平成27年8月21日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
おはようございます。  まず私から、ヤフーのニュース意識調査について御報告をいたします。新国立競技場に関して、お手元に資料を配付しておりますが、広く国民の皆様の声を聞くため、インターネットによるヤフーニュース意識調査を、今月4日から17日まで2週間実施いたしました。25万件を上回る多くの皆様方が御参加いただき、改めてお礼を申し上げます。「メンテナンスが容易で維持管理がしやすい施設となるように留意する」とか、「アスリートにとって使いやすい施設にする」をはじめ、多くの回答をいただいたところでありまして、こうした声を14日の関係閣僚会議で決定した「基本的考え方」に、反映させていただいております。引き続き国民の皆様の声、それからアスリートの皆様の声を伺いながら、「基本的考え方」に沿って検討を深めてまいりますので、こうしたこととあわせて今月中を目途に新たな整備計画を策定してまいります。  私からは以上であります。

2.質疑応答
(記者)
冒頭2問お願いします。1つは、きょうの午後に、駒沢と日産スタジアムと2カ所を視察される予定になっていますが、この視察の目的を改めてお願いします。
(大臣)
今までいろいろな皆さん方から、アスリートの皆さんあるいは建築家の皆さん、それからジャーナリスト、多くの皆さん方から声を聞いてきましたし、また、こうした意識調査等の話をお伺いした上で、自分でも施設がどんなものか、どういう施設が求められるのか、あるいはその施設の問題点がどうなのか、こういうことを実際に確かめたいということで、駒沢競技場はかつて51年前のオリンピックでも競技施設で使ったわけでありますし、また、日産スタジアムは今、国内で多分一番大きい箱だと思いますが、そうした施設、そしてまた、来週中には関西の施設等も含めて、最終的な整備計画を策定するまでに自分としてもそうした施設を見て、それを踏まえて決定していきたいと、そんな趣旨で視察に参ります。
(記者)
関連ですが、日産(スタジアム)とかはラグビーのワールドカップの関係でも候補地として挙げられたりしていますが、そっちの関係での視察という意味合いもあるんでしょうか。
(大臣)
一応ラグビーのワールドカップも、もちろん私も下村大臣とともに担当してまいりますので、そういう意味ももちろんありますが、まずは新国立競技場の建設にとって、どういう建物がいいかということについて参考にしたいというのが主であります。
(記者)
もう一問、別件で、直接の所管ではない話になると思うんですが、スポーツ庁長官の関係で1問お尋ねします。きょうお昼に川淵三郎さんが来られることも若干念頭にはあるんですけれども、10月に始動するに当たって、そろそろ人事が焦点になってくるかなと思うんですが、直接の所管ではないんですけれども、メダル獲得強化ということに非常に重点を置いておられる大臣として、どういう人が望ましいか、改めて今の時点での考えをお聞かせください。
(大臣)
今お話しいただきましたように、私はこれは所管でなくて下村大臣の所管になりますから、そういう意味で大臣としてではなく、これまでスポーツ基本法をつくり、また、そのスポーツ基本法の中でスポーツ庁を設置する条文を附則として盛り込んだ、そのときのPTの座長という立場から、立法の趣旨としてスポーツ庁長官は、スポーツ界そしてまた多くの国民の皆さんの、あの人こそスポーツ界のシンボルだよねと、そういう人が望ましいということが1つ、それからもう一つは、当時附則に書き込んだ理由の一つは、行政改革の趣旨に逆行するんじゃないかという話があって、残念ながら本文ではなくて附則に書き込みましたが、そのときにも行政改革の趣旨にのっとりというふうに書き加えさせてもらいました。それでなおかつ当時のPTの皆さんや、あるいは議連の皆さんの検討の中で、まさか初代長官、役人の天下り、いわゆる役所の焼け太りはないでしょうねと、そんな意向があったときに私は座長として、初代長官はまさにスポーツのシンボルですからそういうことはしませんというようなことを、皆さんに申し上げましたので、そういうことを踏まえて文部科学大臣が判断をされるものと思っております。
(記者)
コストの面なんですけれども、新国立(競技場)の。先日サントリーの新浪さんが1,500億前後とおっしゃいましたけれども、大臣は今いろいろな施設のこれまでの計画とかを見ながら、いろいろな検討をされていると思うんですが、当初の1,300億に近づけるべきなのか、それとも2016年の招致のときの1,000億円に近づけるべきなのか、努力目標としてどのあたりをラインとして考えていらっしゃいますか。
(大臣)
