平成27年7月24日


閣議後定例記者会見

1.冒頭発言
どうもおはようございます。  まず、本日の閣議前に東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部の第1回会合が開催をされました。会議では私から推進本部の運営等について説明するとともに、政府の取組事項の進捗状況について、一つ、セキュリティー、安全・安心。二つ、復興地域活性化。三つ、輸送等の項目ごとに施策の進捗状況等を説明し、引き続き各閣僚の積極的な取組をお願いをいたしました。その後総理から2020年7月24日、今日でありますが、東京オリンピックの開会式であり、今日からちょうど5年後にオリンピックが開幕すること、あと5年ではなく、もう5年しかないという気持ちで政府一丸となって大会の成功に向けて全力を尽くすことなどについて御発言がありました。  2020年東京大会が我が国の活力を取り戻すはずみとなるよう、政府が一丸となり、東京都や組織委員等と連携を図りながら、オールジャパンの取組を加速していく必要があります。2020年東京大会に向けて、基本方針の策定、新国立競技場の整備計画の見直しを早急に進めるとともに、政府の取組事項の進捗のフォローアップ等をしっかり行ってまいりたい。  もう一つは、新国立競技場の整備計画再検討推進室が発足をいたしました。21日の安倍総理の決定を受けて、昨日新国立競技場の整備計画再検討推進室の職員21名が発令をされました。推進室には関係省庁、総務省、財務省、文部科学省、国土交通省から幅広く知見を結集するとともに、舛添都知事の御協力の下、東京都からも職員を派遣していただきました。これにより必要な体制を整備できたと考えております。今後新たな整備計画の策定に向けて、2020年東京大会の主催者である組織委員会や東京都から御意見を伺うことはもとより、国民やアスリートの皆さんからの声を積極的に聞いていきたいと思っております。  私のほうからは以上であります。

