平成27年11月10日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言

おはようございます。
まずは、私のほうから。1つは東京大会の機運を醸成させるために、有識者との意見交換を行いますので、その件について、まず、御報告をいたします。 東京大会の機運醸成へ向けて、今月中旬より、私は幅広い分野の有識者と意見交換を実施することにいたしました。東京大会はスポーツの大会ではありますが、同時に文化を通して、日本の魅力を発信する大きな機会と考えております。ここでいう「文化」とは、いわゆる伝統的な芸術文化のみならず、和食やあるいは放送コンテンツ、また、大会の機運醸成に資する、幅広い分野を含むものと捉えております。具体的には、伝統芸能、伝統工芸、匠(たくみ)の技、和食、酒、デザイン、コンテンツ、メディア芸術、ファッション、障害者アートなど等々、様々な分野があります。地域性が豊かで、多様性に富んだ「文化」こそが日本の強みであり、魅力であると思っております。 こうした幅広い文化を通して、国民一人一人が大会に関わりを持ち、参加し、楽しんでもらう。このことを通じて、日本全国を盛り上げ、東京オリンピックだけではなくて、日本オリンピック・パラリンピックと言えるものにしていきたい。そのための仕掛け等について、忌憚のないご意見を皆様から頂きたいと考えております。 第一弾として、明後日12日に、大会招致の際に御活躍いただきました、滝川クリステルさんをお招きし、大会に向けた機運醸成を進めるために、一人一人がどのように取り組むべきかを伺いたいと考えております。 ほかにも、文化財保護に携わっておられる方をお招きし、訪日外国人に対する我が国の文化財の見せ方について、例えば、料亭の御主人をお招きするとか、そうしたことを通じて、東京大会を契機とした和食文化の輸出振興についてなど、意見交換をさせていただければと思っております。 この機会に、関係省庁、東京都、組織委員会、関係機関から構成される、関係省庁等連絡会議を立ち上げて、寄せられたご意見や経験やアイデアを具体的に進めていく体制をしっかり整えてまいります。 有識者との意見交換は、11月中旬から開始をし、頂いた御意見については、来年の2月を目途に、中間整理を行いたいと考えております。
2つ目ですが、新たにリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック出場が決定をいたしました。前回の閣議後記者会見以降、香港で開催された7人制ラグビーアジア予選において、男子セブンズ日本代表が優勝し、リオ大会の出場が決定をいたしました。 また、リオパラリンピックの代表選考会となる、大分国際車いすマラソンにおいて、日本人トップの2位となった山本浩之選手が代表に内定をいたしました。大変うれしいことでありますし、リオデジャネイロで、全力で頑張っていただきたいと思います。出場チーム、選手の皆さんの頑張りが、2020年東京大会を盛り上げるのに大きくつながってまいりますので、大きく期待を申し上げたいと思っています。 以上であります。