今、私は数字については目標設定をしておりません。きのう確かに新浪さんが1,500前後という話をされましたし、その後おいでになった渡さんは、この際だから少しその後の利用も考えていいものを、2,000億円かかっても構わないんじゃないですかと、そんな話もありました。また、森山さんなんかは、もっとシンプルにという意見もあって、それぞれの立場から述べられたと思いますが、今、私どもの作業は、例えばこれまでのいろいろな経過の中でスペックとして削るものはどういうものがあるか、これを削っていったらどのぐらいになりますかと、あるいは逆に、ゼロからスタートしていってずっと積み重ねたら幾らになりますかと、そういうことを勘案して今作業をしておりますので、まだ私の頭の中では全く白紙の状態であります。
(記者)
来週、IOCのコーツさんがいらっしゃって、遠藤さん、お会いになると思うんですけれども、改めてその狙いと、どのような課題について話すのか、可能な範囲でお願いいたします。
(大臣)
これは私のほうからおいでいただきたいということでなくて、IOCの調整委員長として日本の施設等をこれまでも現地視察をしたり、そして決定してきた責任者が、コーツさんだと認識しております。今回、新国立競技場については白紙撤回することについては、IOCの皆さんももちろん日本政府が決めることだと、そしてまた、そういうことで結構だというふうなことを承っておりますが、ただ、IOCとしてこういうものは必要だと、あるいはこういう考え方をぜひ理解してもらいたいと、そういうことをぜひオリンピック・パラリンピック大臣といいますか、関係閣僚会議の議長にいろいろお話し申し上げたいということを聞いておりますので、そうしたいろいろな建設に当たってのIOCとしての考え方あるいは要請について、お話があるんだろうと思っております。
(記者)
オリンピックのエンブレムのことについて改めてお聞きしたいんですが、先日、デザインした佐野研二郎さんの事務所が手がけたサントリービールのキャンペーン商品のほうで、ほかの作品を模倣したということを認めて謝罪したというケースがあったんですが、結果的にこういった案件によって、エンブレムに対するイメージ自体が低下するような懸念もあるのではないかと思いますが、改めて国民に親しまれるエンブレムでなければいけないと思うんですけれども、大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(大臣)
もちろんエンブレムも新国立競技場同様、国民の皆さんに親しまれ愛されるものでなければならないと思っております。ただ、これまで申し上げましたようにエンブレムの選定につきましては、組織委員会そしてIOCが決定されたものでありますし、IOCあるいは組織委員会とも、今これは何の問題もないとおっしゃっておりますので、それを見守りたいと思っております。
(記者)
新国立(競技場)のコストの関係ですけれども、先ほど大臣は白紙という表現をなさいましたけれども、具体的な数字はともかくとして、示し方としてどういうふうな示し方を考えていらっしゃるかというのをお聞きしたいんですけれども、つまり目標値を示されるのか、あるいは幅をとっていくらからいくらというようなふうなイメージでいかれるのか、あるいは上限を示すのか、あるいはそもそも数字は必ずしも限定しないということなのか、このへんの見通しはどういうふうに思っていらっしゃいますか。
(大臣)
示すのは上限かなと思っております。これもまだ決めたわけじゃなくて今調整中ですが、少なくともこういうことでお願いしますと、それを今度は受けた企業の設計とその施工会社がジョイントいたしますが、それに基づいていろいろな作業で、自分たちはこれでこういう形でこういう額でやりますよというようなことで、11月までに応募されると思っておりますので、私たちとしては、当面の上限としてこのぐらいでお願いしますよというようなことの設定じゃないかなと思っております。
(記者)
先日、産経新聞のほうのインタビューに対して下村大臣のほうが、新国立競技場の後の利用について、ナショナルスタジアムにこだわらずに、プロ野球だとかプロサッカーのホームグラウンドとしての活用をしたらどうかというような構想を、個人的な見解を述べられているんですけれども、この点に関して遠藤大臣の見解はいかがでしょうか。
(大臣)
個人的な見解とおっしゃられるんでしたら個人的な見解でしょうから、私から特段それについて申し上げることはありません。ただ、この前も再検討に当たっての基本的な考え方を閣僚会議で決定していただきましたが、その中にも「大会後は」として、民間事業への移行を図ると、また今後、ビジネスプランの今後に向けた検討を早急に開始するということですから、そういう形で私たちは取り組んでいこうと思っております。
(記者)
きょうは駒沢を視察されるということですけれども、それを新国立(競技場)の参考にという話ですが、大臣は今度、駒沢を陸上に特化した、あっちにサブグラウンドというか、そっちを陸上に特化したという考えもおありなのか、そういう意味での視察というのもあるのか、その辺のことを教えていただきたいんですが。
(大臣)
今、例えば新国立競技場を、仮設でいいか悪いかといろいろな議論があります。どちらにしてもトータルとしてその利用形態も含め、また、先ほど言いましたように、国立競技場をつくるに当たってのモデルとしていいものがあれば取り入れたいということが主で、視察に参りたいと思っています。