2.質疑応答
(記者)
冒頭2問お願いします。 まず1問目、今日本部が開かれて、あと5年で開会式という状況になりました。大臣御自身も就任から間もなく1か月が経ちますが、この一月は実質新国立競技場の問題がかなりクローズアップされて、御自身も振り回されたというか巻き込まれた感じがあると思うのですが、新国立に象徴される準備状況なのですけれども、あと5年という局面になって全体として本当に当日までに間に合うのかどうかということについて改めて御所見をお願いいたします。
(大臣)
この推進本部ももう少し早く開催をしなければならなかったのでありますが、先ほどお話ありましたように、東京都との調整に追われ、そしてまた新たな展開になりました。そういう意味ではこの一か月間、無我夢中で進んできましたが、今御指摘いただきました、間に合うかと、準備は進むのかということでありますが、これは間に合うか間に合わないかではなくて、間に合わせる。そしてそのために私は就任したのだと思っておりますので、各府省庁、そして東京都、あるいは組織委員会等々、関係の皆さんと緊密な連携をとって、しっかりと体制を築いて間に合わせたいと思っております。
(記者)
もう一点。新国立競技場の関連でもう一点、文科省が今行おうとしている検証の話でお尋ねしますが、最大の関係者の責任が新しい計画に基づいて確実に競技場、完成させることにあるのは大前提だとした上で、なおかつ検証を踏まえて、これまでの混乱した経過の責任を誰かがとる必要があるか、その必要の有無について大臣、御所見をお願いいたします。
(大臣)
今関係者の責任の話、ございましたが、文部科学大臣が正式に第三者委員会をつくるということでありますから、その中でいろんな検討はなされるのだろうと思っております。私が就任した先月の25日以降、そしてその当時は当初2,520億円を前提とした東京都との調整を進めておりました。そして17日に総理の決断によって白紙撤回をし、ゼロベースから再スタートしましたので、私はこちらに専念をしたいと思っております。
(記者)
先ほど大臣の発言の中で国民やアスリートから意見を聞きたいというところがあったと思うのですけれども、今後どういうふうな形で持っていきたいかというお考えがあれば教えてください。
(大臣)
推進室をつくって、その中に例えばアスリート入る方法ないかといろいろ検討したのですが、事務的な作業でありますから、ここは時間も短いこともあって、事務的にはしっかり進めて、ただ、何らかの形をつくって、そうした皆さん方の意見を聞くようにするか、あるいはこちらから出かけていって、そういう皆さんと積極的に話す機会をつくるか、そこについては対応をしっかり急いで決めていきたいと思っております。
(記者)
現状では、では、そういう場を設けるというものが何か決まっているわけではないということですか。
(大臣)
ええ。ただ、何らかの形をつくってしっかりと皆さんの意見を聞きたいと思っております。
(記者)
本日初会合があった推進本部の件なのですが、今後どれぐらいのペースで会合開かれて、いつごろまでに基本方針の作成をするというような、見通しのほういただけますでしょうか。
(大臣)
今日初会合開いて、それぞれの省庁でいろんな対応をお願いしたわけです。そこで私たちのほうもいろいろこれから準備を進めていって、策定計画等の進捗状況を見て、次の会合を開きたいと思っております。
(記者)
いつごろまでに……
(大臣)
その進捗状況はもう少し把握をしなければなりません。特に最初は国立競技場の対応に追われておりましたので、改めてその作業を進めていきたいと思っております。
(記者)
被災地の復興の関係でお伺いしますけれども、今日の本部でも復興の話がテーマに出ていましたし、大臣もかねてから、就任当初から被災地に行きたいということをおっしゃっていました。新国立の問題がこの間ずっとありましたけれども、近々そういったお考えがあるかどうかお聞きしたいと思います。
(大臣)
国会の状況を見なければなりませんが、お許しいただければできるだけ早い時期にお伺いしたいと思っています。当初、今お話ありましたように、就任してすぐにでもと思っておったのですが、先ほどそこも御指摘あったように、東京都との調整、あるいは新しい国立競技場の白紙撤回、ゼロベースの見直しというようなことで、ちょっと若干忙殺されておりますが、どちらにしても今度のオリンピック・パラリンピックの最大の課題の一つは、東日本大震災の復興を世界の皆さんにしっかりと取組をアピールし、感謝をするということでありますから、そういう機会を福島県知事等、被災地の関係の皆さんと連絡とって進めていきたいと思っております。
(記者)
暑さ対策についてお伺いしたいのですけれども、この前も神宮のほうで熱中症の人が出たりして、正に今の時期だと思うのですけれども、アスリート、また観客についての暑さ対策についてどうお考えか、お願いします。
(大臣)
5年後の今日が開会式になる予定ですが、多分そのときも暑い日かなと思います。特にマラソンとか、あるいは競歩とか、自転車、ロードレースとか、トライアスロンとか、言ったらテニスなんかもそうだと思いますが、暑い中で長時間プレーをしなければならない種目、数多くあります。最近熱中症が全国各地で見られますし、例えば今道路の舗装を変えることによって実質温度を下げるとか、あるいは舗装そのものを変えることによってできるとか、ミストがどうとか、いろんな形で対応を考えております。そういうものを一つ一つ精査をしていって、アスリートの皆さんが安心してプレーをできると。
もう一つは実は観客の皆さんが、特にアスリートの皆さんはかなり鍛えてこられますし、そういうふうな対応もしてくるのですが、観客の皆さん方はそういう対応なしで来られるのだと思います。そういう観客の皆さん方の対応などもしっかり取り組んでいかなければならないと思っております。
選手なんかについて、例えばカプセルを飲むことによって、体内の温度や気圧や、そういうものを全部瞬時に把握できるという検討があったり、あるいはここに有機ELを貼り付けて、短いチップをここに貼るだけで、その人の体温や呼吸、心拍数やそういうものを全部はかると、いろんな技術開発をしてくれておりますので、正にこれこそレガシーの一つだと思いますが、そうした人間の体温、体感の部分、瞬時に判断できる、そういうふうな技術も開発をしていかなければならないと思っております。
(記者)
オリンピック組織委員会のほうとパラリンピック組織委員会のほうから昨日、大臣が理事を辞任されたという、組織委員会の理事を辞任されたという報告がありまして、一応閣僚でも兼務は可能だということだったので、改めて辞任された理由だけ伺えますでしょうか。
(大臣)
調整会議のメンバーになりましたので辞任をいたしました。
(記者)
来週火曜日からクアラルンプールでIOC理事会、そして続けて総会ありますが、大臣としてそちらのほうに行かれて、政府としての今の姿勢だとか、そういうのを御説明に行かれるような御予定というの、ございますでしょうか。
(大臣)
一部の皆さん方からは是非行くべきだと、そして今回のいろんな国立競技場等の問題、あるいは準備状況について報告すべきだと御意見があります。私もそれも一つの方法かなと思っておりますが、ここはIOCの理事会である総会は、IOC委員と、それから主催する組織委員会の皆さん方の交換の場になるわけですから、これは森会長とも相談をさせていただきますが、まずは責任者である森会長に日本のことについてしっかり示していただく、その準備を私たちとしてすることかなと思っております。なお検討いたしますが、まずは森会長とも相談の上、対応したいと思っています。
(記者)
水曜日の森会長の会見で、全体の費用として3倍ぐらいになり2兆円を超すかもしれないという御発言があったのですけれども、大臣としては費用はどのぐらい膨らむ可能性があるというのは、今の段階で想定されていますでしょうか。
(大臣)
森会長は組織委員長としてそういう発言をされたということですから、それは東京都あるいは国、そして組織委員会そのものの出費等を考えて発言されたとすれば、多分そういうことなのだろうなと思っております。まだ私たちの組織で今幾らかかるかということの推計はしておりません。