平成28年4月8日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言

おはようございます。
まず、オリパラ東京大会の盛り上げにつきまして、来週月曜日にプロゴルファーでリオデジャネイロオリンピックのゴルフ日本代表のヘッドコーチであります丸山茂樹さんと意見交換を行うことにしております。
一連の機運醸成のための有識者の皆さまとの意見交換ですが、いろいろ皆さま方から御意見をお伺いしながら、2020年に向けてしっかりと機運醸成をしたいという観点から御意見を頂きたいと思います。
もう一つ、新たにリオデジャネイロオリンピック大会の出場について決定いたしました。オリンピックの水泳においては、多くの皆さま方が決定をしていますし、フェンシングの太田選手、そして同時に自転車トラックの渡辺選手ほかも内定しております。
続々内定しておりますが、これからも切磋琢磨して素晴らしい成績をあげていただきたいと思っております。
私からは以上です。

2.冒頭発言

(記 者)
代表して質問させていただきます。まず、バドミントンの選手の違法カジノの問題についての大臣の受止めをお願いします。
(大 臣)
報道については承知しております。事実関係について今確認中とのことでありますが、いずれスポーツ庁長官にしっかり報告があるものと思っております。
桃田選手は大変素晴らしい成績をあげてこられて、リオデジャネイロ大会でもメダルを期待されているということでありました。女子選手についても大変素晴らしい成績をあげて、バドミントンの復活と同時に多くの期待が寄せられていた中で、このような不正行為が行われたことが事実だとすれば、遺憾というよりも大変怒りを感じます。
スポーツというのは、多くの国民の皆さま、とりわけ子供たちに夢と希望を与えてくれます。選手個人の精励・努力があって、成果があって、それに多くの皆さんが感動し、共鳴するわけですから、そのような期待を裏切ったことは正に言語道断だと思っております。
バドミントン協会でしっかり状況を調査し、その上で、このようなことはバドミントン協会に限りませんから、スポーツ団体としてしっかりこの対策をしていただきたいと思っております。
(記 者)
今日、エンブレムの最終候補が発表されますが、それに対しての期待、あるいは心配することなどがもしあればお願いします。
(大 臣)
一昨日、宮田委員長が文化庁長官就任ということでおいでになりました。「大変素晴らしい内容ですよ」という話をお伺いしましたが、まだ内容は聞いておりませんので、どんな案なのか期待しております。
前回の轍を踏まないように、宮田委員長の下で丁寧に、そして透明性を高めてしっかりやっていただきましたし、これだけの作業をして選ばれた作品ですから、大変素晴らしいものが出てくると期待しております。
今日の夕方に公開された後に皆さま方からも意見を聞いて、最終的に4月末に決定されるということでありますが、一度あのような失敗がありましたので、なおさら最後まで透明性を高めて、そして皆さまの意見を丁寧に聞いた上で、素晴らしいものとなっていただきたい。そして、それが結果的に2020年の大会のシンボルとして多くの国民の皆さまに愛される、そんなデザインであってほしいと思っております。
宮田委員長ほか皆さまが大変努力していらっしゃいますので、改めて敬意を表したいと思っております。
(記 者)
非公開で行われた都と国と組織委員会との三者協議の会議がありましたけれども、その内容について把握されていることをお願いします。
(大 臣)
6日に事務的協議が行われたわけでありますけれども、3月31日に舛添知事、森会長と私で三者会談を行って、しっかりとこれから情報共有をするとともに、新たな展開がいろいろ出てくるかと思います。その上で事務局の皆さんにも改めてそうした連携をしっかり密にしてもらうという狙いから、事務局の三者会談が行われました。
国からは古谷内閣官房副長官補、都からは安藤副知事、そして組織委員会からは武藤事務総長が出席して、これからいろいろな事務的な協議を進めていくわけですけれども、そのスタートを切ったものだと思っております。いろいろな組織から多くの皆さま方が参加して、そして一つの目標に向かって進めているわけでありますが、どうしてもそのような多くの組織の集合体ですから、ややもすると情報が欠如したり、あるいは連絡が密でなかったりということで過般の聖火台のようなことがありましたので、そのような意味でもこのような事務的な作業をしっかり進めて、いろいろな連携の漏れがないように進めていただきたいと思っております。
(記 者)