2.質疑応答

(記者)
大臣、先ほど言及なさった有識者の方との意見交換ですけれども、大体、最終的にはいつごろまでに、何人くらいの方とお会いになるというふうに、今のところ御計画はされているのでしょうか。
(大臣)
どういうメンバーがいいか、これからいろいろ考えてまいりますので、何名というのは具体的に考えておりません。いろんな方々においでいただいて、どうやったら、この2020年の大会を盛り上げることができるのか、そして、どうやったら皆さん方が参加意識を持って協力していただけるのか、そういう観点から、またせっかくの日本の大会ですから、日本の文化のおもてなしの心、そうした多様な面からどう協力していただけるか、取り組んでいただけるか等を含めて御意見いただいて、そして2月ぐらいまでに中間整理を1回したい。その上でまた、その議論の中から更に必要なものについて会議をつくるとか、あるいは、更に拡大をしていくとか、検討していきたいと思っております。
(記者)
大臣、すみません。昨日、WADA、ドーピングの関連ですけれども、WADAのほうから、ロシア陸連の資格停止処分について勧告がありましたけれども、この問題に関して、大臣の受止めをお願いいたします。
(大臣)
そのような報道がなされたことについては、承知しておりますし、もし、事実とすれば、大変遺憾でありますし、正にスポーツを冒涜するものだと思っております。私はかつて、文部科学副大臣のときに、WADAの常任理事を務めておりましたので、再三こうした皆さん方と取組を共有してまいりましたが、現在のスポーツにおいて、いろんな課題がありますが、その中でもとりわけアンチドーピングについては、最大の、いわゆる選手を守ると、正しいスポーツをやっていくと、大事なスポーツ政策の柱でありますから、その意味でも、こうした点のないように、WADAあるいはいろんな関係機関ともしっかり話合いの上、東京大会を含めて、クリーンなスポーツ組織のための大会にしていくように、しっかりと取り組んでまいります。
(記者)
もう1つお願いいたします。昨日の真夜中で、先ごろ大臣が発表なさった基本方針に関わるネットの意識調査が終了したと思いますけれども、これの結果、どういった部分を特に、結果とどういうところを取り入れていくかについて、大臣のお考えをお願いいたします。
(大臣)
昨日終了して、およそ7千数百名の、7,300余名の皆さん方から御意見をお伺いいたしました。その中を見てみますと、やはり安心・安全な大会を実現するためのテロ対策、あるいはサイバー・セキュリティ対策、防災対策、これが30%強を占めると。やはり、サイバーを含めたセキュリティが一番大きな課題だというふうな皆さんの認識でありますし、そうしたことに取り組めと。そして、もう一つは、明確なガバナンスコストの適正化。15%弱の数字でありますが、やはり、新国立競技場を初めとして、一つ一つの事業が進むときに、やっぱりガバナンス、正に透明性を高めた上で進めていかないと、やはり国民の皆さん方が納得し、理解をしていただけない。そういうことが最大のやっぱり課題だろうということを思っておりますので、これからの基本方針の策定にもそうでありますし、これからの一つ一つの進め方について、そうしたことを踏まえて、取り組んでまいります。
(記者)
冒頭発表があった意見交換の関係で、関連なんですが、滝川クリステルさん以外に、ほかに想定している肩書というか職業の方、どういう分野の方をお招きしたいかというのは、今の時点でアイデアがあればお願いしたいのですが。
(大臣)
例えば、地方で外国文化と触れ合い、あるいは交流をしている人。そしてまた、旅館の経営者だとか、先ほど言ったかどうか分かりませんが、地域の料亭の御主人で、おもてなしをしている人。こういう人もありますし、あるいは全く次元の違う、違う感覚から物を考えている人とか。どうしても、我々こう同じパターンで物を考えてしまいますので、どうしたら、皆さん方が参加できるか、こちらから考えるんじゃなく、向こうからこうしたら協力できるよと、あるいはこうしたらみんなが取り組めるよと。そうした逆の発想ができる人がいないかなと、今、一生懸命探していますが、そういう方も数名、頭の中にありますので、そういう人も含めて、これから話を聞いていきたいと思っております。
(記者)
関係省庁等の連絡会議というお話ありましたが、これは、すみません、従来の会議とはまた別に、この関係で立ち上げるということですか。
(大臣)
これはこのオリパラ本部の中で、整理をしてつくっていきたいと思っております。
(記者)
参加意識を高める取組に関連しての会議ということでしょうか。
(大臣)
そうですね。私の仕事の一番大きな役割の1つは、やはりよく宣伝マンと言ってますが、国民の皆さん方にオリンピック・パラリンピックを理解をし、協力をしていただき、そして正に国民の皆さん方が一丸となって、このオリンピック・パラリンピックを成功させる。そして、その後、その大会の成功を通じて、レガシーをしっかりつくっていくことでありますから、正にこの中でそうした盛り上げをつくっていくことが大きな課題の1つでありますから、そのことに組織として取り組んでいきたいと思っております。
(記者)
先ほどの基本方針の関係なんですけれども、以前、今月中というふうなお話も出ていたんですけれども、そのあたり、スケジュール感は現在どういうふうになっているんでしょうか。
(大臣)
今、基本方針に向けては、御存じのように、各地に赴いたり、またいろんな皆さんの御意見を聞いたりしながら、関係省庁、それから、組織委員会、あるいは東京都等、今調整を進めております。当然、基本方針ですから、与党等とも協議をしなければならないと思っておりますので、今、精力的にそうした作業を進めております。
(記者)
月内というところは目指している。
(大臣)
はい。11月末と申し上げましたので、なかなかいろんな課題があって、そう簡単ではないと思っておりますが、月内を目指して頑張っていきたいと思っております。
(記者)
すみません、もう一点だけ。先ほどの意識調査の関係なんですが、大臣の言及あったコストの適正化とか、ガバナンスのほうが、選手の強化という項目よりも回答数としては多かったようなんですけれども、新国立の問題等があって、そのあたりが反映されたのかなという気もするんですが、そこら辺は御自身としてどう受け止めていらっしゃいますか。
(大臣)
そうですね。メダリスト、パラリンピックを含めた日本人アストリートがメダルを獲得するのに強化支援の充実とこうありますけれども、やはり皆さんの頭の中でいえば、メダルを獲ることは逆に言うと当たり前というか。それはもう施策として、どうのこうの以前に大事なことですよと。ただ、やっぱりこれまでの国立競技場の問題があったので、ガバナンスコストについてはしっかりやってよということと同時に、やっぱり心配なのはセキュリティ、そういう部分で、そうした皆さんの意識が高かったということではないかと思っています。ですから、決して、強化、あるいはメダル等について、消極的な意見ではなくて、逆に言えば、この前の南アフリカと日本のラグビーの試合以来、ラグビーファンが一気に増えたと聞いておりますが、むしろ皆さんの感覚は、ここは政策でなるならないというよりも、これはもう当たり前というふうな認識じゃないかなと思っております。
どうもありがとうございました。