしてください」ということはないわけですから、そういう意味では、そうした機運が盛り上がってくるかどうかについては、今後の趨勢を見ていきたいと思っております。
(記 者)
そうすると、財源の見通しがない状況で、とりあえず木を使ってみることを先に決めるというのは、今のところ考えていらっしゃらないと。
(大 臣)
それはJSCと話をしてみないと、今の段階ですとまだ判断はできないと思っています。
(記 者)
すみません、もう一点だけ別の話題で。ジカ熱の感染者が、昨日中南米での感染拡大以降初めて日本人で確認されました。今、日本の状況で感染拡大のリスクは低いということだと思いますが、今年リオ五輪がある中で、ブラジルに渡航される方も含めていろいろ懸念が拡大していると思うんですけれども、政府としてオリンピックに向けて、基本的には厚労省の所管だと思いますが、大臣のところで何らか対策を強化するですとか、今後の検討策、何らかお考えのことは今のところおありでしょうか。
(大 臣)
感染症対策の関係閣僚会議があって、その中でチームをつくっていろいろ対応されております。その中で報告をせよということで今回報告があったと承知をしております。ちょうど日本では今こういう時期ですから、厚労省からすれば、そういうリスクは今は少ないという判断だと思いますが、当然、ブラジルではそういう可能性があるわけでしょうから、それについてはしっかり厚労省を中心にして連携をとって、非感染者がジカ熱に感染しないように取組をしていかなきゃならないと思っております。そこは組織委員会ともしっかり話をしてまいります。