先ほどのバドミントンの関連で、「ほかのスポーツ団体にもしっかり対策をしてもらいたい」とおっしゃっていましたが、大臣の直接の御所管ではないと思いますけれども、今後ほかの競技にも調査の対象を広げるか、また調査体制をどう強化していく必要があるのか、大臣のお考えをお聞かせください。
(大 臣)
それぞれの競技団体がしっかりそこを把握してくれるものだと思っております。過般野球でもありましたが、自己申告を含めた形でしっかりと選手からもそうした形をとろうということです。
日本相撲協会は4月25日に研修会を開いて、各種不法事案排除の総合的対策ということで、関係者が集まってそのような研修を行うということですが、まず事実は事実としてしっかり各競技団体で把握をしていただきながら、このような研修等を通じてしっかりとした取組をしていただきたいと思います。
(記 者)
エンブレムについてお伺いします。エンブレムがない期間がこれまで8、9か月ほどありましたけれども、エンブレムの効果というものを大臣はどのようにお考えですか。例えば機運醸成、マーケティングへの影響などいろいろあると思いますけれども、そのあたりいかがでしょうか。
(大 臣)
大変大きいと思っています。私はずっとこの招致エンブレムのバッジをつけておりますが、どこへ行ってもやはりこのマークを見て「オリンピックですね」と言われます。そのような意味での皆さまの統一性、何か一つの象徴としてマークがあるという意味では大変大きいですから、是非素晴らしい案を選んでいただいて、それをまた皆さまが共有して、そして2020年に向かって頑張っていただきたいと思います。
(記 者)
バドミントンの問題についてですが、各競技団体とも行動規範や倫理ガイドラインというものを設けて、防止に努めようとしているんですけれども、その一方でこうやって問題が起きてしまうということで、選手個人の問題なのか、それとも組織として、競技団体としてある程度防げるものなのか、大臣としてのお考えをお聞かせください。
(大 臣)
まずは選手個人の問題だと思っております。しかし、若い選手が多いわけですが、そのような若い選手が子供のうちからスポーツに打ち込んでこられて、そのような中でやはりそうした選手がややもするとスポーツだけに専念して、コーチ、監督、あるいは競技団体がそのような社会的教育をしっかりしてこなかったという部分もあるかなと思います。
そのような意味では、選手である前に社会人でありますから、そのような社会人としての教育を、関係する監督、コーチ、あるいは競技団体、場合によっては学校、そして選手を採用している企業、そうした皆さま方が一致して、このような反社会的な行為は選手個人の問題だけではなくて、多くの国民の皆さんに不信を与えるのだということ、また、スポーツを愛する国民の皆さまだけではなくて、将来に夢を持っている子供たちに悪影響を与えるのだということをしっかり教え込んでいただきたいと思っております。
(記 者)
先ほどの大臣の御発言で「事実は事実としてしっかり各競技団体で把握し…」とありましたが、ということはそれぞれの競技団体でこのようなことがないかと調査を求められるというお考えなのかというのが1点と、もう一つ、野球、今回バドミントンでこういった事態が続いたことが、2020年東京オリンピック・パラリンピックにどういった影響を及ぼすとお考えでしょうか。
(大 臣)
競技団体に対しては、スポーツ庁ないしは文部科学省としてJOCを通じて対応されるものと思っております。
ただ、このような行為が2020年の大会に当然いい影響を与えるということはあり得ないわけで、やはり国民の皆さんの不信を買うということは当然そのような大会の盛り上がりを阻害するわけであります。ましてや今年はリオデジャネイロの大会で国民の皆さま方が盛り上がってきているときに、水を差した形になります。そのような意味でもこうした不正行為をなくして、そして今度のリオデジャネイロ大会、またオリンピックは2018年に冬季大会がありますし、2019年にラグビーワールドカップもあります。そのほかハンドボール等の世界大会もあります。そして2020年の大会があるわけですから、そのようないろいろなこれからのスポーツ界としての活動に障害がないように、しっかりスポーツ庁が中心となって対策をしていただきたいと思っております。
(記 者)
バドミントンの問題に関連してですが、プロ野球と違って、今回はバドミントン協会に対して国費が投入されて選手強化が行われているということで、桃田選手、田児選手に対してはJSCから個人助成という形でお金が出ています。いわゆる国費を使っていた強化の先でこのような不正が起きるということに対して、その点で大臣御所感をお願いいたします。
(大 臣)
それは当然言語道断の話でありますが、事実をしっかり協会が調査して、JOCとともに調査した上で、そこはスポーツ庁としてこれからの対応をしっかりやっていただきたいと思っております。